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発議案(議員提出議案)令和4年第3回定例会

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発議案第1号   安倍元首相の「国葬」実施の中止を求める意見書

(提出者) 松崎さち
(賛成者) 神子そよ子、坂井洋介、金沢和子


 7月22日、岸田政権は、参議院選挙遊説中に銃撃を受け亡くなった安倍晋三元首相の「国葬」を、9月27日に日本武道館で行うことを閣議決定した。
 安倍元首相が無法な銃撃で殺害されたこと自体は到底許されず、このような暴挙は厳しく糾弾されるべきである。同時に、それは安倍元首相に対する政治的評価、政治的批判とは全く別の問題である。
 岸田文雄首相は「国葬」とする理由について、「憲政史上最長の8年8か月にわたり卓越したリーダーシップと実行力で……内閣総理大臣の重責を担った」などを挙げたが、安倍元首相の政治的立場や政治姿勢に対する評価は、国民の中で大きく分かれている。
 それにもかかわらず、安倍元首相を、内政でも外交でも全面的に礼賛する立場での「国葬」を行うことは、国家として安倍氏の政治的立場や政治姿勢を全面的に公認し、国家として安倍氏の政治を賛美・礼賛することになる。
 また、こうした形で「国葬」を行うことが、安倍元首相に対する弔意を、個々の国民に対して、事実上強制することにつながることが、強く懸念される。弔意というのは、誰に対するものであっても、弔意を示すかどうかも含めて、すべて内心の自由に関わる問題であり、国家が弔意を求めたり、弔意を事実上強制したりすることは、あってはならないことである。
 よって、国会及び政府においては、上記の重大な問題点を考慮し、安倍元首相の「国葬」実施を中止するよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣

理由
 安倍元首相の「国葬」の実施は、安倍氏の政治を一方的に賛美・礼賛し、個々の国民に弔意を強制することにつながりかねないという重大な問題がある。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第2号 「現行の保険証」の原則廃止を撤回するよう求める意見書

(提出者) 松崎さち
(賛成者) 神子そよ子、坂井洋介、金沢和子


 政府は、6月7日に閣議決定した「デジタル社会の実現に向けた重点計画」及び「経済財政運営と改革の基本方針2022」において、マイナンバーカードの健康保険証としての利用を進めるため、令和5年度(2023年度)から保険医療機関・薬局にオンライン資格確認の導入を原則として義務づけ、「保険証の原則廃止を目指す」としている。
 政府は、オンライン資格確認の導入(マイナンバーカードの保険証利用)のメリットとして、「医療機関・薬局の窓口で、患者の直近の資格情報等(加入している医療保険や自己負担限度額等)が確認できるようになり、期限切れの保険証による受診で発生する過誤請求や、手入力による手間等による事務コストが削減できる」としている。
 しかし、全国保険医団体連合会の調べでは、資格喪失の確認漏れによる診療報酬の返戻(再審査請求)件数は、全レセプト件数の僅か0.27%にすぎない。医療機関からは、「コロナ禍の中で新たなシステムを導入することは負担感が大きい」と不満が噴き出ている。
 また、既にマイナンバーカードを活用したオンライン資格確認を導入した医療機関からも、「病院で手入力してきたデータと、マイナンバーカードの情報が一致しないと、はじかれる」「お年寄りは新しいシステムを使いこなせず、職員1人を専属で配置して対応せざるを得ず、窓口はかえって混乱している」「マイナンバーカードを病院まで持ち歩くことによって、紛失トラブルが発生している」など、苦情が出されている。
 こうした実態があるにもかかわらず、「現行の保険証」を原則廃止するとなれば、マイナンバーカードの取得を事実上、市民に強制することになる。健康情報という極めて重要な個人情報の漏えいや、プライバシー侵害を引き起こす危険があるのみならず、新型コロナ禍の下で業務が膨大となっている医療機関に、新たな金銭的、業務的負担を強いるものである。多大な問題があることを直視し、中止・見直しを図るべきである。
 よって、政府においては、「現行の保険証」の原則廃止を撤回するよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣、デジタル大臣

理由
 マイナンバーカードの健康保険証としての利用を進めるために「現行の保険証」を原則廃止することは、市民の重要な個人情報の漏えいやプライバシー侵害を引き起こすおそれがある上、医療機関の金銭的、業務的負担を強いるなど、重大な問題がある。これが、この意見書案を提出する理由である。