【子ども記者通信】奥深き能楽と茶道の世界(宮本中学校 豊島颯梨さん)

更新日:令和4(2022)年12月6日(火曜日)

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宮本中学校子ども記者

 現在、深刻化しているのが、若者の日本文化離れです。知っているようで、説明することが不可能であったり、それ以前に知らないという人が近年増加しています。私は素晴らしき日本伝統文化を後世に伝承していくべきだと思い、船橋市民ギャラリー・茶華道センターで行われた一般社団法人松の会主催の 「船橋市日本伝統文化の学び」というイベントを取材させていただきました。
 イベント内容は主に能楽と茶道の2つで、能楽では、能装束・写真などの資料の展示や、謡や仕舞、能楽の鑑賞等を体験することができました。私も実際に謡と仕舞の体験をさせていただきましたが、能楽師さんの声の伸びや足運びには感銘しました。また、展示品の解説もしていただきましたが、会場に展示されている能写真を撮影された写真家の山口直也さんは、舞台上ではなく物語の内容に相応しい背景の場所で撮影するそうで、四季折々の自然と能楽師の方の演技が調和していてとても美しかったです。
 一般社団法人松の会の佐藤祐美子さんは、「能楽は流行りが無いから続く」のだとおっしゃっていました。現代の音楽のように、曲調等の流行が無く、変わらぬ形であるからこそ600年続く歴史を持つのだそうです。それでもやはり、若者への浸透が薄いことが懸念されるのが今の現状です。松の会は少しでも興味を持ってほしい、身近に感じてほしいという思いから学校などで能楽教室などの活動も行っていらっしゃるそうです。
 また、茶道では、基本所作のお稽古を体験することができました。こちらも、実際に体験させて頂きましたが、和敬清寂を重んじた格式高い所作はまさに日本美そのものでした。
 茶道連盟会長の嶋岡宗友先生は、「茶道は日本文化が沢山詰まっている」とおっしゃっていました。侘び寂びの精神だけでなく、和歌や着物、掛け軸など日本文化を一度に感じることができるのも茶道の魅力だそうです。しかし、しきたりなどから敷居が高いイメージを特に若者から持たれやすいのが課題なのです。日本独特の文化を知ること・見ることは大切であり、その素晴らしさを若者にもっと海外へ広めてほしいとおっしゃっていました。
 私自身、能楽や茶道に対して学校等で知るに留まっていましたが、実際に体験したり、専門の方にお話を伺うことでより造詣を深めることができたように感じました。
 今の時代、身近に古い日本伝統文化を生活に取り入れることは容易ではありませんが、こうしたイベントを通して、日本文化に触れる入口になれば良いと思います。
 興味を持たれた方は是非一度、能の公演や茶道教室等に足を運んでみてはいかがでしょうか。

(令和4年11月24日投稿)

仕舞の体験
(仕舞体験の様子。写真左は松木崇俊先生)
茶道の先生と一緒に
(茶道の先生と一緒に。写真中央から、会長の嶋岡先生、鈴木先生)

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