医療センターの移転について

更新日:令和7(2025)年6月16日(月曜日)

ページID:P137844

・このご意見は令和7年2月にいただいたものです。
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内容

 メディカルタウン構想の一環として医療センターの移転計画が進んでいるようだが、移転用地には様々な問題があるのではないか。
(1)移転予定地が軟弱地盤であるため、現在地での建て替えを希望する。移転地は既に自然の調整池となっており、今の自然を生かした緑地公園等として整備してほしい。
(2)移転地近くにあるスクラップヤードの粉塵や騒音問題に加えて、地下水の汚染も危惧されている。病院では多量の地下水を利用するが、安全は確保されるのか。付近の念田川近くに基準を超える鉛やタリウムが見つかったと聞いている。
(3)東葉高速鉄道の新駅建設費をすべて船橋市の税金で賄うことについて、納得できない。
(4)建設資材の高騰等で入札が不調となり、今後1000億を超える可能性がある中で、行財政改革の名のもとに公民館の使用料等、市民サービスを縮小しながら1000億円もの税金をつぎ込むことは市民を軽視している。

回答

(1) について
 新病院の移転予定地の選定にあたっては、まず、平成26年度に「船橋市立医療センターの建て替え検討のための基礎調査業務」を実施し、この中で、現敷地及び道路を挟んだ立体駐車場を含めた敷地での現地建て替えの検討を行いました。
 検討の結果、十分なスペースが無い中での計画・工事となり、工期が長くなること、工事中の騒音・振動など患者・スタッフへの影響が大きくなること、完成後の建物も目指すべきスムーズな動線が実現できず、使いづらい建物になってしまうことが課題としてあげられ、メリットが少なくデメリットが多く、今後は新たな敷地への移転も視野に入れた検討が必要であると報告されました。
 現地建て替えが難しい状況となったため、移転候補地の検討を進め、平成27年度には、現敷地及び近隣農地を含む7つの候補地について、関係部局で検討を行いました。
 しかしながら、近隣農地については地権者の方が農業を続けていく意向が強かったこと、その他の候補地については、病院として必要な立地条件や建築条件、必要な規模を満たすような土地がなかったことから、適地を見出すことができませんでした。
 このような中、海老川上流地区で計画されていた、海老川上流地区のまちづくり予定地内への移転の可能性が出てきたことから、同予定地内を移転候補地とする検討を開始し、移転候補地として決定いたしました。
 新病院の設計にあたっては、令和4年度に建て替え予定地内で地盤調査を行っております。この地盤調査により、建て替え予定地の現状地盤の特性を詳細に把握し、その結果を踏まえ、建築基準法等に基づき免震構造、耐震構造、液状化対策、杭の設計などを行うことで、建物の構造安全性を確保しております。また、建物以外でも、屋外の救急車両動線などに液状化対策を行います。これにより、大きな地震が起きた際でも、液状化による陥没や大きなひび割れにより、救急車の通行や災害医療の支障になることを防ぐことができるものと考えております。

担当部署:健康政策課・新病院建設室

(2)について
 新病院では、引き続き東葛南部保健医療圏の地域災害拠点病院として、機能を十分に発揮できるよう、現在の医療センターと同様に井戸及び浄水設備を設置する計画としています。
 新病院の井戸及び浄水設備については、水道法に規定された「専用水道」に該当することから、同法に基づき、工事着手時に水質検査の実施や、保健所への届出など必要な手続等を行い、定められた水質基準を遵守してまいります。工事着手時に原水(地下水)の水質検査を行い、当該結果をもとに必要な浄水設備を設置し、水道法で定められた水質基準を遵守したうえで地下水を利用します。また、利用開始後も同法に基づき定期的に水質検査を行い、水質基準値内であることを確認します。
 また、移転予定地の取得にあたり、売主である船橋市海老川上流地区土地区画整理組合からは、船橋市土砂等の埋立て等による土壌の汚染及び災害の発生の防止に関する条例に準じた地質等検査報告書を受領しており、環境基本法に規定する土壌の汚染に係る環境基準による安全基準を全て満たしていることを確認しております。
 以上のことから、移転予定地でも病院利用者にとって安全な水を確保できるものと考えております。
 なお、市では、公共用水域である海老川流域等の河川において、水質汚濁防止法に基づく常時監視として環境基準の適合性を確認するための水質調査を行っています。鉛については、海老川では八千代橋と上流のさくら橋において測定を行っており、いずれも過去5年の調査結果では不検出となっています。タリウムについては、環境省において「要調査項目」とされていますが、常時監視項目ではなく環境基準等の設定がないため評価が行えないことから、測定を行っていませんが、八千代橋やさくら橋のほか当該事業場付近の測定点の念田橋で2か月に1度、下流の八栄橋で月に1度、水質調査のため採水に赴き河川の状況を確認しており、生物への影響が生じている様子は認められない状況です。

担当部署:新病院建設室・環境保全課

(3)について
 新駅は、医療や健康をテーマとした「ふなばしメディカルタウン構想」の実現を目指す海老川上流地区の新たなまちづくりの核となり、同地区の発展に大きな役割を果たすほか、新駅が新たな交通拠点となることにより、同地区に限らず広く市民の皆様の交通利便性が向上し、市としても大きなメリットがあることから、新駅の整備費は請願者である本市が全額負担することとしております 。
 なお、船橋市ではJR(当時は国鉄)総武線「東船橋駅」が地元請願駅として、船橋都市計画宮本台土地区画整理事業に合わせ市が整備費を全額負担して開設しており、同地域でのまちづくりで大きな役割を果たしています。

担当部署:都市政策課

(4)について
■海老川上流地区のまちづくりに対する市の費用負担について
 海老川上流地区のまちづくりに対し、市が費用を負担するものは、海老川上流地区土地区画整理事業、東葉高速線の新駅建設、船橋市立医療センターの建て替えの3つとなります。
 この3つの事業に対し、市が負担する金額は、令和6年2月時点では、土地区画整理事業に約62億円、新駅建設に約66億円(国からの補助見込額を除く)、市立医療センターの建て替えに約456億円で、合計すると約584億円となる見込みでした。
 しかしながら、市立医療センターの建て替えについて、昨年9月に工事の入札が中止となったことを受け今後の対応について検討中のため、市が負担する金額は未定となっております。
 なお、市が負担する金額は、市一般会計から支出する金額のことをさします。一般会計とは、市の基本的な仕事(福祉、教育、ごみ処理、道路整備、消防など)を行うための会計で、一般的に市の予算と言えば「一般会計」をさし、市税を主な財源としています。
 また、医療センターは、地方公営企業であるため、市一般会計とは別の病院事業会計で運営しており、その収入の大半は診療報酬(医療機関が患者に対して行った診療や治療、検査などの医療行為に対して、公的医療保険から支払われる報酬)となります。
 建て替えに要する費用は、市一般会計と病院事業会計で支払います。整備内容により負担割合は異なりますが、大半は市一般会計と病院事業会計で2分の1ずつ支払います。
 以上のことから、海老川上流地区のまちづくりに係る費用の全てが市税を主な財源とする一般会計から支払われるわけではございません。
 また、市が負担する金額の一部は、住宅ローンのように借り入れを行い、借り入れた元金とその利子を長期間に渡って支払うことで、負担を平準化します。

担当部署:政策企画課・都市政策課・新病院建設室

■行財政運営について
 予算編成においては、社会経済情勢の変化による新たな課題に的確に対応するため、様々な分野において新規や拡充を含めて毎年度必要な事業の予算を計上しております。
 なお、令和元年度・令和2年度を集中取組期間とした行財政改革では、様々な見直しを行いましたが、これは将来にわたり持続可能な行財政運営を行っていく上で、メディカルタウン構想などの特定の事業の有無にかかわらず、実施する必要があったものです。

担当部署:政策企画課・行政経営課

【おわりに】
■メディカルタウン構想について
 海老川上流地区は、本市の中央部に位置し、中心市街地にも近く、東葉高速線が東西に走るという地理的利点を有し、人が行き交う魅力あふれる拠点として重要な役割が期待される地区であり、平成3年時から市の総合計画に位置付けられてきました。
 ふなばしメディカルタウン構想では医療と健康をテーマとした新たなまちづくりの考え方をまとめており、当地区において医療センターの移転建て替え及び東葉高速線の新駅整備を核として土地区画整理事業による新たな市街地の形成を図ることは、未来への投資であり、市の責任において、今このタイミングで進めていかなければならない取組であると考えております。

担当部署:政策企画課

■新病院について
 昨今、医療センター建替工事だけではなく、全国的に公共工事の入札不調が起きています。これは、都心の再開発や半導体工場の建設などにより、総合建設業者はもとより、特に設備業者が非常に多忙なことや、資材の高騰、人手不足、職人の高齢化、働き方改革による時間外労働の上限規制などの複合的な要因に起因するものと考えられます。
 新病院建設工事の入札中止により、当初の開院予定が遅れることとなりますが、市医師会・市内の医療機関との連携のもとで積み上げてきた医療体制を今後も崩すわけにはいきません。また、老朽化等に起因する不具合が起きてしまい、救急搬送を受け入れられず、万が一、市民の皆さんのとなりにいる家族が倒れた時に運ぶ場所が無くなってしまうようなことは避けなければなりません。
 今後の建て替えの進め方については現在検討しておりますが、安定的な病院経営が成り立つこと、市の財政として将来的に負担できることの確認を行いつつ判断してまいります。
 いずれにしても、子ども達から高齢者の皆様まで全ての市民の命と健康を守り、質の良い医療を提供していくことが医療センターとして、市としての使命と考え、この事業に取り組んでいきます。

担当部署:新病院建設室