【子ども記者通信】もしもの時のために、病院は何をしている?(習志野台中学校 松田 芽生さん)
皆さんは、大地震が発生し怪我をしてしまったとき、かかりつけの病院に行っても診療していない可能性があることを知っているだろうか。船橋市には9カ所の災害医療協力病院というものがあり、大災害が発生すると、原則48時間程度で病院前に設置した救護所に医師会の医師等が集まるため、市内診察所やクリニックは原則閉鎖するのである。私は9カ所のうちの一つである北習志野花輪病院で行われた、「病院前救護所設置・運営訓練」に参加させてもらった。この訓練は災害発生時の対応能力を向上させることが目的で、今回は震度6強の地震が発生し、建物の倒壊やライフラインの停止で多くの傷病者が来院した状況を想定している。私は生まれてから一度も大きな地震を経験したことはないが、地震大国に住んでいるからには訓練しておくべきだと思い取材した。
参加してみて一番驚いたのはスピード感だ。揺れがおさまってから7分でスターリンクと救護所の設置が完了し、10分でトリアージ(傷病者の重症度の判別)が開始された。スターリンクとは、衛星を利用する通信システムで、空が見えさえすれば、通信インフラが破壊されていてもインターネットと繋がる。船橋市では9カ所の協力病院全てに準備されているそうで、スターリンクを活用すれば、写真データ等の送受信や他の救護所や保健福祉センターとの連絡も問題なく行うことができるのだ。トリアージ開始までは本当にあっという間で、今回の訓練ではおよそ1時間で50人のトリアージが完了した。実際は何分ほどで傷病者が来るか分からないし、災害発生が真夜中だった場合などは医師が病院に駆けつけるまで時間がかかるだろうが、これほど速く医療体制が整えられるなら市民として安心だなと思う。次に驚いたのは院内放送にAIが使われていたこと。地震発生後、患者さんや職員への連絡、指示はAIの音声だった。理由を聞いてみると、人と違い焦ったりしないため内容が抜けてしまうこともなく、スラスラとゆっくり読み上げることができ聞き取りやすいというメリットがあるからだそうだ。個人的にすごく良いAIの使い方だなと思い、かなり印象に残ったことである。さらにお会計についても意外だった。私は災害時のお会計について今まで考えたことがなかったが、非常時なので何か手当のようなものがあるのではないかと思った。しかし実際は、治療の場所によっては通常の医療費が発生する。救護所(病院外)で治療する緑(軽症)の人は不要だが、病院内で治療する黄(中等症)や赤(重症)の人は保険診療分の支払いが原則必要となるそうだ。治療をしてもらっているため当たり前ではあるが、もし自分がその立場だったらパニックでお金のことなど考えられないかもしれない。だから、防災バックなどの災害時に持ち出すかばんには現金も用意しておくべきだと思う。
この訓練以外に、病院としての災害対策は何があるのかも教えていただいた。まず、薬やライフラインは1、2週間分ほどをバックアップしてあり、発電機や地下水なども準備されている。また、燃料を確保するためにガソリンスタンドと優先契約をしているという。これは自分では想像のつかなかった初めての情報で驚いた。
このように、命を救う場所である病院では災害に対して色々な対策がされていた。今回の訓練は、病院職員や船橋市長、市役所の職員、また医師会や薬剤師会、地域の人々も大勢参加する大規模なものだった。訓練終了後にはすぐに反省点を共有し、次回に生かそうとしていた。この訓練自体が、大きな意味のある災害対策だった。私達も、救護所の場所を確認したり訓練に参加したりして、災害への意識を高めることが大切だと思う。
(令和7年12月6日投稿)
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