【子ども記者通信】変わらないもの、変わってほしくないもの~峰台小70周年~(峰台小学校 吉野 正麒さん)

更新日:令和7(2025)年10月3日(金曜日)

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峰台小学校 吉野 正麒

 「ここに写っているの、お母さんよ」
 峰台小学校の2階の職員室の外壁に、ピントが合っていない古い航空写真が貼ってある。誰にも見向きもされない写真。校庭で全生徒が写っている写真。そのゴマ粒の1つを指して、自慢気に言った。それは、峰台小35周年の航空写真だ。
 「えっー!!」
 私は驚いて、廊下を滑りそうになった。校長先生が、峰台小の70年間の歴史について今まで発信していたけれど、1番私の心に刺さった。
 「本当?どうやって撮影したの?」
 お母さんはたまにうそをつくから、グイグイ聞いてみた。
 「本当よ。6年生の時、一斉に校庭に走れ!と言われて、校庭に向かって走ったわ。空から飛行機が飛んできて、いつの間にか撮ってたわよ。時間が勝負ね。懐かしいわ」
 いつものように腰に手を当て、にかっと笑った。「だいぶ変わっちゃったけどね」と、つぶやいた。良い意味なのか悪い意味なのか知りたくないから「変わらないものもあるよ」と、お母さんに言ってその場でピョンと跳ねた。
 峰台小は9月9日で70周年を迎えた。1カ月先ぐらいしか想像がつかない私にとって、70年ははるか昔のようなイメージだ。当たり前だけれど、変わっていることが多いと思う。だから今後も、峰台小が「変わらないもの」を3つ考えてみた。
 1つ目は「廊下」だ。廊下は、校舎を魔改築しない限り不変だ。70年前も今も、廊下で歩き、走って滑って、先生に怒られて泣き、友達と声を掛け合い、笑い、黙って掃除をする場所だと思う。2つ目は「校庭から見る夕日」だ。ルームや学校の帰りに、校庭の端からキラキラ見える真っ赤な夕日だ。落ち込んで帰りたくない日、うれしくてタイヤを飛んでみた日、校庭で友達とテストの漢字を書いて練習した日、ほんの数分だけど「また、明日」と背中のランドセルを押してくれるのだ。3つ目は「峰台小への坂」だ。峰台小は高台にあり、1門、2門、3門と全ての坂を登らないと到着しない。うれしいことがある時は、一気に駆け登りたくなる坂だけど、遅刻しそうな時は、本気でいまいましい坂だ。学校に行きたくない気分の時は、この坂を登るか、登らないかでちゅうちょする。しかし、登る決心がつけば、坂を登りながら「行きたくない」気分を「しょうがない。行ってあげるか」という気分に変えてくれる坂だ。帰りは、校門を出ると意味もなく「そこに坂があるから!」と風をきって一気に下りたくなる坂だ。
 廊下や夕日、この坂での気持ちは、峰台小に通っていないと絶対に分からないし、70年前も35年前も今も何年後も、ずっと「変わらないもの」だと思う。

(令和7年9月25日投稿)

峰台小公式キャラクター峰うさ
▲峰台小公式キャラクター峰うさ
 2門の坂から見た峰台小
▲2門の坂から見た峰台小

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