取掛西貝塚(5)
取掛西貝塚は船橋市飯山満町一丁目・米ヶ崎町にある縄文時代の遺跡です。今回の発掘調査(取掛西貝塚(5))を含めてこれまでに5回の調査が行なわれています。今回の発掘調査は平成20年6月2日から7月31日まで行なわれました。調査面積は472.19平方メートルです。発掘調査の結果、縄文時代早期前半のヤマトシジミを主体とする貝層が竪穴住居跡などから発見されました(船橋市周辺でこの時代のヤマトシジミの貝塚はめずらしく、千葉県内でも取掛西貝塚を含めて3例しかありません。)。この内1軒の竪穴住居跡の貝層直下から猪の頭骨十数体分が配置された状態で発見されました。このことはこの場所を使って猪の頭骨を使った儀礼的行為が行なわれたこと示しています。動物の骨を配置した儀礼的行為が行なわれた例は全国で4遺跡5例しかなく今回発見されたものが現在のところ最古のものとなります。そして、この竪穴住居跡から検出された炭化物などを放射線炭素による年代測定を行った結果、今から約1万年前のものであることがわかりました。また、これらの竪穴住居跡などから神奈川県の三浦半島付近から主に出土する大浦山式土器とよばれている土器がまとまって出土しました。千葉県内では君津市周辺などから数点ずつ出土しています。現在、取掛西貝塚(5)の出土遺物は整理・分析中で今後、新たな発見があるかもしれません。また、ヤマトシジミの貝層は、剥ぎ取り作業を行いましたので皆様にホームページで画像を公開します。
竪穴住居跡にあった貝層
貝層の下に猪の頭骨が配置されている様子
貝層の下にあった猪の頭骨等
大浦山式土器が出土した状況
竪穴住居を発掘した跡
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(平成21年10月)
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