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発議案(議員提出議案)平成31年第1回定例会

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発議案第1号 職場におけるハラスメントをなくすための実効ある法整備などを求める意見書

(提出者)松崎佐智
(賛成者)坂井洋介、中沢学、渡辺ゆう子、岩井友子、金沢和子、佐藤重雄、関根和子 


 労働政策審議会は、平成30 年(2018 年)12 月14 日、女性の職業生活における活躍の推進及び職場のハラスメント防止対策等の在り方について建議を行ったが、その内容はセクハラ(セクシュアルハラスメント)、パワハラ(パワーハラスメント)、マタハラ(マタニティハラスメント)などのハラスメント行為の禁止規定を見送るなど、極めて不十分なものである。
ハラスメントは、人間の尊厳・人格を傷つけ、多くの被害者が事後の適切な対応はおろか、謝罪さえ受けることなく、心身に不調を来したり、休職・退職に追い込まれたりしている。職場でのハラスメントが1 人の人生を狂わせ、働き手を社会から失わせるという深刻な結果をもたらしている。
最大の問題は、ハラスメント行為を規定し、法的に禁止する規制がないことである。そのために、セクハラやパワハラがあったのかという認定や、被害者の救済に大きな困難が生じている。
ILO(国際労働機関)は、労働の世界における暴力とハラスメントの除去に関する条約(案)を策定し、今年の総会で採択する予定である。加盟国には、この国際基準に沿った取り組みが求められるが、日本は、世界189 カ国(地域)中、職場におけるセクハラを禁止する法規定を持たない69 カ国の1 つ(世界銀行調査)であり、国際的にもハラスメント規制の後進国となっている。
こうした状況からも、被害者の救済とハラスメントの防止に、国として本腰を入れた取り組みを進めるべきである。
よって、国会及び政府においては、職場におけるハラスメントをなくすために、下記の内容を実行するよう、強く要望する。

1. ハラスメントの禁止規定を明確にした法整備を行うこと。その際、「ジェンダーの視点」を重視すること。
2. ハラスメント規制法による保護対象を、狭い従業員の範囲にとどめるのではなく、顧客、取引先、患者など第三者からの行為も含め、国際水準並みに広く定義すること。
3. 被害の認定と被害者救済のために、労働行政の体制を確立・強化すること。
4. 独立した救済機関(行政委員会)を設置すること。

 以上、地方自治法第99 条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣

発議案第2号 高すぎる国民健康保険料(税)の引き下げへ抜本改善を求める意見書

(提出者)渡辺ゆう子
(賛成者)松崎佐智、坂井洋介、中沢学、岩井友子、金沢和子、佐藤重雄、関根和子


 国民の4 人に1 人が加入する国民健康保険は国民皆保険制度の重要な柱であるが、全国で高すぎる国民健康保険料(税)に住民が苦しめられている。
平成29 年度(2017 年度)で、加入世帯の15%を超える289 万世帯が国民健康保険料(税)を滞納している状況であり、滞納のペナルティーによる正規の保険証の取り上げにより、医療機関への受診がおくれ、病気の重症化や死亡するなどの悲惨な事態も起きている。
国民健康保険加入者の多くは、無職者、年金生活者、非正規雇用の労働者等、所得の低い人たちである。しかし、1 人当たりの国民健康保険料(税)は、中小企業の労働者が加入する協会けんぽの1.3 倍、大企業の労働者が加入する組合健保の1.7 倍となっている。この根本の原因は、国民健康保険では加入者1 人当たりにかかる均等割保険料があるためで、子育て世帯などでは、国民健康保険と協会けんぽの保険料の格差は2 倍にも広がっている。
全国知事会、全国市長会、全国町村会などの地方団体も、この問題を解決するために、「1 兆円の公費投入増」(全国知事会)など、国の財政投入により国民健康保険料(税)を協会けんぽの保険料並みに引き下げることを求めている。
高すぎる国民健康保険料(税)を引き下げ、格差を解消することは、住民の暮らしと健康を守るためにも、国民健康保険の持続可能性と医療保険制度全体の安定のためにも、重要な課題であり、必要な財源を確保すべきである。
よって、国会及び政府においては、下記の項目を実施するよう、強く要望する。

1. 全国知事会など地方団体も要求してきた公費投入増を行い、国民健康保険料(税)を協会けんぽの保険料並みに引き下げること。
2. 国民健康保険料(税)を高くする原因となり、子育て世帯などに過酷な負担となっている「均等割」「平等割(世帯割)」を廃止すること。
3. 生活に困窮する人の国民健康保険料(税)を免除する国の制度をつくること。
4. 国民健康保険料(税)を滞納した人への保険証の取り上げ、問答無用の差し押さえをやめ、滞納者の生活実態をよく聞いて親身に相談・収納活動を行う制度に転換すること。

 以上、地方自治法第99 条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第3号 毎月勤労統計調査の不正についての真相解明を求める意見書

(提出者)岩井友子
(賛成者)松崎佐智、坂井洋介、中沢学、渡辺ゆう子、金沢和子、佐藤重雄、関根和子


 厚生労働省は、毎月勤労統計で不正調査が行われ、雇用保険や労災保険などの給付が過少に支給されてきたことを発表し、追加支給のため、政府は来年度予算案の修正を行う事態となっている。
毎月勤労統計調査は、雇用、給与、労働時間の変動を明らかにするもので、統計法で基幹統計に指定され、政府の経済政策の土台ともなる重要な統計である。また、失業給付や労災の休業補償の算定基準などにも使われている。
厚生労働省の発表によると、全数調査を行うことになっている500 人以上の事業所について、東京都では平成16 年(2004 年)から3 分の1 しか調査せず、それを全体の数字として扱うためのデータの補正も行っていなかった。大規模事業所ほど賃金が高い傾向があり、全国の大規模事業所の3 割が集中する東京都の実態が反映されず、平均賃金が実際より低く出ていた。平成16 年(2004 年)から平成29 年(2017 年)の賃金統計が実態より、0.6%低くなっていたと推計している。
このデータをもとに算出される失業給付などの雇用保険や、労災保険などが減らされ、2000 万人分の537 億円が過少支給となっている。さらに、事業主への雇用調整助成金も、30 億円の過少支給となっている。
その上、厚生労働省は、昨年(平成30 年(2018 年))1 月の調査から、不適切な調査の実態を隠したまま、大規模事業所のデータを実態に近づける補正処理を実施したため、前年同月と比べて平均賃金が急上昇し、実態とかけ離れた数値が発表されてきた。
毎月勤労統計調査の不正問題は、不正な統計手法に加え、不正な補正が加えられ、多くの国民に直接的な不利益を与え、働き方改革を初め、多くの労働・経済政策にも誤った判断を持ち込ませたものであり、断じて許されない。
さらにこの統計を、OECD やILO などの国際機関へ定期的に報告しており、国際的な統計に影響し、我が国の統計に対する信用を失墜させることになった。
また、アベノミクスの成果を強調できるよう、データを操作した疑いも浮上している。
よって、国会及び政府においては、毎月勤労統計調査の不正の真相解明と責任の追及をするよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99 条の規定により、意見書を提出する。

船橋市議会
(提出先)
衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第4号 児童相談所の設置に関し、市長に謝罪と説明を求める決議

(提出者)健康福祉委員長 佐々木克敏


 2月18日開会の健康福祉委員会における市長の答弁で、児童相談所を市立で設置するという意思決定が1 年以上前に行われ、議会への報告もなく今回候補地の選定まで進んでいたということが明らかになった。その件については、市長からも謝罪があった。
質疑の中では、幹部職員と市長の答弁に齟齬が生じていたことが明らかになり、役所内部の意思決定のあり方についても問題があると言わざるを得ない。
議会に重要な事項について報告のないまま事務が進められたなかで、議会における質疑等も行われていたことに厳重抗議する。
以上について、猛省し、改めて議会に対し謝罪と説明することを求める。
船橋市においては児童相談所に関する検討を行うにあたり、団体意思決定機関である議会に対し報告し、市民に対する説明責任を果たすことを求める。

 以上、決議する。

船橋市議会