船橋出身アーティスト 岡谷柚奈さん(703号室)

更新日:令和5(2023)年8月15日(火曜日)

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岡谷さんライブ写真1

 ソロプロジェクト「703号室」を立ち上げ、音楽シーンを席巻している葛飾中出身のソロアーティスト岡谷柚奈(おかやゆうな)さんが、7月2日に、自身では3度目となるワンマンライブを渋谷で行いました。

 今回のライブテーマは「THEGAME」 。ステージに登場した岡谷さんは「自分にとっても勝負の日にしたい」と、タイトルに込められた思いを語りました。
 この日、舞台となった「Spotify O-EAST」は、岡谷さんにとって思い入れのあるライブ会場。ファンに向けて「2年前、対バンライブ(複数のアーティストが出席するライブ)でこのステージに立ちました。次は絶対にワンマンライブがしたいと思っていたので、今日を迎えられて本当に嬉しいです!」と話し、会場は歓喜に包まれました。6月にリリースした初アルバム「BREAK」にも収録され「アニメ『鬼滅の刃』の善逸(キャラクター)のイメージと重なる」という声がTikTokで広がり、MV(ミュージックビデオ)が2300万回再生を突破した 「偽物勇者」などの全16曲を、魂のこもった歌声にのせて披露しました。

 今回は、ワンマンライブ直後の岡谷さんに感動冷めやらぬなか行った、スペシャルインタビューをお届け。さらに、アルバムのリリースを報告するため船橋市役所を訪れた際の様子も、あわせて紹介します。

今の自分にしか歌えないライブをつくりたかった

岡谷さんライブ写真2

―― 本日のライブお疲れさまでした!
途中のMCでは「ライブ前は、とても不安だった」とお話しされていましたが、ライブを終えてみていかがですか

ありがとうございます。とても不安だったんですけど、終わってみると、やはりライブをやってよかったなと思います。
実は私、今までライブが楽しみだったことは一度もなくて、楽しみより不安の方が大きくなってしまうことが多いんです。でも、いざお客さんを目の前にして歌うと、やっぱり自分はライブが好きなんだなと、今回のライブでも改めて実感しました。

―― ライブ中は、ファンの方の近くまで行って歌うシーンも見られましたが、ライブで大切にしていることなどはありますか
大切にしているのは、お客さんの目を見て歌うことを心掛けています。
お客さんの目や表情を見ると、安心して自分のペースで歌うことができますし、いつも以上に気持ちを込めて、歌を届けられる気がしますね。

―― 今回のライブのこだわりを教えてください
今までとは違う、新しい「703号室」をお客さんに見てもらいたいと思っていました。
過去と同じことを繰り返すのではなく、前のライブでは歌えなかった新たな曲やスタイルに挑戦し、今の自分にしか歌えないライブをつくろうと思いました。

最新アルバムのタイトル「BREAK」(壊す)にも、同じ意味が込められています。

―― 今日の赤の衣装にも、そういった熱い気持ちが込められているのですか
そうですね。逆に言うと、この衣装に引き出してもらったような感覚ですね。
今まで挑戦してこなかった色ですし、自分に着こなせる自信もありませんでした。
でも、赤の衣装を身にまとうことで、大きい気持ちになれましたし、自信を持ってステージに立つことができました。

「心」で自分自身を証明したい

岡谷さん写真2
―― 新曲「sing for me」は、自分自身のためにつくった曲だと話していましたが 、その理由を教えてください
今回のアルバムをつくるときに、今まで自分がリリースした曲を、改めて全部聞き直してみたんです。そこで「自分がどうして歌っているのか」「なぜ曲を書きたかったのか」を振り返る気持ちを忘れていたことに気づいて…。今まで書いてきた曲は、嘘ではないし大好きな曲なんですけど、どこか格好つけていましたね。この言葉を選んで、この音を使ったら受けがよくなるだろうかとか、そこに重きを置いていた自分もいました。曲がリリースされる度に、再生回数などを気にしてしまって、ネガティブな感情になることもありました。
 
ーー 今思い出すと初心に戻るきっかけになったんですね
歌い始めた頃は、世間に認められるために歌っていたわけではなかったですね。とにかく歌が好きで、自分の感情を吐き出す場所が欲しかったんだって、そういう気持ちを忘れてしまっていたことに気が付きました。
だからこそ、もう一度はじめて曲を書いたときの気持ちを思い出して、自分のために曲を書きました。
 
―― 岡谷さんのつくる楽曲は、曲調がさまざまですよね。一貫して大事にしているものはありますか
大事にしているのは「心」です。
人生観や死生観、恋愛観でも、一貫して「心」だけが自分を証明できるものです。性別や名前、生まれた場所って、全て他人に決められたものじゃないですか。でも、自分の心の中から沸き上がった感情は違います。だから私は「心」を大事にして「自分自身を証明したい」という気持ちを忘れずに曲を書いています。

親元を離れ一人、大阪へ

岡谷さん写真3

―― 小中学校の頃はどんな子でしたか
人に好かれたいと思って生きていました。自分の考えよりも、人に好かれるための行動をしていましたね。八方美人だったので、笑顔は上手だったかな…(笑)。
中学の部活動も、母親がやっていたからという理由でソフトボール部を選んでいました。あの頃は自分から何かを選択するということが全くありませんでした。

―― 気持ちに変化があったのは、何がきっかけですか
うーん。高校受験の頃がきっかけだったと思います。勉強をして受験して、高校に入ってまた勉強をして、同じことの繰り返しだと思いました。なんか人に決められたレールを歩く毎日が苦痛で仕方がなくて…
その時、自分の好きなこと「音楽」をやりたいと強く感じました。

―― 進路を決めるとき、周りの反応はどうでしたか
進路相談で「音楽の道に進みたい」と話したときは、周りに反対や心配をされて、家族だけが自分を信じてくれたのを覚えています。

それから、芸能活動もできる千葉県内の公立高校に進学したんです。学業との両立が難しくなってしまい、高校2年で通信制の高校に転校しました。でも、そこから思うような生活が送れなくなってしまって、このままじゃダメだと思い、武者修行をしようと決心して、初めて大阪で一人暮らしを始めました。

―― どうして大阪で?
母親の知り合いで、大阪で飲食業を経営している方がいたので、そこで面倒を見てもらいました。
住み込みで働きながら、大阪で路上ライブをしながら、たくさんの経験を積ませてもらいました。

―― ご両親は心配しなかったですか
もちろん心配はしていました。母は「自分で決めたことなら行ってきなさい」と送り出してくれましたし、父には何度も説得して、許してもらいました。
学生時代に、喜怒哀楽が生まれる経験ができて、一つ一つの自分の感情と向き合うきっかけを作ってくれた両親には、本当に感謝しています。

船橋は自分の原点

―― 船橋で一番の思い出に残っている場所はありますか
ふなばしアンデルセン公園は、幼い頃から何度も遊びに行っていたので、一番の思い出に残っている場所です。
音楽活動を始めてからは、公園内にあるステージで弾き語りをさせてもらいました。当時は、観客が少なくて、席もガラガラだったのを覚えています。その時に感じた「いつかこのステージを、お客さんでいっぱいにしたい」という気持ちが、私の原動力です。

――ふなばしミュージックストリートの 「ふなばし弾き語りコンテスト」にも出演されていましたよね
そうです。ありがたいことに、第一回目の「ふなばし弾き語りコンテスト」で優勝できたことが、当時の自分にとって一番の自信になりました。
コンテストで審査員を務めていた声松優一さん(船橋市出身ソロアーティスト)とは、今でも親交があります。歌を始めたばかりの頃、最初に声松さんからボイストレーニングを受けて、曲の作り方を一から教わり、本当にお世話になりました。

―― 船橋に好きなパン屋さんがあるとか
京成船橋駅にある「Little Breads To Go(リトル・ブレッズ・トゥ・ゴー)」というパン屋さんが大好きです!いつも「ピーナッツピーナッツ」というピーナッツバターパンを食べて元気をもらっていました。音楽を始める前から、ずっと通っていて、私が音楽活動を始めてから、初めてつくったフライヤーもまだ置いてあるかもしれません。

これから船橋でも、コンサートやイベントに参加して、私を育ててくれた船橋に恩返しがしたいですね。

岡谷さん写真1

岡谷柚奈さんプロフィール

船橋市生まれ。葛飾小学校、葛飾中学校出身。

2018年に横浜の専門学校の同級生3人で「703号室」を結成し、
卒業と同時にソロプロジェクトとして本格始動。

1stシングル「偽物勇者」が注目を集め、YouTube総再生数は2300万回を超える。

TikTokフォロワーは28万人。
日本から世界で活躍する才能を発掘するグローバルプロジェクト「TikTok Spotlight」では、ファイナリストにも選ばれた。

2023年6月7日に、1stアルバムとなる『BREAK』をリリース。

703号室(岡谷柚奈)公式TikTok

703号室(岡谷柚奈)公式Instagram

703号室公式Twitter

船橋市役所を訪問!

市長との面会写真3

5月25日、1stアルバムとなる「BREAK」の発売を前に、松戸徹市長に報告するため船橋市役所を訪れた岡谷さん。

岡谷さんは「昔、市長の前で歌う機会があったのですが、その時に、市長が目を離さずに私の歌をずっと聞いていてくれて、感動して泣いてしまった思い出があります」と感謝の気持ちを語りました。

市長は「初めて会った時から随分成長して大人になった。これからの益々の活躍を応援している」とこれからの活躍に期待を込めました。

市長との面会写真 

最後に「夢は、アンデルセン公園のステージを、自分のお客さんでいっぱいにすることです」と笑顔で語ってくれた岡谷さん。

岡谷さんの「心」感じる楽曲を、ぜひ一度、お聞きになってみてはいかがでしょうか。

若きアーティストとしてのこれからの活躍に、ぜひご注目ください!