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発議案(議員提出議案)平成22年第1回定例会

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発議案第1号 船橋市議会会議規則の一部を改正する規則

(提出者)安藤のぶひろ

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、鈴木郁夫、佐々木克敏、渡辺賢次、中村静雄、長谷川大、野田剛彦、小森雅子、七戸俊治


船橋市議会会議規則(昭和42年船橋市議会告示第1号)の一部を次のように改正する。

目次中「第7章 議員の派遣(第160条)」「第8章 補則(第161条)」を

「第7章 協議又は調整を行うための場(第160条)」「第8章 議員の派遣(第161条)」「第9章 補則(第162条)」に改める。

第161条を第162条とし、第8章を第9章とする。

第7章中第160条を第161条とし、同章を第8章とする。

第6章の次に次の1章を加える。

第7章 協議又は調整を行うための場

(協議又は調整を行うための場)

第160条 法第100条第12項に規定する議案の審査又は議会の運営に関し協議又は調整を行うための場(以下「協議等の場」という。)を別表のとおり設ける。

2.前項に定めるもののほか、協議等の場を臨時に設けようとするときは、議会の議決でこれを決定する。

3.前項の規定により協議等の場を設けるに当たっては、名称、目的、構成員、招集権者及び期間を明らかにしなければならない。

4.協議等の場の運営その他必要な事項は、議長が別に定める。

付則の次に次の別表を加える。

別表

  • 名称「全員協議会」
  • 目的 市長から依頼のある事項又は議会内の事項で特に全議員の協議を要する事項について協議するため
  • 構成員 すべての議員
  • 招集権者 議長
  • 名称「会派代表者会議」
  • 目的 議会関係役職及び議員選出各種委員等の選考のための各会派間の調整その他議長が特に必要と認める事項の協議を行うため
  • 構成員 議長、副議長、会派(所属議員が3人以上のものに限る。)の代表者その他議長が会議への出席を認めた者
  • 招集権者 議長
  • 名称「委員会協議会」
  • 目的 委員会が付託された事件及び所管事務調査事件以外の案件等について調査、研究又は協議するため
  • 構成員 常任委員
  • 招集権者 常任委員会の委員長
  • 名称「船橋市議会広報編集委員会」
  • 目的 ふなばし市議会だより及び議会ウェブサイトの編集に関し調整及び協議を行うため
  • 構成員 広報編集委員
  • 招集権者 広報編集委員会の委員長

附則

この規則は、平成22年4月1日から施行する。

理由

地方自治法の一部改正に伴い、協議又は調整を行うための場について所要の定めをする必要がある。これが、この規則案を提出する理由である。

発議案第2号 児童虐待を防止するための親権制限等に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、渡辺賢次、中村静雄、浦田秀夫、野田剛彦、小森雅子


児童虐待防止法の制定により、児童相談所の体制強化や市町村における虐待防止ネットワーク構築など、地域における児童虐待防止に向けた取り組みが進められている。しかし、一方では、児童相談所の一時保護の増加や、親による児童養護施設からの強引な連れ戻しなど課題も多く、子供たちを虐待から守るために、今後も早急な対策が求められている。

とりわけ、親権を盾にして、その陰で行われている児童虐待に対しては、新たな法整備が必要であり、中でも、子供の安全確保や、施設責任者の判断優先化などは、より実効性のある対応が必要である。

現行の民法には、親権を全面的に剝奪する親権喪失に関する規定があるが、親権のすべてが無期限に奪われた場合、その後、親子関係を回復することが難しくなるなどの問題点がある。このため、虐待の対応に当たる教育・福祉関係者などからは、より弾力的に親権を制限できる制度を求める声が上がっている。

これに対して、法務省は、親による子の虐待を防止するため、民法上の親権を制限できる制度を導入する方針を固め、民法の関連規定の見直しについて検討し、同法改正を目指していると報じられている。

よって、政府においては、児童虐待防止のため、親権の一時停止や監護権の停止を認める制度を導入するなど、より弾力的に親権制限を行使できる新たな法整備を行うよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、法務大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣

発議案第3号 子ども手当の全額国庫負担に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、長谷川大、浦田秀夫、小森雅子


政府は、平成22年度(2010年度)から、子ども手当支給を開始する。

その財源について、当初政府は、全額国庫負担と明言していたにもかかわらず、平成22年度(2010年度)限りの暫定措置とはいえ、一方的に地方にも負担を求める結論を出した。また、子ども手当は、現行の児童手当と併給する変則的なものであり、この点についても、極めて遺憾である。

しかも、地方の意見を十分に聞くことなく、これらを決定したことは、地方と国の信頼関係を著しく損なうものであり、地域主権とは裏腹な今回の政府の対応は、誠に残念である。

よって、政府においては、平成23年度(2011年度)の子ども手当の本格的な制度開始に当たって、当初政府が明言していたとおり、全額国庫負担とするよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣、

発議案第4号 政治資金管理団体・陸山会の土地購入資金事件の徹底解明等に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、鈴木郁夫、岩井友子、渡辺賢次、中村静雄、長谷川大、浦田秀夫、七戸俊治


小沢一郎民主党幹事長・衆議院議員の資金管理団体・陸山会の土地購入資金事件において、政治資金規正法違反で逮捕・起訴された小沢氏の元秘書石川知裕衆院議員が、民主党から離党したが、この事件は、これで幕引きなどにしてはならない。石川氏を含め小沢氏の3人の現・元秘書が逮捕・起訴された事件は、報告書のミスなどで済ませられるものでない。

起訴された石川氏は、政治資金報告書の虚偽記載は認めているといわれているが、国会では何ら説明していない。また、石川氏の説明責任とともに、とりわけ問われるのは、小沢氏自身の説明責任と政治的・道義的責任である。

もともと、政治資金を国民の不断の監視と批判のもとに置くための収支報告書に虚偽を記載したこと自体が、重大犯罪である。しかも、総額21億6900万円にも上る巨額の金に関する虚偽記載の疑いがもたれていることからも、その解明が必要である。

この事件では、現在、肝心の資金の出どころが解明されておらず、また検察は、資金の出どころは公判で明らかにしたいとしているが、この資金については、公共事業を受注したゼネコンからの裏献金などがあてられていた疑惑もあり、文字どおり税金還流の疑いがある。

石川氏が、国会と国民の前で事実を語ることは当然の義務であり、嫌疑不十分でみずからは不起訴となった小沢氏も、3人の現・元秘書が逮捕・起訴された以上、政治家としての説明責任を果たすことは当然の義務である。また、国会は、政治と金をめぐる問題を検察任せにせず、みずから真相解明を行うべきである。

よって、国会においては、政治資金管理団体・陸山会の土地購入資金事件について徹底的に解明するため、石川知裕議員及び小沢一郎議員を証人として国会に喚問し、真相を明らかにするよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)衆議院議長、参議院議長

発議案第5号 都市再生機構賃貸住宅の居住の安定に関する意見書

(提出者)池沢敏夫

(賛成者)石崎幸雄、角田秀穂、関根和子、川井洋基、斉藤守、瀬山孝一


政府は、独立行政法人都市再生機構を見直しの対象とし、機構賃貸住宅に定期借家制度を導入しようとしている。定期借家制度は、契約期間が終了したらその住宅から立ち退くことを基本としており、経済的に弱い立場にある人たちの住宅不安を招き、公的な住宅には全くなじまない制度である。

今、多くの団地では高齢化が進み、収入の上でも公営住宅階層が大半を占めているが、高家賃に耐えながらも約7割の世帯が今住んでいる団地での永住を希望しており、かけがえのない生活のよりどころとなっている。今ある機構賃貸住宅を住宅セーフティーネットとして位置づけ、年金生活者や子育て世帯が適切な家賃負担で暮らせるようにする政策こそが大切である。

よって、政府においては、都市再生機構賃貸住宅の居住の安定のため、次の事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 都市再生機構の見直しについては廃止ありきではなく、居住者の実態を反映して、機構賃貸住宅を公的な住宅として、その存在と役割を明確にし、居住者の居住の安定を図る施策を推進すること。
  2. 機構賃貸住宅の再編方針(売却・削減・民営化等)を見直して、公共住宅としての役割を強化する政策を推進すること。
  3. 公営住宅入居対象者層が大半を占めている機構賃貸住宅を、住宅セーフティーネットとして、高齢者や子育て世帯等が住み続けられる家賃制度に改めること。
  4. 機構賃貸住宅に定期借家制度の導入はしないこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、国土交通大臣

発議案第6号 子供の読書活動推進予算の確保に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、渡辺賢次、中村静雄、長谷川大、浦田秀夫


本年は、国民読書年である。これは、文字・活字文化振興法制定・施行5周年に当たる平成22年(2010年)を、政官民協力のもとに国を挙げて読書の機運を高める年にするべく、平成20年(2008年)6月に、衆参両院全会一致で国民読書年に関する決議が採択されたことにより、制定されたものである。

にもかかわらず、平成22年度(2010年度)政府予算案では、子ども読書応援プロジェクト事業(平成21年度予算額1億5506万円)を廃止し、そのかわりに、子供読書の普及啓発予算として4900万円を計上したものの、結果的に子供の読書活動の関連予算が大幅に削減されている。また、読み聞かせなどの読書活動を行うボランティア団体に助成金を支給している官民出資の子どもゆめ基金も、政府出資金100億円が全額国庫返納となり、同基金事業の大幅な縮小が余儀なくされている。

このように、鳩山政権によって子供の読書活動に関連する予算が大幅に削減されたことは、大変残念であり、地道に読書活動を推進してきた学校やボランティア団体などからは、驚きと不安の声が相次いでいる。

昨年11月に発表された文部科学省の社会教育調査結果によると、全国の図書館が平成19年度(2007年度)に、小学生に貸し出した本の数は、登録者1人当たり35.9冊と過去最多となっており、昭和49年度(1974年度)調査開始時の16.5冊に比べて2.2倍に伸びている。

この結果は、平成13年の子ども読書活動推進法の制定を機に、学校での朝の読書や家庭、地域、学校などでの読み聞かせ活動などが、着実に根づいてきたこと、また国が積極的に読書活動推進の事業を行ってきたことのあらわれといっても過言でない。このような読書活動推進の取り組み効果があらわれているにもかかわらず、国民読書年である本年にその関連予算を削減するのは、平成20年(2008年)の国会決議にもとるものである。

子供の読書は、言葉を学び、感性を磨き、論理的思考力や創造力などを高め、豊かな心をはぐくみ、さまざまな知識を得るなど、生きる力を養う上で欠かすことのできない活動である。

よって、政府においては、政官民協力のもと国を挙げてあらゆる努力を重ねるとした国会決議を真に履行し、子供の読書活動を守り、育て、推進するための十分な予算を確保するよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣

発議案第7号 改正貸金業法の早期完全実施に関する意見書

(提出者)小森雅子

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、鈴木郁夫、岩井友子、佐藤重雄、浦田秀夫、野田剛彦


平成18年12月に改正貸金業法が成立し、出資法の上限金利の引き下げ、収入の3分の1を超える過剰貸金契約の禁止(総量規制)などが完全実施される予定である。

同法成立後、官民が連携して多重債務対策に取り組んできた結果、多重債務者が大幅に減少し、近年における自己破産者数も減少するなど、着実にその成果を上げつつある。

ところが、一部には、同法により、消費者金融の成約率が低下し、借りたい人が借りられなくなり、特に昨今の経済危機や一部商工ローン業者の倒産などによって資金調達が制限された中小業者の倒産が増加していることなどを殊さらに強調し、同法の完全実施の延期や貸金業者に対する規制の緩和を求める論調がある。

よって、政府においては、このような議論に同調することなく、多重債務問題が喫緊の課題であることを踏まえ、下記事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 改正貸金業法を遅くとも本年6月までに完全施行すること。
  2. 自治体の多重債務相談体制整備のため、十分な支援を行うこと。
  3. 個人及び中小事業者向けのセーフティーネット貸し付けをさらに充実させること。
  4. やみ金融を徹底的に摘発すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、金融庁長官

発議案第8号 雇用と住居を失った者に対する総合支援策に関する意見書

(提出者)小森雅子

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、鈴木郁夫、岩井友子、佐藤重雄、浦田秀夫、野田剛彦


雇用と住居を失った者に対する総合支援策が平成21年10月から実施されている。しかし、訓練・生活支援給付、住宅手当、就職安定資金融資、生活福祉資金のそれぞれの申請窓口が、別々となっており、セーフティーネットとしての機能が十分に発揮されないことが懸念されている。

また、雇用情勢に改善の兆しが見られない中、生活保護受給者数が急増しており、約6人に1人が貧困であるとの政府発表もある。とりわけ、子供の貧困の解決が求められている中、生活保護制度は、最後のセーフティーネットであり、国が責任を持って実施体制を確保すべきである。

よって、政府においては、下記事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 雇用と住居を失った者に対する総合支援策をワンストップ・サービスとして迅速かつ円滑に実施するため、必要な事務改善と恒久的な制度化を行うこと。
  2. 生活保護制度の円滑で適切な実施に向け、国の責任において運用の改善、実施体制の確保及び確実な財源保障を行うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第9号 政治資金規正法の制裁強化に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、渡辺賢次、中村静雄、浦田秀夫


政治資金をめぐる国会議員らの不祥事が発覚するたびに再発防止策が議論され、収支の公開方法や献金規制の強化などの政治資金規正法改正が繰り返されてきた。それにもかかわらず、本年1月、再び、政治資金規正法違反で現職国会議員を含む秘書らが逮捕される事件が起きたことは、極めて遺憾である。

国民の政治不信を招く政治と金の問題を断ち切るために、再発防止に向けた法整備にしっかり取り組むことが強く求められている。特に、会計責任者が不正行為をした場合には、監督責任のある政治家が責任をとる仕組みをつくる必要がある。

現行法では、国会議員など政治団体の代表者が、会計責任者の選任及び監督について相当の注意を怠ったときは、50万円以下の罰金に処すると規定されているが、実際には、会計責任者を選ぶ段階で相当の注意を怠ったことを立証するのは困難であり、実効性に欠けると言わざるを得ない。

よって、国会及び政府においては、政治資金規正法における制裁を一層強化するため、会計責任者が違法行為を犯した場合には、監督責任のある国会議員の公民権を停止することを内容とする政治資金規正法改正案を今国会で成立させるよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、総務大臣、衆議院議長、参議院議長

発議案第10号 介護保険制度の抜本的な基盤整備に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、渡辺賢次、中村静雄、浦田秀夫


介護保険制度が開始されてから10年を迎えたが、介護現場には深刻な問題が山積している。

特に、特別養護老人ホームの入所待機者については42万人にも上っており、在宅介護における家族の心身負担などは、深刻である。

このため、介護保険を利用している要介護認定者とその家族、介護事業者及び介護現場で働く者など、介護保険制度にかかわる人々から、必要なサービス及び介護施設の確保、経済的負担の軽減、介護報酬や処遇の改善などを要望する切実な声が数多く上がってきている。

しかも、15年後の平成37年(2025年)には、65歳以上の高齢者人口がピークを迎えるといわれており、今後、さらに進展する超高齢化社会を見据え、安心して老後を暮らせる社会の実現を目指すには、介護施設の大幅な拡充、在宅介護の支援強化、利用者負担の抑制、公費負担割合の引き上げなど、必要な見直しが求められる。そのためには、平成24年(2012年)に行われる介護保険制度改正で、抜本的な制度設計の見直しが必要である。

よって、政府においては、介護保険制度の抜本的な基盤整備を行うため、下記事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 平成37年(2025年)までに介護施設の待機者を解消するため、介護3施設(特別養護老人ホーム、老人保健施設、介護療養型医療施設)の倍増、特定施設(有料老人ホーム、ケアハウスなど)及びグループホームの3倍増を実施すること。
  2. 在宅介護支援を強化するために、24時間365日訪問介護サービスの大幅な拡充を行い、さらに家族介護が休息をとれるようレスパイト(休息)事業も大幅に拡充すること。
  3. 介護保険制度をすぐに使える制度に転換するため、煩雑な事務処理の仕分けを行い、手続、要介護認定審査を簡素化すること。
  4. 介護従事者の待遇を改善するため、給与の大幅アップなどにつながる介護報酬の引き上げを行うこと。
  5. 介護保険料の上限を抑制するため、公費負担割合を5割から当面6割に引き上げ、最終的に平成37年(2025年)には、介護保険費用の3分の2を公費負担で賄うこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第11号 永住外国人への地方参政権付与の法制化反対に関する意見書

(提出者)日色健人

(賛成者)佐々木克敏、小石洋、野田剛彦、七戸俊治


参政権付与をめぐっては、民主党は平成21年(2009年)の政策集に結党時の基本政策に早期に実現すると掲げており、方針は引き続き維持すると掲載しているが、党内には一部の反対者もあり、衆議院選挙マニフェストでは見送っている。我が国には、永住権を持つ外国人が約91万人生活しており、地域に密接な関係を持つに至っていることから、これら外国人に対し地方公共団体の意思決定に参加させるべきであるとして、これまでもしばしば、永住外国人に対する地方参政権付与について議論がなされてさたところである。

しかし、日本国憲法は、第15条において、「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である」と規定し、また、策93条第2項において、「地方公共団体の長、その議会の議員及び法律の定めるその他の吏員は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」と規定しており、さらに、同項中の「住民」の解釈として、平成7年2月28日の最高裁判所判例は、「住民とは地方公共団体の区域内に住所を有する日本国民を意味する者と解するのが相当である」としており、日本国民ではない永住外国人に対し、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙権等を付与することは、憲法上問題がある。

また、国籍法は、第4条において、「外国人は、帰化によって、日本の国籍を取得することができる」と規定しており、永住外国人が、憲法に基づく参政権を取得するためには、この国籍法に定める帰化によるべきものと考える。

よって、国においては、永住外国人への地方参政権付与に関する法律を制定することのないよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)衆議院議長、参議院議長

発議案第12号 若者の雇用創出と新卒者支援の充実に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫

(賛成者)橋本和子、角田秀穂、浦田秀夫


現在、若者の雇用環境は、先が見えない不安で覆われている。一昨年秋のいわゆるリーマンショック以降、厳しい状況が続いており、昨年12月の若年層(15~24歳)失業率は8.4%で、全体の完全失業率5.1%を大きく上回っている。

また、新規学卒者の就職内定状況も非常に厳しくなっており、大卒予定者の就職内定率は、昨年12月1日現在で73.1%(前年同期比マイナス7.4ポイント)、高校新卒者のそれは、同11月末現在で68.1%(同マイナス9.9ポイント)と、いずれも過去最低となった。

さらに、ニートや引きこもりなどの困難を抱える若者への支援が希薄であることも危惧されている。

このような状況を踏まえ、若者の雇用に対する公的支援のあり方を抜本的に見直す必要がある。

よって、政府においては、若者の雇用創出と新卒者支援を図るため、下記事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 地域の実情に基づいた雇用機会の創出を強化するため、ふるさと雇用再生特別交付金及び緊急雇用創出事業の基金をさらに積み上げること。
  2. 訓練・生活支援給付の恒久化及び未就職新卒者に対する同給付の適用拡大を図るとともに、次の雇用へつなげるため、トライアル雇用(試行雇用)の拡充や、働く場と職業訓練を一体的に提供するフレキシブル支援センター等の雇用つき研修体系を促進すること。
  3. 新卒者の内定率低下と就職活動にかかる費用負担増に対応するため、就活応援基金を創設し、経済的負担の軽減を図ること。
  4. ジョブカフェの持つ就職活動のノウハウを教育機関に提供するため、大学構内にジョブカフェ大学出張所を設置すること。
  5. 中小企業の求人数と新卒者の求職数との不つり合いを解消するため、中小企業の求人やその魅力について情報提供を行う政府版中小企業就活応援ナビを創設すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第13号 国民健康保険に対する国庫負担増額に関する意見書

(提出者)浦田秀夫

(賛成者)岩井友子、佐藤重雄


国民健康保険の主な財源は、国、都道府県及び保険者の負担金並びに被保険者の支払う保険料から成り立っている。

皆保険の基礎をなす国民健康保険は、制度設計した当時に比べ、加入者層が大きくさま変わりし、無職者や年金生活者など低所得者の占める割合がふえ、あわせて高齢化に伴う医療費増大によって、保険料負担が増大した。そのため、組合健保や共済健保と比べて、同じ収入でもその負担は2倍から3倍になっている。

しかも、このような保険間格差だけではなく、自治体の財政力等による保険料の地域間格差も3倍以上となっている。

税収低下や三位一体改革によって、自治体は、その財政状態の厳しさが増し、国保財政に対する柔軟性を失い、国保運営にも四苦八苦している。他方、加入者は雇用の劣化等による収入減の直撃を受けており、その結果、高い保険料は滞納世帯の増大を招き、短期保険証ならまだしも、資格証では、病気になっても医療機関にかかれない事態が生じており、皆保険の足もとが崩れている。

このような事態に陥った大きな原因の1つに、国庫負担率の引き下げがある。

昭和59年(1984年)までは、かかった医療費の45%だったものが、それ以降は、38.5%に引き下げられている。それ以外にも、市町村国民健康保険の事務負担金に対する国庫補助の廃止、助産費補助金の改悪など、市町村国民健康保険の総収入に占める国庫負担金の割合は、現在3割にまで減らされている。

他の健康保険の2倍から3倍という国民健康保険料を引き下げなくては、国民皆保険制度は崩壊する。それを防ぐためには、コンクリートより人という現政権の方針に従って、国庫負担率を回復させることが喫緊の課題である。

よって、政府においては、国民健康保険を社会保障として存続させるため、国庫負担を増額するよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第14号 生活保護制度の抜本的改革等に関する意見書

(提出者)岩井友子

(賛成者)斎藤忠、村田一郎、渡辺ゆう子、浦田秀夫


報道によると、長引く不況と雇用状況の悪化、高齢社会の進展等により生活保護受給者が急増し、多くの自治体が今年度中に生活保護関連の補正予算を編成している。その総額は前年度の4倍を超え、自治体の大幅な税収減が明らかな中、今後も生活保護受給者の増加が見込まれ、とりわけ政令指定都市、中核市等大規模都市での増加は著しく、ケースワーカー増員による人件費の増加も含め、地方財政を大きく圧迫しているところである。

生活保護施策の財源は、現行の制度では国が4分の3、自治体が4分の1であり、自治体負担分は地方交付税措置と位置づけられているが、近年その一般財源との乖離が問題視されてもいる。平成20年(2008年)に公表された全国市長会の調査によれば、生活保護費のマクロベースの算入不足は510億円以上とみなされている。生活保護は、本来憲法第25条で規定されている生存権を保障するための自治体への法定受託事務であり、ナショナル・ミニマム的性格の強い事業として、地方の裁量性の極めて乏しいものである。また、生活保護受給者の急増は、旧政権が推し進めた構造改革の名のもとで破綻させられた雇用や高齢社会下での福祉政策の問題と密接に関連した構造的問題である。

国においては、雇用・福祉政策と有機的に連携した、有効な最後のセーフティーネットとしての生活保護制度の抜本的な改革を速やかに進めるべきである。そして、現今の自治体の一方的な負担増に対して、国の責任において扶助費のみならず人件費も含めた全額国庫負担による財政措置をとるべきである。

よって、政府においては、生活保護制度の抜本的改革と当面の財政措置をするよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第15号 保育所待機児童解消のための十分な財政措置等に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫、小森雅子


共働き世帯がふえ、少子化が進む中、待機児童対策を含む保育諸制度の充実は喫緊の課題となっている。

これに対して、先般厚生労働省は、時限措置として、保育所にかかわる最低基準を緩和し、地方自治体にゆだねる方針を明らかにした。また、社会保障審議会においても直接契約制度導入などの保育制度改革論議が行われている。

しかし、もとより少子化対策については、国家的課題として政府が責任を持って進めるべきものであり、その核となる保育諸制度の最低基準は、政府の責任において設定し、かつ財政負担すべきものである。また、本来福祉制度である保育に安易な市場原理を導入し、保護者や保育関係者に無用の混乱や不安を招くことは、子供の最善の利益を奪うものとなる。

よって、政府においては、現在の保育の質を守り、その制度を維持するため、下記事項を実施するよう、強く要求する。

  1. 保育所待機児童解消のための十分な財政措置を行うとともに、政府の責任において保育所にかかる最低基準を堅持すること。
  2. 真に保育を必要とする子供が排除されないすぐれた仕組みである現行入所方式を維持し、直接契約制度は導入しないこと。
  3. 行政刷新会議の事業仕分けにおいて取り上げられた延長保育事業や保育料徴収基準において、安易な利用者負担増は行わないこと。
  4. 子供の状況に応じた食事提供が困難となる保育所給食の外部調理について、容認しないこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第16号 大企業及び高額所得者の減税政策中止等に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


税制の重要な役割は、所得の再配分機能にあるが、我が国では、所得税の最高税率引き下げ、定率減税廃止、消費税率引き上げ等が行われてきたため、所得再配分機能がOECD諸国の中で最も低い国となっている。

平成22年度(2010年度)政府予算案は、総額92兆円の歳入の内訳が、税収37兆円、国債44兆円、埋蔵金10兆円となっているが、借金依存や1年限りの埋蔵金頼りでは、次年度以後の財政運営の見通しがなく、既に閣僚からは、消費税引き上げの議論が必要との声も出ている。

しかし、消費税は、所得の再配分機能を果たさない逆進性の強い税であり、国民の所得が大幅に落ち込んでいる中での同税増税は、生活破壊税ともなる。もともと、消費税は、福祉のためとして導入されたが、制度が導入された平成元年(1989年)から平成22年(2010年)までの消費税収入累計が224兆円なのに対し、法人3税の減収額も累計208兆円となっており、大企業の減税の穴埋めに使われてきた。

また、現政権が行った事業仕分けでも、自公政権時代から聖域とされてきた軍事費と大企業・大資産家優遇税制には全く手がつけられていない。

そのため、アメリカの世界戦略に組み込まれたミサイル防衛網の整備、イージス艦建造、条約上の義務がない在日米軍への思いやり予算などは削減されず、株の譲渡所得や配当への減税も継続されている。また、法人税率のたび重なる減税や試験研究費減税など租税特別措置が強化されてきたため、昭和60年(1985年)の法人税収が12兆円だったのに対し、当時と比べてGDPが1.8倍にもなっているにもかかわらず、平成22年度(2010年度)の同税収の見込みは、たった6兆円にすぎない。

よって、政府においては、下記事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 行き過ぎた大企業や高額所得者の減税政策をやめること。
  2. 年間5兆円もの軍事費について、早急に見直すこと。
  3. 社会保障拡充のための財源を確保すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣

発議案第17号 米海兵隊普天間基地の無条件撤去に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


鳩山首相は、国会において米海兵隊普天間基地撤去の要求に対して、侵略に対する抑止力であり、代替なき返還は不可能だとして、移設条件つき返還に固執する態度を明らかにした。

しかし、米海兵隊は、日本を守る抑止力ではなく、世界各地に軍事介入する際の殴り込み部隊であり、また、米政府も海兵隊が日本防衛のための抑止力だとは言っていない。このことは、ワインバーガー米元国防長官が、1982年4月の米上院歳出委員会において、沖縄の海兵隊は日本の防衛に当てられていないと証言し、また、チェイニー米元国防長官が、1991年7月の米下院予算委員会において、海兵隊は世界的な役割を果たす戦力投射部隊であると証言していることからも明らかである。また、米海兵隊自身が、同隊のウェブサイトにおいて、海兵隊は迅速に、どこへでも、どのような任務にも対応する能力を備えた遠征介入部隊であると説明している。

実際、沖縄海兵隊は、イラク侵略やアフガニスタン報復戦争に出撃し、2004年のイラク・ファルージャでの掃討作戦では、たくさんの住民を狭い地域に押し込め、逃げ道を閉ざしたうえで爆撃と地上攻撃を行い、多くの犠牲者を出している。

そもそも、普天間基地は、米軍が、沖縄占領後に住民を収容所に囲い込んでいる間に土地を奪ってつくり、さらに銃剣とブルドーザーでそれを拡大した、戦時国際法でさえ許されない産物であり、戦後半世紀も犠牲を強いられた沖縄県民が無条件返還を要求するのは当然のことである。

よって、政府においては、基地に苦しむ沖縄県民の思いを尊重し、普天間基地の無条件撤去に踏み出すよう、強く要求する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣

発議案第18号 医療崩壊に対する抜本的解決策の実施に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


今年は診療報酬の改定が行われる。

旧政権下では、診療報酬が連続して引き下げられ、病院の経営悪化や勤務医の疲弊から、全国で医師不足や病院の閉鎖が相次いだ。こうした医療崩壊ともいえる状況を解決するためには、診療報酬の大幅引き上げが求められる。

2月12日、中央社会保険医療協議会は、診療報酬の平成22年度(2010年度)改定案を厚生労働大臣に答申した。

この中では、急性期医療を担う大規模病院に集中的に財源が投入される一方、慢性期の患者やその医療を担う中小病院と診療所にとっては、病院の再診料は増額されるが、診療所の再診料は減額され、また、慢性期の療養病棟や小規模病棟の入院基本料の引き下げなども盛り込まれるなど、厳しい内容であり、地域医療が一層困難にさらされるものとなっている。

この改定の背景には、診療報酬全体の引上率を0.03%と実質ゼロに抑えるとした昨年末の鳩山政権の決定があるが、民主党は、医療介護の再生を公約に掲げており、また鳩山政権の連立与党合意でも、対GDP比医療費の先進国(OECD)並みの確保を目指すとしている。

よって、政府においては、対GDP比医療費の先進国(OECD)並みの確保及び診療報酬の大幅引き上げを行い、医療崩壊に対して抜本的な解決策を講じるよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第19号 後期高齢者医療制度の早期廃止に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


昨年の総選挙では、後期高齢者医療制度への怒り、廃止への願いが大きく示され、新政権誕生の要因の1つともなった。また、平成20年(2008年)第169国会において、民主党他野党4党が提出した後期高齢者医療制度廃止法案は、衆議院では審査未了となったが、参議院では可決されている。ところが、民主党を中心とした新政権は、後期高齢者医療制度廃止への国民の期待を裏切り、新しい制度ができる4年後まで廃止を先送りすることを明確にした。

高齢者の医療は、その長年の社会貢献にふさわしいものとなるよう、国と企業が十分な財政負担を行い、高齢者が安心して受けられるようにすべきである。

後期高齢者医療制度は、75歳以上の高齢者を国保や健保から追い出し、これまで扶養家族として保険料負担がなかった人も含めた一人一人から保険料を取りたて、別建て診療報酬を設定して受けられる医療を制限・差別し、2年ごとの保険料引き上げを行い、保険料を払えない人からは保険証を取りあげる、など世界に例を見ない高齢者いじめの制度である。

さらに、平成22年度(2010)年度、千葉県を初め、全国各地で保険料引き上げが行われようとしている。

このような状況の中で、同制度の廃止を先送りすることは、高齢者の負担増と医療からの疎外をさらに進めることになり、看過することはできない。

よって、政府においては、後期高齢者医療制度を速やかに廃止し、老人保健制度に戻すとともに、そのために必要な財政措置を行うよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第20号 障害者自立支援法の早期廃止等に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


障害者自立支援法により、福祉サービスや自立支援医療に原則1割の応益負担が導入され、障害者のサービス利用の抑制を招いている。また、事業所に対する報酬算出基準の変更や利用実績払い(日額払い)の導入により、施設・事業所の経営は苦しくなり、施設の廃園や職員給与の引き下げなどの問題も深刻な状況にある。

障害者が社会の対等な一員として安心して暮らしていくためには、障害者自立支援法を廃止し、憲法と国連の障害者権利条約の趣旨に沿った障害者福祉・医療の拡充が喫緊の課題となっている。

平成22年(2010年)1月、障害者が生きていく上で不可欠な福祉サービスや医療を益とみなし、障害が重いほど負担が重くなる障害者自立支援法は、憲法第25条の生存権を犯すものであるとした訴訟が、原告と政府との合意で終結した。これを受けて、政府は、障害者の尊厳を深く傷つけたことを心から反省するとし、応益負担制度を廃止すること、平成25年(2013年)8月までに障害者自立支援法を廃止すること及び新たな総合的福祉法制を実施することを約束した。

よって、政府においては、障害者自立支援法等に関し、下記事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 同法に関する訴訟終結に当たって、政府が原告に約束した平成22年(2010年)4月からの暫定的負担軽減に必要な予算を満額確保するとともに、応益負担を直ちに廃止すること。
  2. 同法について、平成25年(2013年)まで先送りせず、一刻も早く廃止すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第21号 生活保護制度における高齢者加算の早期復活に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


社会保障切り捨ての一環として、生活保護制度における高齢者加算が廃止されたことにより、高齢者からは、交通費の負担に耐えられず外出を控えるようになった、香典の支出ができなくて知り合いの葬儀にも出られなくなった、などの悲痛な声が上がっているが、本来、高齢者に、このような肩身の狭い思いをさせる国家であってはならない。

政権交代によって、母子加算は復活することになったが、高齢者加算は復活されていないため、その復活を求める声が大きくなっている。

よって、政府においては、直ちに生活保護制度における高齢者加算を復活するよう、強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第22号 ケースワーカー配置標準数の見直し等に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


長引く経済不況の中で無収入となる国民が急増したことにより、生活保護行政をめぐる情勢は大きく変化している。

どの自治体でも、生活保護申請件数の大幅な増加に伴う業務量の増大に追われる事態となっており、この結果、現場のケースワーカーは、申請者の対応に追われ、就労支援や訪問調査などに十分な時間がとれない状況にある。本市においても、ケースワーカーが足りない状況が発生し、保護を必要とする人が保護開始まで何週間も待たされる深刻な事態が生じている。

また、受給者数の増大に伴い、地方自治体の生活保護費等の財政負担も増大している。

本来、生活保護制度は憲法第25条に基づく国民の生存権を保障するものであり、健康で文化的な生活をする権利を実現することは、国の責任である。

よって、政府においては、下記事項を実施するよう、強く要望する。

  1. 被保護世帯に対するケースワーカー配置の標準数80対1を60対1に見直し、地方自治体に増員を促すこと。
  2. 生活保護制度に対する国の費用負担を、現在の4分の3から、人件費を含めて全額国庫負担とすること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第23号 雇用に対する大企業の社会的責任の履行等に関する意見書

(提出者)佐藤重雄

(賛成者)岩井友子、浦田秀夫


経済危機のもとで、国民の暮らしの実態は、極めて深刻なものとなっている。

昨年の失業率は、5.1%と悪化幅が過去最大となり、有効求人倍率も0.47と史上最悪となった。日本経済の土台を支える中小企業の年間倒産件数は1万3000件を超え、それにより毎月1万人を超える雇用が奪われ続けている。

その一方で、資本金10億円以上の大企業の内部留保は、平成19年(2007年)までの10年間で142兆円から229兆円に増加している。これは、主に、正社員の非正規雇用労働者への置きかえ、正社員に対するリストラや賃金の引き下げ、中小零細企業の下請単価の切り下げなど、労働者・中小企業の犠牲の上に積み上げられたものである。

大企業は、国際競争に生き残るためとしてこれらを推し進めてきたが、競争にさらされているのはヨーロッパ諸国なども同様であり、こうした経営に固執することは、国際的にも道理がない。

これらのゆがんだ経営が広く推進された結果、国民の消費購買力低下やデフレ状況を招くとともに、品質低下による日本のものづくりに対する信頼が根本から損なわれかねない事態も生まれており、日本経済を建て直すためには、こうしたゆがみの是正が強く求められる。

よって、政府においては、大企業の労働者・中小企業の犠牲によって利益を生み出す経営体制を是正し、その内部留保の一部を雇用と中小企業に還元するため、下記事項を早急に実施するよう、強く要望する。

  1. 大企業の雇用に対する社会的責任を果たさせること。
  2. 登録型派遣や製造業への派遣を原則禁止し、また、正規雇用を原則とすること。
  3. 不払い残業を根絶し、有給休暇の完全取得、週休2日制の完全実施を図ること。
  4. 下請関連法を厳正に適用し、下請単価を適正なものに引き上げること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣、経済産業大臣

発議案第24号 さらなる総合経済対策の策定に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫

(賛成者)橋本和子、藤川浩子、石崎幸雄、松嵜裕次、角田秀穂、高木明、斎藤忠、上林謙二郎、村田一郎


デフレや急激な円高など、景気の先行きが依然不透明な中、国民一人一人の所得は伸びず、生活への不安が日増しに膨れ上がっている。

しかし、本年1月に成立した第2次補正予算の実質経済対策規模は1兆円にすぎず、まさに小さ過ぎて遅過ぎる対策である。また、昨年末に策定された新成長戦略では「2020年度までに平均で名目3%を上回る成長」、「2020年度における我が国の経済規模(名目GDP)650兆円程度を目指す」としているが、その具体策は何ら示されていない。

今こそ、産業活動を活性化させ、国民生活に安心を与えるため、切れ目のない経済財政運営とともに、景気を刺激し、経済成長を促し、政策の予見性を確保する具体的な経済成長戦略が求められている。

よって、政府においては、下記事項を内容とする総合経済対策を速やかに実施するよう、強く要望する。

  1. 事業創出
    1. 主に環境分野に対する資源配分と規制緩和を徹底し、新規事業創出を促すことでイノベーションを加速させること。
    2. 強い規制のもとで非効率に運営されてきた農業、医療、教育などの分野について、抜本的な規制緩和や集中投資を行うこと。
  2. 中小企業支援
    1. 緊急保証制度の要件の大幅緩和、小口零細企業保証制度の拡充を図ること。
    2. 倒産防止緊急相談窓口業務を強化すること。
    3. 債務返済猶予の実施対象を銀行や政府系金融機関だけでなくノンバンクやリースなどにも拡大すること。
    4. 中小零細企業の法人税率を引き下げること。
  3. グローバル戦略支援
    1. 人口減少による国内市場縮小を踏まえ、日本企業がアジア新興国など海外市場の開拓に注力できるようFTA・EPA交渉を迅速に進め、企業がグローバル戦略を展開しやすい環境を整備すること。
  4. 為替の安定と適切な資金供給が行えるよう、所要の措置を講じること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣