令和3年度市政執行方針

更新日:令和3(2021)年2月16日(火曜日)

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 令和3年第1回船橋市議会定例会初日(令和3年2月15日)において、松戸徹市長が述べた市政執行方針全文を掲載します。

令和3年度市政執行方針

 本日ここに、令和3年第1回市議会定例会を招集し、提案いたしました諸案件のご審議をお願いするに当たり、令和3年度の市政執行方針について所信を申し述べます。

1.新型コロナウイルス感染症への対応

 令和3年度という新たな年度を迎えるに当たり、昨年を振り返りますと、多くの自治体においては人口減少の局面を迎えておりますが、本市の人口は3月に64万人を超え、多くの皆様に選ばれる都市として成長を続けています。

 そうした中、1月に国内で新型コロナウイルスの感染者が確認されたことを受けて、本市では2月に「新型コロナウイルス感染症対策本部」を立ち上げ、具体的な対応を開始いたしました。

 3月に市内で初めて感染者が確認され、市の障害者支援施設「北総育成園」で大規模な集団感染、いわゆるクラスターが発生いたしました。その後も感染は拡大を続け、現在に至るまで感染者数の増加が続いています。学校の臨時休業、公民館をはじめとした公共施設の休館、また緊急事態宣言の中、様々な経済活動が制限されるなど、市内のいたるところで活動が停止してしまうといった、これまでに経験したことがない事態に陥りました。

 まさに、新型コロナウイルス感染症対策に追われた1年となりました。

 本市におきましては、この感染症により今日までに40名を超える方がお亡くなりになり、現在も多くの方が治療、療養を続けておられます。

 お亡くなりになられました方々に心からご冥福をお祈り申し上げますとともに、治療、療養されている皆様にはお見舞いと、一日も早いご回復をお祈り申し上げます。

 また、今日まで医療、福祉等、様々な分野で非常に多くの皆様に、感染症への対応のためにご協力いただきました。

 市民の皆様にも、いろいろな制約のある中で感染拡大防止にご協力いただき、市議会におきましても市民を守るためにご尽力いただきました。

 市政執行方針を述べるに当たり、これまでの間、ご尽力、ご協力いただきましたすべての皆様に心から感謝申し上げます。

 本市の感染者数は現在でも県内2位という厳しい状況ですが、これは、人口規模とともに、東京に近接している利便性なども大きな要因になっているのではないかと感じております。

 これまでの新型コロナウイルス感染症への対応の中で、特に強く感じていることは、船橋市医師会との協力体制が築かれていることと、中核市として独自の保健所を有していることの重要性です。

 病床確保をはじめとする医療提供体制の構築は、医療関係者の皆様のご理解とご協力なくして成し得ることは困難であり、また保健所につきましては100名以上の人員強化を図る中で、積極的なPCR検査や疫学調査など、迅速な対応を行うことが出来たことは、市民を守る上で大きな力を発揮することに結びついています。

 長年にわたり本市が築いてきたこの体制は、今後もしっかりと守り充実を図っていかなければならないと考えております。

 新型コロナウイルス感染症への具体的な対応につきましては、(1)感染症拡大防止のための医療提供体制の整備・充実 (2)安全・安心な生活を守るための支援 (3)市内経済維持のための事業者支援 の3本を柱とした緊急対策とともに、国・県への要望をしながら取り組みを続けてきました。

 医療提供体制につきましては、市医師会の全面的なご協力のもとで、市独自のPCR検査体制の構築、無症状・軽症者の療養のための宿泊療養施設の借り上げ、中等症以上の感染症患者受け入れのための専用病床の確保、これに伴う空床補償等の医療機関への経営に対する支援など、様々な状況の変化に対応しながら実施してきました。

 市民生活を守る取り組みにつきましては、国の特別定額給付金・ひとり親世帯への臨時特別給付金とともに、準要保護世帯等の水準の家庭に加え、家計が急変した世帯を含めた市独自の支援を行いました。

 また、事業者支援につきましては、中小企業者への賃料補助、国の持続化給付金の対象外となった方々への市独自の支援などを実施してきました。

 新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、今後始まるワクチンの円滑な接種など、必要な対策に引き続き万全を期してまいります。

2.船橋市を取り巻く状況とポストコロナ時代に向けて

  新型コロナウイルス感染症の影響により令和3年度以降、市税収入は大幅に落ち込み、財政状況はさらに厳しくなると予測されます。そうした中にあっても、新型コロナウイルス感染症への対応とともに、福祉・教育・経済等、従来からの課題解決と充実に向け、継続的に取り組まなければならないことは言うまでもありません。

 特に、歳入の減少が続くことが予測されている中でも、市民生活を守り安定的に質の高い市民サービスを提供していく必要があります。

 新型コロナウイルス感染症の収束は、未だ先行きが不透明な状況ですが、ポストコロナ時代に向けて、社会は今、大きく変化しようとしています。今後は、新しい生活様式や分散型社会への対応、デジタル化の推進、医療提供体制の再検証、複合型災害への準備、環境への配慮などを積極的に進める必要があると考えています。

 令和3年度は、厳しい財政状況にあることを踏まえながら新たな取り組みに向けた出発点になると考えています。

 3.令和3年度予算について

 令和3年度予算の編成に当たっては、新型コロナウイルス感染症の影響の長期化を見据え、市税等の大幅な減収が見込まれる中でも、市民の安全・安心を守ることを最優先に考慮しました。

 感染者数の状況や社会経済動向などを見極めながら、医療提供体制を確保し、福祉・子育て支援・教育・経済対策など、真に必要な事業を着実に実行するための予算を配分しています。

 一方、普通建設事業費につきましては、後年度の負担に留意するとともに、緊急性や必要性を検討、整理して予算化を図りました。

 また、防災面につきましては、本年は東日本大震災から10年の節目の年となります。近年、日本各地で地震・台風や豪雨による大規模災害が発生するなど、本市でも、いつ同じような災害が起こってもおかしくない状況です。その点にも十分配慮した予算としました。

 令和3年度予算編成は、コロナ禍の経済状況の中、非常に厳しい市の財政状況ではありますが、感染症対策等に取り組むとともに、市民生活を守るために必要な施策を講じました。

 これから、令和3年度に実施する事業について、申し述べます。

新型コロナウイルス感染症対策事業

 はじめに、新型コロナウイルス感染症対策事業です。

 感染症対策として、これまで特に医療提供体制の整備・充実を喫緊の課題として取り組みを続けてまいりました。

 令和3年度においても、病床の確保や市民の皆様からの相談対応、検査体制の充実などに努めます。

 また、感染症患者の入院を受け入れる医療機関に対する支援や軽症及び無症状者のための宿泊療養施設の運営など、市民の皆様の安全・安心につながる対策に引き続き取り組みます。

 高齢者等が入所する施設におけるクラスターの発生を受け、昨年12月より県内初の取り組みとして開始した、高齢者や障害者の施設へ新たに入所する方を対象としたPCR検査の実施につきましては、令和3年度も継続していきます。

 障害のある方を自宅等で介護する保護者等が感染した場合、濃厚接触者となった障害のある方を短期入所で受け入れるため、市内の障害福祉サービス事業所と連携し支援体制を構築します。

 ワクチン接種につきましては、感染拡大の抑制につながることが期待されており、市民の皆様が円滑に接種していただけるよう、市内医療機関のご協力を得ながら、できるだけ多くの接種場所を確保するなど、接種体制を整えます。

 市民の皆様が利用する公共施設につきましては、一部休館や利用制限が続いており、ご不便をおかけしておりますが、今後、施設の再開にあたっては、感染防止対策をさらに徹底していきます。

 続いて、令和3年度に重点的に実施する事業を、後期基本計画でお示ししている「めざすまちの姿」に沿って申し述べます。

 (1)非常時への備えのあるまち

 まず「非常時への備えのあるまち」です。

 災害への備えにつきましては、災害発生時に被災者の生活をいち早く再建するため、建物の被害調査や罹災証明書の発行など、各種支援を早期に実施できるよう、被災家屋等の情報を一元管理する被災者支援システムを導入します。

 救急現場到着までの時間の短縮や救急体制のさらなる充実強化を図るため、現在15隊で運用している救急隊を、令和4年4月から16隊体制とする準備を進めます。

 災害に強い都市基盤整備につきましては、災害時の物資輸送の際に重要となる緊急輸送道路の通行を確保するため、沿道に立地し、耐震性が不足している建築物の耐震改修に要する費用を助成します。また、大雨による浸水被害を軽減するため、令和4年度までに山手地区において雨水管の整備を行います。

 なお、老朽化が進み、耐震性が不足している海老川水門をはじめ、市内の海岸保全施設につきましては、早期整備に向けて国・県に対し引き続き強く要望していきます。

(2)安心して暮らせるまち

 2番目は「安心して暮らせるまち」です。

 地域福祉の増進を図るため、市民活動団体の活動を支援する地域福祉活動助成金につきましては、フードバンクや子ども食堂などの事業への支援を強化するため、必要な経費への助成を拡大します。

 生活保護を申請中で、所持金が少ない方につきましては、これまで船橋市社会福祉協議会において生活費等の貸付を行っていましたが、申請者の利便性の向上を図るため、市の窓口で緊急援護資金を貸し付けます。

 介護人材の確保につきましては、在宅医療支援拠点ふなぽーとにて、有資格者の登録や市内事業者への紹介などを行う介護人材バンク事業を新たに開始します。また、介護職種の技能実習生などを雇用する市内介護事業者に対し、介護技能向上研修等の実施に係る経費を助成するほか、雇用した職員の宿舎借り上げ費用の助成を無資格者にも拡大します。 

 精神保健福祉につきましては、精神障害のある方が、地域の一員として安心して自分らしく生活ができるよう、福祉等のサービス、住まい及び就労などの社会参加が包括的に確保された、地域包括ケアシステムを推進します。

(3)未来へつなぐ恵み豊かな環境のまち

 3番目は「未来へつなぐ恵み豊かな環境のまち」です。

 多様な自然環境の保全や脱炭素社会などの実現に向け、令和3年度から始まる環境基本計画及び地球温暖化対策実行計画の施策を推進します。

 再生可能エネルギーのひとつであるバイオマスエネルギーの利活用につきましては、現在稼働している西浦下水処理場に続き、高瀬下水処理場においても、令和4年度に消化ガス発電事業を開始するため、消化槽の整備を行います。

 世界的に問題となっている海洋プラスチックごみにつきましては、昨年締結した日本大学生産工学部との連携協定に基づき、令和3年度も引き続き調査を進めます。

 路上喫煙及びポイ捨て防止対策につきましては、重点区域において直ちに過料を科すことに変更するとともに、喫煙しない方への配慮をしつつ、たばこのポイ捨て防止等について実証実験を行うため、JR船橋駅周辺に指定喫煙所を設置し検証を行います。

 (4)笑顔があふれる子育てのまち

 4番目は「笑顔があふれる子育てのまち」です。

 保育所の待機児童対策につきましては、これまで積極的に施設整備や保育士の確保等に取り組んできましたが、引き続き待機児童ゼロに向けた取り組みを進めます。

 待機児童の多い地域に保育所等の整備を促進するため、認可保育所及び小規模保育事業の施設整備に係る費用を助成します。

 また、主に小規模保育事業所を卒園した3歳以上の児童が幼稚園を利用する場合の送迎拠点となる、こども送迎センターを設置する場合の整備費を助成します。

 保育士の確保対策につきましては、保育所などが雇用した保育士の宿舎借り上げ費用の助成対象期間を、採用から5年以内を9年以内に拡大します。

 子どもの貧困対策につきましては、生活保護世帯やひとり親世帯等の中学生を対象に、現在10会場で実施している学習支援事業を11会場に増設し、子どもたちが安心して通える環境を整えます。また、ひとり親家庭等の就業支援や養育費確保などの支援を強化します。

 障害のある子どもたちへの支援につきましては、東簡易マザーズホームにおいて、医療的ケアが必要な児童を含む通所児を対象に、母子分離した療育事業を新たに実施します。

 自閉症・情緒障害特別支援学級を新たに葛飾小学校及び習志野台第一小学校に開設します。また、聴覚障害の早期発見、早期療育を図るため、新生児聴覚検査の費用を助成します。

 妊娠を希望する夫婦への支援につきましては、特定不妊治療費助成事業について、国の制度改正に伴い助成上限額を引き上げるとともに所得制限を撤廃します。

 学校教育につきましては、現在整備を進めている学習用端末等を最大限に活かせるよう、機器の使用方法や授業での活用を支援するICT支援員などを増員します。

 児童生徒を取り巻く様々な問題の解決や、子どもたちを支える体制を強化するため、スクールソーシャルワーカーを現在の7人から8人に増員します。

 学校におけるいじめ問題対策につきましては、「船橋市いじめ防止基本方針」を策定するとともに、いじめ問題対策連絡協議会を設置するなど、総合的に対策を推進する体制を整えます。

 塚田地域の児童数の増加に対応するため整備を進めてきた塚田南小学校につきましては、令和3年4月に開校するとともに、同校に併設する放課後ルームも開所します。

 (5)人が集まる元気なまち

 5番目は「人が集まる元気なまち」です。

 JR南船橋駅南口市有地につきましては、臨海部の玄関口及び回遊性創出の拠点としてふさわしいまちづくりに向けて、駅前広場や道路などを整備します。

 道路ネットワークの基幹となる都市計画道路につきましては、京成西船駅や東海神駅、高根台中学校の周辺などで引き続き整備を行います。

 道路の安全性の向上や交通渋滞の緩和を図るため、薬円台交差点及び船橋市運動公園前交差点の改良工事を行うとともに、令和2年度に引き続き交通ビッグデータを活用した分析や検討を行います。

 農業の振興につきましては、市内農業の生産力を強化するため、農業用ハウスの新設に係る費用を助成します。また、船橋市産農産物のブランド価値の向上を図るため、枝豆の鮮度を保つ袋の作成に対して費用を助成します。

 漁業の振興につきましては、船橋市漁業協同組合に対し、製氷貯氷施設の整備に係る費用を助成します。

 ふるさと納税につきましては、申し込みサイトを拡充し、寄附者の利便性の向上とともに、歳入の確保を図ります。

(6)市民に愛され、育まれるまち

 6番目は「市民に愛され、育まれるまち」です。

 全国的にも貴重な約1万年前の遺跡である取掛西貝塚につきましては、令和3年度中の国史跡指定を目指します。

 本市の魅力のひとつである「ふなばし音楽フェスティバル」につきましては、身近に音楽があるまちの素晴らしさを感じていただけるイベントとして引き続き実施します。

 本年に開催が延期された東京2020オリンピック・パラリンピック関連事業につきましては、本市を通過するオリンピック聖火リレーの中継地セレモニーを開催するほか、パラリンピック聖火の採火式を行います。

 アメリカのヘイワード市とは、姉妹都市提携35周年を迎えることから、コロナ禍において、オンラインを活用した記念事業などを実施します。

なお、従前から設置に向けて準備を進めております児童相談所につきましては、現在基本構想を策定中ですが、その規模や体制について最終検討に入っており、基本構想を取りまとめたのち、実現に向けて取り組みます。

 また、海老川上流地区に船橋市立医療センターを移転し、医療や健康の中心となる新たなまちづくりを行うメディカルタウン構想につきましては、現在、組合設立準備会が土地区画整理事業の計画について地権者の同意を取っているところであり、今年度末までにこの状況が判明しますので、その結果をもって対応していきます。

 4.持続可能な行財政運営に向けて

平成31年3月に策定した「行財政改革推進プラン」に基づき、令和元年度・2年度の集中取組期間で、事業の精査や見直し、民間活力の活用、使用料等の見直しなど、様々な改革に取り組んでまいりました。2か年の取り組みで、市民の皆様のご理解のもと、一定の効果を上げることができました。

 しかしながら、感染症の影響の長期化も考慮しながら、福祉・教育・経済対策など重要な施策を行っていくためには、社会保障費や公債費の増加、老朽化が進む公共施設の改修といった課題を解決していかなければなりません。

 一方で、財源調整基金が減少する中では、持続可能な行財政運営を行うことが、極めて厳しい状況にあります。

 令和3年度は、市民生活を守りながら、これまでの行財政改革の取り組みの成果と課題を踏まえ、限られた財源や人材、施設などの経営資源を効果的に活用した持続可能な財政基盤の確立を目指し、さらなる行財政改革に取り組んでまいります。

5.新たな時代に向けて 

 私の市長としての任期も残すところわずかとなりました。1期目、2期目と、人口規模の大きな都市だからこそ、市民のつながりをつくることを基本として、様々な課題への取り組みとともに、新たな施策を行ってまいりました。そうした中、今、船橋市は人口64万人を擁する都市となり、多くの市民の皆様が船橋を愛し、船橋に住み続けたいという定住志向が極めて高い都市となっております。

 多くの船橋を愛する市民の皆様が、本市を支える活力の源となっていただいていることに、市長として感謝いたしますとともに、大変心強く思っております。

 令和3年度は、新型コロナウイルス感染症の影響を見据えるために計画の策定を1年延期した、第3次船橋市総合計画を策定する年となります。

 この総合計画で見据えなければならない10年は、新型コロナウイルス感染症の影響を含め、大きく変化しようとしている社会への対応を新たに加えていかなければなりません。

 市民の皆様が心豊かに暮らせるためのまちづくりには、感染症対策や大規模災害への備えはもとより、福祉施策の強化、デジタル化の推進、そして環境問題に対しては、地球的視野をもって取り組むことが必要となります。

 この実現のため、全国に誇る本市の「市民力」を活かし、市民の皆様と一体となって市政運営に取り組んでまいります。

 市民の皆様、並びに議員の皆様のご理解とご協力を、心よりお願い申し上げます。

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