【子ども記者通信】世界を駆けるバイオリニスト「志村寿一」(二宮中学校 内田 佳志朗さん)

先日、私は友人から誘いを受け、家に遊びに行きました。そこで、友人のお母さんの知人で、プロのバイオリニストの方と会う機会を得ました。その方が、今回紹介する志村寿一さんです。
志村さんは、1971年7月18日生まれの日本人です。少年時代に、イツァーク・パールマンというバイオリニストが演奏する「チゴイネルワイゼン」という曲を聴き、バイオリニストを志したそうです。現在、志村さんは、桐朋学園芸術短期大学のバイオリンの特任教授で、同時に国内や海外でコンサート活動も行っているので、興味のある方はぜひ調べてみてください。
私は、幸運にも志村さんの生演奏を聴くことができました。志村さんが奏でる音は、今まで聴いたどの音よりも美しく、そして耳に残るものでした。志村さんによると「倍音」といって、ある音を奏でるとその音が奏でられている間に鳴る別の音があるそうです。(例えば、バイオリンで「ソ」の音を演奏すると、それが鳴っている間に「ソ」とは別の音も鳴っているということ。)この「倍音」は、スマホなどの電子機器では鳴らないそうなので、間近でプロのバイオリニストの生演奏を聴いていることが、とても貴重な経験なのだと感じました。
生演奏を聴いた後、私は志村さんに2つの質問をしました。
最初に「バイオリニストをしていて、またはこれまでの人生で強く心に残ったこと」について質問しました。これに対して、志村さんは、昔バイオリンを習っていた時に、先生から「天才」と言われたというお話と、日本の音楽大学の受験に落ちた際に、アメリカの先生に拾われたという話をしてくださいました。前者のバイオリンの先生から「天才」だと言われた話について、志村さんは「それが嬉しくて、そのことを本気で信じた」とおっしゃいました。日本や世界で活躍している志村さんを見て「自分の才能を信じれば、自分や周りが思っている以上の力を人は引き出すことができるだろう」と、私は思いました。後者のアメリカの先生に拾われたという話についてですが、志村さんは「日本の音楽大学の受験に落ちた後、アメリカの先生に拾われて、その先生に「あなたが日本にいなければならない理由ってありますか」と聞かれ「ないです」と答え、1カ月後には、もうニューヨークに住んでいた」とおっしゃられました。これを聞いて、私は「人の輝ける場所は、必ずしも今自分がいる場所だというわけではないのだろう」ということを、強く感じました。
次に「バイオリニストとしての目標」について聞きました。志村さんは、その質問に対してこう答えてくれました。「音楽大学を出たばかりの頃は、自分の演奏に満足できていなかった。だからうまくなろうと思った。その後、生活のために人に教えていくことを始めた。やってみたらすごく自分に向いていて、割と苦労なくできた。そして実は人のためではなく、全て自分のためにやっていたということに気付いた。自分のためにやっていると、いいアイデアは浮かんでこない。だけど、人のためにやると、いいアイデアが浮かんでくる。だから最初は人のためにやる。そうすると、今目の前にいる人のためになろうとして、結果的にいいアイデアが浮かんできて、最後は自分のためになる」つまり、「自分のために、人に教える」ということが、志村さんの目標なのだそう。この話を聞いて、私の頭に「因果応報」という言葉が浮かびました。「因果応報」と聞くと、「悪いことをすると罰が当たる」というようなマイナスのイメージを思い浮かべる人もいるかもしれませんが、この言葉には「善いことをすれば、その結果が自分にもかえってくる」という意味も込められています。「誰かのためになることをすれば、結果自分のためになる」つまり「因果応報」ということ意識しながら生きていきたいと強く思いました。
最後に「今の子供たちへの一言」お願いしました。
「やりたいことをやる!恐れない!」
取材に応じてくださった志村さんに、この場を借りてお礼を申し上げます。取材に応じていただき、さらに記事として書かせていただき、ありがとうございました。
(令和7年8月16日投稿)

▲演奏する志村寿一さん

▲志村さん(右)と私
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