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発議案(議員提出議案)平成26年第1回定例会

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発議案第1号  微小粒子物質(PM2.5)に係る総合的な対策の推進に関する意見書

(提出者) 仲村秀明
(賛成者) 藤川浩子 斎藤忠


 我が国では、大気汚染防止法や自動車NOx・PM法による規制等により大気環境の保全に努めており、二酸化硫黄(SO2)、二酸化窒素(NO2)などの濃度は、大きく改善してきている。
 一方で、微小粒子状物質(PM2.5)は、疫学的知見が少なく、曝露濃度と健康影響との間に一貫した関係が見出されていないことから、大きな課題となっている。
 特に、平成25年1月以降、中国において深刻なPM2.5による大気汚染が発生し、我が国でもその越境汚染による一時的な濃度の上昇が観測されたことから、国民の関心が高まっており、包括的な対応が求められている。
 よって、政府においては、PM2.5による大気汚染に関して、下記事項を実施するよう、強く要望する。

1. PM2.5の発生源の実態や構成成分を解明した上で、法律に基づく国民にわかりやすい注意発令の仕組みを整備するとともに、環境基準を維持できるよう国内外の発生抑制対策を推進すること。
2. 国と地方自治体との連携を強化し、情報共有を図りながら、モニタリング体制の整備を推進すること。
3. PM2.5による肺機能や呼吸器系症状等への健康影響に関する調査研究を進めるとともに、研究結果に基づく指針等の見直しについては、速やかに実施できる体制を整備すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、厚生労働大臣、環境大臣

発議案第2号  ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成拡充に関する意見書

(提出者) 健康福祉委員長 岩井友子


 我が国においてウイルス性肝炎、特にB型・C型肝炎の患者が合計350万人以上とされるほど蔓延しているのは、国の責めに帰すべき事由によるものであるということは、肝炎対策基本法や「特定フィブリノゲン製剤及び特定血液凝固第9因子製剤によるC型肝炎感染被害者を救済するための給付金の支給に関する特別措置法」、「特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法」でも確認されているところであり、国の法的責任は明確になっている。

 ウイルス性肝炎患者に対する医療費助成は、現在、肝炎治療特別促進事業として実施されているが、対象となる医療が、B型・C型肝炎ウイルスの減少を目的とした抗ウイルス療法であるインターフェロン治療とB型肝炎の核酸アナログ製剤治療に限定されているため、医療費助成の対象から外れている患者が相当数に上る。特に、肝硬変・肝がん患者は高額の医療費を負担せざるを得ないだけでなく、就労不能の方も多く、生活に困難を来している。

 また、現在は肝硬変を中心とする肝疾患も身体障害者福祉法上の障害認定(障害者手帳)の対象とされているものの、医学上の認定基準が極めて厳しいため、亡くなる直前でなければ認定されないといった実態が報告されるなど、現在の制度は、肝炎患者に対する生活支援の実効性を発揮していないとの指摘がなされているところである。

 他方、特定B型肝炎ウイルス感染者給付金等の支給に関する特別措置法の制定時(平成23年12月)には、「とりわけ肝硬変及び肝がんの患者に対する医療費助成を含む支援の在り方について検討を進めること」との附帯決議がなされた。しかし、国においては、肝硬変・肝がん患者に対する医療費助成を含む生活支援について、何ら新たな具体的措置を講じていない。

 肝硬変・肝がん患者は、毎日120人以上の方が亡くなっており、医療費助成を含む生活支援の実現は、一刻の猶予もない課題である。

 よって、国会及び政府においては、下記事項を実現するよう、強く要望する。

1. ウイルス性肝硬変・肝がんに係る医療費助成制度を創設すること。

2. 身体障害者福祉法上の肝機能障害による身体障害者手帳の認定基準を緩和し、患者の実態に応じた認定制度にすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日

船橋市議会   

(提出先)

衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第3号  災害時多目的船の導入に関する意見書

(提出者) 仲村秀明
(賛成者) 藤川浩子 斎藤忠


 平成23年(2011年)3月11日に発災し、甚大な被害をもたらした東日本大震災は、地震・津波・火災・原発事故という複合災害であるとともに、その被害は東北地方太平洋沿岸部を初め広範囲に及んだ。特に沿岸地域では、津波によって壊滅的ともいえる被害を受け、被災地域内では、ほとんどの医療機関が機能不全に陥るとともに、交通網の寸断により、内陸部の医療機関による支援も十分なレベルに達するには相当の時間を要した。
 災害による傷病者、発災前から加療中の患者や要介護・要援護者等も含め、医療・介護を必要とする者が大規模災害の発災時に大量に発生することを十分に踏まえ、不測の事態に陥らないよう、洋上からの医療支援を可能にしておくことは、国民の生命を守るという国の第一の責務を果たす上で重要な施策である。
 アメリカ、中国、ロシア、スペインなどにおいては、既に同様の備えが確立されており、今後、災害多発の可能性を否定できない我が国においては、災害時多目的船の整備の必要性が極めて高いことは論を待たない。
 よって、政府においては、下記事項を実施するよう、強く要望する。

1. 海上自衛隊や海上保安庁の医療機能を持つ艦船や民間船舶の活用を含めた災害時多目的船の早期導入に向け、具体的な工程表を作成すること。
2. 平成26年度の実証事業を具体的な課題解決に資するものとするため、平成25年度実証事業を踏まえた検討課題を早急に取りまとめること。
3. 平成26年度の実証事業については、民間船舶を活用するとともに、陸上医療機関との連携、被災港湾の開削、必要人員の確保や機材の配備等、実際の災害を想定して実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、厚生労働大臣、国土交通大臣、防衛大臣、内閣府特命担当大臣(防災)

発議案第4号 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた環境整備等に関する意見書

(提出者) 仲村秀明
(賛成者) 藤川浩子 斎藤忠


 2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催は、さらなるスポーツの振興や国際相互理解の促進のみならず、日本全体が活力を取り戻し、地域経済や地域社会の活性化につながる好機としても期待されている。
 よって、政府においては、下記事項を実施するよう、強く要望する。

1. 各国代表選手の事前合宿の誘致、観光プログラムの実施などを通じて、日本全国に東京大会開催の効果が波及するよう努めること。
2. 共生社会の観点から、オリンピック・パラリンピック両大会の連携に配慮しつつ、パラリンピック選手の国際競争力向上を図るための専用トレーニングセンターを新設するとともに、スポーツを科学的に研究支援する施設の地方拠点を設けること。
3. 少子高齢社会にある我が国が、大会開催を契機にスポーツの持つ多様な効果を活用し、子供から高齢者まで健康で生きがいの持てる社会を構築できるよう、特に自治体が進めるスポーツを活用したまちづくりや地域づくりに対して支援を行うこと。
4. 海外からの玄関となる国際空港の機能拡充やアクセス強化に向けた交通インフラの整備、ハード・ソフト両面にわたるバリアフリー環境の促進など、我が国にとって真に必要な社会基盤整備について、大会終了後も想定し、計画的に実施すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、総務大臣、文部科学大臣、国土交通大臣

発議案第5号 食の安全・安心の確立に関する意見書

(提出者) 仲村秀明
(賛成者) 藤川浩子 斎藤忠


 昨年、大手ホテルや百貨店、老舗旅館等においてメニューの虚偽表示など食品の不当表示事案が相次いだことから、政府は、同年12月9日に食品表示等問題関係府省庁等会議において、食品表示の適正化のため緊急に講ずべき必要な対策を取りまとめた。
 具体的には、農林水産省の食品表示Gメン等を活用した個別事案に対する厳正な措置や、景品表示法のガイドラインの作成を通じた食品表示ルールの遵守徹底など、当面の対策が盛り込まれ、現在実施に移されている。
 また、事業者の表示管理体制や国及び都道府県による監視指導体制の強化などを柱とする抜本的な対策が明記され、これらの対策を法制化する景品表示法等改正案が近く国会に提出される運びとなっている。
 こうした対策が進む一方、昨年末に発生した国内製造の冷凍食品への農薬混入事件や毎年発生する飲食店や旅館、学校施設などにおける集団食中毒事件を受け、消費者からは、食品製造や調理過程における安全管理や衛生管理体制の一層の強化を求める声が少ない。
 よって、政府においては、食の安全・安心を確立するため、下記事項を実施するよう、強く要望する。

1. 食品表示等の適正化を図る景品表示法等改正案の早期成立・施行を期すこと。
2. 本改正案等に基づく対策の推進に当たり、政府及び地方公共団体においては、消費者庁を中心とした十分な体制を確立するとともに、そのための必要な予算措置を講ずること。
3. 食の安全・安心に係る法令改正も視野に、総合的かつ具体的な検討を行うとともに関係事業者等の果たすべき責任を明確に定めること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)

発議案第6号 消費税の軽減税率制度の早期策定等に関する意見書

(提出者) 仲村秀明
(賛成者) 藤川浩子 斎藤忠


 平成25年12月12日、平成26年度税制改正大綱において、自民党・公明党は、消費税の軽減税率について「消費税率10%時に導入する」と盛り込んだ。
 軽減税率は、低所得者層を含む消費者全体へ持続的に恩恵が及ぶ制度であり、欧米諸国の多くでは、飲食料品など生活必需品に対して適用され、国民の負担軽減のための制度として長く運用され続けている。
 我が国においても、世論調査においても明らかなとおり、多くの国民が制度の導入に賛成しており、国民的な理解を得ている。
 消費税率10%への引き上げ時期については、本年末にも総理によってその判断が示される方向である。
 よって、政府においては、下記事項を実施するよう、強く要望する。

1. 与党大綱に沿って、軽減税率制度の対象品目や納税事務のあり方など詳細な制度設計の協議を急ぎ、本年末までに結論を出すよう、政府も全面的に協力すること。
2. 軽減税率導入開始の時期については、「消費税10%への引き上げ時」とすること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣

発議案第7号 原子力発電所の再稼働・新設の政策変更等に関する意見書

(提出者) 佐藤重雄
(賛成者) 渡辺ゆう子 中沢学 金沢和子 石川敏宏 岩井友子 関根和子


 政府は、現在策定中のエネルギー基本計画の中で、原子力発電を「基盤となる電源」と位置づけ、原子力発電所の再稼働及びその新設を進める姿勢を示している。
 しかし、原子力発電には、使用済み核燃料の始末の方法がないという根本的な問題がある。
 「原子力発電がなければ電力が不足する」「発電コストが高くなって消費者負担がふえる」との理由から原子力発電所の再稼働が必要だという意見があるが、これは全く無責任な意見である。
 電力が不足しないことは、1基の原子力発電所も稼働していない現在、電力が不足していないことからも明らかである。また、発電コストについては、原子力発電所の廃炉まで含めたコストや核のごみの処理コストを未来の社会にツケ回しすることが前提となっており、無責任な論理の上に成り立っている。
 今政府が行うべきことは、事故を起こした原子力発電所も停止中の原子力発電所も安全性に最大の配慮をして廃炉にすること、核のごみは安全に管理しながら最終処分の方法を研究することであり、さらに、原子力発電から自然エネルギーの利用に転換することである。
 この自然エネルギーに関する技術的な基礎は、既に確立しているといってもいい。それは、太陽光の利用がわずかの期間に普及していること、地熱利用技術が世界で高位を占めていること、世界でも風力の利用技術が普及していること、などでも証明されている。また、環境負荷を抑えた小水力発電、バイオマス、潮汐流、海流などのエネルギー利用も研究されており、日本における自然エネルギーの「埋蔵」量は、原発54基分の40倍はある、との環境省の試算もある。
 よって、政府においては、原子力発電所の再稼働及び新設の政策を変更し、自然エネルギーの導入・技術開発にこそ力を注ぐべきである。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、経済産業大臣

発議案第8号 本年4月からの消費税増税中止に関する意見書

(提出者) 佐藤重雄
(賛成者) 渡辺ゆう子 中沢学 金沢和子 石川敏宏 岩井友子 関根和子


 円安による燃料、原材料、生活必需品の値上がりが、国民の家計と中小企業の経営を圧迫している。
 昨年10~12月期のGDP(国内総生産)の実質成長率は、年率換算で1.0%となり、7~9月期の1.1%に続き、2期連続で1%台の低い伸び率にとどまった。同年1~3月期の4.5%、4~6月期の3.6%を大幅に下回り、経済の減速傾向が明瞭となっている。しかも、GDPの伸びを辛うじて支えているのは、消費税増税を前にした駆け込み需要と公共事業の積み増しという一時的なものにすぎない。
 このような経済情勢のもとで、消費税増税で8兆円という負担増を実施すれば、国民の暮らしに大打撃を与え、経済も財政も共倒れという悪循環の引き金を引くことになることは明らかである。また、中小企業の多くは、現状でも原材料高、燃料高を価格に転嫁できておらず、この上、消費税増税分を価格に転嫁できる保障はない。
 消費税が導入された平成元年(1989年)から平成23年(2011年)までの23年間の消費税累計額238兆円に対し、法人税の減収額は223兆円に上る。結局、消費税は法人減税に流用されたのが実態であり、今回も消費税増税の一方で、大企業には大盤振る舞いの減税が行われようとしている。
 復興特別法人税の廃止に続き、安倍首相は、本年1月のダボス会議で法人税減税を国際公約した。国土強靱化の名で東京外郭環状道路を初め三大都市圏環状道路、国際コンテナ港湾など、巨大公共事業に巨額の税金が投入されようとしている。また、今後5年間に24兆6700億円の軍事費をつぎ込み、大軍拡の道に踏み出そうとしている。
 消費税増税と一体で政府が行おうとしている社会保障制度改革は、医療・介護・年金など、あらゆる分野で負担増と給付減を押しつけ、その総額は試算できるものだけで3兆円を超える。
 結局、消費税増税の真の目的は、財政再建のためでも社会保障のためでもなく、大企業減税と巨大開発、大軍拡のための財源づくりにほかならない。4月からの消費税増税の実施は、今からでも中止し、応能負担の原則に立ち、富裕層と大企業に応分の負担を求める税制改革こそ行うべきである。
 よって、政府においては、本年4月からの消費税増税を中止するよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、財務大臣

発議案第9号 特定秘密保護法の施行中止及び廃止に関する意見書

(提出者) 佐藤重雄
(賛成者) 渡辺ゆう子 中沢学 金沢和子 石川敏宏 岩井友子 関根和子


 平成25年(2013年)12月6日、安倍内閣と自民・公明両党は、国民の声を無視して、特定秘密保護法(「特定秘密の保護に関する法律」)を強行成立させた。12月13日の公布日から1年以内には施行となる。
 同法は、同盟国との情報を共有するため、防衛や外交など4分野で、行政機関の長が特定秘密を指定し、漏えいした公務員らに最高10年の懲役を科すほか、特定秘密に触れる民間人も処罰の対象となる。このような法律のもとでは、政府にとって都合の悪い情報は隠され、主権者である国民は政府を監視することができなくなる。
 さらに、国民の知る権利、報道の自由が侵害され、情報にアクセスしようとする報道機関や国民、市民団体の活動が犯罪とされてしまう。
 また、秘密漏えい防止や捜査のためとして国民が監視され、プライバシーが侵害される。刑事裁判においても、どのような事実で裁かれるかも明らかにされず、暗闇裁判になってしまう。
 このように憲法の国民主権、基本的人権を根本にから踏みにじり、アメリカとともに日本を海外で戦争する国にするための特定秘密保護法に反対する国民世論は、大きく広がり、各界、各層、各分野からの反対声明が相次いでいる。
 よって、政府においては、このような憲法じゅうりんの本質を持つ特定秘密の保護に関する法律を施行を中止し、廃止するよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣

発議案第10号 国家安全保障戦略等の撤回等に関する意見書

(提出者) 佐藤重雄
(賛成者) 渡辺ゆう子 中沢学 金沢和子 石川敏宏 岩井友子 関根和子


 政府は、昨年12月17日、国家安全保障会議及び閣議において、「国家安全保障戦略」、「平成26年度以降に係る防衛計画の大綱」(以下「新「防衛大綱」」という)及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」を決定した。
 新「防衛大綱」では、「積極的平和主義の観点から外交力、防衛力等を強化する」としているが、中国の軍事動向を口実に、統合機動防衛力を構築するための軍備増強を掲げ、「グレーゾーンの事態にも対応が求められる」と、これまでの自衛権の解釈を変更拡大する内容が盛り込まれている。これは、歴代自民党政権が建前としてきた専守防衛から、集団的自衛権の行使に踏み出す道につながるものであり、政府のこれまでの憲法解釈に反するものである。
 安倍首相は、今国会の冒頭の施政方針演説で、集団的自衛権について対応を検討すると表明した。また、この間の国会の答弁で「政府が解釈を明らかにすることで行使容認は可能」「憲法改正が必要との指摘は当たらない」などと述べ、解釈改憲によって集団的自衛権の行使容認への姿勢を強く示している。
 歴代政府は、これまで一貫して、集団的自衛権の行使は憲法そのものを変えない限り不可能だとの立場であった。また、集団的自衛権の行使を認めるための憲法解釈の変更については、「論理的な追求の結果として示されてきたもの」であり、「自由にこれを変更することができるような性質のものではない」としてきた(平成8年(1996年)2月27日、衆院予算委、大森政輔内閣法制局長官)。
 これまでの憲法解釈を変え、国家権力を縛る立憲主義をも否定し、集団的自衛権の行使に踏み出すことは絶対に許されない。
 よって、政府においては、下記事項を実施するよう、強く要望する。

1. 「国家安全保障戦略」、新「防衛大綱」及び「中期防衛力整備計画(平成26年度~平成30年度)」を撤回すること。
2. 集団的自衛権行使を認めるための憲法の解釈変更は行わないこと。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣

発議案第11号 辺野古への米軍新基地建設断念・普天間基地の無条件返還に関する意見書

(提出者) 佐藤重雄
(賛成者) 渡辺ゆう子 中沢学 金沢和子 石川敏宏 岩井友子 関根和子


 1月19日に投票が行われた名護市長選挙は、辺野古への米軍新基地建設の可否を明確な争点とする選挙であり、新基地建設反対を掲げた稲嶺進氏が圧勝した。
 政府・自民党は、市長選挙の直前に、県外移設を公約に掲げてきた沖縄選出自民党国会議員にその公約を破棄させ、仲井真弘多知事に辺野古の海の埋め立てを承認させるなど、金と圧力によって、基地建設を押しつけようとした。
 こうした圧力にも屈せず、名護市民は、基地建設反対の明確な意思を示した。
 また、沖縄県議会は、3月14日、知事の辺野古埋め立て承認について調査特別委員会を設置した。これにより、承認の経過や基地負担軽減策がどのようにしてまとまったかなどを調査することとなり、県民多数の意に反する決定を行った知事の責任が問われることになる。
 しかし、政府は、選挙結果にかかわらず、新基地建設を進めるとして、選挙直後に基地建設にかかわる測量の入札を進めるなど、民意を無視する姿勢を取り続けている。
 沖縄の基地は、戦後の占領政策の中で、銃剣とブルドーザーにより米軍に取り上げられたものであり、米軍が使用し続ける正当性はない。沖縄県民は、騒音、落下事故、米兵による暴行事件など、基地があることにより耐え難い苦難を受けており、基地撤去は、圧倒的多数の県民の強い意志である。この県民の意志、市長選に示された名護市民の意志は尊重されなければならない。
 よって、政府においては、地方自治を尊重し、名護市・辺野古への米軍新基地建設を断念し、普天間基地の無条件返還を求めるよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣、外務大臣、防衛大臣、内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策)

発議案第12号 首相・閣僚の靖国神社参拝の中止を求める意見書

(提出者) 佐藤重雄
(賛成者) 渡辺ゆう子 中沢学 金沢和子 石川敏宏 岩井友子 関根和子


 安倍首相は、平成25年(2013年)12月26日に靖国神社を参拝したが、これに対し、内外から、戦後の国際秩序の否定として批判の声が上がっている。
 靖国神社は、現在もなお、過去の戦争は自存自衛の正義の戦いだったと正当化する特異な戦争観を国論とするために活動を続ける特殊な施設である。
 日本は、第二次世界大戦で日独伊三国同盟を結成し、侵略戦争を行った。その敗戦後開かれた東京裁判は、侵略戦争を計画・準備・開始・遂行した「平和に対する罪」、占領地での殺人や捕虜への虐待などの「戦争犯罪」、「人道に対する罪」など全ての罪で裁かれた東条英機元首相ら14人をA級戦犯として断罪した。
 昭和53年(1978年)、靖国神社は、そのA級戦犯を神として合祀した。そこに参拝したことは、日独伊三国同盟のファシズムとの戦いに勝利した連合軍の側から見れば、連合軍の歴史を正面から否定する異常な事態に映るのは当然であり、アメリカからも失望との声が出された。
 戦後の国際秩序は、日独伊3国による侵略戦争を不正不義のものと断罪することを共通の土台として今日に至っている。また、日本は、サンフランシスコ平和条約(1951年調印)で東京裁判を受け入れ、国際社会に復帰しており、靖国参拝は、国際社会に受け入れられるものではない。
 よって、政府においては、首相及び閣僚の靖国神社参拝をやめるよう、強く要望する。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

  平成26年3月27日
船橋市議会   
(提出先)
内閣総理大臣

発議案第13号 NHK籾井会長、百田・長谷川経営委員の罷免に関する決議

(提出者) 佐藤重雄
(賛成者) 渡辺ゆう子 中沢学 金沢和子 石川敏宏 岩井友子 関根和子


 NHK幹部の相次ぐ暴言が続いている。
 NHKの籾井会長が会長就任の記者会見で、旧日本軍の慰安婦問題について、「戦争しているどこの国にもあった」と発言した。日本の公共放送の代表が、旧日本軍の行った性奴隷制度という戦争犯罪を肯定する発言を行ったと国際的に批判が起きている。
 さらに籾井会長を任命したNHK経営委員会委員の百田尚樹氏が、東京都知事選挙の応援演説で「南京大虐殺はなかった」と歴史を偽る発言を行った。
 また、同経営委員会委員の長谷川三千子氏は、暴力問題を繰り返し、朝日新聞本社で記事に抗議して拳銃自殺を図るなど言論機関へのテロによる威圧を行った右翼団体幹部を「神にその死をささげた」と無批判に礼賛している。
 放送法は、「放送に不偏不党を保障することによって放送の表現の自由を確保すること」を原則に掲げ、31条は、NHKの経営委員について、「公共の福祉に関し公正な判断をすることができ、広い経験と知識を有する」人物を選び、国会の同意を得て首相が任命すると定めている。
 籾井会長、百田・長谷川経営委員自身の暴言は、NHKの不偏不党性を脅かすものであり、百田・長谷川経営委員を任命した安倍首相の任命責任は重大である。
 よって、政府においては、放送法により百田・長谷川経営委員を罷免し、籾井会長に対して退任を求めるべきである。

 以上、決議する。

  平成26年3月27日
船橋市議会

発議案第14号 議会基本条例制定に関する特別委員会の設置について

(提出者) 浦田秀夫
(賛成者) 三宅桂子 朝倉幹晴 池沢敏夫


 本市議会に、下記により特別委員会を設置するものとする。

1. 名称 議会基本条例制定に関する特別委員会
2. 設置目的 議会基本条例制定に関して調査研究を行うため
3. 委員定数 13人
4. 期限 平成27年第1回定例会閉会までとし、閉会中も継続して調査する。

理由

 地方自治の二元代表制の趣旨を踏まえ、議会が担うべき役割を果たすために必要な基本的な事項を定め、議会が市民の負託に応え、市民生活の向上と民主政治の発展に寄与するため、議会基本条例制定などの議会改革が求められている。
 よって、議会として、議会基本条例制定に関する調査研究を行う必要がある。