腸管出血性大腸菌(O157)感染症に伴う溶血性尿毒症症候群(HUS)の発生について
感染症予防のための情報提供について
腸管出血性大腸菌(O157)感染症に伴う溶血性尿毒症症候群(HUS)の発生がありましたので、感染予防及び注意喚起の観点から、お知らせします。
(患者情報)
病名 | 腸管出血性大腸菌(O157)感染症 | 症状等 | 【溶血性尿毒症症候群(HUS)】溶血性貧血・急性腎不全 【腸管出血性大腸菌感染症】腹痛・水様性下痢・血便・発熱・嘔気 |
発病 年月日 |
令和6年8月29日 | 届出 年月日 |
令和6年9月12日 |
経過
8月29日(木曜日)
腹部違和感あり。
9月1日(日曜日)
腹痛、水様性下痢、血便あり。市内の医療機関を受診し、そのまま入院。
9月6日(金曜日)
腎機能の低下が認められ、便検査実施。
9月9日(月曜日)
便検査O157の結果は陰性だったが、8月27日に将泰庵DINER(シャポー船橋南館3階)のハンバーグを喫食していたことが判明。
溶血性尿毒症症候群(HUS)疑いと保健所が連絡を受ける。
9月10日(火曜日)
保健所が疫学調査を開始し、血清検体を回収。
国立感染症研究所へ検査を依頼し、検体を輸送。
9月12日(木曜日)
国立感染症研究所の血清診断により、O157陽性が判明。
医療機関から腸管出血性大腸菌感染症の発生届が提出。
腸管出血性大腸菌(O157)感染症、HUS合併症事例の診断。
現在も市内の医療機関に入院中であり、快方に向かっている。
市民の皆様へ
腸管出血性大腸菌 O157とは?
大腸菌のほとんどは無害ですが、中には下痢を起こすものがあり「病原性大腸菌」と呼ばれています。病原性大腸菌の中の1つに、ベロ毒素という毒素を出して、血便や溶血性尿毒症症候群(HUS)を起こす腸管出血性大腸菌(ベロ毒素産生性大腸菌)があります。この腸管出血性大腸菌は、O抗原という菌の成分により分類されています。代表的なものはO157で、これは157番目に発見されたO抗原をもつという意味です。
どのように感染するの?
腸管出血性大腸菌は家畜(牛、羊、豚など)の大腸をすみかとしています。それらから汚染された食物(生肉や野菜など)や水を介して感染します。
患者や保菌者の便を感染源として、それに汚染された手指、食品、水を介してヒトからヒトへ感染します。少しの菌量でも発症するため、患者や保菌者から二次感染を起こしやすいといわれています。排便後や食事前の手洗いが最も重要です。
潜伏期間(感染してから症状が出るまで)は?
2~14日(平均3~5日)
どのような症状がでるか?
- 頻回の水様便(水っぽい下痢)、血便(血の混じった便)
- 腹痛
- 嘔吐
- 溶血性尿毒症症候群(HUS)になる場合もある。
※溶血性尿毒症症候群(HUS)とは
HUSは、一般に腸管出血性大腸菌感染症患者の約1~10%に発症し、下痢あるいは発熱出現後4~10日に発症する。溶血性貧血、血小板減少、急性腎機能障害の3主徴をもって診断する。また、中枢神経症状(意識障害、痙攣、頭痛、急性脳症など)、肝機能障害、肝内胆管・胆嚢結石、膵炎、DICを合併することがある。
感染がわかったら・・・まわりの人に感染させないために注意すること
- 排便後、調理前、食事の前に流水と石けんでしっかり手を洗ってください。(30秒程度)
- 排便後はトイレットペーパーを多めに重ねて指に便がつかないように気を付けてください。
- トイレの手拭タオルは家族と共有しないでください。ペーパータオルを使うと効果的です。
- トイレの水洗レバー、ドアノブや便座などは、消毒薬を使って拭き取り消毒を行います。
- 感染した人はできるだけ調理を避けてください。包丁やまな板、布巾の消毒を行ってください。
- 感染した人はシャワー浴をおすすめします。バスタオルやタオルの共有はやめてください。
- 便がついてしまった衣類等は、便を取り除き(手袋使用のこと)、塩素系漂白剤に浸すか、熱湯消毒(80度以上で10分間)してから洗濯してください。
- 下痢や熱があるときは、集団で遊んだり、プール・水遊びは控えてください。学校などへの出席は停止になります。医師の指示に従ってください。
発生状況
届出数 | 2020年 | 2021年 | 2022年 | 2023年 | 2024年※ |
船橋市 | 17 | 16 | 31 | 21 | 20 |
千葉県 | 124 | 131 | 149 | 154 | 107 |
全国 | 3,094 | 3,243 | 3,370 | 3,813 | 2,385 |
※R6年度はR6年9月12日現在の速報値
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- 保健所健康危機対策課 結核感染症係
-
- 電話 047-409-2867
- FAX 047-409-6301
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