初冬の風景“干し大根”

更新日:令和4(2022)年6月13日(月曜日)

ページID:P098908

※この記事はバックナンバーです。

住宅地に突然現れる、たくさんの干された大根…11月下旬から12月初旬にだけ見られる大根農家の冬の風物詩です。この干し大根を作っている農家の齋藤正人さんにお話を伺いました!

トップ

手間暇をかけて作ります

干している大根は、根がすべて白色というのが特徴であり通称“白首大根”と呼ばれ、主にたくあんなど漬物に多く利用される新八洲(しんはっしゅう)という品種です。

この大根は長さがあるため、「男性でも抜くのが大変なほど力がいるんですよ」と齋藤さんは苦労を話します。また、通常大根は機械で洗浄することが多いのですが、機械に対応できない長さのため、手で1本ずつ汚れを丁寧に落としていくので、手間がかかります。

きれいにした大根を干すときは、水分がうまく抜けるように適度な間隔をあけながら並べていきます。日当たりや風通しで場所によって乾き具合が変わるため、干す場所を毎日少しずつ変えながら1週間~10日間ほどすると、つけものに適した干し大根が出来上がります。

できばえ

柔らかさと色などをチェックし、完成を見極めます

毎年買いに来てくれるお客さんのために

齋藤さんのところでは、50年以上も昔から毎年欠かさず作っています。「当時、新興住宅地が周りにあって、干し大根は需要があり、近所で販売を始めたそうです」と齋藤さん。今は人口の減少や作業の大変さから作る数は減っていますが、それでも毎年3000本程度作って直売所で販売しています。買いに来るのはリピーターが多く、漬物にしておけば春先まで保存も可能なため、多くの人が数十本をまとめて買っていきます。

以前は周囲の大根農家でも干し大根を作っていましたが、現在では齋藤さんだけが作るとても貴重な存在に。今年は11月20日から作りはじめており、12月10日頃まで販売するそうです。毎年楽しみにしているお客さんのために、これからも手間暇かけておいしい大根を作っていきます。

齋藤さん夫婦

齋藤ファーム

船橋市大穴北1-16