デング熱について
デング熱とは
デングウイルスが感染しておこる急性の熱性感染症です。
原因と感染経路
デングウイルスを媒介する蚊(ヒトスジシマカ・ネッタイシマカ)に刺されることによって感染が成立します。ウイルスに感染した患者を蚊が吸血すると、蚊の体内でウイルスが増殖し、その蚊が他者を吸血することでウイルスが感染します。ヒトからヒトに直接感染することはありません。デング熱ウイルスは4つの血清型に分類され、感染した型については終生免疫が得られるので一生感染することはありませんが、その他の型については感染する可能性があります。
症状
蚊に刺されてから2日~15日(多くは3~7日)の潜伏期間の後、突然の高熱で発症し、頭痛、眼窩痛、顔面紅潮、結膜充血を伴い、発熱は2~7日間持続します。初期症状に続き、全身の筋肉痛、骨関節痛、全身倦怠感を呈します。発症後3~4日後、胸部や背中などの体幹から始まる発疹が出現し、足や腕、顔面に広がります。症状は1週間程度で回復します。感染しても発症しないことも多くみられます。
なお、ごくまれに一部の患者において、発熱2~7日後の平熱に戻りかけた時期に、血漿漏出による循環血液量の不足に伴うショックと出血傾向を主な症状とするデング出血熱が出現することがあります。
治療
デングウイルスに対する特有な薬はありません。特別な治療法はなく、症状(発熱、痛み)に応じた対症療法が行われます。
予防
デング熱に有効なワクチンはありません。蚊の繁殖や蚊に刺されることを防ぐ工夫が必要となります。ヒトスジシマカやネッタイシマカは日中に活動します。人がよく刺されるのは、ヤブや木陰、茂みのある場所、墓地などです。その時間帯に屋外で活動する場合は長袖、長ズボンの着用を推奨しております。また、虫よけ剤を使用することも有効です。特に海外の流行地では、都市部やリゾート地でも生息しており、日中を中心に蚊に刺されない工夫をする必要があります。また、デング熱の患者が蚊に刺されないようにすることも重要です。
蚊の繁殖を防ぐ
- 雨水タンクに蓋をしたり、タイヤに溜まった水、ペット用の水、鉢植えの皿の水を放置しない。
- 室内の花瓶の水などは最低週1回は交換する。
虫刺されを防ぐ
- 戸外に出るときは肌の露出をできるだけ避ける。
- 虫よけ剤を適切に使用する。
- 蚊が室内に入らないよう網戸やエアコンを使用し、扉や窓の開閉は素早く行う。
日本国内での発生
海外の流行地で感染し帰国した症例が近年では毎年200名前後報告されています。また、日本国内で感染した症例は、過去60年以上報告されていませんでしたが、2014年8月以降、海外渡航歴のないデング熱患者が複数確認されています。
ヒトスジシマカ・ネッタイシマカについて
ヒトスジシマカは、日中に吸血する代表的なヤブカであり、日本のほとんどの地域に分布しています。その活動時期は5月中旬~10月下旬です。主に野外で活動し、つつじやアジサイ等低木の葉の裏側や茂みの中、地面に這うように茂る下草の中などに潜んでいます。100m程度飛翔するとと言われていますが、風にのってさらに広い範囲に広がることもあります。冬季に成虫は存在せず、卵の状態で越冬します。冬を越した卵からデングウイルスが検出された事例は報告されていません。
ネッタイシマカは、かつては国内でも沖縄や小笠原諸島に生息していたことが記録されていますが、現在は国内から消滅したとされています。ただし、航空機によって国内に運ばれる例が確認されており、国内定着の可能性はないわけではありません。
どちらも、茂みの中などで待ち伏せて、近づいてきた人に対して吸血します。ただし、低木の植え込みや下草などは街の至る所に存在しており、100mの移動距離を考慮しても、いつでも媒介蚊に近づく機会はあると考えられます。
蚊媒介感染症に関する蚊のウイルス保有調査の結果
船橋市では蚊媒介感染症の発生予防を図るため、昨年度に引き続き、船橋市旭町にある長津川調節池において蚊の発生状況及びウイルスの保有調査(デングウイルス・ジカウイルス・チクングニアウイルス)を調査することとしました。
実施期間:5月下旬から10月(5月は1回、6月から10月は各2回)
調査結果
0のつく日は、ボウフラ・ゼロを目指そう!
「4月~8月までの毎月10日・20日・30日は、屋外点検」
船橋市では、ヒトスジシマカの幼虫(ボウフラ)を退治することを目的に、ヒトスジシマカの発生源をみんなで片付けていくことをすすめていきます。
ヒトスジシマカの幼虫は、空き缶や古タイヤ、植木鉢の皿、ビニールテントの溝などに溜まった水のような小さな水たまりに発生します。
市民の皆様も、庭などの屋外点検や水の溜まった不要物の片付けに御協力をお願いします。
医療機関の方へ
医療機関において、臨床症状等からデング熱の可能性が考えられる患者を診察し、診断が確定後に直ちに届出を行うまでのフローを作成しました。
デング熱が疑われる患者を診察した場合は、下記をご参照の上、保健所に情報提供をお願いします。
蚊媒介感染症疑い患者を診察した場合の流れ(PDF形式 210キロバイト)
【別記様式】検査票(PDF形式 252キロバイト)
蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第5版)(国立感染症研究所ホームページ)
※以下の理由により、届出内容について確認させて頂くことがありますので、必ず届出医師または内容が分かる方に連絡がとれる体制を確保していただくようお願いします。
・感染症法第15条の規定に基づく調査として、問診した内容を聴取する必要がある場合
・事例を公表するため、至急連絡をとる必要性が生じた場合 など
ご相談・お問い合わせ
・デング熱に関すること : 保健所健康危機対策課 047-409-2867
・蚊の発生予防に関すること : 保健所衛生指導課 047-409-2563
ファイルダウンロード
- 蚊媒介感染症疑い患者を診察した場合の流れ(PDF形式210キロバイト)
- 【別記様式】検査票(PDF形式252キロバイト)
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関連するその他の記事
- 感染症についての情報 デング熱(外部リンク:検疫所FORTH)(新しいウインドウが開きます。)
- 蚊媒介感染症の診療ガイドライン(第5版)(外部リンク:国立感染症研究所)(新しいウインドウが開きます。)
このページについてのご意見・お問い合わせ
- 保健所健康危機対策課 結核感染症係
-
- 電話 047-409-2867
- FAX 047-409-6301
- メールフォームでの
ご意見・お問い合わせ
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