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発議案(議員提出議案)令和4年第2回定例会

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発議案第1号   消費税減税を求める意見書

(提出者) 岩井友子
(賛成者) 神子そよ子、坂井洋介、松崎さち、金沢和子


 総務省が5月6日に発表した4月の東京都区部の消費者物価指数は、変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が101.3となり、前年同月比1.9%上昇した。プラスは8か月連続で、これまで携帯電話の通信料値下げの効果で物価を押し下げていた影響が薄れ、伸び率は消費税増税の影響があった平成27年(2015年)3月(2.2%)以来、7年1か月ぶりの高水準と言われる。
 物価高騰の原因は、新型コロナやロシアのウクライナ侵略による影響とともに、円安による輸入価格の上昇であり、今後も物価高が続くことが想定される。
 特に、食品やエネルギーなど生活必需品の値上げが大きく、帝国データバンクの調査によると、令和4年(2022年)以降の価格改定計画は、上場主要食品メーカー105社で累計6,167品目の値上げ、平均値上げ幅は11%となることが明らかになった。原油の値上げは、ガソリンや灯油、電気、運輸など社会生活のあらゆる場面での値上げにつながっている。
 コロナ禍で疲弊した国民生活を急激な物価高が直撃しており、消費の冷え込みは我が国の経済をさらに悪化させる。物価高から国民生活を守る対策が急務である。
 政府の緊急経済対策は、4月に期限切れとなる石油元売り業者を対象とした補助金の9月末までの延長・拡充が中心で、低所得の子育て世帯を対象とした新たな給付も行われるが、危機の深刻化に対応できる規模と内容になっていない。
 これだけ多くの分野で物価が上がっている以上、消費に対する深刻な影響を緩和するには、全ての値段を一挙に下げる消費税の減税を行うことが最適である。既にコロナ禍の下、世界84の国・地域が消費税(付加価値税)の減税を行っている。
 よって、国会及び政府においては、物価高対策として消費税の減税を行うよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣

理由
 物価高騰から市民生活と地域経済を守るため、消費税の減税が必要である。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第2号 消費税インボイス制度の実施中止を求める意見書

(提出者) 神子そよ子
(賛成者) 坂井洋介、松崎さち、金沢和子、岩井友子


 新型コロナ危機の収束や景気回復が見通せない中で、令和5年(2023年)10月からのインボイス制度(適格請求書等保存方式)実施に向け、昨年(令和3年(2021年))10月1日からインボイス発行事業者の登録申請が始まった。免税事業者を取引から排除しかねないインボイス制度は、事業者間の取引慣行を壊し、免税点制度を実質的に廃止するものである。
 地域経済が疲弊する下で、中小企業・自営業者の経営危機が深まっており、インボイス制度に対応できる状況ではない。この間、日本商工会議所、全国中小企業団体中央会、全建総連、中小企業家同友会、日本税理士会連合会、全国青年税理士連盟、全国青色申告会総連合、税経新人会全国協議会、全国商工団体連合会などの中小企業団体や税理士団体も「凍結」「延期」「見直し」を表明し、現状での実施に踏み切ることに懸念の声を上げている。
 新型コロナ危機を克服し、新しく構築すべき経済・社会においても、地域に根差して活動する中小企業の存在が不可欠である。
 よって、国会及び政府においては、税制で商売を潰すことのないように、消費税のインボイス制度の実施を中止するよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣

理由
 発生から2年以上を経過した今もなお、新型コロナウイルス感染症の影響は続いている。多くの事業主が、経済活動の人為的な抑制を余儀なくされ、急激かつ大幅な景気後退を経験し、いまだ回復の兆しが見えない。このような状況の中でのインボイス制度の実施は、小規模事業者や特に個人事業主・フリーランスへの影響が著しく、地域経済の衰退に拍車をかけるおそれがある。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第3号 「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有の検討を撤回することを求める意見書

(提出者) 松崎さち
(賛成者) 神子そよ子、坂井洋介、金沢和子、岩井友子


 岸田文雄首相は、昨年(令和3年(2021年))12月6日の所信表明で、歴代首相の所信表明演説の中で初めて「敵基地攻撃能力」の保有を検討すると表明した。
 政府は、令和2年(2020年)9月28日、国会で「敵基地攻撃能力」について、「相手国の領域まで踏み込んでいって、まずレーダーなどを破壊し、制空権を確保した上で、敵のミサイル基地をしらみ潰しに破壊していく一連のオペレーション」だと説明している。つまり、全面攻撃を相手側に仕掛けるということである。
 政府は、かつて「平生から他国を攻撃するような、攻撃的な脅威を与えるような兵器を持っているということは、憲法の趣旨とするところではない」(昭和34年(1959年)3月19日、衆議院内閣委員会、伊能繁次郎防衛庁長官)と答弁していた。「敵基地攻撃能力」の保有は、他国に「攻撃的な脅威を与える」ものにほかならず、明白な憲法違反である。
 さらに、4月27日、自民党安全保障調査会は岸田文雄首相に対し、政府の「国家安全保障戦略」など3文書改定に向けた提言書を提出した。そこでは、他国によるミサイル攻撃に対して、ミサイル基地のみならず「指揮統制機能等」(=国家の中枢・国の指導部)まで、「反撃」(=攻撃)可能とするよう求められている。もはや敵基地攻撃どころか、相手国を丸ごと攻撃対象とするものであり、国際法上、許容される武力行使(相手の武力行使に対して均衡ある反撃)の範囲を逸脱した全面戦争につながる提言である。
 こうした議論が安保法制下で行われていることは、非常に危険である。日本に対する武力攻撃がなくても、アメリカが他国との戦争を始めたときに、日本の自衛隊がアメリカとともに相手国の敵基地だけにとどまらず、「指揮統制機能等」まで攻撃することにつながる。
 「敵基地攻撃能力」=「反撃能力」の保有によって、日本は際限のない軍備増強に突き進み、周辺国からの疑念や不信を広げ、それらの国に軍拡の口実を与え、アジア周辺地域での不必要な軍事的緊張をつくり出す危険性がある。
 軍拡競争で破滅の道を進むのではなく、世界に誇るべき憲法9条を持つ国として、対話による平和外交に徹することこそ、日本の進むべき道である。
 よって、政府においては、「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有の検討を撤回するよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、防衛大臣

理由
 政府が検討している「敵基地攻撃能力(反撃能力)」の保有は、戦争放棄を定めた日本国憲法からの重大な逸脱であり、容認できない。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第4号 教育予算の充実に関する意見書

(提出者) 文教委員長 長野春信


 教育における諸課題の解決に向け、子供たちの教育環境を整備し、さまざまな教育施策を展開するためには、十分な教育予算の確保が必要だが、今日の地方自治体の厳しい財政状況を見たとき、国からの財政的な支援等は不可欠である。
 よって、政府においては、教育が未来への先行投資であり、日本の未来を担う子供たちに十分な教育を保障することが国民共通の使命であることを再認識し、充実した教育を実現するため、以下の項目を中心に、令和5年度に向けて教育予算の充実を図るよう、強く要望する。

1. 災害からの教育復興にかかわる予算を拡充すること。
2. 少人数学級や小学校高学年専科を実現するため、公立義務教育諸学校の教職員定数を改善する計画を早期に策定・実現すること。
3. 保護者の教育費負担を軽減するため、義務教育教科書無償制度を堅持すること。
4. 現在の経済状況を鑑み、就学援助・奨学金事業にかかわる予算をさらに増額すること。
5. 子供たちが地域で活動できる総合型地域クラブ育成のための環境・条件を整備すること。
6. 安全・安心で個別最適な学びを実現する施設環境の整備に向け、バリアフリー化や洋式・多目的トイレ、空調設備の設置等、公立学校施設の整備費を増額すること。
7. 子供の安全と充実した学習環境を保障するため、財政措置を講じること。
8. 感染症に伴う臨時休校等の様々な措置により、児童生徒が健康面・学習面で不安やストレスを感じることがないよう、財政措置を講じること。
9. GIGAスクール構想に伴うICT環境の整備促進のため、財政措置を講じること。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、文部科学大臣

理由
 充実した教育を実現するため、令和5年度に向けて教育予算の充実を図る必要がある。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第5号 義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書

(提出者) 文教委員長 長野春信


 義務教育費国庫負担制度は、憲法上の要請として、教育機会の均等とその水準の維持向上を目指し、子供たちの経済的、地理的条件等にかかわらず、無償で義務教育を受ける機会を保障し、かつ一定水準の教育を確保するために設けられた制度である。
 地方財政においてもその厳しさが増している今日、同制度の見直しは、義務教育の円滑な推進に大きな影響を及ぼすことが憂慮される。また、同制度が廃止された場合、義務教育の水準に格差が生まれることは必至である。
 よって、政府においては、義務教育水準の維持向上と地方財政の安定を図るため、義務教育費国庫負担制度を堅持するよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣

理由
 義務教育水準の維持向上と地方財政の安定を図るため、義務教育費国庫負担制度を堅持する必要がある。これが、この意見書案を提出する理由である。