船橋市ゆかりの守護神 小島 満菜美選手
▲座右の銘「努力は運を味方にする!!」を書いた色紙を掲げる小島選手
パリオリンピックにバレーボール女子日本代表リベロとして出場した小島 満菜美 (こじま まなみ)選手(29歳)は、市立船橋高等学校(以下、市船)出身です。市船を卒業後、青山学院大学に進学し、NECレッドロケッツ川崎に入団しました。小島選手は、小柄ながら粘り強い守備を武器に、令和4年(2022年)から日本代表に選出され、令和6年(2024年)5月~6月に開催されたネーションズリーグでは、大会のベストリベロに選ばれました。
小島選手は自身のスキルアップのため、来年1月から始まるアメリカのLOVBソルトレイクでプレーすることが決まっています。
今回は、オリンピックの舞台を経験し、次のステージに挑戦する小島選手のインタビューをお届けします!
激闘のオリンピックを振り返って
▲パリオリンピックでレシーブをする小島選手
――オリンピックを振り返っていかがですか
貴重な経験をすることができました。日本代表に選ばれるようになってからパリオリンピックまでの3年半は、主要大会の落選も経験し苦しい状況も多かったです。しかし、オリンピックに出場したいという思いとレベルの高いところでみんなでやりたいという思いから、あきらめずに頑張り、オリンピック出場という夢を叶えることができました。
チームとしては、悔しい結果ではありましたが、この経験を生かして次は、日本からアメリカに移籍するので世界で活躍していけるように、頑張っていきます。
――小島選手自身の手ごたえはいかがでしたか
個人的には手応えを感じることができる場面はありました。しかし、チームとして予選突破をすることができなかったので、もっと自身もレベルアップが必要だと感じています。
座右の銘「努力は運を味方にする!!」
――バレーボールを始めたきっかけは何ですか
北海道にいたときに友達に誘われて、小学3年生でクラブチームに入りました。
その後千葉県に引っ越し、中学生の時にJOC(※)の選考会でスパイカーとリベロのどちらを選択するかでリベロを選びました。最初はスパイカーでしたが、本格的にリベロになったのは高校生になってからです。
※JOC・・・ジュニアオリンピックカップのこと。未来のオリンピック選手育成を目的とした大会。バレーボールにおいては中学生を対象に行われている
――リベロの魅力とは
リベロの魅力はボールを落とさなければ負けないところです。
また、相手が「決まった!」と思ったボールをレシーブで拾った時はめちゃくちゃうれしいです。相手が打ちたいと思っているコースを予測して準備しています。
――小島選手の長所を教えてください
“粘り強く最後まであきらめないところ“と”チームが勝つための声かけ”です。
個人的には、サーブレシーブよりもスパイクレシーブの方が好きです。現在は、サーブレシーブの方が評価されていると感じています。もともとサーブレシーブが課題だったので、意識して重点的に練習しました。その結果が、評価につながっていると思います。
――座右の銘「努力は運を味方にする!!」について
何事もタイミングや運が大事です。そして、運を味方にするには、正しい努力が必要だと思っているので、後悔のない努力をしていきたいです。
市船で学んだ"人間力"と先生から見た小島選手
▲左から松戸市長、浅井監督、小島選手、國沢コーチ、松本教育長
――市船を選んだ理由を教えてください
JOCの合宿で市船に行く機会があり、その時に練習や練習試合をさせてもらって、チームの雰囲気に活気があり、ここでやりたいと思い決めました。
また、高校はレベルの高いところでやりたいと思っていて、市船は春高で3位にもなっている学校だったので、そこも選んだポイントの一つでした。
――市船ではどのようなことを学びましたか
市船の練習はもちろん厳しいところもありましたが、人間的に成長することができました。周りへの心配りや思いやりなどが鍛えられました。
――パリオリンピックでは市船のバレー部からの応援についてはいかがでしたか
素直に嬉しいです。準備期間が短い中、横断幕やうちわを準備してくれたり、市船でパブリックビューイングしてくれたりと、改めて市船愛を感じました。
こうやって応援してくださる方々のためにも、感謝を忘れずに、次は結果で恩返しできるように頑張りたいと思いました。
――市船 浅井監督から見て小島選手の印象を教えてください
一言でいうと”負けず嫌い”です。オリンピックでもみんなに声をかけて、監督よりも声が聞こえていました。オリンピックでは技術的な部分以外のところでも、十二分に実力を発揮していたと思います。
リベロは後ろを守るポジションなので、高校の頃からコート全体を俯瞰(ふかん)して見ることができていて、コート内では監督のような役割をお願いしていました。
個人的には、もう一度チャンスがあると思っているので頑張ってほしいです。
――市船 國沢コーチから見て小島選手の印象を教えてください
下級生の時から、年齢関係なく声を出していて、先生からも監督と言われていました。オリンピックでも指示の中心になっていて、そういった姿が子どもたちの勉強になっていました。アメリカにもぜひ応援に行きたいです。
世界で活躍できる選手になるために
▲自身のパネルにサインする小島選手
――来シーズンからアメリカのチームに所属することになっていますが、海外挑戦を決めたきっかけは何ですか
もともと海外のチームに行きたいと思っていました。海外に行く1番の目的は、自身のスキルアップです。
――なぜアメリカのチームを選びましたか
人間的に成長したいからです。バレーボール女子アメリカ代表のカーチ・キライ監督は、どんなにスキルがあっても人格者でないと代表に選ばない監督だと聞いたことがあります。アメリカはオリンピックで、メダルを獲得しています。メダルを獲得している選手たちはどういう人たちなのかを学び、自分自身も成長していきたいです。
――海外挑戦で不安なことと楽しみなことを教えてください
不安なことは言語面ですが、トップレベルの選手たちと一緒にプレーできることが楽しみです 。
――子どもたちに一言お願いします
私の姿をとおして、あきらめなければチャンスがあるという希望になったらと思います。試合を見て楽しいと思ってもらえるプレーをしたいです。「バレーボールやりたい!」と思ってもらえるように頑張りたいと思います。船橋市から未来のオリンピック選手が誕生することを楽しみにしています!
船橋市役所を訪問!
小島選手は「パリオリンピックは、悔しい結果ではありましたが、この経験を生かして次は、日本からアメリカに移籍するので世界で活躍していけるように、頑張っていきます」と熱い思いを語ってくれました。
市長は「お疲れ様でした。小島選手はオリンピック前の国際大会である、ネーションズリーグで最優秀リベロをとり、子どもから大人まで、たくさんのファンが見ていました。来シーズンのアメリカでもこの経験を生かして、スキルを高めてほしいと思います」とエールを送りました。
小島選手からのメッセージ
♢小島選手プロフィール
宮城県出身。船橋市立船橋高等学校、青山学院大学を卒業。
小学3年生から北海道のクラブチームでバレーボールを始める。
2017年 NECレッドロケッツ川崎入団
2023年 V1リーグの2022-23シーズンでチーム優勝、レシーブ賞を受賞
2024年 V1リーグの2023-24シーズンでチーム大会2連覇、ベストリベロ賞を受賞
2024年 パリ2024オリンピックに出場
2024年9月 アメリカ・LOVBソルトレイクへ移籍