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発議案(議員提出議案)令和3年第4回定例会

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発議案第1号    男女の賃金格差の是正を求める意見書

(提出者) 岩井友子
(賛成者) 神子そよ子、坂井洋介、松崎さち、金沢和子


 ジェンダー平等にとって、賃金の平等は中心課題である。
 日本の女性の賃金は、正社員では男性の7割(厚生労働省「賃金構造基本統計調査」)であり、非正規を含む平均給与は、男性532万円、女性293万円(国税庁「民間給与実態統計調査」)である。40年勤続では男女の生涯賃金格差は1億円近くになる。その結果、年金でも大きな男女格差になり、定年まで働いても年金で生活できない女性が少なくない。
 EUでは、女性の賃金は男性の8~9割であるが、この格差を重大な問題として、今年(令和3年(2021年))3月、男女の賃金格差公表を企業に義務づけ、透明化をてこに是正させるEU指令案を発表した。是正しない企業への罰金、ペナルティーも含まれている。しかし、日本では企業に男女賃金格差の実態を公表させていない。
 また、労働法制の規制緩和によって、女性の非正規雇用化が進み、働く女性の56%がパート、派遣、契約などの非正規雇用となっている。
 保育や介護など女性が多く働くケア労働は、高度な専門性を必要としながら、平均給与は全産業平均より月約10万円も低い実態が長く放置されてきたことが、コロナ禍において現場の人手不足を深刻にしている。
 コロナ危機では、低賃金の非正規雇用で働く多くの女性が仕事を失い、ステイホームが強いられる下でDV被害が急増し、女性の自殺の増加率は男性の5倍にも達した。政府は、本気で男女の賃金格差の是正に取り組むべきである。
 よって、政府においては、下記の事項について取り組むよう、強く要望する。

1. 企業に男女別平均賃金の公表、格差是正計画の策定・公表を義務づけ、是正計画が実行されるように指導・監督を行うこと。
2. 政府として、時給、職種、企業規模、地域ごとに、男女賃金格差の実態を把握・分析し、是正の行動計画を策定すること。 
3. 国が基準を定めている保育や介護の賃上げと労働条件の改善、雇用の正規化に取り組むこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、厚生労働大臣


理由
 男女の賃金格差を是正し、誰もが安心して暮らせるようにするため。これが、この意見書案を提出する理由である。 

発議案第2号 痴漢被害への対策を求める意見書

(提出者)松崎さち
(賛成者)神子そよ子、坂井洋介、金沢和子、岩井友子


 痴漢は最も身近な性暴力の1つであり、性犯罪である。これまで痴漢は「ささいな問題」、あるいは「女性が注意すれば済むこと」とされ、多くの被害者が泣き寝入りをさせられてきた。
 平成31年(2019年)1月21日に「#WeToo Japan」が発表した、10代~40代を対象にした調査結果によると、電車や道路などの公共空間で女性の7割が「体を触られる」「体を押し付けられる」などの被害に遭っていた。また、同調査によると、電車内における過去1年間の痴漢被害経験率は10代が最多である。痴漢は「子ども・未成年への性暴力」でもある。
 被害の後、「電車に乗ろうとすると過呼吸になり仕事を辞めた」「頻繁なフラッシュバックに苦しみ続けている」など、被害者はその後の人生に深刻な打撃を被っており、多くの場合は被害を訴えることもできないでいる。政治がこれを正面から問うてこなかったことが、痴漢を「軽い問題」扱いし、女性の尊厳を軽んじる社会的風潮を広げてきた。
 よって、政府においては、下記の対策を実施するよう、強く要望する。

1. 痴漢被害の実態を調査すること。
2. 性暴力ワンストップ支援センターの増設を行うなど相談窓口を充実し、広く知らせること。
3. 痴漢加害根絶のための啓発や加害者更生を推進すること。そのために内閣府に担当部局を設け、警察庁や民間事業者と共に連携しながら政府をあげて取り組むこと。
4. 公教育に人権・ジェンダー視点に立った包括的性教育を位置づけ、性犯罪についても充実した教育を行うこと。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
 内閣総理大臣、文部科学大臣

理由
 最も身近な性暴力の1つであり、性犯罪である痴漢被害の実態を重く受け止め、対策を取る必要がある。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第3号 「過剰米の政府買入れで米価の回復」と「コロナ禍で苦しむ国民に食料支援」を求める意見書

(提出者)神子そよ子
(賛成者)坂井洋介、松崎さち、金沢和子、岩井友子


 コロナ禍の長期化で、農畜水産物の需要が減少し、価格が低迷している。
 とりわけ、米の消費は令和2年(2020年)3月の一斉休校・給食中止、飲食店の営業自粛などで約20万トン減少した。生産者米価は3年連続で暴落し、このままでは、「米作りをやめる農家が続出する」「倉庫が満杯で新米を入れるスペースがない」と農家や米穀業者から悲鳴が上がっている。
 「コロナ禍による過剰在庫は政府の責任で買い取るべき」という要求に対し、政府は一切応じず、それどころか令和3年(2021年)産米に対し、史上最大、6.5万ヘクタール(33万トン分)の追加減反を農家に押し付けた。
 令和3年(2021年)産米の生産者米価は、1俵(60キログラム)当たり、6,000~9,000円まで大暴落し、全国の主要銘柄でも、前年比2~5割も低くなっている。米の生産コストは、令和元年(2019年)産米では、1俵15,155円であり、機械代・肥料代・農薬代などだけでも9,180円かかる。9,000円の米価では、農家はただ働きどころか、「持ち出し」になってしまう。このままでは、農家は米作りが続けられず、地域農業の衰退や食料自給率の低下を招きかねない。消費者にとっても安定した主食確保を脅かすことになる。
 国の安全保障である食料自給率が過去最低の37.17%に落ち込んだ。農林水産省はその要因を、1人当たりの米の消費量が2.5キログラムも減ったためと説明している。倉庫に新米を入れるスペースがないほど米が残っている一方、長期化するコロナ禍で、中小企業の経営危機や労働者の解雇などで、90万人以上の失業が広がり、1日1食に切り詰めるなど、「米を食べたくても食べられない」人々が生まれている。
 「政府の責任で過剰在庫を買い入れよ」との声は、JAグループ会長や全国知事会も上げている。農林水産省は、令和4年(2022年)6月末の民間在庫量を210万トン(令和3年(2021年)7月29日付)と試算している。これは、適正在庫量180万トンを大きく上回り、少なくとも30万トン以上の買入れが求められる。
 よって、政府においては、必要のないミニマムアクセス米の外国産米輸入をやめ、農家にこれ以上の減反を強いることなく、国内の食料自給率の向上に努め、日本の農業を守るよう、強く要望する。
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、農林水産大臣

理由
 船橋市内の農家からも同様の声が上がっている。これ以上の米価暴落を食い止め、農家を守ることが必須である。国家戦略として、きちんと生産者を守らなければ、10年先、20年先に米を作る人がいなくなってしまう。後継者対策を掲げている船橋市がまず国に対し、声を上げることが必要である。これが、この意見書案を提出する理由である。

発議案第4号 船橋市議会会議規則の一部を改正する規則

(提出者)議会運営委員長 つまがり俊明


船橋市議会会議規則(昭和42年船橋市議会告示第1号)の一部を次のように改正する。

改正後

改正前

(欠席の届出)


第2条 議員は、公務、疾病、出産、育児、看護、介護、出産補助その他のやむを得ない事由のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。

(欠席の届出)

第91条 委員は、公務、疾病、出産、育児、看護、介護、出産補助その他のやむを得ない事由のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに委員長に届け出なければならない。

(欠席の届出)


第2条 議員は、公務、疾病、出産その他の事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに議長に届け出なければならない。

 (欠席の届出)

第91条 委員は、公務、疾病、出産その他の事故のため出席できないときは、その理由を付け、当日の開議時刻までに委員長に届け出なければならない。

附則
この規則は、公布の日から施行する。 

理由
 昨今の社会情勢の変化に鑑み、性別や年齢を問わず多くの人にとって必要となる欠席事由を具体的に例示し、分かりやすくするため、所要の改正を行う必要がある。これが、この規則案を提出する理由である。