船橋が誇る“海苔”
「都心から近い船橋で海苔漁?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、実は船橋は昔から漁師町として栄えたまち。中でも、海苔漁は50年前に1000人もの漁師さんたちでにぎわいをみせていました。いまではわずか3軒6人となりましたが、いまもなお、伝統的な漁法で海苔を守り続けています!
▼船橋の海苔養殖の漁獲量 ※船橋市漁業協同組合より
令和元年度 | 令和2年度 | 令和3年度 |
約314万枚 | 約286万枚 | 約371万枚 |
「船橋の海苔」の質の高さは折り紙つき!
口に入れた瞬間にフワッと広がる芳醇な磯の香りと柔らかな口溶け…。船橋産の海苔は、口に入れるとさっと溶け、香りの強さと色つやが特徴です。船橋市漁業組合のブランド「船橋三番瀬海苔」は2007年に地域食品ブランドの表示基準である「本場の本物」に認定されています。まさに「船橋の海苔」の品質は折り紙つきです。
数々のテレビ番組でも紹介!
毎年、海苔漁が最盛期になる冬場には「船橋の海苔」が、テレビや新聞、雑誌など様々な媒体で紹介されます。
≪これまで取材を受けたテレビ番組(一例)≫
- J:COM「ジモト応援!つながるNews」 (令和3年3月12日放送)
- 日本テレビ「シューイチ」(平成31年2月17日放送)
- TBS「マツコの知らない世界」(平成30年7月31日放送)
- テレビ朝日「相葉マナブ」(平成29年2月5日放送)
- 日本テレビ「遠くへ行きたい」(平成29年2月5日放送)
- TBS「旅ずきんちゃん」(平成28年4月17日放送)
- フジテレビ「くいしん坊!万歳」(平成28年2月8日放送)
「船橋の海苔」、美味しさの秘訣は!?
海苔漁師の朝はとにかく早い! 潮時にもよりますが、朝6時前には極寒の東京湾に向けて出発します。漁場までは、船橋漁港から約20分。「ららぽーとTOKYO-BAY」や元南極観測船の「SHIRASE」を過ぎると、遠くに海苔漁場が見えてきます。日の出とともに、海苔漁のスタートです!
船橋の海苔の美味しさの秘訣は、「漁法」と「漁場」、「収穫方法」にあり!ここではそれらをご紹介します。
美味しさの秘訣! その(1)「漁法」
船橋の海苔漁師たちは、遠浅の三番瀬だからこそできる“潮の干満差”を利用した「支柱柵の固定張り」という伝統的な漁法にこだわっています。これは、海中に支柱柵を立て、海苔の種がついた網を支柱柵に一定の高さで固定して張り、干満差を利用して育てる方法です。
上の写真は、潮が満ちている様子。支柱柵に固定した海苔網は海中に潜り、海水の養分を十分に取り込みます。
下の写真は、 潮が引いた時の海苔網の様子。海苔網は海上に浮き、たっぷりと日光を浴びています。これにより、アミノ酸が増し、旨みと甘みが強く香り高い海苔が育ちます。
船橋の海苔漁師さんによると、毎年手作業で立てる支柱柵の数は、なんと約3000本!手間暇のかかるこの漁法ですが、質の高い海苔を生みだすべく、この伝統を守り続けています。昔はこの支柱が竹であったことから、”竹ひび式”ともいわれる漁法です。また、海苔網を年に数回張り替えることで、生えたばかりの柔らかい海苔を収穫しています。
美味しさの秘訣! その(2)「漁場」
「漁場」の船橋三番瀬は、江戸川や荒川などの一級河川から、海苔に必要なミネラルなどの豊富な栄養分を含んだ水が干潟に流れ込み、海水と混じり合うため、海苔の養殖には大変適しています。また、船橋は江戸時代に御菜浦(おさいのうら)と呼ばれた天領地で、魚や貝を将軍に献上するほどの良好な漁場でした。船橋の海苔の味は、その頃からお墨付きです!
美味しさの秘訣! その(3)「潜水艦で一気に海苔を収穫」
海苔の収穫は、通称“潜水艦”と呼ばれる摘採船で行われます。これは、支柱柵に張った海苔網の下に船を潜り込ませる様子からそう呼ばれ、船は網の下をくぐるようにして前進していきます。
海苔網の下にもぐっているとき、船上で回転するバリカンのような刃で、網に付いた海苔を次々と刈り取っていきます。
何度も往復すると、“潜水艦”は摘み取られた海苔でいっぱいに!
海苔は鮮度が命です! 摘み取った海苔は、すぐに帰港し、漁家の加工場へ運ばれます。異物の除去や裁断、乾燥などいくつもの工程を経て、その日のうちに縦21cm×横19cmの「乾し海苔(ほしのり)」に加工されます。
船橋自慢の美味しい海苔の収穫は、3月下旬まで続きます。漁師さんは「栄養源が豊富な船橋の三番瀬で採れる海苔は、全国でも引けを取らない美味しさですよ。もっともっと多くの人に知ってもらい、食べてもらいたい!」と語ります。ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。
食通が唸る希少な食材“生海苔”!
突然ですが、焼き海苔に加工される前の「生の海苔」を食べたことはありますか?
足がはやく、鮮度が命とも言われる生海苔は、滅多に市場に出回らないため、旬の時期に産地だからこそ味わえる希少な食材です。そんな“生海苔”は、船橋漁業協同組合の直売所「三番瀬みなとや」で、海苔漁の季節のみ販売されています。
これが生海苔です。黒光りしているのは新鮮な証。初めて見た方も多いのではないでしょうか。一般的によく目にするパリパリの「焼き海苔」と全然違いますよね。 シャキシャキとした歯ごたえ、そして味と香りがとても強い船橋の海苔。収穫したての生海苔もぜひ味わってみてください!
店 舗 名:船橋市漁業協同組合直売所「三番瀬みなとや」
価 格:時価
営業時間:午前10時30分~午後3時
定 休 日:毎週火・水曜日および、時化が続いた時
問い合せ:047-434-0668(電話・FAX共用)
※生海苔の販売は海苔漁の時期(12~3月頃)のみで、売り切れや入荷しない場合もあります。お出かけ前には、必ずお店に電話で確認を!!
生海苔の創作料理を紹介!
味と香りの強い生海苔の美味しさを活かす調理方法をご紹介します。
まずは、“生海苔あんかけ”を使った料理です。写真は、出汁巻き卵に“生海苔のあんかけ”をかけた一品です。出汁のうまみとともに海苔の風味が口いっぱいに広がり、箸が止まりません!
次の写真は、エビ団子の上に”生海苔あんかけ”をかけた料理です。”生海苔あんかけ”は、アイデア次第でいろいろな料理に合わせられます。
こちらは、あつあつの”生海苔の味噌汁”とコトコト煮込んだ”生海苔の佃煮”。これだけでもご飯が進みます!
レシピは「三番瀬みなとや」で配布しています。この冬、生海苔をふんだんに使って、”旬の味”を満喫してみてはいかがでしょうか。