第10回船橋市美術館運営等検討委員会会議録

更新日:平成27(2015)年1月19日(月曜日)

ページID:P033244

1 開催日時

平成26年10月6日
午後3時00分~

2 開催場所

 船橋市中央公民館 4階 第2集会室

3 出席者

(1)委員

  • 前川委員長
  • 大澤委員
  • 山田委員
  • 島津委員
  • 柴田委員
  • 倉本委員
  • 谷口委員

(2)事務局

  • 田久保文化課長
  • 仲臺文化課長補佐
  • 鎌田主事

4 欠席者

  • なし

5 議題及び公開・非公開の別並びに非公開の場合にあっては、その理由

議題

  1. 提言書(案)について
       公開

6 傍聴者数(全部を非公開で行う会議の場合を除く)

1名

7 決定事項

第11回船橋市美術館運営等検討委員会の日程

8 議事

前川委員長
それでは、始めさせていただく。
前回、委員の先生方から提言書案の内容について意見をいただいた。それに基づき、若干、訂正した部分がある。今日は、お手元にある検討事項によって、一つ一つ確認をとらせていただければと思っている。全体の意見についてはまた後でいただくとして、この提言で重要になるのは、新しい美術館の使命、ミッションということ。ミッションについては、2ページの下の部分に記載している。「美術館の使命:アートを通じて市民のコミュニティー形成をめざす場」という言い方をしているが、この辺の表現、それから内容について、何か意見があれば。少し言葉がわかりにくいとか、もう少し具体性があったほうがいいのではないかとか、使命なので、端的な言い方のほうがいいかとは思うが。どうぞ忌憚のない意見を。

山田委員
言葉の上だけの問題だが、使命ということなので、「めざす場」で終わらずに、「めざす場となる」とか、「アートを通じての市民のコミュニティー形成」とかというのが使命ではないか。

前川委員長
美術館の使命ということなので、「場」で切ってしまうのもおかしいから、「場とする」とか「場となる」とかいう言い方のほうがいい。とりあえず、検討事項に基づいて次々と進めさせていただき、全体的にまた意見をいただければと思う。次はⅡの2の「新美術館の活動方針」で、3つの活動方針ということでコンセプトを書いているが、この辺はいかがか。前回、話の中で「カフェ」という言い方を「カフェスタイル」という言い方に変えたほうがいいのではないかという意見もあったので、カフェスタイル・ミュージアムという言い方に変更している。インファントサービス。サポートというのもちょっとわかりにくいかも。

谷口委員
一般の人はすぐピンと来るのかなと思った。育児何とかとか乳幼児何とかという言い方より、こちらのほうが意味がわかればすっきりしていいかなと私も思ったが。

前川委員長
その前に、括弧書きを横文字にしたので、全部横文字でいくという……。キッズサポートという言い方もあるかと思ったが、キッズというのも範囲が広過ぎるかと、チャイルドももっと広いかなと思ったので、今はやりかけているインファントという言葉を……。乳幼児から大体小学校へ入るぐらいまでの子どもを指す言葉で、インファントサポートというと、普通は病院などで人工呼吸みたいなものを指して言う。

谷口委員
新しい言葉を入れて、例えば下の説明書きにインファントサポートの説明的な行を入れるなどしたら、すんなり受け入れられるのかなと。

山田委員
インファントは、どれぐらい今熟しているのか。

島津委員
客観的な、どれぐらい熟しているかというのはわかりかねるが、幼い子どもからというイメージがこの言葉には含まれているのでいいと思う。

前川委員長
今までの「キッズ」という言葉では少し幅が広いと思ったので。なぜこの言葉かというと、子ども美術館も幅が本当に広いと思うが、そこまでいかない、もっと小さい子どもがいる若い親たちの、子どもを通しての交流も踏まえて、もう少し小さいイメージを持ちたかった。この3つの活動というのはいかがか。前回もこの活動の3本柱については提案されているが、説明が簡単過ぎるという話があったので、少し文章的に説明している。

山田委員
3番の「アートによる市民の育成」というのはどうか。ずっと話をしているので、言っている意味はわかっているつもりだが、これを見たときに、難しいような気が……。イメージがわきにくいというか。

前川委員長
少し上から目線かなという感じはする。
 この美術館は、できれば市民の方々の自発的な参加によって活動していきたい。今までの美術館のように行政が場を提供し、行政が活動を進めていくのではなく、市民の方々の自発的な活動でこの美術館が運営されていければというところがあるので、そういう意味ではこの「育成」というのはどうかなというように思っている。

島津委員
例えばインファントが乳幼児というニュアンスを打ち出したいために選ばれているとすれば、もっとはっきりと、アートによる育児のサポートとか言い切ってしまうというのはいかがか。語呂が全然合わなくなってしまうので、ちょっとかっこ悪いが。

前川委員長
できれば、語呂合わせをしたいというのがあって。ミッションとか活動方針というのは、少し語呂合わせしたほうがなじみやすいところがある。だから、市民の「成長」のほうがいいという気はしたが。市民の方々が自ら成長してくださいという意味で、「育成」ではないかなと思っている。とりあえず、「成長」という言葉でここを置き換えておく。また後でもう一度見直していくということにする。その後の文章は、前回よりも具体的に書かれていて、ここでは先ほど話したように、「市民の多様な要望を調査し、それに応じた事業が計画され、市民が自らの意志で参加し、行動し、運営されることが重要である」。ここをできれば強調したいと思っている。次に3番の「新美術館の特色的な活動」で何か加えることはないか。ここでは、設置場所がJRの船橋駅に近いというのを強調した。そのために多くの人の往来があり、その環境を生かした活動が可能であるということをつけ加えてある。あとは、最後の育児のところ、少し育児、育児というのが気になるという話があったので、角度を変えた書き方になっている。これ以外に何か追加すべきものがあれば、ご指摘いただきたい。

谷口委員
駅から近いということで、夜間開館という意見もあったが、夜間にあけるというのは大体何時ぐらいを想定されているのか。

前川委員長
私は、個人的には9時までと思っている。

山田委員
11時半とか12時半とかというイメージを持っていた。場合によっては遅くまで。深夜まで。

谷口委員
私は船橋は夜遅くまで繁華街はやっているが、夜間にオープンさせる必要や意味合いがあるのかなということも考える。夜間あけることになると、どうしても人件費等、要員の確保とかいろいろある。もし夜間やるとすれば、8時、9時というイメージは私はあるが、深夜までというのが、どこまで必要性があるのか、よくわからない。ただ、夜7時、8時でも本当に利用者があるのか。これは、さっきのアートによる市民の成長にも関連するが、夜までの美術館に市民がどこまで期待しているのか、文化的なキャリアアップした市民に育って、その人たちが来てくれるのかどうか、と関連すると思う。

倉本委員
あとは運営の仕方次第。12時半まであけるというのは、独自な美術館になると思う。多分今までにない美術館になる。独自性を考えていくには、運営方法が独自であれば独自性が育っていくということなので、今の開館時間も企画次第によって12時半になるかもしれない。ただ、一般的には19時半ぐらいになると思う。12時半とかになると、思い切った発想で美術館というものを考えていくという、一つのきっかけにはなるだろうなと思う。

谷口委員
そう言われてみれば、私もそうかなと思うが、実際に12時まであけている美術館ってあるのか。

山田委員
いや、ないと思う。
 一つは場所柄。例えば、普通、美術館は終わると電気を消して、シャッターを閉めるが、夜の8時半とか9時に電気が消え、シャッターが降りているのは、まちのためにおもしろくないのではないかと思った。例えば1階だけでもあいているのはどうだろうか。全く違う例だが、目黒区というところは、ものすごい立派な建物を区役所にしたが、ここは夜は11時過ぎまで、場所によるが、自由通路は通り抜けができる。その時間、夜遅くなっても、警備員がいるわけだが、「へぇ、こんなふうになっているんだね」と見ることができるようになっている。それは別に見せようという文化的な要請から来たことではなくて、むしろ通路としてここを確保したら近所の人が便利だろうということから来ている。意外と人がいたりする、そこに。時間というのは運営方針ということだが、役所のほうが何かということよりも、参加する人たちが自分たちでそれを開いて維持する時間帯ということになれば、遅い時間のイベントがあってもいいし、例えば、私が思っているようなものができるとすると、多分ここは、物をしょっちゅうつくったりすることができる空間になると思う。例えば、映像の編集をやってみたり、グラフィックをつくってみたりする場所だとすると、仕事が終わってからそういうことをやる。今、若いサラリーマンなんかはそういうのをみんなつくる。例えば結婚式のために映像とか、ものすごく時間と手間をかけてつくる。これから映像や音楽やグラフィックというのは、一般の人がもっともっと自分でつくるような時代になってくるのはまず間違いないと思うので、こういう場所はつくるチャンスを提供して、こうやったほうがもっとうまくいくよ、みたいなことができたら一番いいのかなという勝手なイメージを持っている。だとすると、仕事が終わってから2~3時間、そこで何かができるというような場所であったらいいのではないか。そうすると、東京から帰ってきて2~3時間何かやったら、途中で食事もするから、11時ぐらいにはなるだろうなというのが、一応さっき言った漠然としたイメージの話。それが妥当かどうか知らないが、何時ぐらいまでということで言えば、そういうイメージで言った。

谷口委員
美術館をライトアップしなければいけない。例えば東京駅とか姫路城を、そこに映像を写すようなああいうイベントも、かなりお金がかかると思うんだけど。

前川委員長
逆に閉館して閉めてもライトアップしておく必要はあるかもしれない。何かやはり温かみがあるような場所にしておく必要はある。今、山田委員から話があったみたいに、何か自由に来てやれる場所、それから仕事が終わった人に何かをやってもらうような仕掛けをやれば、おのずからそれによって閉館時間というのは決まってくるかなと思う。普通、行政的には9時だが、多分、延ばしてやったほうがいい。

谷口委員
多分、市のほうでは11時とか12時の想定は全然考えていないと思うが。

前川委員長
それぐらいのつもりでやるのもおもしろい。そうすると、今度は本当に大人の方を相手にという美術館になる。ここでは場所の問題、それから自由に過ごせるということで「カフェ」という言い方をした。さまざまなアートシーンをそこでやろうということで、映像を取り入れたらということが書いてある。あとはウェブの配信について、いろいろ考えなければならないことが出てくるかと思うが、時代をあらわしただけのことで、一般的なイメージだと思う。こういうのはあって当たり前みたいなイメージになっている。
 それから、さまざまなワークショップをやっていくことだが、これも運営にかかってくると、場所と何かを提供するが、あとは市民の方々が自由にやっていくという方向性をつくっていくということが大事かと思う。そして、子どもを持つ親たちのサポートをできればと書いている。特にこれからは乳幼児を対象にしたワークショップが非常に重要かと思う。今、美術館でやり始めてはいるが、定数があって応募しても合格しないことがあるので、自由に出入りできてやれるものを考えていくというのも大事かなと。イベントとしてやると、1人の先生で本当に10人程度みたいになってくるので、少しやり方を考えながら、多くの子どもを対象にしたものができるかどうかということも、少し検討されたほうがいいかと思う。今の若いお父さん、お母さんたちはこういうのをすごく願って、欲していらっしゃるのかと私は思うが、いかがか。

倉本委員
子ども美術館の特徴というのは、家族で来るので、小学校の3年生からといっても、下のお子さんがついていらっしゃる。だから、危ないものに関しては制限をするが、ある程度目が行き届くのであればやっていただくということはある。そうすると、今度は親が手を出してきてしまう。だから、そこも考えていかなければならない。親が一緒にやるタイプのものと、ある程度子どもたちだけでやるものとか、いろいろなスタイルがあってもいいのではないかと思う。

事務局
あとは、子ども美術館と、宮本の児童ホームと、ここでの育児サポートと、そのあたりの差別化も考え、美術館では何か特徴を捉えてやったほうがいい。

前川委員長
そういう意味では、今度の場所は非常に立地的にはいい場所だと思う。歩いて乳母車を押して来られる場所。どこから来られるかにもよるが、市内の方ならば乳母車を押して来られる場所と思う。

倉本委員
例えばボストンの子どもミュージアムでは、廃品を集めておいて、自動販売機みたいに押すと出てくる。おしゃれな廃品ボックスみたいなのがあるんです。地域的に缶とか廃物が出る。そういう地域がらみで特色あるものを集めて、子どもたちが工作をするとか、そういうことも運営の中で考えていける。ただ廃品をばっと置いておくのではなく、おしゃれに。子どもたちがそれをワンコインで買うとか、そういう一つの仕組みがあると楽しいのではないか。

柴田委員
子ども美術館はどちらかというと、体験教室的な、観光地で行われていることを少し膨らませたような感じ。本当はイタリアのレッジョ・エミリアでの幼児教育、育児教育の流れがある。日本でもコクヨが提携して一緒になって美術館のときにメタデザインとかやっていた。そこでは、保育園自体もそういう観点で設計までやっている。だから、ある程度先端に行くような、ちゃんとしたコンセプトを持ってやる。チームをつくってやっていくということをちょっと前から日本でもやっているところがある。ただ、余り大きくは扱われていないと思うが、外国なんかでは結構その流れが強くて、小学校の美術なんかも、前の美術とは変わって、レッジョ・チルドレンの流れだが、造形遊びということで小学校なんかもいろいろ取り入れてやっている。そういうことをやってきた子どもたちが小学生にいるので、その上でどういう位置づけをするか、その辺も調べて状況がわかってくるのではないか。

山田委員
ワークショップの年齢については、私のところでもだんだん下げていこうとしているが、3歳というのはまだちょっと難しい。親から離すことができるけれど結構大変。4歳になると未就学児童というイメージで捉えることができるので、そこで差があって楽になる。そこからは、対象者として言える。ここの場合には、子どもが実際に対象で何かをやる部分と、若いお父さんやお母さんが何かをするときに、子どもを連れたまま行けることの両方だと思う。その両方をまとめて、インファントサポートと言っていると思う。そういう中身が読み取れるものであれば、ここの中ではいいのかと思う。まあ、館内どこでも乳母車と一緒に移動できることはするべき。

前川委員長
今、何カ所かの美術館でやっているのを見ると、3歳未満のワークショップって、親がつくるのが多い。子どもの遊び道具を親がつくって、つくりながら子どもと一緒に遊ぶみたいな。例えば空き缶にものを入れてガラガラをつくるとか、そんなことをやっている。だから、そうやって母親でも父親でも、親と子どもが同じ時間を共有して、それでできたもので一緒にまた遊べるというのもすごくいいことかと思う。

山田委員
うちがやっているのは、親と子が一緒になって、親が見ていると、つい何か言っちゃうので、親だけ集めて別なところで何かやるというのをこのごろやっている。

前川委員長
事業をやるときには、しっかりとリサーチされて、見られて、研究されて、市民の要望を聞かれて考えられたほうがいい。こういうふうに特化した美術館はないので、ぜひ全国に注目される活動をしていただければなと。

事務局
こちらにある「最も美術に関心を抱く年齢層である若い夫婦」というところは、そういう何か統計的なものがあるのか。私なんかは感覚的に、リタイアされた方のほうが関心を抱いて活動を始められるようなイメージがある。

谷口委員
私は、アートとか美術に関心があるのは高齢者のほうが多いと思う。多いけど、例えばこういう美術館をつくるに際してのターゲットは、多分、女性であり、若い夫婦を対象にしたほうがいいのではないか。必然的に女の人が来れば男もついてくる。あと、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に来たりとか。別に高齢者を排除するということでなく、多分ターゲットを絞れば、若い夫婦であるとか若い女性であると思っている。インファントに関連するのであれば、トイレはかなり広くて、清潔で、アートなトイレが必要なのではないかと思う。例えばデパートとかスーパーとか公共的な建物の中で、トイレがきれいだったらそこを利用しようかという人もいるし、トイレのきれいなデパートが新聞の話題になったり、テレビの話題になったりするみたいに。建物自体の大幅な設計変更はできないかもしれないが、トイレだけは何らか設計変更して、より使いやすいものにしないといけないのではないかという気はする。

島津委員
関心を抱くのが若い夫婦で、統計的にどうかということがもし問題になるのであれば、文言を変えて、長期的に活動主体になっていく人たちにとって魅力的な場所であるということが重要なので、若年層が活動主体として、市民の中心的な層になってくるというイメージでここを書かれていると思うので、そういった人たちが気軽に利用しやすい、そのための環境をつくるということではないか。最も美術に関心を抱く層にターゲットを絞るかどうかということがポイントではなく。

前川委員長
確かにこの「最も」は余計かもしれない。「美術に関心を抱く年齢層」と言ってしまえば。なぜかと言うと、高齢者の方というのは割合美術を好きな方がいるし、美術の好きな方は黙っていても来ると思う。
 若い子育ての人たちというのは、なかなか美術に触れたくても触れることができないので、場を提供する。そういう意味での美術に関心を抱くというふうに考えればと思う。それから、先ほどのトイレについて、美術館に来られる方の一番のクレームはやっぱりトイレ。トイレはできれば最先端のものを考えられたほうがいい。公共スペースは、最新のものを使ったほうがいい。

柴田委員
今の話を聞いていると、子ども美術館というのは、自然だけはある、何もないところで、動き出していろいろ創造的なものをつけていく。ディズニーランドは全く逆で、もう本当に乗れば、目線まで決められるような……。だから、今おっしゃっているのは、子どもを育てることにおいて、ある程度備わっている。子ども美術館の当初のコンセプトは、何もないところで、子どもたちが自分たちでつくっていくというもの。親御さんとか子どもにとっては恵まれた環境もいいかもわからないが、子ども美術館のそもそもの発想はそういうところ。

前川委員長
柴田委員の話も、もっともなこと。事務局でどういうふうに考えられて、どうやられるかということ。
 それでは4のほうに移らせていただく。4は既存の美術館のイメージを残そうということで、一般的に美術館ということで感じられるイメージ、コレクションの展示、ギャラリーの貸し出し、ミュージアムショップ等が書かれている。確かに美術館というのは、今までの日常生活と違う空間を求めて来られる方は多くいるので、そういうスペースも必要かと思う。本当にそこの部分だけ空間のイメージが違うようにつくるということも非常に重要かと思う。それから、船橋が持っているコレクションをどうやって活用するかということも考えて、展示場所も必要になる。あとは展覧会をやるかどうかによっては、展示室のつくり方も変わってくるかと思う。ただ、展示室を貸し出すということ、そこを美術館としてイベントで使いながら、空いている場所、空いている時期を貸し出していくという考え方でもいいかなと思う。美術館で使いながら企画をやっていないときには貸し出す。そのかわり年間どれぐらいを貸し出すかというのは、コンスタントに決めてしまうことが必要。

事務局
小さな美術館で、展示室ごと貸してしまうことはあり得るか。

前川委員長
例えば市民展とかである。でも、市民ギャラリーとのかかわりがあるので、その辺をどう考えているか。

事務局
市民ギャラリーの稼働率はとてもいいので、新美術館にもできたら喜ばれる。

前川委員長
だから市民ギャラリーとどういうふうに区別をしていくか。市民ギャラリーで飾れないようなものだけ美術館で受けるか。高さの問題とかいろんな問題が出てくる。

倉本委員
貸しギャラリーの部分は結構特徴が出せる場所でもあるかと思う。今まで、単に作家の表現を発表する場を貸すという考え方だったが、もう少し違う考え方もできるだろうと。いろんな人たちがものづくりをする場であるならば、彼らが自主的な一つの企画を立てて、そこで展示するとか。市民ギャラリーとは違う貸しギャラリーなんだという位置づけをきちっとすることが大事。

事務局
貸しギャラリーというか、施設全体というか、清川の部分は別にしておいて、企画をされる方のイメージに合うように美術館全部を使っていただくという形が可能かどうか。

事務局
そういうことをすると、美術の若手の方がいろんなことができる場になるのかなと。そういう形でやれると、駅の近くにあって、余り大きくもなく、使用料も都内より安価で貸せるので、そういう方たちがどんどん来て、活発に使っていただけるといいかと考える。

前川委員長
アーティストによっては、箱ではなく空間を使いたいという人は必ず出てくるので、展示室以外で飾りたいという話もある。

事務局
外のいざないの道も含んで、中に入っていけることもやっていただくとか、大きなきちんとした施設だとできなくても、すごくカジュアルな美術館だと、そこで使いやすい、自分たちの身近な美術館だということをわかってもらえるコンセプトになっていくと思う。ちょっと素人の考えなのでそういうことがあるのかないのか。

前川委員長
やってみないと、それはわからない。だから、話があったときにどれだけ柔軟性を持って対応できるかだけだと思う。そのときには管理の問題とか経費の問題とかいろんな問題が出てくるので。

事務局
そういう利用基準をつくって、その範囲ならオーケーだとしておけばいいということか。

山田委員
そういうことも念頭にあるのだったら、施設的な対応をきちっと、可能性を残しておかないといけない。例えばいろいろなところに絵が掛けられるのか、それがケース内にしまえるのか、移動できるような大きさを持ったケースを持つのかとか。それからもちろん、防犯の区分とか防火の区分とか、そういうものや建物がどういうセグメンテーションになるのだろうかということと関係があるので、そういういろんな場所を貸すというのは、考え方としてはおもしろいが、ものができてしまってからやろうと思うとかなりややこしいと思う。ある程度そういうことを入れるのであれば、建築を考えるときにそれを入れないといけない。

事務局
既にああいう形で設計もできていると、あの範囲では難しい話になってくるか。

前川委員長
いや、だから、どこでも飾れるようなものを少し考えておけばいいということなので、全面的に建物を変えるというわけではない。

山田委員
今の話は、全館をまとめて貸し出しをする、そういう性格を持った施設にしようということか。

事務局
そういうこともできたらいいのかなと。実際に設計を来年あたりから詰めていくと思うが、そんな中で、余り大きくないし、貸せるのであれば、使う方たちもそれぐらいのスペースがあったほうが使いやすいという希望だが。

前川委員長
多分、事務局が考えていらっしゃるイメージと我々のイメージは違うかもしれない。例えば、絵画を美術館全部を使って飾るというイメージを持っているか。

事務局
絵画という感じではない。どちらかというと現代アートっぽい感じのもので、空間をうまく使って全部をアートにしてしまうとか。子どもたちも含めて一緒にワークショップをやった成果をそのスペースでやってしまうとか。そういうことができると、ちょっとおもしろいのかなという程度の考え。

前川委員長
基本的には、その辺はやれる範囲でアーティストが考えると思う。

柴田委員
最近やっぱり表現の多様性というのは広がってきているので、それに対応できるような施設をつくるということか。

事務局
今、設計ができていて、あの中で汎用性がどれぐらいあるか疑問だが、なんかおもしろい空間はあるのかなという気がした。

谷口委員
美術館ができれば、部屋の中の空間もそうだが、美術館から見て借景というか、船橋小学校を見た感じ美術館と小学校の建物と真ん中にある公園をどう生かすのかを考えたら、あの周辺の環境も含めてすばらしい展示もできる可能性もあるし、すばらしい美術館になる可能性は、結構パーセント的に高いのではないかと思っている。

前川委員長
全館で使うイメージがあるとしたら、設計の段階で組み入れられるといい。

前川委員長
その次に、Ⅱの5の「具体的な活動と施設の活用」だが、3層になった場合の単なるイメージなので、できればこういう区分をして、スペースとして活用できればいかがかなという感じ。最後に、設計変更をもし行うとなれば、気をつけることというので8項目列記をしている。何といっても耐震性というのが問題になるし、バリアフリーとかユニバーサルデザインとか、車椅子、乳母車でも自由に行き来ができるということが重要かと思う。前の設計を見ると非常に階段が狭く、階段が曲がって、折り返して行くみたいな非常に使いにくい建物なので、あの辺は少し一考する必要があるかと思う。それから、やはり夜の輝きというのは大事かなと思う。オープンスペースをいかに活用できるか、それから、やはり子ども向けの施設。もう一つは、貸しギャラリー及び展示室を持っている以上、作品の搬入ルートというのは持っていないとまずい。前の設計図を見ると、作品の搬入ルートに対して問題が多いかと思うので、あの辺はきちっと整理しておく必要がある。これは本当にイメージだけなので、ここで書いてある1階のものが2階に行き、2階のものが1階に行きという入れかわりは出てくると思うし、場合によっては、カフェは1階にあったほうがいいという考え方もある。この辺は設計者といろいろ打ち合わせをしながら、このような要素を入れていただきたいという提言。問題は、3番目の「新美術館を充実させるための課題について」ということだが、課題について1から7まで列記してある。この辺がきちっとクリアされていかないと、美術館をつくっても運営が大変かなと思う。監視員とかいろんなものが出てくる。

谷口委員
美術館の入場は、基本的に有料と考えられているのか。

前川委員長
博物館法だと原則無料。公立美術館、博物館は取ってはならない。「ただし」、維持運営のために徴収してもよい。その維持運営の解釈。

事務局
施設管理という意味で取るのか、そこが問題。

柴田委員
アンデルセン公園に自分がいたとき、非常に問題になったのが入園料。大人900円では高過ぎると。下げるとどうなるか、マナーがすごく悪くなる。特に平日の休みの日、県民の日、ここに出てくる若い女の人、みんな子どもを連れて来るが、もうすごい。食べたら食べっぱなしという、非常にマナーが悪い。結局、子どもは子どもだけやらせていて、自分たち大人はべちゃべちゃ、べちゃべちゃしゃべっている。コミュニティーの場ではあるが。そういう問題を抱えている。お客さんは来るが、どういう層が来るかということを考えると、そこに経費をものすごくかけるということに現実問題としてなる。 だから、本当に現実的にどうか考えていく。特に幼児とか若い親とか、その辺も考えながらやっていかないといけないと自分はずっと思っている。どういう運営の仕方があるのだろうということで。だから、例えば無料で入ってくる。それでワークショップなんかがあって、それもそんなにお金は取れないと思うので、そうしたら、どんどんそこへ来るのではないか。心地よい空間であればどんどん来る。IKEAも、食べるもの、子どもが遊ぶもの、全てがそろっているから、あそこにずっといる。でも、そういうふうにしなければ来ないし、現実問題として、実際に存続させていくということ、活気のある運営ができるということを考えると、結構いろんな問題点が出てくるのではないか。

事務局
ましてや、もし夜間遅くまでということになってくると、無料であれば誰でも入れてしまい、防犯上の問題にもつながってきてしまう。そういうリスクもあるということ。

柴田委員
自分は中学校が現場でやっているので、ゲームセンターにみんなで行っている。そういう連中がいっぱいいる。例えばそういうところにパソコンがあって、心地よい場所であれば、そういう人たちも来る。現実問題として、子どもとか船橋市民の感性を成長させて、それでやっていくというのは、非常にいろんなPRすべき問題があるのではないかと。

倉本委員
日本の場合にマナー教育というのは余りなされていないと思う。美術館とかいろいろな場でのマナーというのがあって、本来はそこの場のマナーのあり方みたいなものを伝えていくのも目的の一つだと思う。それをどう運営の中に組み入れていくかはこれからだと思う。さっき市民の成長といったが、ある緊張感を持ったところでの意識というものも少しずつ育てていかなければと思う。浜田の子ども美術館なんかは、小学生に必ずマナーを教えるというプログラムがあって、必ず1年に3回とかは子どもたちが団体で来て、美術館の過ごし方を教えていって、中学生になっても見にくる一つの仕組みづくりをしている。そういうことも考える一つの材料だと思う。

柴田委員
そういう仕組みとかシステムとかを打ち出さないと、いい作品に子どもが手を出したりとか、ひどいのになると、中庭へ出している彫刻なんかも、子どもは倒してころころと遊ぶ。ただ、それを子どもに言ってもなかなか難しい。それを見ている若い親というのは、もう見て見ぬふりで、自分たちで話していてそのままにしている。結局、その辺になると大人の指導になってしまう。だからそういう現実があるということがあって、それをきちっとできるようなものをつくっていくという、そういうモチベーションを持ってやったらおもしろいかなと思う。

事務局
そうすると、先ほどの育児支援、サポートの中で、ただ楽しむだけではなく、若いお母さんたちがマナーをきちんとそこで学べば、小さいお子さんが大きくなったときにちゃんと伝えられるというふうにつながっていくというメリットがある。

柴田委員
そう。大人も割と入りやすい空間をつくろうとやっているので、これも大人全てを含めて、その辺の新しい仕組みづくりへの挑戦がやっぱりおもしろいのではないかと。それこそ、船橋から初めて出すということになるのではないかと思う。

前川委員長
子どもが本当に小さいときから親と一緒にマナーを育てていくということが大事だと思う。やはりそれなりの美術館という格式を持っていることも大事。ただ、この美術館のコンセプトからいけば、入場料で区別したくないというところもある、その辺をどう考えるか。確かに先ほど柴田委員の話のように、入場料を取るというのが仕分けになるのは確か。日本の国立の博物館がお金を取っているというのはまさしくそれ。上野の国立は、春の花見のときに泥酔した客を入れたくないからお金を取っている。あそこで結局、チェックをしている。そういうのも確かに大事だが、その辺をどうやらなくて済むようにしていくかということも大事。ちなみに、佐倉は入場料無料だが、今のところその辺の問題は全然ない。ただ、逆に余り子連れのお母さんが来ないのもある。

山田委員
今、一番妥当な線だと美術館が考えているのは、入ったら全部有料ではなくて、必ず無料でそれなりにある程度過ごすことのできるスペースをつくる。そこから企画展、あるいは特にコストのかかるものについてお金をもらえばいいだろうということなので、この新しい施設の場合には、ワークショップに参加するところで、ちょこちょこ取っていくということが一番いいのではないか。施設に入ったところでいきなりお金を払うというタイプのものではないのでは。それは回数券みたいなものでもいいのかなと。先に買っておいて何かをやったときに、これは2枚ねとか、これは3枚ねとか、もしかしたらそういうやり方も成立する可能性はある。それと、先ほどの小さい子のマナーの話だが、目黒区の場合は小学校に呼びかけていて、必ず学校で低学年からツアーに来る。多い子は、毎年来るから小学校の間に6回来る。最初の1年生というのは来ない場合もあるが、2年生から大体来るから、さっき言ったパブリックな場所ではどうしたらいいのかという話を、低学年については最初はかなり言う。その前に、先生たちにまずその話をしないといけないので、そういう機会もつくっている。そうすると、4年生、5年生ぐらいになると、とりあえずは飽きてしまう子はいるが、ツアーに来た場合には、最後までおとなしくきちっと、それなりのマナーは守れるようになるということは確か。ちょっとやればすぐ解決することだと思う。ただ、ついでに言うと、うちの場合は子どもたちのギャラリーツアーを受け入れるときに、1人の人が40人を集めて「皆さーん」と言って話してもほとんどしょうがないので、必ず小分けにして7人とか8人とかのグループをつくって、そこに1人ずつか2人のボランティアの人とか実習やインターン的なことでかかわっている人とかで回るようにしている。そういうことは、恐らくこの新しい施設ではなかなか難しいかもしれないが、何かの形で小学校と連動するべきだと思う。実はそれに関連して質問があるが、船橋市の場合には、いわゆる学童保育的な部分というのはどういうサポート体制になっているか。

事務局
以前は民間の父母会がつくっていた学童保育クラブというのがあったが、かれこれ20年ぐらい前に公設公営を打ち出して、今は全校に公設で放課後ルームという名称で放課後ルームをつくっている。

山田委員
そうすると、ここもそういうことができる可能性がゼロではないのではないかと。

島津委員
キッズルームについて、2つイメージがあって、そこに子どもを預けて親が何か別の活動をしているということと、そこで一緒に親子でワークショップなどアートに触れていくという、実は全然別のことだと思うが、その両立をさせるには、預けて親が何かやるということと一緒にやっていくということを、別々に考えていかなければいけないような気がする。全体の規模が小さい美術館なので、実際どう運営していくのかと考えたときに、一番よくないのが、それこそ預けてしまってもう親が美術館にもいないこと。何らかの形で美術館のアートと親をつないでおく必要がある。また、乳幼児と児童を同居させることの危険さというか、幼児が暴れるので乳児は危なくて一緒に預けることができない。だから、何かゾーニングをしなければいけないということも生じるので、そういったことを考えると、管理をどうやっていかなければいけないか、全館展示できるようにするにせよ、あわせて考えていくことなのかと思った。

前川委員長
その辺は、運用の段階でやっぱり考えていかなければならない。確かに、具体的に運用していくとなったら、いろいろ問題が出てくる。

倉本委員
そのことではないが、3番目の課題について。準備室を設置すべきであると提言がある。審議委員会とか評価委員会とか運営委員会とか、運営をするためにある専門的な知識を持った方々のアドバイスというのは、当然必要だと思う。ただ、これまでにあるような委員会の形式で果たしていいものかどうかが私の中に正直あって、もう少しジェネレーションを下げて、30代、40代のデザイナーとか、分野も大学の先生とか有識者と言われる方々ではなく、いろんな分野の方、製作をやっていらっしゃる方、企業人、そういうこともメンバリングをした何か委員会なり検討会議、そういうものが必要なのではないかと思う。そこで積極的にいろいろなアドバイスをしていただいて、質の高い美術館をつくっていくという姿勢を打ち出していくべきではないかと思う。もう一つ、財政の確保について、市からの予算と、外的な予算。運営財政のあり方だと思うが、要するに企業からの資金導入とか。

倉本委員
市だけで財源を確保していくことは、非常に難しいことでもあると思う。なので、難しいとは思うが、何か知恵を働かせて、外的な協賛をとっていく仕組みも考えていく美術館であったらいいのではないか。やはり維持会員とか、サポート体制で一つの財政を確保していくというところは、やはり課題として入れていけたらと思った。

柴田委員
企業のサポートというのは、私も美術館時代に、協賛してもらおうと思っていろいろ回ったりしたが、やはり厳しいものがあった。ただ、企業は子どもの教育、そういうものには割と最近乗ってきているので、その辺、とりつきやすいような切り口を入れていくことも、新しい美術館という発想の中に入れていくとおもしろいのではないかと思う。

山田委員
目黒美術館では、いくつかのところとはそういうことをやっている。例えば、今、必ず年に1回はやっているプログラムでは、デザインキャンプというプログラムがある。これはハーマンミラーとうちが共同でやっている。ハーマンミラーのほうがワークショップ的なことをやっていきたいと。うちはそういうワークショップをやるお金が欲しいというので、ちょうどいろいろ一致している部分がある。何人かのデザイナーの展覧会をずっと継続してやってきているので、美術館全体のイメージもハーマンミラーと今はきちっと合っている。ですからそういう仕事がしやすい。ただ、これは非常に幸運にマッチングがうまくいく例で、それを自分のほうから何もないところに、お宅とうちは一緒にやれるはずと持っていくのはなかなか大変だと思う。ここの新しい施設の場合も、恐らくそういう大きな会社といきなり一緒にやることは、とても難しいのではないかと思う。しろ、こういった公的な仕組みというのは、僕はもっと小口のドネーションを受け入れるシステムを持ったほうがいいのではないかと思う。例えば100万円はもらうけれど、1万円持ってきても受け付けないということではなく、もうちょっと小口のドネーションを受けて、ちゃんと地道な活動に積んでいくというようなことがあってもいいのではないかと思う。

倉本委員
例えば、都の写真美術館は福原さんが館長さんになっている。要するに民間の企業人を館長にしている。館長でも副館長でもいいが、何かお金を取ってこられるような人材確保というのはできないものか。やはり財政が安定しないと、いいものもできないという実感がすごくある。

前川委員長
日本はそういう意味では難しい国かもわからない。アメリカの美術館はほとんど企業寄附、市民寄附で成り立っているところがある。だから公立というよりは市民美術館みたいなところがすごく強い。

倉本委員
やはり大勢がサポートしてくるという仕組みを、頑張ってやればまたモデル美術館になると思う。

山田委員
ともかく、小さい単位でお金を集める。お祭りとか盆踊りのときに提灯1個3,000円とか2,000円。ああいうことは実はとてもモデルになって、世の中にちゃんとある。そういう感じのことではないかとおぼろげに思っている。

前川委員長
ただ、それも今までは友の会とか協賛会とか組織してきたが、結局、どこも続かないというのは、やはり無理がある。

山田委員
それはメリットがないと感じるから。それをやったって全然それ以上のことにみんな誘わない。アメリカの美術館だと、ちょっとでも寄附していた人は、オープニングの前の、アーティストと実際にしゃべれるところに行けるとか、行って写真撮ったりできる。そういうのは楽しい。そういうメリットを全然与えないで、年間会費でちょっと安くなると言われても、「えぇ?」みたいな。

倉本委員
あの環境だとメリットってつくりやすい。商店街をうまく巻き込んで。

前川委員長
確かに財政の確保というのがすごく問題になってくると思うので、その辺は考えることが必要かと思う。 それから、先ほど倉本委員から話があった運営協議会の組織のつくり方というのも大事だと思う。博物館法にのっとった運営協議会がいいとは決して言えないし、別に博物館法ではつくってもつくらなくてもいいようになっているが、もう少し実際に活動していく人たちが組織したほうがいいかと思う。時間が迫ってきたので、最後までやらせていただく。5番目の吉澤のコレクションについては、このような形で提言という形でやらせていただこうかと思っている。野球資料については、最初のうち何回か皆さんと検討させていただいて、資料としては非常におもしろいけれど、美術館の中で使うには難しいという話があった。一応、スポーツに特化した施設を考えたいという市の考え方もあるので、そちらのほうでお使いになられたらどうでかということ。それから、美術作品については、新しい美術館は清川というものがメインにあるから、それプラス吉澤が入ったときに美術館の特徴そのものも消えていくだろうというのと、美術品だと何でも美術館に入れるという考え方はやはりいかがなものかと思っている。それは先ほどの課題の中のコレクションの充実でも触れているが、美術館のコレクションというのは、あるコンセプトを持って集めていくものだと思っている。コンセプトなく集め始めると、全ての美術と名のつくものは全部美術館の所有になってしまう可能性があるので、その辺だけは避けていただきたいということも含め、このような形で提言を出したいと思っている。ただ、市内の方が集められたコレクションということがあるので、それはまず塊として保管されて展示をされていけばいかがかと思う。それから、提言の結論については、最初のほうで、インファントを入れたので、それに関係して少し文章を変えたのと、ここでは一番最後に「船橋市に期待すること」という形で、一文つけ加えさせていただいた。何を言いたいかと言うと、美術館は建てるのが目的ではないということだけはしっかりと話しておきたい。美術館は建ててからが活動であり仕事なので、建てることを目的にして終わられれば、それこそ箱物になってしまう。建てた後どうやって活動するか。建てるということは活動していくという、維持をしていく、それに伴う経費を出すというのが義務づけられているというか、責務が生じるということを、ここできっちりと訴えておきたい。ということで、こういう形の結論にしたいと思っているが、いかがか。最後のところは、先ほど話があった財政の確保ということも絡んでくるので、その辺の新しい方向、新しい努力をしていかれるべきかと思う。しかし、それがだめならばもう活動しないということでは困るので、あくまで建てるということはやっていくのだという意思表示だと思っていただければ。

山田委員
やはり美術館は、前にも一度申し上げたが、持つ資格のないところが建てて維持をしようとすると非常によくないことが起きる。それをぜひ考えていただきたい。

事務局
真摯に受けとめさせていただいて、私たちも形になれるように努力したい。

前川委員長
一応ざっと通したが、これを少し直して、次回もう一度読み合わせをする形をとらせていただければと思う。
 これでよろしいか。それでは、終わりにしたいと思う。


(以上、約1時間40分)

 9 資料・特記事項

第10回船橋市美術館運営等検討委員会会議資料

  1. 船橋市美術館運営等検討委員会提言書(訂正案)

※当資料は、内容そのものについて審議中であり、議論の不十分な内容が流布してしまうことを避けるため、非公開とする。

10 問い合わせ先

船橋市教育委員会 生涯学習部 文化課
電話:047-436-2894

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