発議案(議員提出議案)令和8年第2回定例会
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発議案第1号 売春防止法並びに風俗営業法を改正し、性産業に対する実効的な法規制強化を求める意見書
(提出者)かなみつ理恵
(賛成者)神子そよ子、松崎さち、金沢和子、岩井友子
売春防止法(以下「売防法」という。)は「売る側」「買う側」双方の「売春(性交)」を禁止し、「売る側」の勧誘やあっせん、「管理売春」を処罰するが、「買う側」には処罰がない。そこで、国は法務省に売防法などを改定し、性売買での「買う側」への処罰導入をめぐる「売買春に係る規制の在り方検討会」を設置した。
性を買うことは、買われた側の心と体に深刻な傷を与え、尊厳を侵害することである。本来、性的行為は互いの信頼や対等な関係の上に成り立つ「性的合意」の下で行われるべきものである。自ら納得の上で性を売っているとの論があるが、他に生きるすべのない貧困・虐待・障害などの困難を抱える女性たちは性を売らざるを得ないのである。その女性たちへの支援が不十分な現状で、「売る側」の自己責任や「好きでやっている」との論には正当性がない。本来は被害者である「売る側」の女性たちが処罰を恐れて被害を訴えたくてもできない現状を改めなければならないのである。「売る側」への処罰をなくし、むしろ保護と支援を充実すべきである。
18歳未満の児童を対象とした児童福祉法や児童買春・児童ポルノ禁止法では、既に「買う側」が処罰対象となっている。相手が18歳未満であろうが、また、それ以上の年齢であろうが、お金で相手の性を支配する暴力性、人権侵害に違いはない。売防法でも「買う側」を処罰対象とすべきである。性を買うのは許されざる性搾取・人権侵害であることを社会の認識にし、実効性がある性売買防止の法改正とするには「買う側」への処罰化が必要である。
風俗営業法(以下「風営法」という。)は売防法が禁じる「売春(性交)」以外のあらゆる性的行為を合法としているが、密室での「売春(性交)」は黙認されている。「性交類似行為」という名目で営業を行っている性風俗店が事実上、売買春の大きな抜け道となっており、それらの性風俗業は巨額の利益を上げている。売防法と共に風営法も改正し、性交類似行為も「性売買」に含むと定義し直し、性売買業を厳格に禁止しなければ、性搾取を受け、尊厳を侵害される女性たちをなくせない。
よって、政府においては、「売る側」の非処罰化、「買う側」への処罰化、「売る側」への保護・支援の充実を柱とする法改正を行うよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、法務大臣、警察庁長官
理由
売買春をなくすには、「売る側」の非処罰化と保護・支援の充実、そして「買う側」への処罰化、さらには性産業への実効性がある法規制強化が必要である。これが、この意見書案を提出する理由である。
発議案第2号 日本国憲法第9条に自衛隊を明記する改憲構想に反対し、改憲原案づくりを断念するよう求める意見書
(提出者)松崎さち
(賛成者)かなみつ理恵、神子そよ子、金沢和子、岩井友子
高市早苗首相は4月12日、自由民主党の定期党大会で、憲法改定について「時は来た。『改正の発議にめどが立った』状態で来年の党大会を迎えたい」と語り、今後1年で国会発議に道筋をつける考えを表明した。
自由民主党は4項目の改憲案を示しており、その第1に「自衛隊の明記」を置いている。現行の第9条第1項、第2項とその解釈を維持した上で、第9条の2を追加し、「前条の規定は、我が国の平和と独立を守り、国及び国民の安全を保つために必要な自衛の措置をとることを妨げず、そのための実力組織として、法律の定めるところにより、内閣の首長たる内閣総理大臣を最高の指揮監督者とする自衛隊を保持する」と書き込むとしている。
法律には「後法は前法に優越する」というルールがあり、これが実現すれば第9条第1項、第2項よりも、第9条の2が優先する条項となる。
また、日本政府は自衛隊について、「我が国の自衛のための必要最小限度の実力組織であって、憲法第9条が禁止した戦力には当たらない」としてきたが、この改憲案には「必要最小限度」という制約がない。よって、この改憲が実現すれば、これまで日本政府が「できない」としてきた海外派兵、全面的な集団的自衛権の行使、武力行使を任務とする国連軍への参加を可能とするおそれが極めて高い。
日本国憲法第9条は、国際的に最も先進的な平和主義の理念を定めている。さらに、憲法の前文では、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」し、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」とうたい、構造的暴力のない世界を目指すとした。上記のような改憲は、世界に誇るべき財産である戦争放棄の誓いを破り、平和憲法の性格を根本から覆し、国際的な信頼を失う結果を招くことは明白である。
よって、国会及び政府においては、自衛隊の存在を憲法第9条に明記するという改憲構想に反対し、改憲原案づくりを断念するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣
理由
憲法第9条は、アジア・太平洋戦争への痛烈な反省と唯一の戦争被爆国としての苛烈な経験を踏まえて定められた、平和憲法の根幹である。自由民主党の改憲案は、これを根本から覆すため、容認できない。これが、この意見書案を提出する理由である。
発議案第3号 殺傷武器の輸出を解禁する防衛装備移転三原則及び運用指針改定の閣議決定撤回を求める意見書
(提出者)岩井友子
(賛成者)かなみつ理恵、神子そよ子、松崎さち、金沢和子
4月21日、高市政権は国会に諮らないまま、防衛装備移転三原則と運用指針の改定を閣議決定した。これまで国産武器の完成品の輸出を非戦闘目的に限っていた「5類型」(救難、輸送、警戒、監視、掃海)を撤廃し、殺傷・破壊能力を持つ武器輸出を全面的に解禁したものである。
殺傷武器の輸出先を「国際約束の締結国(防衛装備品・技術移転協定)」に限り、「現に戦闘が行われていると判断される国」に対する武器の輸出は「原則認めない」と限定しているが、実効的な歯止めになるかは疑問である。既にイランへの先制攻撃をはじめ、国連憲章・国際法違反の戦争を繰り返す米国への輸出が行われている。
現在、世界各地で戦争や武力紛争が多発し、国際法秩序を無視して、市民の住宅やライフラインまでもが攻撃の対象とされ、膨大な犠牲者を生んでいる。殺傷・破壊能力を持つ武器の輸出解禁は、日本が製造した武器により、兵士や市民が殺傷される危険性を高めることになる。武器輸出を禁止し、国際紛争を助長することを回避するとしてきた平和国家としての在り方を根本的に変えることになる。
しかも、こうした重大な方針転換を国民にも国会にも諮らずに閣議決定で決めてしまうことも、国民主権に反するものである。
日本は、憲法の平和主義を堅持し、憲法第9条に基づく外交で軍縮へのイニシアチブを発揮すべきである。
よって、政府においては、閣議決定を撤回し、憲法の平和主義を遵守するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣
理由
殺傷武器の輸出解禁は、我が国の国是である平和主義を損なうもので、撤回すべきである。これが、この意見書案を提出する理由である。
発議案第4号 第10期介護保険事業計画における「改定」を許さず抜本的拡充を求める意見書
(提出者)神子そよ子
(賛成者)かなみつ理恵 、松崎さち、金沢和子、岩井友子
平成12年(2000年)の介護保険制度開始から26年となった現在、利用料負担が重く、必要な介護サービスを受けられない人が増えている。その結果、介護を理由とした家族の介護離職は年間10万人と高止まりしたままである。
さらに、介護事業所は、低く据え置かれた介護報酬の下で深刻な経営難に直面し、事業所の撤退が相次ぎ、訪問介護事業所がゼロになった自治体が増加している。
介護現場の人手不足も深刻さを増しているが、政府による有効な対策は講じられず、肝心の処遇改善は遅々として進んでいない。全労連介護・ヘルパーネットが実施した「介護労働実態調査」では、令和6年度(2024年度)の全産業平均との賃金格差は、正規職員で約11万円低くなっているという結果もある。
こうした中、政府は令和9年度(2027年度)から始まる第10期介護保険事業計画を検討しているが、その中身は、さらなる利用者の負担増・サービス縮小である。
物価高騰が続き、高齢者の生活は逼迫しており、政府の進める「改定」は、介護保険制度の大幅後退につながることは明らかであり、断じて許されない。
よって、国会及び政府においては、新たな利用困難をもたらす「改定」は中止し、介護をする人、受ける人が共に大切にされる介護保険制度を目指し、下記のことを実施するよう、強く要望する。
記
1.介護保険の利用に困難をもたらす利用料2割負担の対象拡大、ケアプランの有料化、要介護1・2の保険給付外し(総合事業への移行)を行わないこと。
2.介護報酬全体の大幅な底上げを図ること。その際、サービスの利用に支障が生じないよう、利用料負担の軽減などの対策を講じること。
3.全額国庫負担により、全ての介護従事者の賃金を全産業平均まで早急に引き上げること。介護従事者を大幅に増やし、人員配置基準の引上げを行うこと。
4.必要なときに必要な介護が保障されるよう、介護保険財政に対する国庫負担の割合を大幅に引き上げること。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働臣
理由
政府・与党が進めようとしている第10期介護保険事業計画は、さらなる「ケアの空白」自治体を増やし、「介護難民」を増加させることは明白である。処遇改善で介護従事者を大幅に増やし、介護報酬の引上げで介護事業所を守る手だてを取ることは待ったなしの状況だと考える。これが、この意見書案を提出する理由である。
発議案第5号 農業者の経営と食料の安定供給に関する意見書
(提出者)金沢和子
(賛成者)かなみつ理恵 、神子そよ子、松崎さち、岩井友子
近年、世界的な気候変動や国際情勢の不安定化により、食料の安定供給がこれまで以上に重要となっている。加えて、物価高騰や肥料・飼料・燃油等の生産資材価格の上昇は、農業者の経営に深刻な影響を及ぼしており、国内農業を取り巻く環境は厳しさを増している。
こうした中で、食料の安定供給を支えるためには、農業者が安心して生産を継続できる環境整備と、国による価格保障や所得補償を含めた支援策の強化が不可欠である。
しかし、現在審議が進められている食糧法改定案については、米の需給や価格形成を市場原理に委ねる傾向を一層強める内容となっており、農業者の経営安定や食料自給率向上に逆行するおそれがある。
特に、米価が不安定であるため、高額になれば消費者は購入困難になるが、低迷すれば農業者が厳しい経営状況に置かれる。価格保障や所得補償の拡充が不十分なまま制度改定が進められれば、小規模農家や家族経営農業の離農がさらに進み、地域農業の衰退につながりかねない。
また、食料自給率が低迷する我が国において、国内農業生産基盤の維持・強化は極めて重要であるにもかかわらず、本改定案では、国が食料生産と安定供給に責任を持つ姿勢が十分に示されているとは言い難い。
よって、国会及び政府においては、農業者の経営と地域農業を守り、将来にわたる食料の安定供給を確保するため、価格保障・所得補償の充実を図るとともに、本改定案については撤回するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、財務大臣、農林水産大臣
理由
農業者の経営と食料の安定供給において、今必要なのは、市場任せから、需給と価格の安定に政府が責任を持つ政策への転換である。しかし、国会に提案された食糧法改定案は、米の需給や価格形成を市場原理に委ねる傾向を一層強める内容となっている。これが、この意見書案を提出する理由である。

