
この春、市立船橋高校(体操部)を卒業し、体操の名門、順天堂大学へ進学した角皆選手。
昨年のインターハイで、個人と団体で2冠を達成し、全日本選手権やNHK杯でも活躍しています。
未来の金メダリストと期待される角皆選手に、高校時代の思い出や強さの秘訣などを伺いました。
レベルの高い環境で体操に打ち込めた
体操との出会い
体操を始めたきっかけは、体操関係の仕事をしていた祖父の影響。
「体操は元々身近な存在でした。4歳の頃、祖父と一緒に地元(愛知)の体操クラブに体験に行ったのですが、兄弟の中では、自分が一番身体が柔らかくて、それがきっかけで始めましたね」と笑顔を見せます。
その後も、体操の技を成功させるたびに達成感を覚え、体操の虜になっていった角皆選手。
また、チームで喜びを分かち合えるところにも魅力を感じ、体操を続けてきたといいます。
高校は迷わず市船へ
パリ2024オリンピックの体操男子団体で金メダルを獲得した谷川航選手や、橋本大輝選手など、世界で活躍する選手たちを輩出してきた市船体操部。
「市船の体育館の設備は、日本一の練習環境だと思います。その環境で体操がしたいと強く思いました」と市船を選んだ理由を明かします。
チームの大黒柱に
高校時代は、2年時に全国高校総体(インターハイ)体操男子・個人総合で優勝。3年時には、2連覇を果たし、チーム史上初の3年連続"3冠達成(※) "という快挙に、大きく貢献しました。「優勝は嬉しかったのですが、目標はオリンピックで金メダルをとることです。まだまだ通過点だと思っています」と、強い眼差しで、未来を見据えます。
※インターハイ、全日本ジュニア選手権大会 国民スポーツ大会の団体総合で優勝

▲昨年のインターハイ優勝時

▲昨年のインターハイに出場する角皆選手
体操部で過ごした時間について「先輩後輩関係なく、レベルの高い環境で練習ができたので、本当に毎日が楽しかったです。神田コーチと大竹先生が、場を明るくしてくれて、いつも優しく指導してくれました」と振り返ります。
高校生活での思い出を聞くと「修学旅行が一番の思い出。体操から離れて、クラスみんなで楽しめ、リフレッシュできました。オフの日には、大好きな甘い物をよく食べに行きます。特に、さつま芋系のスイーツ、大学芋が好きです!学校帰りには、船橋駅周辺やららぽーとにもよく遊びに行きました」と高校生らしい一面も。
世界に挑戦する未来の金メダリスト
昨年11月に開催された全日本体操団体選手権では、パリで金メダルに輝いた選手たちの前で、堂々とした演技を披露。
団体では、社会人チームや大学が出場する中、高校史上最高順位となる、4位入賞を果たしました。
更なる飛躍が期待される角皆選手の目指す先とは・・・
「3年後のロサンゼルスオリンピックで金メダルを取りたいです!
そのために、海外の試合でたくさんアピールしていきます」と熱く語ってくれました。
強さの秘訣
自身の強みを「ダイナミックな演技が持ち味。見ている人から綺麗だと思われるような演技」だと話す角皆選手。
演技を完璧に魅せるため、本番前のイメージトレーニングがかかせないそう。
また、緊張を緩めるために「自分ならできる」と言い聞かせ、練習を積んできた自分自身を信じ、本番に臨むといいます。
憧れからライバルへ
憧れの選手を聞くと「市船出身の橋本大輝選手です。身近な存在でもあり、憧れの存在でもあります。大会で一緒になったときは、自分からは話しかけにくいけれど、橋本選手の方から「がんばれ」と声をかけてくれて、安心します」と現在の関係性を教えてくれました。
大学では「オリンピックで活躍している橋本選手と一緒に練習できる機会が増えるので、いっぱい学びたいです。今後挑戦していきたいのは、橋本選手も成功させているG難度の手放し技『カッシーナ』です。いつか追い越せるように頑張ります」と意気込みます。
日本一のチームを支える指導者たち
神田コーチ
市船体操部の監督を長年務め、現在は技能講師として指導する神田コーチに、指導する上での極意をお聞きしました。
「特別なことは何もしていません。 一番大事なのは、余計なことを教えないこと。元々生徒はいろんな能力を持っていて、先に指導者の先入観で教えてしまうと、その能力が出てこなかったりします。生徒の方が我々では思いつかないような発想を持っていたりもします。教えることでその子の才能をつぶさないように、本来持っている能力を大事にしています」
角皆選手について聞くと「とにかく精神的に強い。練習も試合もここまで物怖じしない選手は、見たことがないです。このままいけば、3年後はトップ(金メダル)をとれると思います」と期待を込めました。
顧問 大竹先生
昨年達成した完全制覇(※)については「一生に一度あるかないかの経験。生徒が一生懸命目標に向かってきた成果だと思っています」と生徒たちを称えます。
キャプテンとしてチームを引っ張ってきた角皆選手は、なくてならない存在だったそう。
「チームの大黒柱として、 部を引っ張ってくれました。彼を軸に立ててきたチームだったと思います」
※インターハイ、全日本ジュニア選手権大会 国民スポーツ大会の団体総合と個人総合で優勝
高校生活最後の練習日
▲後輩たちから「大好き」と書かれたうちわを貰う角皆選手
3月下旬、高校生活最後の練習日を迎えた角皆選手。
最後に後輩たちに贈る言葉とは・・・
「今までありがとうございました。市船に入学してきて3年間、長いようで今思うと早かったなと思います。いろんな人に迷惑をかけて、助けられました。市船はみんな競技のレベルが高くて、自分も刺激をもらえることも多かったし、みんながいたからモチベーション高く今までやってこれたと思います。大学では、みんながいなくて、柔軟を一緒にやってくれる人もいなくて、今までいろんな人に助けられて練習をやってこれたんだなって実感しました。これからは、自分の力で、周りに迷惑をかけず、大学生らしく頑張っていきたいです。たまに、市船にいくときは、みんなの成長を見れることを期待しています。頑張ってください」
市船を旅立つ大きな背中は、後輩たちの目にどう映ったのでしょうか。
今年も市船体操部と、角皆選手の活躍から目が離せません✨
プロフィール
■2006年4月22日生まれ
■163cm、59kg
■愛知県出身
■船橋市立船橋高校-順天堂大学
24年 全国高校総体 個人総合・団体ともに優勝
NHK杯 9位
全日本選手権 団体4位 種目別鉄棒4位
高校最後の練習日の様子をふなばしCITYNEWSで放送しています!
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