生物多様性を知ろう!

更新日:令和5(2023)年5月22日(月曜日)

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 みなさんは「生物多様性」という言葉を知っていますか?
 今、生物多様性は危機的な状況にあります。
 生物多様性を守るために私たちにできることは何か、一緒に考えてみましょう。

  1. 生物多様性ってなあに?
  2. 生物多様性 ~3つのレベル~
  3. 生態系サービス ~4つの恵み~
  4. 船橋市の自然環境 ~台地から海へ~
  5. 生物多様性の危機 ~4つの要因~
  6. 生物多様性を守るために ~5つの行動~
  7. 船橋市の取り組み

1. 生物多様性ってなあに?

 「生物多様性」とは、様々な生きものとそのつながりのことをいいます。

自然の恵みと私たちのくらし

自然の恵みのイラスト

 きれいな水や空気、食べ物、家を建てるための木材、衣類(綿や絹、羽毛、羊毛など)、薬の原料だけではなく、洪水や土砂崩れなどの災害を防ぐことで私たちの生活の安全が守られていたり、豊かな自然の中で楽しめるレクリエーションの場として活用したりして、私たちは自然の恵みをたくさん受けてくらしています。
 もし、自然の恵みがなくなってしまったら、私たちのくらしはどうなってしまうのでしょうか。

生きもののつながり

 自然は、様々な生きもののつながりで成り立っています。
 一つの生きものが絶滅してしまうと、生きもののつながりのバランスが崩れ、自然の恵みも少なくなります。

生きもののつながりのイラスト

国際生物多様性の日(5月22日)

 1992年5月22日にケニアのナイロビで「国連生物多様性条約」が採択されました。
 そこで、国連が世界の人々に生物多様性の危機とその保全の大切さを考えてもらう記念日として、5月22日を「国際生物多様の日」と定めました。

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2. 生物多様性~3つのレベル~

 生物多様性には、次の3つのレベルがあります。

生態系の多様性

 山・川・海など、たくさんの種類の自然環境がある状態のことを言います。
 様々な生態系が存在することで、わたしたち人間の生活に必要な様々な恵みを受けることができます。また、豊かな知識や文化が生まれ、私たちの生活を豊かにしてくれます。

生態系の多様性の写真

種の多様性

 動物・植物・昆虫など、たくさんの種類の生きものがいる状態のことを言います。
 多くの種類の生きもので生態系が作られると、生態系が安定し、環境の変化に適応しやすくなります。また、様々な種類の生きものがいることで、新しい薬や食べ物が発見される可能性が高まります。

種の多様性の写真

遺伝子の多様性

 同じ種類の生きものでも、色・形・模様、たくさんの個性があります。
 環境変化や病気に対する抵抗力に幅ができて、絶滅を回避できる確率が高くなります。

遺伝子の多様性の写真

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3. 生態系サービス~4つの恵み~

 生物多様性から受ける恵みを「生態系サービス」といいます。

生態系サービスのイラスト

供給サービス

 食べ物や薪などの燃料、衣服、衣料品など、私たちの衣食住を支える恵みのことです。

文化的サービス

 郷土料理や景観、お祭りなどの豊かな文化を育む恵みのことです。バードウォッチングやハイキングなどの自然の中で行うレクリエーションが楽しめるのも自然の恵みです。

調整サービス

 森林は大雨の際の土砂災害を防ぐ、都市部に緑があることでヒートアイランド現象が緩和されるなど、私たちの生活の安全を支え、快適な環境を維持する恵みのことです。

基盤サービス

 植物の光合成による酸素の供給や、水や栄養分の循環など、生きものが生きていくために必要な基本的な環境を整え、生きものの生存を下支えする恵みのことです。
 この基盤サービスは、ほかの3つのサービスを支えているともいえます。

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4. 船橋市の自然環境 ~台地から海へ~

 生物多様性について考える中で、地域の特性を知ることも重要です。
 船橋市の大きな特徴は、船橋市の自然と生きものは、台地から低地、海へと続く「水循環」に支えられていることといえます。

水循環のイメージ図
水循環のイメージ図

船橋市の地形のなりたち

 船橋市には大きく分けて、南西側の東京湾に流入する海老川や真間川の流域と北東側の印旛沼に流入する流域があります。
 これらの2分される流域の大まかな境界(分水嶺)には新京成電鉄の線路が作られています。
 また、南西側のうち、海老川流域の水循環はほぼ船橋市域内となっており、一つの市や町で循環する珍しいケースとなっています。 

船橋市の地形と主な河川

船橋市の地形と主な河川

船橋市でみられる生きもの

 平成25年から26年(2013年~2014年)にかけて、市内の16の地域で自然環境調査を行ったところ、約2,000種の生きものが見つかりました。
 また、平成11年から13年(1999年から2001年)に行った前回調査結果と比較したところ、確認されなくなった地域がある動植物がありました。
 その原因として、生育地・生息地の減少、耕作していない水田の増加等による環境の変化、草刈りなどによる除草や除草剤の使用による影響などが考えられます。
 詳しくは、船橋市自然環境調査の実施結果についてをご覧ください。

船橋市の生物多様性の現状と課題

 船橋市では、都市化により様々な自然環境が少なくなり、生きものが生きられる場所が少なくなっています。
 船橋市の生物多様性を守るために、私たちにできることはなんでしょうか。

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5. 生物多様性の危機~4つの要因~

 今、1年間に約4万種もの生きものが絶滅しつつあり、6度目の大絶滅時代といわれています。
 主に私たち人間の活動が原因とされています。

6度目の大絶滅時代のイラスト

開発や乱獲による危機

 宅地の整備や干潟の埋立などによる開発がすすめられたことで、生きものが生きられる場所が減っています。
 また、乱獲をすることで、生きものの種類や個体数が減ってしまいます。

里地里山などの手入れ不足による質の低下による危機

 人が利用し管理していた樹林や水田などが、利用・管理されず放棄されることで、生態系のバランスが崩れ、生きものが生きられる場所や種類・個体数が減ってしまいます。

外来生物や化学物質の影響による危機

 人の手で持ち込まれた繁殖能力の高い外来種が、在来の生きものを食べたりすることで、在来の生きものが生きられる場所や種類・個体数が減ってしまいます。
 また、水や大気などを通じて毒性のある化学物質に生きものが長期間さらされると、繁殖能力が低下するなどの影響がでる可能性があります。

地球温暖化など地球環境の変化による危機

 気温の上昇や降水量の変化などにより、生きものが生きられる場所が減ったり、農業においては害虫の発生が増加したりするなどの影響がでる可能性があります。
 海水面が上昇すると、沿岸域の生態系への影響も考えられます。

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6. 生物多様性を守るために~5つの行動~

 絶滅した生きものはもう戻っては来ません。
 しかし、わたしたち人間の行動が変われば、絶滅しかかっている生きものを、生物多様性を守ることができます。
 全部できなくても、1つでもできることを続けていくことが、大切です。

たべよう

 地元でとれたものを食べ、旬のものを味わいましょう。地元でとれた食材を地元で消費することを「地産地消」といいます。
 ふなばしでとれた野菜や果物、魚介類を買って食べることで、輸送のエネルギーを少なくすることができます。
 生産地から食卓までの距離が短い食材のほうが輸送に伴う環境への負荷が少ないという考え方を表す言葉が「フードマイレージ」です。

えらぼう

 エコラベルなどが付いた環境にやさしい商品を選んで買いましょう。
 環境にやさしい商品を買うことで、生物多様性に配慮した生産者や事業者を応援することにもつながります。

MSC「海のエコラベル」

MSC「海のエコラベル」のマーク
 水産資源と環境に配慮し、適切に管理された漁業で獲られた水産物であることを示しています。

FSC®認証マーク

FSCのマーク
 適切な森林管理に貢献し、環境と社会に配慮した商品であることを示しています。

そのほか

ほかにも、どのようなエコラベルがあるか、調べてみましょう。

ふれよう

 自然の中や、動物園、水族館、植物園へ出かけ、自然や生きものにふれましょう。
 生きものの名前を知るだけでも、その生きものに対する親しみが生まれませんか?

つたえよう

 自然のすばらしさや季節の移り変わりを感じて、家族や友達に伝えましょう。
 写真や絵、文章など伝え方は様々です。SNSで発信するのもいいですね。

まもろう

 自然や生きものの観察会、保護活動などに参加しましょう。
 市環境政策課、各公民館、ふなばし三番瀬環境学習館ふなばしアンデルセン公園や市民団体などで自然観察会等を開催しています。
 広報ふなばしなどで情報を集め、参加してみましょう。

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7. 船橋市の取り組み

 船橋市では、「台地から海へ 水・緑・生命(いのち)と共に暮らす都市(まち)」をスローガンに、人と生きものが共生している船橋市を目指し、様々な取り組みを進めています。

生物多様性ふなばし戦略

 私たちの生活に恵みをもたらす生物多様性を未来の世代に引き継いでいくために、生物多様性を保全しつつ、持続可能な形で利用していくための考え方を示した「生物多様性ふなばし戦略」を令和4年3月に改定しました。

ふなばしエコカレッジ

 自然環境を中心とした環境に関する講座や自然に触れるフィールドワーク等を通じて、生物多様性に関する取り組みのリーダーや市民団体の後継者等を育成し、地域での継続的な環境保全活動を促進することを目的に開催しています。

多自然川づくり

 浸水被害を軽減するための河川の改修において、自然環境の保全および再生を目的とした多自然川づくりに取り組んでいます。

生きものモニタリング調査

 身近な生きものを探すことを通じて、みなさんに市内の自然や生きものに触れ、関心を持っていただくことを目的として実施しています。

夏休みセミのぬけがら調査

 夏の代表的な昆虫であるセミのぬけがらを集めて、種類を調べることで市内の自然環境の変化について学べます。毎年7月1日号の広報ふなばし、または市ホームページにて、参加者を募集しています。

自然散策マップ

 市内には多くの自然が残されており、四季折々の自然や景色を楽しむことができます。10コースのマップを片手に、散策をお楽しみください。

親子自然散策会

 自然散策マップのコースを歩いて、市内の残された貴重な自然環境に触れ、身近な自然への関心、理解を深めることを目的に、春と秋に実施しています。

外来種の情報提供

 外来種による生態系などへの被害を防止するため、市民・事業者向けに情報発信をしています。

ふなばし三番瀬環境学習館

 ふなばし三番瀬環境学習館では、三番瀬の魅力を体感しながら、三番瀬や環境について家族や友達と楽しく学ぶことができます。

環境新聞「エコふなばし」

 身近な環境問題啓発を目的に、毎年発行しています。

ふなばし環境フェア

 ふなばし環境フェアは、環境への関心を深めることを目的に、毎年6月に開催しています。毎年多くの環境団体・事業者・個人及び市が参加しています。

ふなばし三番瀬クリーンアップ

 ふなばし三番瀬クリーンアップは、三番瀬に対する関心と理解を深め、もって三番瀬の保全を図る事を目的として、毎年10月ごろに開催しています。

地球温暖化対策

 船橋市では、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスの排出量が少ない低炭素都市の構築を目指し、市民・事業者・行政が一体となって、地球温暖化対策に取り組んでいます。

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このページについてのご意見・お問い合わせ

環境政策課 自然環境係

千葉県船橋市湊町2-10-25

受付時間:月曜日から金曜日の午前9時から午後5時まで 休業日:土曜日・日曜日・祝休日・12月29日から1月3日