教育長のメッセージ
新年度の始まりにあたって
船橋市教育委員会 教育長 松本 淳
1 年度始めに当たって
令和7年度が始まり、春の訪れとともに、草花が色とりどりに咲き誇り、自然の美しさや息吹きを感じます。まさに、進級や入学を迎えた児童・生徒にとって、希望に満ちた新たなスタートの時期となりました。新しい出会いを大切にして、様々なことに挑戦する学校生活を送ってほしいと思います。
昨年度は、パリオリンピック・パラリンピックが開催されました。船橋に所縁のある選手の活躍は記憶に新しく、今でも胸が熱くなるほど感動したことを覚えております。市内の学校では、多くの児童・生徒がスポーツや文化的な活動において県・関東・全国大会等で実力を発揮され見事な成績を収めました。本年度も児童・生徒が様々な場面で大いに活躍してくれることを期待しております。これまでの教職員や指導者の方々の情熱、保護者や地域の皆様のご支援・ご協力に感謝申し上げますとともに、今後も子供たちの教育活動にご支援ご協力をお願いいたします。教育委員会としましても、引き続き児童・生徒の様々な活動を支援してまいります。
そして、本市の教育力向上を図り、より良い生涯学習社会を実現するために、学校や社会教育施設が中心になり、保護者や地域の皆様とともに、本市の教育目標である「生涯学び活躍できる環境を整え、生涯学習社会を実現する」「自立して、主体的に社会に関わることができる子供を育成する」ことを目指し、市民の皆様や子供たちがこの船橋に住むことに喜びを感じ、誇りに思うことができる教育施策を推進してまいります。
2 「船橋の教育2020―船橋市教育振興基本計画(後期基本計画)―」について
令和2年度から施行している教育振興基本計画「船橋の教育2020―船橋市教育振興基本計画―」が6年目を迎え、本年度からは更なる教育行政の推進を図るため、後期基本計画を施行いたします。本計画は、「教育振興ビジョン」及び「基本計画」から構成されています。
「教育振興ビジョン」は、本市の教育目標を示すとともに、これらを実現するための基本的な施策の方向性を示し、本市における教育行政運営の指針となるもので、令和2年度から令和11年度までの10年間の長期展望としています。
また、「基本計画」は教育振興ビジョンの10年間のうち、令和6年度までの5年間を前期基本計画、令和7年度から令和11年度までを後期基本計画として、教育振興ビジョンの実現のための基本的な施策を体系的に定めた中期計画としています。その中で「生涯学び活躍できる環境を整え、生涯学習社会を実現する」ことと、「自立して、主体的に社会に関わることができる子供を育成する」ことを教育目標とし、8つの基本方針と26の推進目標に基づき、様々な施策を展開してまいります。
3 船橋市教育大綱について
「船橋市総合教育会議」において、市長と教育委員会の協議・調整を経て、令和4年1月に「船橋市教育大綱」が改定されました。
「船橋の教育2020―船橋市教育振興基本計画―」を確実に推進するとともに、特に留意する事項として、次の6つの取り組みに力を入れていきます。
【社会状況の変化を受けて力を入れていく取り組み】
(1)多様性と人権への理解を深める教育の推進
(2)複雑化する困難から子供を守り、安心して学ぶことができる環境の整備
(3)主権者教育の推進
(4)環境に関する学びの場の提供
【子供たちと船橋とのつながりをより一層強化していく取り組み】
(1)「ふるさと船橋」への思いの育み
(2)生涯学習への意識を育む
4 教育予算について
本年度の教育委員会の当初予算は306億5,700万円であり、本年度も市長の公約である「子供たちの未来につながる施策の展開」が、教育予算に反映されています。市長の強い思いに応えるとともに、64万市民の期待に応えるため、教育委員会職員一同、強い責任感を持って、市民のため、子供たちのために充実した事業を推進してまいります。
本年度の主な事業は以下のとおりです。
(1) 市立学校体育館等への空調設備設置
熱中症対策として、小・中・特別支援学校及び市立船橋高等学校の体育館等への空調設備設置を進めています。
中学校・高等学校については、武道室も含めて令和6年8月末までに全校で使用開始し、特別支援学校についても令和6年度に工事が完了しました。
市立小学校については、引き続き設置を進め、令和7年度中の全校完了を目指します。
(2) 校舎の建替事業 (施設課)
校舎の建て替えについては、施設の老朽化状況などから、海神中学校、宮本中学校で事業に着手しており、今年度からは御滝中学校で事業を開始します。
それぞれの供用開始時期は、海神中学校は令和9年9月から、宮本中学校は令和10年4月から、御滝中学校は令和12年4月からを予定しており、それに向けて、設計・工事を計画的に進めていきます。
(3) コミュニティ・スクール(学校運営協議会)の推進
コミュニティ・スクールは、保護者や地域の方々が一定の権限をもって学校運営に参画することにより、「目標やビジョン」を共有して、社会総がかりで子供たちの健全育成や学校運営の改善に取り組むことを目的としています。
令和4年度から導入を始め、昨年度全校がコミュニティ・スクールとなりました。また、昨年度より地域学校協働活動も全校で始まりました。学校運営協議会と地域学校協働活動が両輪となって未来を担う子供たちを育て、地域一体となった魅力ある学校づくりを進めてまいります。
(4) スクールアシスタントの配置拡大
増加傾向にある不登校児童生徒数に伴い、各学校の校内教育支援センターの通室者も増加している状況となっています。そのため、スクールアシスタントの人数や勤務日数等を拡大し、不登校児童生徒への更なる支援や居場所の確保に向けて取り組んでまいります。
(5) 文化芸術鑑賞教室事業の実施 (指導課)
令和7年度から新規事業として文化芸術鑑賞教室事業を実施します。本事業は、市立小・中・特別支援学校に在籍する児童生徒に対し、感動や生きる喜びをもたらし、豊かな人間性を育むことを目的としたものです。質の高い文化芸術を鑑賞・体験する機会を確保するため、事業を実施した学校に対して補助金を交付いたします。
(6) 文化部活動外部指導者派遣事業の実施
文化部活動の充実を図るため、専門的な指導力を備えた指導者を必要とする小中学校に対して、民間の指導者を、今年度より新たに派遣いたします。外部指導者は当該文化部の担当者とともに児童生徒の実技指導及び助言などを行います。
(7) 学校給食費の物価高騰分を公費負担
学校給食費における保護者負担の軽減を図るため、食材料費に係る物価高騰による影響額相当分を公費で負担します。
(8) スクールソーシャルワーカー派遣事業の充実
問題の早期発見、早期対応を目的として、令和5年度から全中学校区に週1日の拠点校配置としました。令和6年度には児童生徒数、派遣申請数が多い5中学校区に対し、週2日に配置を拡大しました。また、スクールソーシャルワーカー(SSW)への助言、困難ケースでの協働等を通してより効果的な支援が実施できるよう総合教育センターにSSWスーパーバイザーを配置しました。令和7年度は、先に拡大した5中学校区の次に児童生徒数、派遣申請数が多い5中学校区に対して週2日に配置を拡大します。
(9) 特別支援学級の整備
特別支援学級の児童生徒の増加に対応するため、令和7年度から知的特別支援学級を二和小学校・葛飾中学校・芝山中学校に、自閉症・情緒障害特別支援学級を塚田小学校・豊富小学校、小室小学校、行田中学校に開設します。
(10) 支援員の増員
障害のある児童生徒が、一人一人の障害の状態に応じた適切な教育的支援を受けられるよう支援員を増員し、156人を配置します。
(11) まちかどスポーツ広場の新設
(仮称)夏見町2丁目まちかどスポーツ広場の開設にあたり、スケートボードやバスケットボールができるまちかどスポーツ広場とするため、コンクリート敷設のうえ、スケートボード器具、バスケットゴール、ネットフェンスを整備します。また、(仮称)芝山まちかどスポーツ広場の開設にあたり、少年野球等の球技のため、防球ネットを設置します。
(12) 公園協会文化振興事業の拡大
(公財)船橋市公園協会が実施する、アートカードを使って児童が自由に意見を交わし作品への理解を深める対話型鑑賞教育事業の補助を増額し、全市立小学校に拡大します。
(13) 中央公民館・市民文化ホール大規模改修工事
船橋市中央公民館・市民文化ホールは、昭和52年の竣工から48年が経過し、各施設・設備が老朽化していることから、建物の長寿命化及び安全性・利便性の向上を目的として、大規模改修工事に着手いたします。
工事のため、令和7年12月から2年程度休館することになります。主な改修内容は、外壁・屋上防水、消防用設備、空調設備改修等のほか、市民文化ホール客席天井の耐震改修を行います。改修後は、市民の皆様に優れた文化芸術に触れていただく機会を提供してまいります。
今年度もそれぞれの課題に真摯に向かい合い、対応してまいりたいと考えております。今後ともご理解、ご支援くださいますようよろしくお願いいたします。
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