慢性腎臓病(CKD)を予防しましょう

更新日:令和6(2024)年8月1日(木曜日)

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1.大事な臓器「腎臓」

「肝腎要(かんじんかなめ)」の言葉の通り、腎臓は重要な臓器といわれています。腎臓は腰より少し上の背中側に、左右1つずつある臓器です。大きさは大人のにぎりこぶしくらいで、そら豆のような形をしています。

腎臓のはたらき

腎臓のはたらきは主に3つあります。

血液の浄化、老廃物や毒素の排泄

全身をめぐる血液から老廃物や毒素を取り除き、血液をきれいにします。

体内の水分量や電解質の調整

体内の水分や電解質(ナトリウム、カリウム、リン、カルシウムなど)の量を調整し、体内環境のバランスを保っています。

ホルモンの分泌と調整

赤血球をつくるホルモンや血圧を調整するホルモンの分泌や、カルシウムの吸収を助けるビタミンDの活性化をしています。

 2.慢性腎臓病(CKD)をご存知ですか?

慢性腎臓病(CKD)とは、原因となる病気が何であれ、腎臓が障害されたり、機能低下が起きた状態をいいます。
次の1)、2)のいずれか、または両方が3か月以上続く状態です。
1)尿異常、画像診断、血液検査、病理診断で腎障害の存在が明らか、特に 0.15 g/gCr 以上の蛋白尿(30 mg/gCr 以上のアルブミン尿)が存在している
2)糸球体ろ過量(GFR)が60mL分/1.73平方メートル未満

日本における患者数は約1,480万人(20歳以上のおよそ7人に1人)と推計され、新たな国民病ともいわれています。慢性腎臓病の原因となる病気には、慢性糸球体腎炎、腎硬化症など、さまざまな病気がありますが、最近では、生活習慣病による慢性腎臓病が増えています。乱れた生活習慣や肥満により高血圧症、糖尿病、脂質異常症が引き起こされると動脈硬化が進行し、慢性腎臓病を発症させたり、進行させたりしてしまいます。また、脳卒中や心筋梗塞などのリスクも高まります。

慢性腎臓病は初期には自覚症状がないため、病気に気づかないまま放置してしまい、進行してから気づくことが多いのです。しかし、適切な治療を受けず放置してしまうと、腎不全へと進行し、透析療法や腎移植が必要になる場合があります。また、腎機能は一度低下してしまうと回復させることが難しいといわれるため、早い段階で腎機能低下に気づき、進行をおさえることが大切です。

3.腎臓の状態をチェックしましょう

慢性腎臓病の早期発見のためには、定期的に検査を受けることが大切です。

人間ドックやかかりつけ医のもとで検査を受けることができます。詳しくは医療機関または主治医にお問合せ・ご相談ください。
※船橋市国民健康保険に加入されている40歳以上の方に実施している特定健康診査(無料)では、平成25年度から腎機能検査項目を追加しています。

腎機能の状態がわかる検査項目
 (船橋市国民健康保険で実施している特定健康診査および人間ドックの場合)

尿たんぱく

尿の中にたんぱくが出ているかどうかを調べる検査です。腎機能が低下すると、尿にたんぱくがもれ出てきます。

 血清クレアチニン

筋肉が運動する際に代謝されてできる老廃物です。腎機能が低下すると尿中に排泄されず、血液中のクレアチニンの量が増えてしまいます。

eGFR(推算糸球体ろ過量)

1分間にどれだけの血液をろ過して、尿を作れるかを示しています。血清クレアチニン値や年齢、性別などから計算され、腎機能がどの程度残っているかを推定することができます。

特定健康診査等の検査結果から腎臓の状態をチェックしてみましょう

CKD重症度分類の表2
緑色のステージを基準に、黄色、オレンジ色、赤色の順にステージが上昇するほど腎機能が大きく低下していることを示しています。オレンジ色、赤色に当てはまる方は、かかりつけ医に相談しましょう。
(参考:日本腎臓学会編 CKD診療ガイドライン2023)

※糖尿病など持病をお持ちの方は主治医にご相談ください。
※あなたの年齢と性別、血清クレアチニン値でeGFRをチェックすることができます。詳細は、日本腎臓病協会のページをご覧ください(新しいウィンドウで開きます)。

CKDシールをご存じですか?

慢性腎臓病(CKD)になると、検査や治療に注意が必要になります。また、腎臓に負担をかけないように、薬の種類や分類の調整が必要な場合があります。
そこで船橋市医師会 CKD対策委員会では、複数の主治医や薬剤師が、医療機関や薬局に訪れた患者さんが慢性腎臓病であることを一目で分かるようお薬手帳に「CKDシール」を貼る取り組みを行っています。
eGFR50未満の方は、かかりつけ医にご相談の上、お薬手帳にCKDシールを貼ってもらいましょう。また、いつでも安心な医療を受けられるよう検査・治療・お薬の処方を受ける際には、必ずお薬手帳を提示しましょう。
CKDシール

4.慢性腎臓病の発症・進行を予防しましょう

慢性腎臓病の発症・進行の予防のためには、塩分をとりすぎないように注意することや、生活習慣病やメタボリックシンドロームの予防や改善、禁煙が大切です。

腎臓をいたわるポイント

  • 検査数値の改善(血圧、血糖、脂質、尿酸等)
  • 肥満の解消(BMI25未満)
  • 減塩(1日6g未満)
  • たんぱく質をとりすぎない(腎臓の状態に応じてたんぱく質の制限が必要になる場合があります)
    ※詳しくは医師にご相談ください
  • アルコールの適正摂取(日本酒なら1日1合以下)
  • 適切な水分摂取
  • ウォーキング程度の適度な運動をする
  • 十分な睡眠、休養をとる
  • 風邪を引かない
  • ストレスをためない
  • 排尿を我慢しない
  • 必要な薬以外は飲まない、使わない
  • 禁煙

5.健康づくり課での取り組み

 健康づくり課では、平成25年度から慢性腎臓病の予防と悪化防止のための保健事業を行っております。40~74歳の国民健康保険加入者が受診した特定健康診査および人間ドックの結果、腎機能が低下している方へ、市の保健師や管理栄養士が電話や家庭訪問をさせていただくことがあります。
 

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健康づくり課 (特定保健指導係)

〒273-8506船橋市北本町1-16-55 船橋市保健福祉センター

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