MERS(中東呼吸器症候群)

更新日:令和5(2023)年4月1日(土曜日)

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 MERS (中東呼吸器症候群)

2015年5月20日、韓国において初のMERS患者が確認されました。その後、医療機関において二次感染者(※)が発生するなど、多数のMERS患者や死亡例が発生しています。

※二次感染者:最初に感染した者から、感染を受けること。

 MERS (中東呼吸器症候群)とは

中東呼吸器症候群(MERS)は、2012年に初めて確認されたウイルス性の感染症です。原因となるMERSコロナウイルスによる急性呼吸器症候群です。

どこで発生     

主として中東地域(※)で患者が報告されています。このほか、ヨーロッパ、アフリカ、アジア及び北米大陸(アメリカ合衆国)からも報告がありますが、これらすべて、中東地域で感染した人(輸入症例)もしくはその輸入症例患者と接触した人であることがわかっています。

※アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン

 症状

潜伏期間は2~14日です。主な症状は、発熱、咳から始まり、急速に肺炎を発症し、しばしば呼吸管理が必要となることがあります。また、下痢など消化器症状のほか、多臓器不全(特に腎不全)や敗血性ショックを伴う場合もあります。高齢の方や糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患のある方では重症化する傾向があります。

 予防法・治療法

現在、MERSに対するワクチンや特異的な治療法はありません。患者の症状に応じた対症療法になります。

 感染

人がどのようにしてMERSに感染するかは、まだ正確に分かっていません。患者から分離されたMERSコロナウイルスと同じウイルスが、中東のヒトコブラクダから分離されていることなどから、ヒトコブラクダがMERSウイルスの感染源動物の一つであるとされています。しかし、動物との接触歴のない人も感染したとの報告もあります。

 ヒトからヒトへ感染

家族間や、医療機関における患者間、患者-医療従事者間など、濃厚接触者間での感染(二次感染)が報告されています。しかし、これらの集団の中で感染が起きる機序は、呼吸器を介するのか(例えば、咳やくしゃみ)、接触(患者による環境の汚染)によるのか、分かっていません。ただし、季節性インフルエンザのように、次々にヒトからヒトに感染する持続的なヒト-ヒト感染をすることはありません。

 感染が疑われる患者の要件

以下のア、イ又はウの要件にあてはまる患者で、他の感染症や病因が判明していない場合、MERSの疑いのある患者(MERS疑似症患者)として、診断されます。

(ア) 

38℃以上の発熱及び咳を伴う急性呼吸器症状(咳、息切れや呼吸困難)を呈し、臨床的又は放射線学的に肺炎などの実質性肺病変が疑われる者であって、発症前14日以内にWHOの公表内容からMERSの初発例の発生が確認されている地域(※)に渡航又は居住していたもの

※アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン

(イ)

発熱を伴う急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、発症前14日以内にWHOの公表内容からMERSの初発例の発生が確認されている地域(※)において、医療機関を受診もしくは訪問したもの、MERSであることが確定した者との接触歴があるもの又はヒトコブラクダとの濃厚接触歴があるもの

※アラブ首長国連邦、イエメン、イラン、オマーン、クウェート、サウジアラビア、ヨルダン、レバノン

(ウ)

発熱又は急性呼吸器症状(軽症の場合を含む。)を呈する者であって、発症前14日以内に、対象地域か否かを問わず、MERSが疑われる患者を診察、看護若しくは介護していたもの、MERSが疑われる患者と同居(当該患者が入院する病室又は病棟に滞在した場合を含む。)していたもの又はMERSが疑われる患者の気道分泌液若しくは体液等の汚染物質に直接触れたもの

 MERSを疑った場合の対応

まずは船橋市保健所までご連絡をください。医療機関からMERSの疑いのある患者(疑似症患者)の届出が出されますと、保健所等による行政対応(入院勧告、患者の搬送・移送、積極的疫学調査等)が開始されますので、御協力をお願いします。

 

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