映画公開記念!特別インタビュー!

更新日:令和4(2022)年5月25日(水曜日)

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映画公開記念!特別インタビュー!

ふなばしCITYNEWSでは、映画「20歳のソウル」の公開に合わせ、映画の紹介と出演者の神尾楓珠さんや佐藤浩市さん、原作・脚本を執筆した中井由梨子さんや大義さんのお母さんへのインタビューを放送しています。

ここでは、番組では放送しきれなかった未公開部分を含め、インタビュー内容を一挙にご紹介します!

もくじ(クリックするとそのインタビュー記事に飛びます)

♦佐藤浩市さん(市船吹奏楽部顧問・高橋先生役)
♦神尾楓珠さん(主人公・浅野大義さん役)
♦中井由梨子さん(『20歳のソウル』作者)と浅野佳子さん(大義さんのお母さん)

佐藤浩市さん

佐藤さん

高橋先生の印象は?

高橋先生とは年齢も近く、昭和の男同士の話ができ、自分と近いものを感じました。
ライブに足を運んでくれたりして、映画の撮影だけではなく、お互いを知る関係性がつくれたのはよかったなと思います。
高橋先生は、撮影現場へ熱心に来てくださいました。これまで出演してきた映画で、自分が演じる人物がここまで作品に関わってくれることはあまりなかったので、そこにびっくりしました。でもそういった場で、撮影の合間に会話をすることで、高橋先生という人間の輪郭が鮮明になるのを感じながら演じていくのはすごく楽しかったです。

音楽活動や指揮については?

音楽活動は自分が歌うようになった時に始めました。
これまで、音楽を続けていたことも、今回の作品での吹奏楽部顧問という役に縁が繋がったのかなと思ったりもしています。
指揮は経験したことはなく、撮影の2カ月ほど前から練習しましたがとても難しかったです。
演奏中は自分の中にテンポを作りながら、指揮棒を振ることを意識していました。

市船ソウルは知っていた? 

高校野球が好きなので、市立船橋高校に応援歌があることは、知っていました。
でも、応援歌(市船ソウル)が誕生した背景に、このようなストーリーがあったことは知りませんでした。

市船吹奏楽部の印象は?

今の吹奏楽部員やOBの人たちは、誰が役者で誰が市船生なのかわからないほど、この映画や演奏シーンに全力で青春をぶつけてくれました。
本番の前には「コロナ禍で演奏する場を失ってしまっていると思うけれど、"稽古をしている時間"であっても、きっと将来の自分たちの活力になる。」という話をしました。 

最初に演奏をした時は?

まず最初に、「自分の指揮で演奏してくれてありがとう」という思いでした。
現役・OBの皆さんが、この作品に対する思いを感じながら演奏してくれたことで一体感が生まれたんだと思います。
指揮を間違えた時にも、みんなで協力して乗り切ることができました。

浅野さんの印象は?

親御さん含め、大義さんを知っている友人・知人は身を切られるようなつらさがあったと思います。
しかし、彼が残したものを後輩が紡ぐ。そして音楽、応援歌を聞きながら、生徒たちが汗を流している。
それを見られるのは希望だし、命の大切さを自分たちが感じられると思います。
そういう意味でこの音楽は"希望"だと思います。

船橋のみなさんへ

感動の涙と一緒に"希望"を感じてほしいです。
また、「市船ソウル」を聞いた時にこの映画を思い出してもらえれば嬉しいです。

神尾楓珠さん

神尾さん

脚本を読んだ感想は?

初めて読んだときは青春感のある作品だなと感じましたが、それが実話だと知ってびっくりしました。

船橋は知っていましたか?

船橋で買い物とかご飯を食べたりしたことがあったので知っていました!
あとは、小さい頃からサッカーをしていたので、サッカーがすごく強い"市船"はよく知っていました。

浅野さんを演じるうえで意識したことは?

大義さんは、まっすぐで心から音楽と向き合っていることが映画の軸にもなっています。
演技をする際には、音楽としっかり向き合うことを最初から最後まで意識していました。

船橋市内で思い出に残っている場所は?

桜並木のシーン(海老川)は節目節目で撮影があったので、よく覚えています。

映画を通して伝えたいことは?

大義さんを演じて、一番に感じたことは"命には限りがある"ということです。
自分の人生の中で、好きなことに正面から向き合い、一日一日を悔いなく無駄にしないことが大切だと思いました。
この映画を見てそれが伝わってもらえたらいいなと思います。

中井由梨子さん&浅野桂子さん

浅野さん、中井さん インタビュー

右)中井由梨子さん…『20歳のソウル』作者
左)浅野桂子さん…主人公・浅野大義さんのお母さん
インタビュアー)河上優奈さん…大義さんの同級生で、当時の市船吹奏楽部部長

(中井さんへ)『20歳のソウル』を執筆したきっかけは?

中井さん)
朝日新聞の「声」の記事を見て、その後告別式の映像を見たことがきっかけ。
映像を見て、私は会ったこともない大義さんにすっかり恋をしてしまって。彼の人生、生きざま、人柄に触れたいという気持ちになりました。
みなさん、泣きながらも、演奏が続いていく。その様子を見て、「このような、多くの人の思いが詰まっている葬儀は2度と見ることができないかもしれない」という気持ちの高揚がありました。

中井さん

河上さん)
演奏していた私たちは、何も違和感がないんです。何も特別なことではなく、大義への思いが自然とああいう形になったんだと思います。

中井さん)
すごく素敵です。今の言葉を使ってください!(笑)

(浅野さんへ)朝日新聞の「声」投稿しようと思った理由は?

浅野さん)
葬儀ではたくさんの卒業生、後輩が来てくれて、ただただ感謝の気持ちでいっぱいになりました。
それと同時に「ここに、こんな素敵な人たちがいるんだよ」ということをたくさんの人に知ってもらいたくなったんです。その気持ちを表現できる場所が新聞の投稿でした。

浅野さん

(中井さんへ)初めて執筆する小説、プレッシャーはありましたか?

中井さん)
まったくなかったと思います(笑)
「たくさん取材して大変ですね」といわれますが、そんな感覚はなくて、「大義君のお母様と楽しくおしゃべりしている」だけ。
たくさんお話しする中で、大義君やその周りの人たちのことを知ると、書かずにはいられなくなるんです。大義君の話が体から溢れ出てくる。気負ったことは一切ないです。
私は小説家になりたいと思ったことは一度もなくて、本を出すことは先にも後にもないだろう、そんな気持ちで書きました。

河上さん)
それって、すごいことですよね。
大義が、人ひとりの人生を変えているんです。それは「大義の力」だと思うし、「市船の力」でもあると思います。

(中井さんと浅野さんへ)最初のお互いの第一印象は?

浅野さん)
最初は、取材されると聞いて構えていたんです。
実際会ってみたら一切メモも取らず録音もせずで(笑)。ただお友達と楽しいおしゃべりをするみたいで最初はびっくりしました。
ただ、その日の帰り際に中井さんの背中を見たとき、「大義、いい人を選んだね」という言葉がぱっと出てきたんです。
大義がこの素敵な人を選んだんだな、と思いました。

中井さん)
最初に浅野さんに電話をするときは、緊張して手が震えました。息子さんを亡くされて数か月しかたっていないのに、見ず知らずの自分に話してくれるかな…という不安がありました。
電話をかけて、浅野さんの「もしもし」の第一声がめちゃくちゃ明るかったんですよ(笑)実際に会って、笑顔で「こんにちは」と言われた時には、なんというか、「懐かしい人に会った」という気持ちになったんです。

会話

河上さん)
2人の話を伺っていると、昔からの友人だったかのような関係性がすごく素敵だなって思います。

浅野さん)(中井さんと顔を見合わせて)
お互いに通じるものがあったんですね。不思議ですね。

(中井さんへ)市船吹奏楽部の印象は?

中井さん)
仲間との関係性を大切にする姿に、心が洗われます。
そして、各々自分の人生を歩んでいながら、卒業しても強い絆で結ばれているような”市船イズム”を継いでいるのが素晴らしいです。

河上さん)
市船生自身はそこまで意識していないと思いますが、そういっていただけると嬉しいです。

市船吹奏楽部

(浅野さんへ)映画を見た感想は?

浅野さん)
市船での学校生活や友達とのやりとりが描かれていたんですけど、そこには私も知らない大義がいました。
こんなにきらきらした時間を過ごしていたんだなと思って、すごく嬉しくて感動しました。
闘病生活のシーンは悲しくつらい部分もありますが、この市船時代があったからこそ、大義は生ききることができたんだと思いました。

(中井さんへ)小説と映画では違った良さがあると思いますが

中井さん)
原作となる小説を読んでいた佐藤浩市さんには、「原作と脚本でずいぶん変えたね」と言われました。
小説は、人物の揺れる気持ちを細かく描こうと思っていて、映画では「みんなのヒーローであってほしいな」と思ったんですよね。
めちゃくちゃかっこいい大義くんでいてほしい。
自分の生命力や才能を信じて生ききる、あの「かっこいい大義くん」を描けたんじゃないかと思います。

(浅野さんへ)大義君は神尾さんが演じていましたが、いかがでしたか

浅野さん)
神尾さんは、本当にかっこよかった…!
でも、これを言ったら怒られちゃうかもしれないんですけど、映画を見ていると大義と重なって、何度も大義に見えるシーンがありました。

これから映画を見る方へメッセージ

浅野さん)
見てくださった方それぞれの考えや気持ちで見ていただければそれが一番です。

中井さん)
ほとんどのシーンを船橋で撮影しているので、船橋の皆さんにとってはきっと特別な映画になるんじゃないかと思います。
ただご当地映画ではなく、船橋から世界へ。100年残るようななので、皆さんが誇れる映画になればと思います。

3ショット
左から河上さん(インタビュアー)、浅野さん、中井さん