第6回船橋市美術館運営等検討委員会会議録
1 開催日時
平成26年4月20日
午後2時00分~
2 開催場所
市役所本庁舎9階
903会議室
3 出席者
(1)委員
- 前川委員長
- 大澤委員
- 山田委員
- 島津委員
- 柴田委員
- 倉本委員
- 谷口委員
(2)事務局
- 瀨上生涯学習部長
- 田久保文化課長
- 松田文化振興係長
- 鎌田主事
4 欠席者
- なし
5 議題及び公開・非公開の別並びに非公開の場合にあっては、その理由
議題
- 運営方針について
- 平成26年度の委員会スケジュール・各回の議題について
公開
6 傍聴者数(全部を非公開で行う会議の場合を除く)
なし
7 決定事項
第7回船橋市美術館運営等検討委員会の日程
8 議事
前川委員長
早いものでもう6回目となり、スケジュールからするとそろそろまとめに入らなければならない。前回、美術館に対する市としての考え方をしっかり出してほしいというところで終わったので、まずそのあたりのお話をいただいた上で討議に入りたい。では事務局から。
事務局
当委員会の中で何度か「市としての考え」についてご質問いただいていたところだが、このたび企画部署と話をした中で、このような方針でいこうというものが出たのでご説明する。まず吉澤野球博物館については、野球に関するものは歴史的資料としておもしろい部分があるものの、美術館に収めるには馴染まないのではないかという意見があったが、市としてもこちらはスポーツに特化していくことが良いのではと考えている。スポーツ面で船橋市には市立船橋高校の活躍や、ミニバスケットなどの全国的な活躍があり、また市出身の選手が全国に多数居る。そういった方々のご紹介とあわせて資料を展示し、あの場所でスポーツに特化した施設として開館させていきたい。野球の部分以外の美術品については、27点を寄附していただける予定で、今後評価を行っていき、清川記念館での活用を考えていきたい。後はあの中に体験型のバーチャル施設を付けて、皆さんが楽しめるような形の施設にできたらとも考えている。次に清川記念館については、建てる場所についてもしっかりした考えをお示ししていなかったので、お話しさせていただく。建設予定地については、勤労市民センター脇の場所で考えている。設計については、あの設計図を全部見直すということは考えていない。あの建物を有効活用した中で、今後皆様方にこういうことをやったらどうかということを考えていただきたい。また外観の部分に関しては今の設計のままとし、中身の部分の変更について話し合っていただきたい。また、子ども美術館を視察した中で、一本化した運営はできないのかという話があったが、子ども美術館は公園緑地課の管轄であり、公園として運営している。そのため教育委員会との財政的な連携が困難であり、子ども美術館と清川記念館との一体運営は難しいと考えている。ただし市民ギャラリーと美術館との一体運営は可能である。施設の名称については、仮称「清川記念館」ということで話しているが、市の美術館を作るに当たって、清川さんのお名前を頭に付けるというのは、市の施設としては難しい、そぐわないのではないかということがある。私どもでは、建物の名前を「清川記念館」というものではなく、美術館の中の一室の部分を「清川記念館」というような形の名前にできればと考えている。次に清川コレクションの展示について。展示をすること自体は大前提ではあるが、清川コレクションを主軸に据え、その鑑賞を第一とする形では美術館として難しさがあると考えている。それらコレクションは一室に置いて、その他の空間でワークショップやアートカフェ等の事業を行うことで集客し、その利用者に清川コレクションも鑑賞してもらえる仕組みが作れないかと考えている。なお収蔵作品の拡充については、借用も含めて財政面の事情から現在は考えていない。展示には現有の作品を利用していく。従前の基本構想等の資料をご覧いただいた中で、「内容を盛り込み過ぎている」「何かに特化させていく必要がある」といったご指摘を多数いただいた。そこでメインとして扱っていくコンテンツを再考し、その方向性として、1.アートの発信基地 2.地域特性を活かした企画 3.コミュニティーの形成を促す企画 4.賑わいの創出、以上の4つを指標として考えを進めていきたい。また、市では政策面から海を活かしたまちづくりを考えている。これは駅前から歩いて大神宮まで行き、そこからららぽーと近辺までの道筋に回遊性を持たせようというもの。今年度はそれに関して具体的に動いていくということで予算が組まれている。その中で、清川記念館もその一環として回遊性を促せるような施設として機能できないかと考えられている。
前川委員長
それでは今ご説明のあった事務局の考えと、前回の話とを踏まえながらもう一度皆さんで施設の考え方、美術館というものの考え方を出していただければと思う。
山田委員
こういうところから出発するべきだったのではないかなという感じがする。具体的には、例えば建築が実際このままでいいのだろうかという問題と、メインコンテンツと呼ばれているものがどんな方向性のものかということは、大変に密接な関係性があると思う。これからは、メインコンテンツというところに集中する話なのかなと思う。そうなると、もう少し具体的にするためには知りたいことがあって、これは例えば運営の形態はどんな形を考えているのかとか、人員というのはどんな形で考えるのだろうかと、そういったこともこれから先の考えを出していくためには必要なことなのではないかなと。例えば24時間開けたいと思えば24時間人を雇わなければいけない。そのあたりの運営のおぼろげな形、例えば指定管理にするのか、単に業務委託、窓口業務の委託にするのかとか、そのあたりの考えというのは既にあるのか。
事務局
業務形態については、ワークショップをする中で、指定管理をすると、8,000万から1億円の赤字が出るとの試算を昔出していた。指定管理しないともっと多くなると考えており、市から出るお金を少なくするには指定管理をする必要があると今も考えている。時間は、夜9時ぐらいのイメージを持っている。 人員については、ワークショップ等どのぐらいのことをやるとどのぐらい人が要るかというのが、ちょっと見えていない部分がある。逆にこのぐらいやるとこれだけ人員がかかるということを教えていただければ参考にさせていただく。
山田委員
指定管理形式では、年間にこれだけのことは最低限実施して、あとは自主的な事業をやっても良いという形がもともとのノーマルな形である。非常に単純な話だが、この新しい施設に年間どれぐらいの規模の資金を投入しようと考えているのか。
事務局
当時は一応360日、ほぼ休館日以外毎日人が来て、いろいろな事業をやって、最終的には8,000万から1億の赤字になるというふうに数字が出ている。したがって当時の資料であれば、1億4,000万ぐらいの歳出を見込んでいた。
前川委員長
それは人件費が含まれているか。
事務局
含まれている。その当時は9人体制での人件費が計算されている。
前川委員長
予算としては飛び抜けて多くはない。どちらかというと少ないぐらいかなという感じを受けるが、普通の範囲だと思う。この中でワークショップをいろいろ行うとなると、かなりきつい予算という感じがする。
山田委員
しつこいようだが、船橋市全体の経済的な規模があり、その中でさまざまな仕事をしなくてはいけない。いろいろなサービスを提供しなくてはいけない。そういう全体のバランスがある中で、恐らくこういうことをやろうというからには、これぐらいの比率でやりたいということがないとおかしいと思う。
例えば、確かに積算をしなければ8,000万なのか1億1,000万なのかは分からないと思うが、その辺は、どこかの段階で例えばこれぐらいのところまではという話はできないか。
前川委員長
私も同意見。これぐらいかけても市はやるんだという「やる気度」の問題かなと思う。
事務局
結局、予算によってやるものも変わってくるということか。
前川委員長
それもあるが、新たな施設を建てて活用していこうというのだから、ある程度の出費を、市としては覚悟しておかなければならない。その覚悟はどれぐらいかという話である。その覚悟がなくて建てるというのはまず無理な話。その辺りが山田委員のほうから出ている話だと思う。
事務局
覚悟としては、当初、平成18年よりも理解されやすい条件として、企画部門の課からの回遊性創出の計画の中で「本町四丁目を中心に」という文言が入っている。その中で美術館、アートセンターは、一つの拠点という考え方になってくると思うので、ここをどうにか発信していくために、予算をつけていく覚悟はある。
前川委員長
その辺が今まではっきりしていないがために非常に難しかったところで、なかなか会議がうまく進まなかったところはあるかなと思う。
事務局
実際、今までの仕事の中でも、自分たちはこうしたいけれども、財政の全体的な限度はあるので、その中で振り分けられて削られていくことはある。しかし、当初から削られていくことを想定して仕事はしていないので、文化課としては、これをしたいということを出しながら予算要求をしていく。
前川委員長
メインコンテンツについてのご意見をいただければ。
倉本委員
やはり一つの時代性というか、今、新しく作られようとしている美術館、アートセンターというのは、ほぼこのようなメインコンテンツを掲げていると思う。そのため、これがどう船橋市に合ったものになっていくのか、メインコンテンツを具体的にしていくための段階に入ってきていると実感する。あと、やはり市民の方々の意識。一人、二人の市民の方々の意見ではなく、大勢の方々が一つの美術館に対してどういう夢を持っているのか。役所の方々が持っているものと、専門家の視点と、あと市民の人たちが一番大切に思い愛してくれなければ発展していかないと思う。そういう方々との話し合いの機会も必要になる。このメインコンテンツを進めるに当たって、今後どういうスケジューリングでいろいろな委員会なり準備室なりを整えていくのかなと思う。
前川委員長
何かアイデアがあったら、お出しいただければ非常にありがたい。
倉本委員
やはりアートの発信基地ということでは、いろいろな文化施設が点在しているので、非常に身の丈に合ったスペースというか、そんなに大きなスペースにはならないだろうと。そのため、本当に市民の方々だとか、音楽の方々とかの情報を集約して、それを発信していける場になれるような規模というか、人と人が寄り添えるような空間づくりができるのではないかなと思っている。それと地域性、特性を活かしたというのは、私たちからすると、人の息づかいが感じられる、危ういところもある、非常に生々しい、人が人の息づかいを感じる、まちの特性を、どこを拾い上げてどういうふうに魅力的なものにしていくか。
前川委員長
柴田さん。
柴田委員
今まで何かもやもやしていたものがはっきりした。今まで皆さんいろいろなアイデアを出してきたが、紆余曲折しながら、はっきり出てきたので、もうあとは考えていくべきところは少し見えてきた感がある。自分のほうでは今までコンテンツについていくつか話をしてきたが、ほかの美術館と差別化するという形になるので、アイデア勝負になるのでは。ただ、年間のスケジュールとなると結構これは長い。考えているものが現実になるには相当時間もかかるし、非常に難しい。お金もかかるという感じがする。メインコンテンツについて、私が前に言ったのは、1つは姉妹都市。特に今回「花と緑のフェア」があったが、デンマークのオーデンセ市の大使も来て、切り紙コンクールの表彰式等いろいろなものを行っており、向こうとのつながりもかなり出てきている。8つ美術館があって、その辺りも関わろうと思えばいくらでもできるので、若手作家などのつながりも割と簡単にできるのではないかと思う。ほかにも姉妹都市があり、年間のスケジュールを考えるとどこかには入れられるだろうという気がする。それから子ども美術館で子ども向けのワークショップと企画展をやっているので、こちらのほうで少し宣伝をして、大人のワークショップに変えることもできる。子ども美術館での展示品をこちらに展示することもできるし、すぐにスケジュールとして具現化できるのではないか。もう一つ、市の所蔵品の中には結構面白いものもある。亡くなられた熊谷文利という中学校の美術教員の方の絵で、私が美術の教員になって初めての授業研究で、この方を呼んで見ていただいたことがある。絵としては非常にすばらしい絵もあるので、大人も感じるのではないかと思う。昔のアカデミックな感じではなくて、そういうものも入れてやることもできる。
あとは、先ほど夜の時間ということで、私もここは夜やらなければだめだという話をしたが、あの周辺は、最近、若い人たちの集まる店がいっぱいある。その辺はよく調べることで、どの辺の時間帯までがいいのか、どういう客をターゲットでやっていくのか、この辺もある程度見えてくる。
前川委員長
アートの発信基地とか、地域の特性を生かすというのは、言葉では非常に簡単だが、具体的に何をやるかというと、難しい。
島津委員
まだ考えがまとまっていないが、例えばアートの発信基地にするとして、何をどう発信していくかを準備する時間がまず必要。そして、そのスケジュールをきちんとできる専門的な知識や知見を持つ人が必要だと思う。例えば学芸員では教育普及専門でエデュケーションの人かなという感じがする。そういう人たちを、どうスカウトしてくるかとか、また、そういう人たちがどういう企画を立てるかというのをある程度方向づけるのか、それともある程度委ねてしまうのかとか、具体的に発信基地を発信基地にするための準備の事前の時間が大分必要になってくると思う。結局、何人人を雇うのかとか、例えばアーティストに何かをやってもらうということにしても、滞在費を出すのかとか、どれくらいの予算、規模でやってもらうのかとか計算が必要で、その辺を具体的に考えるために、もうちょっとどういう発信をしていくのがいいのかをこの委員会で出すべきなのか。最初に事務局の方から集客の仕組みを考えてほしいという言葉が出たが、集客の仕組みを考えることとコンテンツのクオリティーを考えていくことが必ずしも一致しない場合があるときに、その辺をどう方向づけていくか。そういうことも意識しながらやっていく必要がある。
それは、市としてやるつもりがある、ないというのがはっきり状況確認として出たからこそ実際その作業に入れるのかなと思う。
前川委員長
この委員会では、発信基地として、何を発信し、発信の仕方をどうやるのかまでは、できれば皆さんの意見をお伺いしたいなと思っている。それから、「地域の特性を生かして」というが、地域の特性がよくわからない。市の考え方として、「特性はこれ」というものがある程度提示されれば、それに対して何をやるかが出てくる。あの場所の立地条件だけで、果たして地域の特性と言えるのかどうか。それから回遊性についても、もうちょっと具体的な市からの計画が出てこないと何とも言えない。
倉本委員
結局、アートの発信基地という部分でも、今、船橋市の点在している文化施設がどう発信しているのかとか、私どもが企画を立てる場合は状況の調査を綿密に行った上に、一体何が特色なのか、今足りているもの、足りていないものは何なのか、市民の人たちが望んでいるものは何なのかと総合的にいろいろ検討していくということかと思う。船橋の特性と言われても、私も子ども美術館にただ行ったり来たりしているだけでなかなか分かっていない。本当に提案をするのであれば、それを全て調べた上で一つの言葉を残すことだろうなと思う。
山田委員
今、いろいろな話が出始めているが、ほとんどは、実は年間フルにこの施設を運営する側が自分たちで事業を組んで埋めようという方向の話だと思う。実際にもし仮に、この図面に極めてよく似た建物ができたとすると、一部屋は恐らく大変地味ではあるけれども、きちっと面白いなというところを再評価するべき一種の常設の小さな展示室、あるいはそれだけで既に独立した美術館といってもいいギャラリーができると思う。それ以外のスペースというのは、例えばワークショップをやるというようなことを簡単に言っているが、それを年間全部埋めようと思っているのだろうか。あるいは市側の考えをもう一度読んでみると、例えばアートの発信基地と言っても、何もそれは自分たちでゼロから全部発信しなくてもいいだろう。発信できる人に場所を貸すのでもいいだろうとか、いろいろなことがある。それから地域の特性を生かすことを言うと、この場所で何かをやりたいという人に貸してあげることのほうが、無理やり企画をすることよりもいいのかもしれない。そのあたりも実は前提条件というか、最初の段階で考えてもいいのではないか。例えばこの中で一部は貸し出しのスペースにするけれども、あとは自分のところでやろうとか。もし指定管理型の運営をするのであれば、当然、年間全てを市のほうで埋めたスケジュールで頼む必要はないわけで、ある部分は指定管理者が自分の自主的な事業として展開する枠がないと、これは指定管理を受ける方だって何もいいことがない。恐らく実際に管理する人を選ぶときにも、それがあったほうが多分受ける方は本当は面白い。もちろん金銭的な問題があるが、そのあたりも前提条件として考えてもいいのではないかなと思う。私がなぜこんなことを言い出したかというと、何もこれを無理やり1年間全部自分たちで埋める必要はないのではないだろうか。貸し出しのスペースというものを、最初からそもそも入れてもいいのではないだろうか。それから、これはいいと言っているわけではないが、既にたくさんのところで行っているように、例えばカフェに相当する部分は有名な会社に頼めばいいではないかとかいろいろな考えが出てくる。これらにはそれぞれいいところと悪いところがある。だけど、それももし有効な方法としてとれるのであれば、考えに入れてもいいのではないか。全部を自分のところでゼロからやる必要は多分ないのではないだろうか、それだけの予算を用意したり、準備を全部する必要はないのではないか。もう一方で、例えばワークショップ的な仕事をするのであれば、施設については大分いろいろなことを考えなくてはいけない部分が出てくるのではないか。施設を貸すことについて、ちょっと考えてもいいのではないかなと思う。
前川委員長
もっとオープンなスペースにしていくという。
山田委員
全てを自分のところでゼロから作らなくてもいいのではないかと。
前川委員長
谷口さん。
谷口委員
建物の概要を説明していただきたい。
事務局
1階では展示室が1室、「開」という名前で書かれているところが展示室になっている。2階の「包」という字が書いてあるところが、清川コレクションの展示室になっている。その隣、「明」と書いてあって、こちらはスタジオということで、映像作品を中心に活用してもらおうと考えているもの。隣に小さい多目的スペースがある。その右上のところの屋上は屋上緑化になっている。地下のところで展示室、1、2と2つ用意しており、それプラス収蔵庫。収蔵庫の前のところが荷ほどきとかの作業スペース。これを見ると展示室が3つ、スタジオが1つ、それと清川記念館を常設展示している部屋が1つ、そういう区割りになっている。
谷口委員
清川記念室というのはこの図面では常設の部屋を1つ作るということで考えたほうがいいのか。
事務局
そうである。
谷口委員
ほかの展示室、地下と1階、2階の展示室を有効にどう使うかということを考えていくのか。
事務局
そうである。また、清川コレクションの展示室を、この当時は2階に設定したが、ここではないところに置くという考えもあるかとは思う。
谷口委員
改修が必要な部分についてのみ設計変更と書いているのだが、改修が必要な部分という考えは、どこまで我々のほうで手直ししたり、例えば部屋を細かく区切っているが、それをオープンスペースにしたり、壁を取り払うとか、小さな部屋にするとかの変更は可能なのか。
事務局
「どういうことをしよう」と思うことが出てくれば、おのずと部屋の使い方もまた変わってくるのかなと。
谷口委員
考え方としては、建物はこの建物だが、中については、内容についていろいろ考えることはできるということでいいのか。
前川委員長
多分、柱とか基盤に関するところは設計上変えられないと思う。だから、あとは展示室が3つも要らないだろうとか、このスペースをアートカフェにしてしまおうとか、そういう意味でもう一度設計者にその要素を入れた変更をしてほしいという話に持っていくしかない。本当にこれも鶏と卵でどっちが先かという話だが、メインコンテンツの何をやるかを決めて、それをもう一度設計者に投げかけるしかないのではないかと思う。
事務局
あと考えるとしたらバリアフリーの観点と耐震。
前川委員長
拡充しないコレクションでこんな展示室が必要かみたいな話もあるが、それを市民の方に貸し出す、例えばアーティストに貸し出すといったときに、どれぐらいのスペースが必要なのかというのをもう一度きちっと調査しなければならない。市民ギャラリーとの関わりをどうするかという問題も出てくるので、そう簡単な話ではないという感じはする。
山田委員
どっちが先かということもあるが、建築では恐らくここは取っても付けても大丈夫な壁というのと、この構造だと、中央の南北というか縦になっているシャフトみたいな構造は変えられないけれども、それ以外のところは恐らく外壁で比較的もたせているので、中の壁は変えられるところが結構あると思う。
もちろん内容を決めてこうしたいということも大事だが、建築の、恐らくこれをもとにして耐震を考慮し筋交いを入れたりとかしなくてはいけないので、新たにこの図面にないような、この図面の上ではオーケーそうな壁が、もっと頑丈になって取り外しがだめになることもあると思うので、そういう構造を少し示してもらったほうがいいのではないか。建築では細かい壁を考える前に必ずそういう全体の構造を考える。それをこちらでどんなことを考えるかということと並行して出してもらうことは恐らく可能ではないか。多分、施設の人は詳しいと思う。それと、先ほどのことに補足させてもらうと、この建築の展示室の考えの中でポイントになっているのは、地下に展示室2。ここは天井がなく吹き抜けになっていて、1階のところから下がのぞけるような感じになるのではないかと思う。この部屋は結構珍しい形になるのではないか。
谷口委員
倉本さんから、船橋市民の考え方や望んでいることは一体何だろうかみたいな意見があった。私も美術関係とか美術に関心のある方と話をすることもあるが、まず美術館を作ることを皆さんご存じでない。我々が委員として集まっているが、実際に美術館ができるのかどうかも、まだ分からない。美術館を作るという強い意志で広く市民に知らせて、市民の方の意見を聞けるシステムを作ることが大切。私も個人的には、例えば「こんな美術館が欲しい市民の会」みたいな会があってもいいのではないかと。この限られた予定地であるとか建物であるとか、いろいろな制約があるが、制約のない中での意見も聞いていいのではないか。ある程度の段階でこういうものを作りたいという市からの提案の中で、何か提案してほしいというようなシステムを作ってもいいのではないかという気もする。いろいろな方と、いろいろ話していくと、やはり美術館というのは欲しい、ぜひ美術館があったほうがいいなというご意見も結構いただいているので、個人的にも、市民の立場からしても、美術館はぜひとも立ち上げてほしいと期待している。その中で施設の名称として、清川記念館という名前では多分市民の方は納得しないし、清川記念館ということではちょっと集客は難しいのかなという気はしております。
前川委員長
大澤さん、何か。
大澤委員
どこに作るんだというと、都市計画の状況からいったら、大分不便なところへ置かざるを得ないのだろう。
前川委員長
例えばこの美術館ができて、展示室がギャラリーとして使用可能だという話になった場合、美術連盟の方々はこちらを使って展覧会をやられるという可能性は。
大澤委員
今この計画の場所だったら、あるいは期待を持つかもしれない。
前川委員長
市民ギャラリーの搬入というのは地下からか。
大澤委員
地下からエレベータで。業者はいるけれども。自分で持ってくる人が多い。
前川委員長
それは担いで来られるか、車で来られるか。
大澤委員
担いで。専門の運送会社はいるが。
柴田委員
あそこは、余り車高の高い車は入れない。地下のところから搬入するが。
前川委員長
例えばこの美術館ができて、市民の方にギャラリーを貸し出すときに、搬入をどうやるのかすごく気にはなっている。余り車が入れない、車が停められない、どうやって搬入するのだろうというところもあるので、このギャラリーの使い方みたいなものも少し考えなければならない。実際、作品を作る方にとっては、美術館よりは市民ギャラリーでいいよと言うかもしれない。
谷口委員
同じ展示をするにしても、市民ギャラリーで展示するよりも船橋市の美術館で展示したいという気持ちは強いのでは。だから、美術館ができるという話で、かなりの期待度もあるし、どんな美術館ができるのか楽しみにされている方もかなりいるが、どういうふうになるのか。
前川委員長
平成18年の最初の検討委員会の提言を見せていただくと、市民の方に貸し出すスペースというのは余り考えていない提言になっているので、どういう設計になっているのかと思ったので、それをお聞きした。今後はメインコンテンツの中にそういう要素を入れるか入れないかという問題が当然出てくる。
島津委員
耐震などの見直しをすると、あわせてバリアフリーのことも問題になってくる。もう一つ、搬出入が非常にしにくい設計になっていて、ある程度大きいものを違う階に入れられるのかどうかとか、その辺がよく分からない。単純に見ると、展示室1「開」に展示しているときには、そこを突っ切らないと搬入ができないのではないかとも読めるので、動線がどういう想定で搬出入に使っていくか、場合によっては、最終的には変更しなければいけなくなってくるのではないかと思った。
前川委員長
何か具体的なメインコンテンツについて意見を言うのも、今日急に出てきた話で、難しいかなと思う。
事務局
もし船橋市の特性を知るための資料が欲しいというご要望をいただければ、私どもは、例えば郷土資料館であるとか、飛ノ台史跡公園博物館であるとか、何か文化芸術で皆さんにお知らせしたほうがいいような資料を提供できる。例えば私ども事務局が、船橋の特性はこれとこれとこれだと、なかなか申し上げられない部分もあるので、特性を委員の皆様にご判断いただくための資料として提供できる。
島津委員
船橋駅から臨海部までの回遊性の創出計画というところで、具体的にどういう回遊性にポイントがあるのかというようなことが、もしあればお示しいただきたい。それから、臨海部までは船橋駅からどのような足を使っていけるか。バス等になるのか。
事務局
徒歩の圏内だと思う。船橋駅から美術館予定地を通り、間もなく行くと大神宮という船橋の中心となる神社があり、それから海に向かうが、具体的なきちんとしたものは、今の段階ではなかなか。大きな構想というところではご提供できると思うが、これからそれを考えていこうという段階なので、その中でアートをどういうふうに一つのパーツとして入れ込めるかということになる。
島津委員
ららぽーとは、何となくファミリー向けのビジョンがあるように思うが、そうすると、夜の運営、大人に特化した地域特性を活かした企画ということも、例えば日中は子供も含んだファミリー層を意識するなど、時間帯によって幾つかの区別をつけていく。回遊性から見ればむしろそのほうがいいようにも思われる。時間帯と地理的な条件の両方から具体的に見ていくとよろしいのではないか。
事務局
初回のときに船橋の概要版は配っていないか。
山田委員
それはもらったが、例えば知りたいことの中には、私なんかが思うのは、こういう場所を歩く人は、駅を利用していたりすると思うが、そこから例えば子供の待っている家に夜帰ってしまう人が多いのか、それとも、その後一人で、あるいは知り合いとちょっと飲んだりとかする人が多いのか。あるいは、既に東京でそういう欲望は全て満足させた後で、ここには寝に帰ってくるのかとか、そういうことはもしかしてコンテンツを考えるときに大事なのかもしれない。それからまちによっては、おしゃれなことはしたいけど自分のまちではやりたくないという人も結構いる。それは東京でやってこようとか、同じ圏内だったらどこか別の場所に行こうと。近所でそういうのは別に求めていないとか、それは調べなければわからないことであるが、そういうことが多分この場所は関係してくるのではないか。
事務局
事務局のほうで、少し考えられるようなことを宿題として、なるべく早い段階に提供する。
前川委員長
市民意識調査みたいなものはないか。
事務局
テーマを決めて他部署のほうでやっている。
前川委員長
そういうデータがあれば。
山田委員
青少年の何とかとか、そういう何かヒントになるものがあるのではないか。
倉本委員
動向と傾向が見えてくると、そこに特性があらわれてくるということ。それが独自の地域性だと思う。
事務局
遅くなったが、こちらのほうでその辺分かるようなものを用意したい。
山田委員
それは多分、船橋の人がどんな人たちで、どんな特性があるかということは、僕らは分からないが、船橋の人はとっくにわかっているはず。ただ、それをちょうどいい具合に引き出す仕組みを普段やらない。わかっていることなので必要がない。多分、そこに何があって、何がどうなのかということは、そこの人はとっくにわかっているはず。
前川委員長
あとは、船橋市内の美術の状況を提供していただきたい。市民の方がどういう活動をされていて、例えば大澤先生のやっていらっしゃる美術連盟に何人くらい会員がいて、年間どれくらいの方がどういう活動をしているかとか、あとは、市内の若手の芸術家がどのくらいいるか。それにより、可能性を見いだしていかなければならない。それから、先ほど柴田委員から話のあった姉妹都市の状況とか、私たち市外の人間にとってはわかりにくいところがあるので、その辺もご提供いただければ。
倉本委員
あと、大学や学校がどういう文化的な施設の利用の仕方をしているのか、関わり合いを持っているのか、そういうところも知りたい。
前川委員長
例えば、市内の美術活動にふなばし美術学院なんかは何か関係しているのか。
事務局
市民ギャラリーの若手の発表は、ふな美ご出身の方とかが中心にやっている。基本的にあそこは夜間部の受験生がほとんどで、来るのが大体夕方の4時、5時で、そこから8時ぐらいまでやって帰る。講師をしている方が卒業生であったり、各大学にコネクションがあるので、そういう人はある意味、若手のアーティストとして声をかけることは難しくはないという気はする。
山田委員
ほかに知りたいことは、例えばギャラリーとか喫茶店みたいなものでもいいが、それに必ずしも専業でなくてもいいが、そういう何か物を見せるスペースというのは一体どれぐらいあるのだろうか。それから、映画館はどれぐらいあるのだろうか、あるいは劇場みたいなものはあるのだろうか。それから、例えばDJの入っているようなクラブ的なところはあるのだろうかとか、そういうものと多分こういうものは同じセグメントを分け合うようなものではないかと思うので、美術の状況も大事だが、そういうこともこれには関わってくるのではないかという感じがする。主としてこのエリアということでもいいが、ここに来られる人が同じように簡単に行けるところで、そういうものはどれぐらいあるのだろうか。例えば、もしそういうものが余りなかったら、ここにそれをやればいいのか、それとも、そういうものが既にあり需要があるから、ここにさらにそれをやればいいのか、両方あると思う。映像をやるとしても、どういう映像がいいのかというようなことも含めて、もし分かれば知りたい。
大澤委員
今、私どもは、船橋市美術連盟という名称で5部門に分かれている。日本画、洋画、彫塑、工芸、書道ということで、大体会員は今350名、400名近いが、新規会員として洋画は20名ぐらい、ほかの部門、日本画は一桁、場合によっては退会する人もあってほとんど動かない。書道は10名ぐらい。毎年もちろん出入りはあるが、10名か20名程度でしかない。彫塑、工芸はほとんど増減がない。焼き物とかは愛好者が非常に多いようだが、私どもに応募する人は少ない。それは先生との関係で遠慮されて出品しないのかどうかわからないが。一応、洋画だけは、非常にポピュラーなので、毎年会員は10名ぐらいずつ増えているけれども、ほかの部門は期待できない。書道が若干ある。彫塑、工芸などはほとんど望みなしのような状況。市民参加の「市展」がちょうど平成24年で50年になったが、当初、5、60名で始めたのがいまだ200名にも達していない。しかし、小さなグループの美術団体は随分ある。そのうちせいぜい4、50人程度のグループだと思うのが、今日、10ぐらいのグループが展示をしている。その中から美術連盟に会員として応募するという人は少ないのかもしれない。期待しているが。それから、高校の美術部の生徒さんの参加もほとんどない。
谷口委員
地域特性で思い浮かぶのは、船橋の風土とか歴史とか伝統とか考え方とか観光物産とか、そういうものだが、私は、船橋って余り特色がないのではみたいな印象もある。今度、もし美術館ができれば、美術館そのものが地域特性になるような気がする。美術館ができることによって、船橋にはこんな美術館があるという、建物そのもの、美術館そのものが地域特性になっていく可能性はあるなという気はする。
事務局
ぜひともそういうふうにしたいなと思う。
谷口委員
海を活かしたまちづくり、回遊性ということで、さっき事務局は船橋駅から海の方まで歩いていけると言われたが、多分、歩くのは無理だと思う。ウォーキングコースの中にいろいろなものを取り入れる。歩いている途中でいろいろなものがある、例えば太宰治関連の文学関係の施設があったり、遺跡とまでは言えないが、そういう由緒のあるようなものがあったり、それをつないでららぽーとの公園方面に行く道筋はできるので、そういうウォーキング的なものでの回遊性というものは可能性がある。あと、車とかバスはちょっと無理ではないかという気もする。美術館そのものが船橋の地域特性になればということは、私はすごく期待している。
大澤委員
今の谷口委員のお話は私も同感。千葉市に次いで船橋市にできるということになれば、それなりの意味があると思う。ただ、一般のギャラリーの、我々市民が参加した展示をする場所としては、果たして要望に応じられるだろうかというような心配はある。今のギャラリーで相当利用度は高いのではないか。私どもの美術連盟としては、特に洋画などは大きさを小さくしないと、会員・その他一般市民の応募には応じられないような広さになっている。特に洋画などは二段がけをしなくてはいけないのかなとも思う。中央画壇に参加している会員も多い。恐らく私の推定では3分の1以上はいる。それから、県展のほうにも出している。最近の傾向ではやはり高齢者が非常に多い。若い人に期待しているが、各部門とも全くない。
前川委員長
今日は市から、美術館に関する考え方がある程度出てきたので、どちらかというと今日が出発点みたいな感じで始まっている。いろいろ市の出された構想そのものに対して、これをベースに考えていくのがこの委員会の役目なのかなと思う。一応、市にもいろいろ宿題を出したので、委員の先生方にもメインコンテンツについて、もう少し具体的なイメージを作ってきていただければありがたい。次回は、市からのいろいろなデータをいただきながら、メインコンテンツの話を少し特化させて、話を詰めていきたいと思う。今の段階では、「アートの発信」とか「特性を生かして」といっても、言葉ではわかるが、イメージとしては全くつかみ切れない。その辺は「絵に描いた餅」でいいと思うので、どんどん出していただいて、市からの情報とすり合わせながら、はぎ取っていくという形のほうがいいかと思う。それでは、申しわけないが、今日出てきて、これを今日詰めろというのも非常に我々としては荷が重いので、少し時間をいただいて、次回このメインコンテンツについてもう少し話を詰めていきたい。
事務局
スケジュールについて、市では大体秋ぐらいに、来年の予算要求をするので、会議を開催するペースを上げていただければ。
前川委員長
事務局の立場としましては、多分、秋ぐらいまでには、ある程度のめどをつけたいというのは当然あると思うので、6月以降は毎月ぐらいのペースでやっていくという形にならざるを得ない。それでは以上で第6回の委員会を終了とする。
。
9 資料・特記事項
第6回船橋市美術館運営等検討委員会会議資料(下記よりダウンロードしてください。)
10 問い合わせ先
船橋市教育委員会 生涯学習部 文化課
電話:047-436-2894
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