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発議案(議員提出議案)令和元年第3回定例会

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発議案第1号 被災者支援の抜本的強化と、災害に強いまちづくりを求める意見書

(提出者)松崎さち
(賛成者)神子そよ子、坂井洋介、金沢和子、岩井友子


 9月9日の台風15号、10月12日・13日の台風19号、10月25日の低気圧による豪雨は、関東・東北を中心に甚大な被害をもたらした。
消防庁の発表によると、千葉県では死者12人を出し、延べ負傷者110人(うち重傷者9人)、住家全壊292棟、半壊2,646棟、一部破損49,430棟、床上浸水1,415棟、床下浸水1,271棟もの被害を出した(11月6日時点)。長引く停電や断水、情報不足なども住民と自治体を苦しめた。
 近年、大阪北部地震、北海道胆振東部地震、東日本大震災や熊本地震と連続する大地震に、九州北部豪雨、西日本豪雨など風水害の激甚化もあり、毎年のように日本列島で自然災害が深刻な被害をもたらしている。
 こうした中で、住宅が全壊した世帯であっても最大300万円しか支給されず、半壊・一部損壊世帯には支援のない被災者生活再建支援制度の改善、プライバシーもベッドもエアコンもなく、トイレも足りず、場所によっては水も食料も乏しい避難所の改善などは急務である。
 また、安倍政権は、競争力・産業インフラ機能強化や国際競争力強化などを名目に、大都市環状道路、巨大ダム事業、整備新幹線延伸、国際コンテナ戦略港湾などの大規模開発事業に巨額の財政を投入する一方で、インフラや公共施設の防災・老朽化対策の予算を抑制し、その事業を大きく立ちおくらせている。今まさに、災害から国民の命と暮らしを守る政治の責任が問われている。
 よって、政府においては、大災害にあっても生活と生業の再建に希望が持てる社会にするために、下記の施策を実行するよう、強く要望する。

1. 被災者支援の抜本的な強化を行うこと。
(1)被災者生活再建支援法による支援限度額を少なくとも500万円に引き上げ、支援の対象を半壊・一部損壊世帯にも広げること。
(2)農林漁業・中小企業への直接支援など、生業再建の支援を本格的に強めること。
(3)被災者の自立にとって大きな障害となっている既存ローンの負担を、抜本的に軽減すること。
(4)避難所生活の改善を人権問題としてとらえ、避難所の国際基準であるスフィア基準を満たす避難所になるよう、国の責任で取り組むこと。
2. 災害に強いまちづくりを進めること。
(1)公共事業といえば、新規建設という従来型の発想を根本から見直し、防災を無視した開発をやめ、必要な防災施設の整備と安全点検を徹底するなど、防災まちづくりを進めること。
(2)観測体制の整備を進め、消防や住民などを中心とした地域・自治体の防災力を強化すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、内閣府特命担当大臣(防災)、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣

理由
 毎年のように、激甚化する自然災害が深刻な被害をもたらすなか、被災者支援及び防災・減災対策の抜本的な強化が求められる。これが、この意見書案を提出する理由である。 


 発議案第2号 地球温暖化対策の強化を求める意見書

(提出者)岩井友子
(賛成者)神子そよ子、松崎さち、坂井洋介、金沢和子


 地球温暖化による気候変動が危機的事態だと言われている。
 記録的な猛暑、暴風雨、竜巻、干ばつなどが世界や日本を襲い、重大で深刻な被害をもたらし、多くの人命を脅かしている。台風15号・19号と10月の豪雨等では、千葉県内でも多くの深刻な被害が出ている。
 9月には国連の気候行動サミットが開催されたが、サミットに合わせて地球温暖化対策の実行を求める若者たちの「グローバル気候マーチ」に全世界185カ国700万人が参加するなど、地球温暖化対策は国際世論となっている。
 サミット冒頭でスウェーデンの環境活動家、グレタ・トゥンベリさんの訴えも反響を呼んだ。こうした世論を反映し、サミットでは77カ国が令和32年(2050年)までに温室効果ガスの排出を「実質ゼロ」にすることを表明し、令和2年(2020年)から始動するパリ協定達成のために目標の上積みや対策の強化の表明が相次いだ。
 日本は、令和32年(2050年)までに温室効果ガスを80%削減する目標を変えず、令和12年(2030年)目標の平成25年(2013年)比23%削減は、国際基準の平成2年(1990年)比では18%削減にすぎず、主要国では最低レベルとなっている。また、国際的な脱石炭の中、令和32年(2050年)まで運転の続く石炭火力発電の新増設を進めていることも、地球温暖化防止には逆行している。
 気候変動・地球温暖化対策は待ったなしの課題である。
 よって、政府においては、温室効果ガスの排出削減の目標を、令和32年(2050年)までに排出の「実質ゼロ」へと見直し、地球温暖化の防止に真剣に取り組むよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
内閣総理大臣、財務大臣、経済産業大臣、環境大臣

理由
 台風被害など地球温暖化による気候変動の被害が続き、地球温暖化対策は待ったなしの課題であり、政府の地球温暖化対策への真剣な取り組みが必要である。これが、この意見書案を提出する理由である。


発議案第3号 陸上自衛隊が運用する垂直離着陸輸送機「オスプレイ」が陸上自衛隊習志野駐屯地・演習場へ飛来することについて、地域住民への十分な説明を求める意見書

(提出者)はまの太郎
(賛成者)神子そよ子、松崎さち、坂井洋介、金沢和子、岩井友子


 防衛省は、陸上自衛隊が運用する垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の暫定配備先として、陸上自衛隊木更津駐屯地を希望する旨を、千葉県及び木更津市に対して、令和元年5月に正式に表明・伝達した。
 このことに関して、船橋市が防衛省に照会したところ、「陸上自衛隊が運用する「オスプレイ」は災害派遣における活用も念頭に置いているため、千葉県で災害派遣を担当する部隊である陸上自衛隊第1空挺団を、陸上自衛隊が運用する「オスプレイ」で輸送することは当然想定される」旨の回答がなされていたことが、令和元年第2回船橋市議会定例会において明らかとなった。
 陸上自衛隊第1空挺団が使用する陸上自衛隊習志野駐屯地・演習場は、本市及び隣接市にまたがって所在しており、その周辺には住宅はもとより、教育・福祉施設も少なくない。こうした環境のもと、陸上自衛隊第1空挺団を輸送するために、機体の安全性や騒音等による生活環境への影響が指摘されている「オスプレイ」が、本市及び陸上自衛隊習志野駐屯地・演習場の周辺住民に対して事前に十分な説明なく、本市上空及び陸上自衛隊習志野駐屯地・演習場に飛来し運用されることになれば、本市市民を含め、防衛施設の立地する地元自治体住民の安全・安心が十分に確保されるとは言えず、防衛担当機関と地元自治体住民との間での信頼感も損なわれかねない。
 よって、政府においては、今後、習志野駐屯地・演習場周辺住民に対し、垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の飛来や運用のあり方、機体の安全性、生活環境への影響等について十分に説明するよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
防衛大臣

理由
 市民の安全・安心を確保するため、政府に対し垂直離着陸輸送機「オスプレイ」の飛来等に関して説明を求める必要がある。これが、この意見書案を提出する理由である。