既存住宅を民泊又は簡易宿所へ用途変更する際の注意点

更新日:令和8(2026)年10月6日(火曜日)

ページID:P148903

はじめに

 近年、既存の住宅等の用途を変更し、住宅宿泊事業法の届出住宅(以下「民泊」という。)や旅館業法の簡易宿所(以下「簡易宿所 」という。) 等の施設として活用するケースが増加しております。しかしながら、既存の住宅等が、必ずしも建築基準法その他の関係規定に適合しているとは限りません。民泊や簡易宿所等は、不特定多数の方が宿泊する施設であることから、火災等の災害が発生した際の避難安全性を十分に確保することが極めて重要です。 また、このような用途の変更は建築物の規模や階数等により、建築基準法や消防法等の制限が付加されることが多いため、特に慎重な判断が必要になります。

 そのため、このページでは用途の変更を行う場合に最低限整理すべき項目について簡易的にまとめておりますのでご確認ください。 なお、既存の住宅等を宿泊施設として利用される際には建築士等による建築基準法及びその他関係規定への適合状況を確実に確認していただきますようお願いいたします。

目次

 記事内容によってお問合せ先が異なりますので、詳細につきましては下記の担当課までお願いいたします。

内容 担当課 電話番号
1.建築基準法に関する基準 建築指導課 047-436-2677
2.消防法に関する基準 消防局予防課 047-435-1115
3.旅館業の各種申請・届出の手続き等について  保健所衛生指導課 047-409-2563

1.建築基準法に関する基準

建築基準法の用途変更について

 建築基準法の用途変更とは、「住宅で簡易宿所を始める」や「事務所を保育所に変える」など、建築物の全部または一部の用途を別の用途へ変更することをいいます。
 なお、「民泊」は住宅を活用した宿泊サービスであり、建築基準法上の用途は「住宅」のままであり変更を伴わないため、用途変更には該当しません。

民泊と簡易宿所の違いについて

 民泊と簡易宿所に係る建築物の用途は、建築物の形態に応じて以下のとおりとなります。

住宅で「民泊」を始める      

住宅で「簡易宿所」を始める  

定義

住宅宿泊事業法に基づく「民泊」

旅館業法に基づく「簡易宿所」

許可・届出

住宅宿泊事業法に基づく「届出」

申請窓口:千葉県健康福祉部衛生指導課

旅館業法に基づく「許可」

申請窓口:船橋市保健所衛生指導課

営業日数 年間180日以内に限る 日数の制限なし
用途変更の該当 建築基準法上、「住宅」のままであるため用途変更に該当しない 建築基準法上、「住宅」から 「ホテル・旅館」への転用になるため用途変更に該当する
確認申請の有無 建築基準法上、「住宅」のままであり用途変更に該当しない為、不要 用途変更の面積が200平方メートルを超える場合は確認申請が必要

用途地域の建築制限について

 「住宅」から「ホテル・旅館」へ用途変更する場合、下記表のとおり用途地域によっては建築できない(営業自体ができない)ためご注意ください。
建築物用途 第一
種
低
層
住
居
専用
地域
 
第二種
低層
住
居
専用
地
域
 
第一
種
中高
層
住
居
専用
地域
第二
種
中高
層
住
居
専用
地域
第一
種住
居地域




 
第二
種住
居地域




 
準
住
居地域






 
田園住居地域





 
近隣
商業地域





 
商業地域







 
準
工
業地域






 
工
業地域







 
工
業
専用地域





 
住宅 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 〇 ×
ホテル・旅館 × × × × 〇※ 〇 〇 × 〇  〇  〇 × ×

                     (※延べ面積が3,000平方メートル以内のものに限る)

建築確認申請等について

 前述の通り、用途変更の面積が200平方メートル を超える場合は確認申請が必要となりますが、200平方メートル以下であっても手続き自体が必要ないというだけで、建築基準法及びその関係規定には適合させる必要がありますのでご注意ください。

その他の注意事項

 一戸建ての住宅等(階数3で、延べ面積200平方メートル未満 )を他の特殊建築物の用途とする場合、耐火建築物等とすることが必要となりますが、在館者が迅速に避難できる措置として警報設備の設置や階段の安全措置を講じた場合は、耐火建築物等とすることは不要となります。

 なお、簡易宿所は建築基準法上の特殊建築物となるため、床面積が100平方メートルを超える場合は建築基準法施行条例(千葉県)が適用となり、接道長さや廊下幅、階段幅などの規定が付加されます。また、建物の規模によっては定期報告が必要になります。そのため、特殊建築物ではない一戸建ての住宅などから簡易宿所に用途変更しようとする際には、特にご注意ください。

【参照】

小規模な建築物の所有者の皆様へ(PDF形式 1,408キロバイト)

出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001299734.pdf)

定期報告についての詳細は、「特定建築物、建築設備、防火設備の定期報告制度」(建築指導課HP)をご覧ください。

一戸建ての住宅と簡易宿所の基準で異なる主なもの(階数3で、延べ面積200平方メートル未満の場合)

項目

一戸建ての
住宅

簡易宿所(ホテル・旅館)

警報設備 住宅用火災警報器の設置が必要
※消防法上、宿泊施設となる場合は、自動火災報知設備が必要
自動火災報知設備の設置が必要
竪穴区画 適用なし 避難経路となる階段等の竪穴部分に基準以上の防火性能を有する間仕切壁又は戸を設置して区画

防火上主要な間仕切壁

適用なし

居室と廊下の間や一定規模毎の壁等を準耐火
構造以上とし、小屋裏又は天井裏に達せしめ
ること

※防火規制の緩和の要望があったことから、
防火対策の規制の合理化が図られています。

排煙設備

適用なし

※無窓居室を除く

居室に排煙上有効な開口部が必要

非常用照明

適用なし

寝室以外の居室と廊下、階段などの避難経路
に設置が必要

※平成30年3月29日に平成12年建設省告示第
 1411号が改正され、床面積が30平方メート
 ル以下の居室については一定の条件を満た
 せば設置が不要となりました(告示第2号)。
 なお、床面積の合計が30平方メートルを超
 える居室についても一定の条件を満たせば
 設置が不要となります(告示第1号)。

2以上の直通階段

適用なし

避難階以外の階における宿泊室の床面積の合計
が100平方メートルを超える場合、2以上の直
通階段が必要

屋内階段の寸法

階段及び
その踊場の幅

75cm以上

75cm以上

※ 令121条の直通階段は県条例により 旅館で100平方メートル超えの場合は、階段及び踊場の幅1.2メートル

けあげの寸法

23cm以下

22cm以下
(23cm以下)


※1 階段の両側に手すりを設け、踏面を粗面または滑りにくい材料で仕上げた場合は( )内の数値

※2 令121条の直通階段は県条例により 旅館で100平方メートル超えの場合は、けあげ20cm以下 、踏面24cm以上

踏面の寸法

15cm以上

21cm以上
(19cm以上)

【参照】

 出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001294992.pdf)

 出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001228597.pdf)

 出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001225722.pdf)

防火対策の規制の合理化について

 平成26年7月1日の建築基準法施行令の改正及び平成26年8月22日改正の「間仕切壁を準耐火構造としないこと等に関して防火上支障がない部分を定める件(国土交通省告示第860号)」の施行により、AもしくはBのいずれかに該当する場合には、旅館等における間仕切壁の防火対策が適用除外となっています。

A

床面積200平方メートル以下の階又は床面積200平方メートル以内毎に準耐火構造の壁等で区画した部分に、自動スプリンクラー設備を設けた場合

B

小規模(※)で、各居室に煙感知式の住宅用防災報知設備もしくは自動火災報知設備又は連動型住宅用防災警報器が設けられ、(1)又は(2)のいずれかに適合する場合

※居室の床面積の合計が100平方メートル以下の階又は居室の床面積の合計100平方メートル以内毎に準耐火構造の壁等で区画した部分

(1)

各居室から直接屋外、避難上有効なバルコニー又は100平方メートル以内毎の他の区画(屋外及び避難上有効なバルコニーは、幅員50cm以上の通路その他の空地に面するものに限る。以下「屋外等」という。)に避難ができるものであること

(2)

各居室の出口から屋外等に、歩行距離8m(各居室と通路の内装不燃化の場合は16m)以内で避難でき、かつ、各居室と避難経路とが間仕切壁及び常時閉鎖式の戸(ふすま、障子等を除く。)等で区画されているものであること

 また、平成28年6月1日の改正により「強化天井の構造方法を定める件(国土交通省告示第694号)」が施行されました。強化天井を講ずることにより、防火上主要な間仕切壁を小屋裏又は天井裏に達せしめなくてもよいこととなりました。

【参照】

 出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001054685.pdf)

 出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001053545.pdf)

 出典:国土交通省ホームページ(http://www.mlit.go.jp/common/001133483.pdf)

Q&A(建築基準法)

質問

回答

特殊建築物とはどのような建築物か?

(1)ホテル、旅館、学校、病院、集会場、共同住宅など不特定・多数の者が利用する建築物、(2)工場、倉庫などの火災発生の危険性が高い又は火災時に重大な被害が生じる恐れがある建築物、(3)火葬場、汚物処理場など周辺環境に与える影響が大きい用途の建築物が特殊建築物となります。これらはごく一部であり詳細は建築基準法第2条第2号にその用途が列記されています。

居室とはどのような室か?

居住、執務、作業、集会、娯楽その他これらに類する目的のために継続的に使用する室をいいます。住宅の便所、手洗所、浴室などは、その利用が一時的なものであることから、居室ではありません。

準耐火構造とはどのようなものか?

壁、柱、床その他の建築物の部分の構造のうち、通常の火災による延焼を抑制するために当該建築物の部分に必要とされる性能を有するものとして、国土交通大臣が定めた構造方法を用いるもの又は国土交通大臣の認定を受けたものをいいます。

竪穴区画とはどのようなものか? 階段、吹抜け等の複数の階にわたって垂直方向に連続する空間(竪穴)は火災時に火災や煙の伝播経路となってしまいます。竪穴区画とは、竪穴部分とその他の部分とを区画することにより、火災と煙を遮断し、安全な避難経路の確保や円滑な消火・救助活動を図ることを目的とした規定です。

排煙上有効な開口部とはどういったものか?

居室の床面から天井までの高さ(天井高)に応じて、天井高2.6m超えの場合は床面から1.8m以上の部分にある開放できる部分、天井高2.6m以下の場合は天井面から80cm以内の部分にある開放できる部分です。
当該居室の床面積の1/50以上の開口部が必要となります。

非常用照明の設置が必要とあるが、グローランプや懐中電灯を代替としてもよいか?

代替はできません。非常用照明は令126条の5に基づき、廊下・階段などの避難経路に設置が求められるものです。なお、居室は採光条件等により設置が緩和される場合があります。

階段及びその踊場の幅、けあげ、踏面とは何か?

階段及びその踊場の幅は階段の横方向の長さ、けあげは階段の1段の高さ、踏面は1段の奥行長さとなります。建築物の用途やその規模によって必要とされる寸法が異なってきます。

常時閉鎖式の戸とはどういったものか? 普段は閉まっていて、通行時のみ開ける戸の形式です。具体的な構造としては、ドアクローザーを設けたもので、手を放すと自動的に閉まる戸です。戸の全開時にストッパーが働く戸は常時閉鎖式の戸とはなりません。

2.消防法に関する基準

 民泊及び簡易宿所は、消防法令上「旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの」に該当し、例として下記のような消防用設備の設置が必要となります。(民泊については、家主の居住の有無や宿泊室の床面積によって消防法令上の取扱いが異なる場合があります。)
※消防用設備の設置基準は、建物の構造等によって異なりますので、詳細は消防局予防課へお問い合わせください。

主な消防用設備

旅館、ホテル、宿泊所その他これらに類するもの

消火器

・延べ面積150平方メートル以上のもの
・地階、無窓階、3階以上の階で床面積が50平方メートル以上のもの

屋内消火栓設備

延べ面積700平方メートル以上

スプリンクラー設備

・平屋建て以外で床面積合計6,000平方メートル以上のもの
・11階以上のもの

自動火災報知設備

全てのもの

避難器具

原則として階の収容人数30人以上(避難階を除く)

誘導灯

全てのもの

 設置した消防用設備等は点検や結果報告が必要です。
 カーテンやじゅうたんは防炎物品を使用してください。
 建物全体の収容人員が30人以上の場合、防火管理者の選任が必要です。

※構造・階数等によって設置基準が異なる場合があります。

3.旅館業法に基づく許可、手続きについて

 旅館業(旅館・ホテル営業、簡易宿所営業、下宿営業)の営業には、旅館業法に基づく営業許可が必要です。また、法令に基づく基準に適合しているか、構造設備等について検査を受けなければなりません。
施設設備が法令に基づく基準に適合しない場合は、不適箇所の改善が確認された後に許可となります。
また、消防法令や建築法令等の他法令に適合しない場合、営業することはできません。
構造設備の基準や、手続き等についての詳細は、必ず事前にお問い合わせください。
 
詳しくは、「 旅館業の各種申請・届出の手続き等について」(保健所衛生指導課HP)をご覧ください。
 

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このページについてのご意見・お問い合わせ

建築指導課 審査第一係・第二係

〒273-8501 千葉県船橋市湊町2-10-25 船橋市役所6階

受付時間:午前9時から午後5時まで 休業日:土曜日・日曜日・祝休日・12月29日から1月3日