ふなばし感染症情報(現在の発生状況、感染対策のポイント)
お知らせ
急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスの開始について
春の感染対策について
ゴールデンウイークに海外へ渡航された皆様へ
今週の注目疾患
百日咳 ~急増しています~
梅毒 ~発生の多い状況が続いています~
麻疹(はしか) ~国内外での報告が増加しています~
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
新型コロナウイルス感染症の流行状況
新型コロナウイルス感染症に関するよくある質問
目次
1 船橋市の感染状況
(1)船橋市感染症発生動向調査結果(市内の全数報告・定点報告)
(2)春の感染対策について
(3)今週の注目疾患
(4)定点把握対象の五類感染症
6 5類移行前の新型コロナウイルス感染症の感染者の発生状況等についてはこちらをご覧ください
1 船橋市の感染状況
急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスの開始について
厚生科学審議会感染症部会での審議を経て感染症法施行規則の改正により、令和7年4月7日から急性呼吸器感染症(ARI)が感染症法上の5類感染症に位置付けられ、定点サーベイランスの対象となりました。
このサーベイランスは、(1)流行しやすい急性呼吸器感染症(ARI)の発生動向の把握、(2)未知の呼吸器感染症が発生し増加し始めた場合に迅速に探知する体制の整備、⑶国内の急性呼吸器感染症の発生状況について、国民や医療関係者の皆様へ情報が共有できる体制を整備することを目的とするものです。
急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)とは、急性の上気道炎(鼻炎、副鼻腔炎、中耳炎、咽頭炎、喉頭炎)又は下気道炎(気管支炎、細気管支炎、肺炎)を指す病原体による症候群の総称です。インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎、ヘルパンギーナなどが含まれます。
令和7年4月7日から急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスが始まります。
(1)船橋市感染症発生動向調査結果(市内の全数報告・定点報告)
「全数把握対象疾患」と 「定点把握対象疾患」 (インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、小児科、眼科、急性呼吸器感染症(ARI))については、週に1回公開しています。
<定点週1回報告グラフイメージ(左が5週分、右が5年分)>
【全数・定点週1回報告】ふなばし感染症情報(表)(表PDF形式 85キロバイト)
※全数報告について、2025年第14週までは保健所受理日で報告をしておりましたが、2025年第15週より、国や県と同様に、当該週に診断された報告症例の集計に統一します。報告の追加、取り下げ等により、今後変動することがあります。
【定点・週1回報告】ふなばし感染症情報(グラフ)(PDF形式 276キロバイト)
【直近5年分・定点・週1回報告】ふなばし感染症情報(グラフ)(PDF形式 934キロバイト)
「定点把握対象疾患」(性感染症)については、月に1回公開しています。
【月1回報告】ふなばし感染症情報(表・グラフ)(PDF形式 382キロバイト)
(2)春の感染対策について
春は入園や進級、就職や異動など環境の変化により体調を崩しやすくなります。また、歓送迎会など大人数で集まる機会も増えますので、感染予防を心がけ体調を整えるように心がけましょう。
感染症対策の基本は手洗いです。外出先からの帰宅時、調理前、排泄後などは、流水と石けんで手を洗いましょう。また、咳やくしゃみのしぶき(飛沫)により拡がる感染症を防止するため、咳エチケット((1)他の人に向けて咳やくしゃみをしない、(2)咳やくしゃみが出るときはマスクをする、(3)手のひらで咳やくしゃみを受け止めたら手を洗うことなど)を心がけましょう。室内では、適切な湿度の保持や、こまめな換気も大切です。行事が多くなるこれからの時期を元気に過ごすためにも、体調管理に気を付けてお過ごしください。
ゴールデンウイークに海外へ渡航された皆様へ
厚生労働省ホームページ 海外へ渡航される皆様へ
厚生労働省検疫所ホームページFORTH
(3)今週の注目疾患
百日咳 ~急増しています~
船橋市では2025年第19週(2025年5月5日~5月11日)に百日咳の届出が17件あり、本年の累計は130件(速報値)となりました。全数把握対象疾患となった2018 年以降の最多届出数となっており、引き続き動向に注意が必要です。2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025(5月14日現在速報値) | |
発生数 | 37 | 45 | 9 | 0 | 1 | 1 | 8 | 130 |
百日咳は、特有のけいれん性の咳発作を特徴とする急性気道感染症で、患者の咳やくしゃみなどのしぶきに含まれる細菌によって感染します(飛まつ感染)。7~10日程度の潜伏期間を経て、風邪症状がみられ、徐々に咳が強くなっていきます(カタル期:約2週間)。その後、短い咳が連続的に起こり、咳の最後に大きく息を吸い込み、痰を出しておさまるという症状を繰り返します(痙咳期:約2~3週間)。激しい咳は徐々におさまりますが、時折、発作性の咳がみられます(回復期:2~3週間)。乳児の場合、無呼吸発作など重篤になることがあり、生後6ヵ月未満では死に至る危険の高い疾患です。成人では、咳は長期間続きますが、比較的軽い症状で経過することが多くあります。軽症でも菌の排出はあり、受診・診断が遅れると感染源となることがありますので、乳児等の周りでは特に注意が必要です。
対策として、予防接種が有効であり、予防接種法による定期予防接種が行われています。
百日咳(厚生労働省ホームページへのリンク)
梅毒 ~発生の多い状況が続いています~


主な症状として、「性器や口の中に小豆から指先くらいのしこりや痛みの少ないただれができる」、「痛み、かゆみのない発疹が手のひら、足の裏、体中に広がる」といった症状が見られます。症状が消えても感染力が残っているのが特徴で、治療をしないまま放置していると、数年から数十年の間に心臓や血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、時には死にいたることもあります。
予防方法としては、粘膜や皮膚が梅毒の病変と直接接触しないように、また病変の存在に気づかない場合もあることから、性交渉の際はコンドームを適切に使用することが大切です。ただし、コンドームが覆わない部分から感染する可能性もあるため、コンドームで100%予防できると過信はしないようにしましょう。もし皮膚や粘膜に異常を認めた場合は、性的な接触を控え、早めに医療機関を受診して相談しましょう。
梅毒(厚生労働省ホームページへのリンク)
梅毒に関するQ&A(厚生労働省ホームページへのリンク)
梅毒患者が急増中!検査と治療であなた自身と大切な人、生まれてくる赤ちゃんを守ろう
梅毒に注意しましょう

麻しん(はしか) ~国内外での報告が増加しています~
(2025年第18週(2025年4月28日~5月4日)までの速報値 )
届出年 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | 2021 | 2022 | 2023 | 2024 | 2025 |
千葉県 | 25 | 3 | 26 | 26 | 0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 6 |
全国 | 165 | 186 | 279 | 744 | 10 | 6 | 6 | 28 | 45 | 106 |
(2025年第18週(2025年4月28日~5月4日)までの速報値 )
茨城県 | 埼玉県 | 東京都 | 神奈川県 | 全国 | |
第18週 | 1 | 0 | 2 | 0 | 11 |
2025年累計 | 16 | 5 | 10 | 7 | 106 |
・ウェブサイト等を参考に、渡航先の麻しんの流行状況を確認してください。
・母子保健手帳などを確認し、過去の麻しんに対する予防接種歴、り患歴を確認してください。
・過去定期接種を実施した記録がない場合は、渡航前に予防接種を受けることを検討してください。
・麻しんのり患歴やワクチン接種歴が不明な場合は、抗体検査を受けることを検討してください。
2 麻しんの流行がみられる地域に渡航後の注意事項
・渡航後、帰国後2週間程度は麻しん発症の可能性も考慮して健康状態に注意してください。
・発熱や咳そう、鼻水、眼の充血、全身の発しん等の症状が見られた場合は、医療機関を受診してください。また受診時には、医療機関に対して事前に、麻しんの流行がみられる地域に渡航していたことや、麻しんの可能性について伝達してください。
・医療機関を受診する際には、医療機関の指示に従うとともに、可能な限り公共交通機関を用いることなく受診してください。
「麻しんウイルス」によって引き起こされる急性の全身感染症で、主たる感染経路は空気感染であり、その感染力は非常に強く、免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症するといわれています。
また、発症した人が周囲に感染させる期間(感染可能期間)は、症状が出現する1日前から解熱後3日間まで(全経過を通じて発熱がみられなかった場合、発疹出現後5日間まで)といわれています。有効な予防法は、麻しんワクチン接種になります。定期予防接種を確実に受け、予防することが重要です。
【定期予防接種対象者】
第1期:生後12月から生後24月に至るまでの間にある者
第2期:5歳以上7歳未満のものであって、小学校就学の始期に達する日の1年前の日から当該始期に達する日の前日までの間にある者
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
また、保育所での集団発生の報告もあり、引き続き注意が必要です。

A群溶血性レンサ球菌感染症は、日常よくみられる疾患として、急性咽頭炎の他、膿痂疹、蜂巣織炎、あるいは特殊な病型として猩紅熱があります。これら以外にも中耳炎、肺炎、化膿性関節炎、骨髄炎、髄膜炎などを起こします。
また、菌の直接の作用でなく、免疫学的機序を介して、リウマチ熱や急性糸球体腎炎を起こすことが知られています。さらに、発症機序、病態生理は不明ですが、軟部組織壊死を伴い、敗血症性ショックを来たす劇症型溶血性レンサ球菌感染症(レンサ球菌性毒素性ショック症候群)は重篤な病態として問題となっています。
多くの場合は1週間以内に症状は改善しますが、合併症などが生じる場合もあるため、強いのどの痛みなど気になる症状があるときは、早めに医療機関を受診しましょう。
(4)定点把握対象の五類感染症
-2025年第19週-2025年5月5日~2025年5月11日
新型コロナウイルス感染症
感染性胃腸炎
高齢者や乳幼児では下痢等による脱水症状を生じることがありますので、注意が必要です。対策として、糞便や吐瀉物を適切に処理し、汚れた床などは消毒しましょう。処理後は手洗いを行い感染防止対策の実施に努めましょう。
水痘
定点当たり患者報告数(船橋市) は、2025年第19週(2025年5月5日~5月11日)は『0.78』と前週(0.78)と同じでした。
水痘とは、いわゆる「みずぼうそう」のことで、水痘帯状疱疹ウイルスというウイルスによって引き起こされる発疹性の病気です。空気感染、飛沫感染、接触感染により広がり、その潜伏期間は感染から2週間程度と言われています。発疹の発現する前から発熱が認められ、典型的な症例では、発疹は紅斑(皮膚の表面が赤くなること)から始まり、水疱、膿疱(粘度のある液体が含まれる水疱)を経て痂皮化(かさぶたになること)して治癒するとされています。
水痘は主に小児の病気で、9歳以下での発症が90%以上を占めると言われています。小児における重症化は、熱性痙攣、肺炎、気管支炎等の合併症によるものです。成人での水痘も稀にみられますが、成人に水痘が発症した場合、水痘そのものが重症化するリスクが高いと言われています。
水痘ワクチンの1回の接種により重症の水痘をほぼ100%予防でき、2回の接種により軽症の水痘も含めてその発症を予防できると考えられています。
2 千葉県の感染状況
千葉県感染症情報センター/千葉県 (chiba.lg.jp)
3 全国の感染状況
4 感染症発生動向調査
船橋市では、感染症の発生情報の正確な把握等を行うため、感染症発生動向調査を市内関係医療機関の協力の上で行っております。
5 感染症発生動向調査とは
感染症発生動向調査とは、1981年(昭和56年)より全国で行われている調査事業です。
1999年(平成11年)4月に「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症法)」が施行されたことにより、感染症発生動向調査は感染症対策の一つとして位置づけられました。感染症の発生状況を把握・分析し、情報提供することにより、感染症の発生およびまん延を防止することを目的として行われています。
感染症発生動向調査で把握する疾患
感染症発生動向調査では、医師・獣医師に全数届出を求める「全数把握対象疾患」と指定届出機関(定点医療機関)で診断された患者の報告を求める「定点把握対象疾患」をそれぞれ定めています。
詳細は厚生労働省のホームページをご確認ください。
6 5類移行前の新型コロナウイルス感染症の感染者の発生状況等についてはこちらをご覧ください
新型コロナウイルス感染症患者の発生状況(船橋市)
新型コロナウイルス感染症の新規感染者数の推移等(船橋市)
7 その他のお知らせ
ファイルダウンロード
【厚労省】麻しんチラシ(帰国後)(PDF形式526キロバイト)
【厚労省】麻しんチラシ(出国前)(PDF形式526キロバイト)
麻しんの国内外での報告増加に伴う注意喚起について(協力依頼)(PDF形式228キロバイト)
【月1回報告】ふなばし感染症情報(表・グラフ)5月9日更新(PDF形式383キロバイト)
【全数・定点週1報告】ふなばし感染症情報(表)(PDF形式84キロバイト)
【直近5年分・定点・週1回報告】ふなばし感染症情報(グラフ)更新(PDF形式934キロバイト)
【定点・週1回報告】ふなばし感染症情報(グラフ)(PDF形式445キロバイト)
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