【子ども記者通信】震災遺構 荒浜小学校を訪ねて(大穴北小学校 鈴木 さくら さん)

2011年3月11日14時46分。東北地方太平洋沖地震発生。この時、私はまだ生まれていませんでした。
宮城県にある「震災遺構 荒浜小学校」を取材してきました。ここは、東日本大震災の津波で大きな被害に遭いながらも、避難してきた児童や住民320人全員の命を守った小学校です。校舎の1階や2階は、当時のそのままの状態で保存され、さらに写真パネルや資料などを展示して、一般公開されています。
まず目についたのは、2階のベランダに表示されていた「津波がここまできましたよ」ということを示す掲示です。私が立っているところが全て水の中だったのかと考えると、とても怖くなりました。校舎の中に入ると「1年1組」の教室がありました。床や壁、天井は剥がれ落ち、さらに天井に空き缶が挟まっていて、驚きました。車が教室に流されてきている様子の写真も見て、津波のパワーに圧倒されました。掲示されているたくさんの写真は、震災の次の日まで学校に残っていた校長先生が、学校を出るときに撮っていったものだそうです。廊下や階段には、水が来た場所までくっきり線の残っているところもありました。また、津波が押し寄せた15時55分で止まっている体育館の時計が、そのまま残されていました。
6年生の教室には、クラス目標や係掲示がそのまま残されていて、私たちと同じように充実した学校生活を送っていた様子が伝わってきました。6年生を送る会は震災の1週間前に行われたそうです。まさか卒業間近にこんな大きな災害に見舞われてしまうとは、思ってもいなかっただろうなと、考えていると涙がでてきました。
地元の方にお話を伺うと、その後堤防を兼ねて道路を高台に作ったり、忘れないようにと津波の高さの観音様を建てたりしたそうです。
実際に見ることにより、話を聞くだけではわからなかったことをたくさん感じることができました。毎日楽しく過ごせていることに幸せを感じて感謝すると共に、防災についてしっかり考えていかなければいけないと強く思いました。
(令和5年8月14日投稿)
(津波は4階建て校舎の2階まで押し寄せました)
(津波の恐ろしさを物語る校舎内)
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