遺跡調査

更新日:平成28(2016)年2月21日(日曜日)

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 私たちの祖先が生活していたムラの跡、貝塚や古墳などを遺跡といいます。また、遺跡の中にある住居の跡、墓の跡などを遺構といいます。
さらに、そこで使われていた土器や石器などの道具を遺物といいます。これらは通常土の中に埋もれているために埋蔵文化財と呼ばれ、国民共有の財産として祖先の歴史を明らかにする大切な資料です。
そして遺跡が工事などで壊されるおそれのあるときは、文化財保護法に基づき発掘調査を実施することになります。

発掘調査

表土除去・遺構の確認

表土除去

発掘調査はまず、遺構が確認できる面まで重機(ユンボ)や人力で注意深く表土を除去します。掘り下げた面をきれいにしますと、まわりとは土の色や質がちがっている部分がみられます。このような場所が竪穴住居跡などの遺構があるところです。

遺構の調査(1)

掘り下げ
遺構の確認が終わったら、土器や石器などの遺物を注意深く見つけながら遺構を掘り下げていきます。

遺構の調査(2)

測量
遺物の出土した地点や、遺構の大きさ・形・深さなどを測り、図面を作成したり、遺物の出土状況や遺構の状況を写真に撮影して記録しておきます。

発掘作業の終了

全ての記録作業が終わりますと現場での作業はおわり、整理作業へと移っていきます。

ひとつの遺跡を発掘すると、大量の遺物が出土します。
これらの出土遺物には、それらが使われていた時代のさまざまな情報を持っています。この情報を整理し、いつでも取り出せるようにするための作業が整理作業です。

整理作業

水洗

水洗作業
遺跡から出土した遺物には土や泥がこびりついています。まずは、これらをていねいに洗い落とします。

注記

注記作業
水洗作業が終わったら、どこの遺跡のどこの遺構から出土したかわかるように、遺物に小さな字で番号などを記入していきます。

復元(接合)

復元作業

遺跡から出土した遺物は、ほとんどが壊れた状態なので注記作業が終わると破片同士をつなぎ合わせて使われていた当時の形に復元します。また足りない部分は、石こうなどを使って補います。

遺跡調査の最終作業は、調査報告書の作成です。
調査した遺跡からどのような遺構・遺物が検出され、それらがどのような意味をもつのか研究者をはじめ一般の方々に知ってもらい活用してもらうためです。

調査報告書の作成

実測・撮影

実測

復元された遺物は、細部を観察し、大きさ・形を測り実測図を作成します。また質感や文様がわかるように写真の撮影をおこないます。

挿図・図版の作成

トレース

遺構の図面、遺物の図面は、トレース作業をおこない清書されます。そして、これらの図と遺構・遺物の写真を調査報告書の挿図や写真図版にするためレイアウトしていきます。

本文執筆
 

報告書の本文入力

挿図・図版の作成とともに遺構・遺物などについて記述していきます。最後に調査報告書としての体裁をととのえ印刷・刊行されます。

このように、ひとつの遺跡を調査することによって、さまざまな作業がおこなわれます。
当調査事務所では、これらの一連の作業によって蓄積された情報を整理して研究者をはじめ一般のかたがたに活用していただくために仕事をしています。

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