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発議案(議員提出議案)令和8年第1回定例会

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発議案第1号 通称使用の法制化でなく、選択的夫婦別姓制度への法改正を求める意見書

(提出者)かなみつ理恵

(賛成者)神子そよ子、松崎さち、金沢和子、岩井友子


 法制審議会が選択的夫婦別姓制度の導入を答申してから30年がたとうとしている。この間、同制度への法改正を望む声は市民社会、そして日本経団連などの経済界からも高まっており、令和7年(2025年)の通常国会では28年ぶりに同制度を導入する法案の審議が行われ、継続審議となった。
 それにもかかわらず、昨年10月に発足した高市政権は今年の通常国会に「通称使用の法制化」の法案提出を検討する考えを表明している。この通称使用の法制化は住民票などに旧姓を記載できると法律で定め、国・自治体・事業者が広く通称使用を可能にするよう努めることが盛り込まれるものと考えられる。しかし、あくまでも夫婦同姓の強制を残した上での通称使用の法制化には、次の大きな4つの問題がある。
 まず1点目は、実効性がないという問題である。高市早苗首相は「国や地方自治体、事業者は旧姓を使用できるよう必要な措置を講じるよう努めると規定する」と述べているが、あくまでも努力義務にすぎない。
 2点目は、法的な2つの姓が生じ、海外ではマネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪の温床になり得るとされ、諸外国からの合意が得られないであろう点である。
 3点目は、人権の問題である。改姓によるアイデンティティーの喪失や改姓の94%が女性だという不平等など、夫婦同姓強制による人権問題は通称使用の法制化でも解消されない。 
 4点目は、民間事業者も含めて2つの名前を正確にひもづけるには、莫大なコストがかかる点である。
 このように、通称使用の法制化は根本的な解決になるどころか、新たな問題を生じさせるものである。
 よって、政府においては、通称使用の法制化ではなく、選択的夫婦別姓制度への法改正を行うよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会 
(提出先)
内閣総理大臣、法務大臣

理由
 通称使用の法制化は選択的夫婦別姓制度の代替策にはなり得ない。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第2号 唯一の戦争被爆国として国是である非核三原則の法制化を求める意見書

(提出者)松崎さち

(賛成者)かなみつ理恵、神子そよ子、金沢和子、岩井友子


 日本は、核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という非核三原則を国是としている。しかし昨年末、高市内閣で安全保障政策を担当する幹部が「日本は核(兵器)を持つべきだ」と記者団に語ったことが明らかになった。
 この背景には、令和4年(2022年)12月に政府が決定した「国家安全保障戦略」がある。そこでは我が国の安全保障に関する基本的な原則として、「拡大抑止の提供を含む日米同盟」を基軸とし、あらゆる分野において日米同盟を強化していくことが打ち出された。アメリカとの安全保障面における協力の深化の項目では「我が国の防衛力を抜本的に強化」するだけではなく、「核を含むあらゆる能力によって裏打ちされた米国による拡大抑止の提供を含む日米同盟の抑止力と対処力を一層強化する」とした。
 現在、核兵器の威力は80年前に広島と長崎で投下された規模の数千倍にもなっており、核ミサイルの応酬は核兵器禁止条約がいう「壊滅的人道上の結末」を招くことになる。
 日本国憲法は「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意」し、戦争や武力の行使のみならず、陸海空軍その他の戦力を放棄した。国際社会の緊張が高まり、安全保障環境が一層厳しさを増している時代であるからこそ、日本は平和国家としての立場を明確にすることが求められている。その核心となる理念は、いかなる状況にあっても揺らぐべきではない。
 よって、政府においては、唯一の戦争被爆国として国是である非核三原則を法制化するよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

 船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、総務大臣、法務大臣、外務大臣、防衛大臣

理由
 唯一の戦争被爆国が核依存を深めれば、世界の核軍拡を後押しすることになりかねない。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第3号 「台湾有事は日本の存立危機事態」発言に抗議し、直ちに撤回を求める意見書

(提出者)金沢和子

(賛成者)かなみつ理恵、神子そよ子、松崎さち、岩井友子


 高市早苗首相の「戦艦を使って武力行使も伴うものであれば、これはどう考えても『存立危機事態』になり得る」という国会答弁が深刻な国際問題となっている。「存立危機事態」は平成27年(2015年)に成立が強行された安保法制に規定され、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより我が国の存立が脅かされ」る「明白な危険がある事態」とされている。その際、「我が国と密接な関係にある他国に対する武力攻撃」を「排除」するため、日本は必要な武力行使、いわゆる集団的自衛権の行使ができると定めている。
 台湾有事で米国が台湾を支援するために軍事介入し、中国と戦争になる事態が起こった場合、日本政府がこれを「存立危機事態」と認定すれば、日本が直接攻撃を受けていなくても自衛隊は米軍への攻撃を排除するためとして、武力を行使できる。台湾有事への参戦である。
 しかも、かつての日本軍国主義は、満州事変の発端となった昭和6年(1931年)の柳条湖事件などのように、「存立の危機」を口実として、対外侵略を行った。日本が再び「存立危機事態」という言葉を持ち出せば、同じ過ちを繰り返そうとしていると危惧されることは当然である。
 また、「存立危機事態」の発言は、昭和47年(1972年)の日中共同声明に書かれている「ポツダム宣言第八項に基づく立場を堅持する」という「一つの中国」の原則を「十分理解し、尊重し、堅持する」という立場に反している。この発言は日中関係に重大な緊張をもたらし、無用な戦争を引き起こしかねない。強く抗議するとともに撤回を求める。
 台湾問題は、台湾住民の自由に表明された民意を尊重し、平和的に解決されるべきである。中国の台湾に対する武力行使や武力による威嚇は許されず、同時に、米国や日本が軍事的に介入すべきではない。
 よって、政府においては、高市発言を撤回し、その上で、「互いに脅威とならない」(平成20年(2008年)の日中首脳会談共同声明)など、両国が確認した合意に基づき冷静に対話するよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣

理由
 「存立危機事態」の発言は、すでに日本経済に深刻な影響を与えているにもかかわらず、未だに撤回されていない。このまま放置すれば経済問題だけでは済まなくなる懸念がある。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第4号 米国の無法なベネズエラ攻撃に抗議し、国連憲章や国際法に基づき米国の無法を許さない外交努力を求める意見書

(提出者)岩井友子

(賛成者)かなみつ理恵、神子そよ子、松崎さち、金沢和子


 米国トランプ政権は1月3日、ベネズエラへの大規模な軍事攻撃を行い、同国のマドゥロ大統領夫妻を拘束し、米国に連行した。いかなる理由であれ、主権国家に対するこのような行為は許されない。武力行使とその威嚇の禁止を定めた国連憲章と、主権尊重と内政不干渉という国際法の基本原則を踏みにじる、侵略行為以外の何物でもない。
 また、トランプ大統領は米国によるベネズエラの「運営」に言及し、ベネズエラの石油権益を米国企業が掌握する方針を示した。自国の権益のために、意に沿わない政権を力ずくで排除するのは、植民地支配そのものであり断じて許されない。また、トランプ大統領はベネズエラに対する再度の攻撃や、コロンビアやメキシコへの軍事攻撃に言及し、さらにデンマーク領のグリーンランドの領有さえ表明し、国連憲章や国際法をお構いなしに米国第一で世界の平和秩序を破壊しようとしている。
 国連や欧州連合、中南米諸国をはじめ、米国内からも国際法違反だと厳しい批判の声が上がっている。米国の同盟国でさえ批判している中、高市早苗首相は「日本は自由、民主主義、法の支配を尊重してきた」と言うだけで懸念さえ示さず、米国言いなりの姿勢は世界から孤立することになりかねない。
 よって、政府においては、米国に対しベネズエラへの侵略を抗議するとともに、これ以上戦火を広げないために、国連憲章と国際法の下、国際社会と結束して米国政府の無法を許さない外交的努力を尽くすよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、外務大臣

理由
 米国トランプ政権のベネズエラへの大規模な軍事攻撃と大統領夫妻の拘束・連行は許されない。国連憲章や国際法に基づく平和秩序を回復するための外交努力が求められている。これが、この意見書案を提出する理由である。