【子ども記者通信】自ら学び よりよく生きる子供の育成を目指す 小中一貫教育~学びに向かう力を育む授業づくり~(大穴中学校 佐藤 拓歩さん)
僕が通っている大穴中学校では、大穴小学校、大穴北小学校と連携して、小中一貫教育を行っています。僕も、昨年はその活動の一環である「サマースクール」に参加しました。このことについて詳しく知るため、研究主任の大川先生にお話を伺いました。
この取り組みは、船橋市教育委員会から研究指定校に指定されたことから始まりました。3年間の計画で、今年は2年目を迎えます。小中一貫の研究指定校は以前にもありましたが、今回は小学校と中学校が隣接していないものとして初めての取り組みです。こうして始まった小中一貫教育の研究の目標として掲げたのが「自ら学び よりよく生きる子供の育成を目指す」というものでした。この背景として、大穴中学校の生徒や保護者から、学力を上げたいというニーズがあったからだといいます。
また、文部科学省から定められる学習指導要領が改訂され、評価観点が(1)感心・意欲・態度 (2)思考・判断・表現 (3)技能 (4)知識・理解の4観点から、(1)知識・技能 (2)思考・判断・表現 (3)主体的に取り組む態度の3観点に変更となりました。
改定後の評価観点であるこれらの3つは、お互いがお互いに影響しあっているもので、(1)知識・技能や(2)思考・判断・表現はすぐに身に付けるのが難しいですが、(3)主体的に取りくむ態度は注意して意識すれば、身に付けるのは他の2観点よりも容易です。そのため「自ら学び よりよく生きる子供の育成を目指す」という目標を掲げたといいます。これからは変化の激しい予測困難な時代(VUCA) に突入するとされているため、主体的に自ら学ぶ力が求められています。
次に、3校はお互いにどのように連携しているのでしょうか。大穴小学校では「7つの習慣」を意識した生活改善を中心に、大穴北小学校ではICTを用いて「サイクル」を意識した学習改善を中心に、小学校同士で交流をしています。また、大穴小学校の自由学習制度や、大穴北小学校の100マス計算制度も交流をして、将来的には2つの学習方法を選択できるようにしたいということです。
そして、中学校では小学校で養った学習・生活を、自己調節できる能力を養いたいということです。自己調節できる能力、すなわち自己調節能力とは、ある課題に対して、なぜできたのか、またはできなかったのかを把握するメタ認知、それに基づき、見通し(Anticipation)→行動(Action)→振り返り(Reflection)を繰り返し(AARサイクル)、自らを自ら改善していく能力のことです。
具体的な活動として、学習ポスターや小学生による中学校の体育祭見学(今年予定)、サマースクールや合唱祭のリハーサル見学(昨年は感染症により中止)が挙げられます。成績が上がった、振り返りの内容が充実した等、量と質の両面から途中成果が報告されており、最終的な成果の発表は、アンケートを行う、全国調査で成績が上がる、キャリア・パスポートや作文、振り返り等からどのような変化が見られたかまとめるそうです。
一方で、小学校と中学校の文化の差によって起きる「中1ギャップ」や、自己調節能力をどう勉強に活かすのか等、課題もたくさんあるといいます。
身近なところでこんな研究がされているなんて、とても驚きです。小中一貫教育を通して、大穴地区の学力の向上につなげてほしいと思いました。
(令和6年6月26日投稿)
(取材した研究主任の大川先生(左))
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