動物由来感染症を知っていますか?

更新日:平成30(2018)年12月26日(水曜日)

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動物由来感染症を知っていますか?

 「動物由来感染症」とは、動物から人間へうつる感染症をあらわす言葉です。「人畜共通感染症」、「人獣共通感染症」そして「ズーノーシス」といった言葉でも表します。

 動物にかまれたり、ひっかかれたり、糞や尿中の病原体が体内に入ることでうつります。正しい知識を持って予防に努めてください。

どんな感染症があるの?

 野生動物のペット化、人や動物の国際的移動や土地開発等による自然環境の変化などに伴い、新しい感染症が次々に見つかっています。世界保健機関(WHO)が、現在確認しているだけでも150種類以上の動物由来感染症があります。原因となる病原体には、細菌、ウイルス、寄生虫など様々です。以下に主なものを掲載してあります。

動物由来感染症について(厚生労働省ホームページへ)

細菌によるもの

概要
病名 関係する主な動物 動物の主な症状 主な感染経路 人の主な症状
レプトスピラ症 犬、げっ歯類、その他 腎炎 尿に接触 発熱、肝臓や腎臓の障害
猫ひっかき病 犬、猫 多くは無症状 かみ傷、引っかき傷 リンパ節が腫れる
パスツレラ症 犬、猫 無症状 かみ傷、引っかき傷 傷口が腫れて痛む
カプノサイトファーガ・カニモルサス感染症 犬、猫 多くは無症状 かみ傷、引っかき傷 まれに重症化すると、敗血症、髄膜炎
ブルセラ病 犬、その他 精巣炎、死・流産 流産時の汚物・尿等に接触 風邪に似た症状
リステリア症 犬、牛、その他 脳炎、敗血症 フン中の病原体が口に入る( 食品等 ) 脳脊髄炎、敗血症、流産
サルモネラ症 犬、猫、鳥、その他 多くは無症状 フン中の病原体が口に入る( 食品等 ) 胃腸炎( 食中毒 )
カンピロバクター症 犬、猫、鳥、牛、その他 多くは無症状 フン中の病原体が口に入る( 食品等 ) 胃腸炎( 食中毒 )
エルシニア・エンテロコリティカ感染症 犬、猫、げっ歯類、その他 多くは無症状 フン中の病原体が口に入る( 食品等 ) 胃腸炎( 食中毒 )
仮性結核 犬、猫、その他 多くは無症状 フン中の病原体が口に入る( 食品等 ) 胃腸炎、虫垂炎
皮膚糸状菌症 犬、猫 脱毛、フケ 濃厚な接触 脱毛等の皮膚障害、かゆみを伴う
細菌性赤痢 その他 発熱、下痢、急性大腸炎 フン中の病原体が口に入る 発熱、下痢、急性大腸炎
ライム病 犬、げっ歯類 関節炎、神経症状 マダニに咬まれる 紅斑、インフルエンザ様症状
コリネバクテリウム・ウルセランス 犬、猫、牛、その他 くしゃみ、鼻水、眼脂、皮膚疾患 動物との接触、飛沫感染 風邪様症状、咽頭痛、リンパ節腫脹、皮膚病変、重篤な場合呼吸困難

リケッチアおよびクラミジアによるもの

病名 関係する主な動物 動物の主な症状 主な感染経路 人の主な症状
ツツガムシ病 げっ歯類 多くは無症状 ツツガムシに咬まれる 発熱、紅斑
Q熱 犬、猫、その他 多くは無症状 尿、フン、胎盤等の中の病原体の吸入 インフルエンザ様症状
オウム病 下痢、元気消失 フン中の病原体の吸入 風邪に似た症状

ウイルスによるもの

病名 関係する主な動物 動物の主な症状 主な感染経路 人の主な症状
狂犬病 犬、猫、アライグマ、その他 狂そう又は麻痺、昏睡して死亡 かみ傷 発病した場合、神経症状、昏睡死亡
高病原性鳥インフルエンザ 鳥、その他 突然の死亡、元気消失、下痢 フン中の病原体の吸入 発熱、咳、肺炎
重症熱性血小板減少症候群(SFTS) マダニ 不明 マダニに咬まれる 発熱、消化器症状
ウエストナイル熱 犬、鳥、馬 蚊に咬まれる 発熱、食欲不振、発疹

寄生虫によるもの

病名 関係する主な動物 動物の主な症状 主な感染経路 人の主な症状
トキソプラズマ症 猫、その他 猫で肺炎、脳炎 フン中の病原体が口に入る 流産又は胎児に先天性障害
回虫幼虫移行症 犬、猫 食欲不振、下痢、嘔吐 フン中の病原体が口に入る 幼児で肝臓、脳、眼等に障害
疥癬(かいせん) 犬、猫 強いかゆみ、脱毛 濃厚な接触 皮膚の強いかゆみ、脱毛
エキノコックス症 犬、その他 多くは無症状 フン中の病原体が口に入る 肝腫大、腹痛、肝機能障害

予防するには

 動物たちと節度ある接し方をすれば、動物からの病気の感染を防ぐことができます。

★過剰なふれあいは控える

 口移しで餌を与えたり、食器の共用はやめ、動物と同じ布団で寝ることも避けましょう。

★動物に触ったり、砂場等で遊んだら必ず手を洗う

 石けんを使用して手を洗うことで、大部分の病原体を洗い流すことができます。

★動物の身の回りは清潔にする

 ブラッシングや爪切りなど、動物の手入れや小屋の掃除はこまめに行い、清潔を保ちましょう。換気を行い、フン等の処理は速やかに行いましょう。

★動物の健康管理

 動物の異常を発見したら、必要に応じて獣医師の診察を受けさせましょう。飼い方や病気の予防、ワクチン接種などの相談をしましょう。特に、幼い個体や飼い始めたばかりの動物はよく観察しましょう。

★野生動物の家庭での飼育は避ける

 病気の感染予防のためにも、また動物資源保護の観点からも野生動物の飼育は避けましょう。

★体に不調を感じたら、早めに医療機関で受診を!

 風邪やインフルエンザに似た症状が出る場合が多く、発見が遅れやすいです。受診の際はペットを飼っていることや動物との接触について、医師に伝えましょう。

★マダニに咬まれないようにする

 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)だけではなく、国内で毎年多くの報告例があるツツガムシ病など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認して下さい。特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。

海外に渡航する方

 海外で感染症にかからないようにするために、感染症に対する正しい知識と予防に関する方法を身に付けましょう。詳しくは厚生労働省ホームページ(FORTH)をご覧ください。 

 https://www.forth.go.jp/news/20181119.html

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