3月24日は「世界結核デー」です

更新日:令和6(2024)年3月21日(木曜日)

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 世界保健機関(WHO)は1997年の世界保健総会で、1882年3月24日に細菌学者ロベルト・コッホ博士が結核菌の発見を発表した日にちなみ、毎年3月24日を「世界結核デー(World TB Day)」と制定しました。世界各地で結核の啓発活動が行われます。

 結核とは

 結核は、結核菌という細菌によっておこる感染症です。たんの中に結核菌を排出している患者が咳をすると空気中に結核菌が飛び散り、それを直接吸い込むことで感染します。結核の症状(長引く咳、たん、微熱、体のだるさ)には特徴的なものがなく、早期には目立たないことが多いため、特に高齢者では気づかないうちに進行してしまうことがあります。

発病と感染の違い

  • 感染とは
    結核菌が体の中に侵入していますが免疫力で抑え込まれ、結核菌は体内で活動せず眠っており発病していない状態です。症状はありません。胸部エックス線検査で結核といえる影はなく、咳などで結核菌を排出することはないため、周囲の人に感染させることはありません。
  • 発病とは
    結核菌に感染し、結核菌が免疫力に勝ち、体内で活動している状態です。胸部エックス線検査等で結核といえる影があります。咳やたんなどの症状が出ることがあります。症状が進行すると、咳やくしゃみなどにより、空気中に結核菌が飛び散るようになり、周囲の人に感染させる可能性があります。ただし結核菌に感染した人のうち、発病する人は10人に1~2人です。
    ※ 発病しても結核菌を排出していない患者は、周囲の人に感染させることはほとんどありません。
  •  食器や衣類などを介して感染することはありません。

結核は過去の病気ではありません

 昭和20年代まで「亡国病」と恐れられ、国民の死亡原因の第1位だった結核も、いまでは医療と生活水準の向上により「薬を飲めば治る病気」となりました。
 しかし、結核は過去の病気ではありません。今でも全国で年間1万人以上の新しい患者が発生し、1600人以上が命を落としている日本の主要な感染症です。現代の日本では、高齢者と外国生まれの患者の結核が大きな課題となっており、結核患者に占める高齢者の割合は3分の2以上にのぼっています。

結核になりやすいひとは?

  • 喫煙習慣がある人
  • 結核高まん延国から来た外国出生者
  • HIV感染や免疫の弱い人
  • 糖尿病の人
  • 人工透析を受けている人
  • ステロイドホルモンを使用している人
  • 胃潰瘍、胃の手術をした人

結核感染の連鎖を断つために

 早期発見・早期治療が大切です!

  • 2週間以上咳やたんが続くようなら、医療機関を受診しましょう。
  • 1年に1回は、胸部エックス線検査を受けましょう。
  • 特に高齢者は、咳やたんなどの症状を示さないことがあります。食欲がない、急に体重が減った、微熱が続いているなどの症状があったら、早めに医療機関を受診しましょう。
  • 結核の予防には、適度な運動、十分な睡眠時間、バランスのとれた食事、禁煙も大切です。

医療機関の皆様へ・・・説明のつかない呼吸器症状が2~3週間続いたら、結核を鑑別に入れてください

 2~3週間の咳と、発熱・寝汗・体重減少・血痰などの症状があったら、胸部エックス線検査を実施し、結核の疑いがあったら3回の喀痰塗抹培養検査を実施してください。また、市中肺炎の治療を7日間行っても改善しないようでしたら、胸部エックス線検査と3回の喀痰塗抹培養検査を実施してください。
 胸部エックス線画像で結核が疑われる場合は、できるだけ過去の胸部エックス線画像との比較読影と3回の喀痰塗抹培養検査を実施してください。

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