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発議案(議員提出議案)平成16年第4回定例会

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発議案第3号 船橋市政治倫理条例

(提出者)伊藤昭博
(賛成者)金沢和子、草野高徳、高橋忠、岩井友子、石川敏宏、佐藤重雄、関根和子
(目的)
第1条 この条例は、市政が市民の厳粛な信託によるものであることを認識し、その担い手たる市長、助役及び収入役 (以下「市長等」という。)並びに市議会議員(以下「議員」という。)が市民全体の奉仕者として、政治倫理の向上に努め、いやしくも自己の地位による影響力を不正に行使して、自己の利益を図ることのないよう必要な措置を定めることにより、市政に対する市民の信頼にこたえ、もって清潔かつ公正で開かれた民主的な市政の発展に寄与することを目的とする。
(市長等及び議員の責務)
第2条 市長等及び議員は、市政に関する権能及び責務を深く自覚し、市民の信頼に値するより高い倫理義務に徹し、地方自治の本旨に従って、その使命の達成に努めなければならない。
2 市長等及び議員は、政治倫理に反する事実があると疑惑が持たれたときは、自ら潔い態度をもって疑惑の解明に当たるとともに、その責務を明らかにするよう努めなければならない。
(市民の責務)
第3条 地方自治法(昭和22年法律第67号)第18条の選挙権を有する市民(以下「市民」という。)は、市の主権者として自らも市政を担い、自己の利益又は第三者の利益若しくは不利益を図る目的を持って市長等及び議員に対し、次条に規定する政治倫理基準に反する働きかけを行ってはならない。
(政治倫理基準)
第4条 市長等及び議員は、次に掲げる政治倫理基準を遵守しなければならない。
(1) 市長等及び議員としての品位及び名誉を損なう一切の行為を慎み、その職務に関し不正の疑惑を持たれるおそれのある行為をしないこと。
(2) 職務の公正を疑われるようないかなる金品の授受等をしないこと。
(3) 市が行う請負、売買、賃貸その他の契約(以下「請負契約等」という。)及び行政処分に関し、自己の利益又は第三者の利益若しくは不利益を図る目的をもって、特定の業者の推薦又は紹介をしないこと。
(4) 職員の採用に関し、特定の者の推薦又は紹介をしないこと。
(5) 政治活動に関し、企業、団体等から寄附等を受けないものとし、その後援団体も同様とする。
(請負契約等に関する遵守義務)
第5条 市長等及び議員又は市長等若しくは議員が役員に就任している法人は、地方自治法第92条の2、第142条、第166条第2項又は第168条第7項の規定を遵守し、市の請負契約等を辞退し、市民に対し疑惑の念を生じさせる行為を行ってはならない。
2 市長等若しくは議員の配偶者若しくは同居の親族又は市長等若しくは議員の配偶者若しくは同居の親族が役員に就任している法人は、地方自治法第92条の2、第142条、第166条第2項又は第168条第7項の規定の趣旨を遵守し、市の請負契約等を辞退し、市民に対し疑惑の念を生じさせる行為を行ってはならない。
3 市長等及び議員の親族(前項に規定する親族を除く。)は、同項の趣旨を尊重するものとする。
(誓約書の提出義務)
第6条 市長等及び議員は、議会又は市長が定めるところにより、この条例を遵守する旨の誓約書を提出しなければならない。
(資産等報告書の提出義務等)
第7条 市長等及び議員は、毎年1月1日現在の資産、地位及び肩書並びに前年1年間の収入及び贈与等並びに税等の納付状況について、毎年5月31日までに次条の資産等報告書を市長等にあっては市長に、議員にあっては市議会議長(以下「議長」という。)に提出しなければならない。
2 市長及び議長は、その資産等報告書を提出期限の日から起算して15日以内に市民の閲覧に供しなければならない。
3 資産等報告書の閲覧期間は、閲覧開始の日から起算して5年間とする。
4 市民は、閲覧により知り得たことは、第1条の目的に沿うよう適正に活用しなければならない。
(資産等報告書)
第8条 資産等報告書には、次に掲げる事項を記載するものとする。
(1) 資産等
ア 土地(信託している土地(自己が帰属権利者であるものに限る。)を含む。) 所在、面積及び固定資産税の課税標準額並びに相続(被相続人からの遺贈を含む。以下同じ。)により取得した場合は、その旨
イ 建物の所有を目的とする地上権又は土地の賃借権 当該権利の目的となっている土地の所在及び面積並びに相続により取得した場合は、その旨
ウ 建物 所在、床面積及び固定資産税の課税標準額並びに相続により取得した場合は、その旨
エ 預金(当座預金及び普通預金を除く。)、貯金(普通貯金を除く。)及び郵便貯金(通常郵便貯金を除く。) 預金、貯金及び郵便貯金の額
オ 金銭信託 金銭信託の元本の額
カ 有価証券(証券取引法(昭和23年法律第25号)第2条第1項及び第2項に規定する有価証券に限る。) 種類及び種類ごとの額面金額の総額(株券にあっては、株式の銘柄及び株数)
キ 自動車、船舶、航空機、美術工芸品及び貴金属(取得価額が100万円を超えるものに限る。) 種類及び数量
ク ゴルフ場の利用に関する権利(譲渡することができるものに限る。) ゴルフ場の名称
ケ 貸付金(生計を一にする親族に対するものを除く。) 貸付金の額
コ 借入金(生計を一にする親族からのものを除く。) 借入金の額
(2) 地位及び肩書等
ア 企業その他の団体において有するすべての地位及び肩書
イ 公職を退いた後の雇用に関する契約その他の取決めについての当事者及び条件
(3) 収入、贈与等
ア 給与、事業収入、報酬、賃貸料、謝礼金その他これらに類する収入 出所及び金額
イ 贈与及びもてなし(別に定めるものを除くものとし、1件につき3万円を超えるものに限る。) 出所、内容及びその価格又は金額
(4) 税等の納付状況 国又は地方公共団体から賦課されている税等の納付状況
(政治倫理審査会の設置)
第9条 資産等報告書その他の政治倫理にかかわる重要な事項の審査及び調査を行うため地方自治法第138条の4第3項の規定に基づき、船橋市政治倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会は、13人の委員をもって組織する。
3 委員は、資産等報告書の審査及び調査その他政治倫理確立のため必要な審査及び調査等に関して専門的知識を有する者のうちから、市議会の意見を徴し、市長が委嘱する。
4 委員の任期は2年とし、補欠委員の任期は前任者の残任期間とする。ただし、再任を妨げない。
5 審査会の会議は、公開するものとする。ただし、やむを得ず非公開とするときは、委員定数の3分の2以上の同意を必要とする。
6 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。
7 委員は、特定の候補者、政党、議員若しくは市長を支持し、若しくは反対する目的のため又は政治倫理の向上以外に市政に影響を与える目的のために、その職務を利用してはならない。
8 委員は、公平かつ適切にその職務を遂行しなければならない。
(資産等報告書の審査)
第10条 議長は、第7条第1項の規定により提出された資産等報告書の写しを市長に送付し、市長は、市長等及び議員の資産等報告書の写しを毎年6月15日までに審査会に提出し、審査を求めなければならない。
2 審査会は、資産等報告書に疑義があるときは、調査を行うものとする。この調査は、市長等及び議員に対する事情聴取、資料提出要求等のほか、配偶者及び親族の資産並びに関係者に対しても必要な調査を行うことができる。
3 審査会は、第1項の規定により審査を求められたときは、審査を求められた日から起算して60日以内に意見書を作成し、市長に提出しなければならない。
4 市長は、前項の規定により提出された意見書のうち議員に係る意見書を議長に送付しなければならない。
(虚偽報告等の公表)
第11条 市長又は議長は、前条第3項の規定により提出された意見書に資産等報告書の提出の遅滞、虚偽の報告又は調査に協力しなかった等の指摘があったときは、規則で定めるところにより、速やかにその旨を公表するものとする。
(意見書の閲覧)
第12条 市長及び議長は、第10条第3項の規定により提出された意見書を提出された日から起算して15日以内に市民の閲覧に供しなければならない。
2 第7条第3項の規定は、意見書の閲覧期間について準用する。
(市民の調査請求権)
第13条 市民は、次に掲げる事由があるときは、これを証する資料を添えて市長等に係るものについては市長に、議員に係るものについては議長に調査を請求することができる。
(1) 資産等報告書に疑義があるとき。
(2) 第4条に規定する政治倫理基準に反する行為をした疑いがあるとき。
2 前項の規定による請求があったときは、議長は、当該請求をする書面(以下「調査請求書」という。)及び添付資料の写しを市長に送付し、市長は、市長等及び議員に係る調査請求書及び添付資料の写しを調査を請求された日から起算して7日以内に審査会に提出し、調査を求めなければならない。
3 第1項の規定による請求があった場合においては、第7条第2項から第4項までの規定を準用する。
4 審査会は、第2項の規定により調査を求められたときは、調査を求められた日から起算して60日以内に調査報告書を作成し、市長に提出しなければならない。
5 市長は、前項の規定により提出された調査報告書のうち議員に係る調査報告書を議長に送付しなければならない。
6 市長又は議長は、調査報告書による報告を受けたときは、その日から起算して7日以内に当該調査報告書を第1項の規定により調査を請求した者に文書で回答しなければならない。
(説明会)
第14条 市長等又は議員が刑法(明治40年法律第45号)第197条から第197条の4まで若しくは第198条又は公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律(平成12年法律第130号)第1条に規定する容疑により逮捕された後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に市民に対する説明会の開催を求めることができる。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し釈明するものとする。
2 市長等又は議員が前項に規定する罪により起訴された後、引き続きその職にとどまろうとするときは、市長等にあっては市長に、議員にあっては議長に市民に対する説明会の開催を求めなければならない。この場合において、当該市長等又は議員は、説明会に出席し、釈明しなければならない。
第15条 市民は、前条の規定による説明会が開催されないときは、市民500人以上の連署をもって当該市長等又は議員に説明会の開催を請求することができる。
2 前項の規定による請求は、前条第1項の説明会にあっては起訴又は不起訴の処分がされるまでの間に、同条第2項の説明会にあっては起訴された日から起算して50日以内に行うものとし、市長等に係るものについては市長を、議員に係るものについては議長を通して行うものとする。
第16条 市民は、第14条各項及び前条第1項の説明会(以下「説明会」という。)において当該市長等又は議員に質問することができる。
2 市長は、説明会に際して、審査会に諮問し、意見書の提出を求めるものとする。
第17条 前3条の規定は、市長等又は議員が第14条第1項に規定する罪により第一審有罪判決の宣告を受け、なお引き続きその職にとどまろうとする場合について準用する。この場合において、第15条第2項中「前条第1項の説明会にあっては起訴又は不起訴の処分がされるまでの間に、同条第2項の説明会にあっては起訴された日から起算して50日」とあるのは、「判決の日から起算して30日を経過した日以後20日」と読み替えるものとする。
(贈収賄罪等確定後の措置)
第18条 市長等又は議員が前条の宣告を受け、その刑が確定したときは、公職選挙法(昭和25年法律第100号)第11条第1項その他法律の規定により失職する場合を除き、市長又は議会は、その名誉と品位を守り、市政に対する市民の信任を得るため必要な措置をとるものとする。
(委任)
第19条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成17年4月1日から施行する。ただし、第1条から第5条までの規定は、公布の日から施行する。
(政治倫理の確立のための船橋市長の資産等の公開に関する条例の廃止)
2 政治倫理の確立のための船橋市長の資産等の公開に関する条例(平成7年船橋市条例第27号)は、廃止する。
理由
公園清掃委託事業や剪定枝資源化事業に見られるように、現職議員と行政との関係について、議会で議論されるような状況にある。行政に対する市民の疑惑を払拭し、政治の公正を期すためには、政治家個人の倫理観の確立とともに普遍的な基準が必要である。これが、この条例案を提出する理由である。

発議案第4号 船橋市危機管理基本条例

(提出者)安藤信宏
(賛成者)小森雅子、斉藤誠、千葉満、池沢敏夫
(目的)
第1条 この条例は、予測できない様々な災害、犯罪等(以下「災害等」という。)から、市民及び通勤通学その他の理由により市内で活動する者等(以下「市民等」という。)の生命及び財産を保護し、並びに被害を最小限に抑制するため、これらの事態に迅速かつ効果的に対応する体制及び対策を確立することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 危機管理 災害等の防止及び対策等に効果的に対応することをいう。
(2) 危機管理局 市長部局、教育委員会、市職員の出向先及び市の出資先における災害等の情報を一元的に管理し、船橋市危機管理計画(以下「危機管理計画」という。)を中心的に実施する組織をいう。
(3) 公設避難所等 災害等から市民を保護する公設の避難所及び避難場所をいう。
(4) 公設ボランティアセンター ボランティアを支援するために公設された機関をいう。
(5) 地区コミュニティー長 地区コミュニティーにおいて、市長の職務代理者となり得る者をいう。
(6) 危機管理ボランティア 危機管理についての基本的な知識及び技術を習得し、活動を行う者をいう。
(7) 要介助者 災害等の発生時に特に介助を必要とする高齢者、出産前後の者、乳幼児、児童、障害を持つ者及び外国人等をいう。
(市長の責務)
第3条 市長は、第1条の目的を達成するため、災害等の防止及び対策に関する施策を策定し、これらを実施するよう努めるものとする。
2 前項の施策の推進に当たっては、市民等及び学識経験者に協力を求めるものとする。
(事業者の責務)
第4条 事業者は、その事業活動に当たっては、社会的責任を自覚し、災害等を最小限に抑制するよう努めるとともに、市その他の行政機関が実施する災害等の防止及び対策に関する施策に協力しなければならない。
(市民等の責務)
第5条 市民等は、市その他の行政機関が実施する災害等の防止及び対策に関する施策に協力しなければならない。
(危機管理計画の策定)
第6条 市長は、災害等の防止及び対策に関する施策の総合的かつ一元的管理を行うため、危機管理計画を策定するものとする。
(危機管理局等の設置)
第7条 市長は、前条の危機管理計画の遂行のため、次の組織及び施設等を設置することができる。
(1) 危機管理局
(2) 公設避難所等
(3) 公設ボランティアセンター
(市民等への助成)
第8条 市長は、市民等が行う危機管理の活動に対し、助言を行うとともに、必要な助成を行うことができる。
(地区コミュニティー長の責務と権限)
第9条 地区コミュニティー長は、地区コミュニティーの活性化及び危機管理計画の円滑な実施を図るため、市長、教育委員会、地区社会福祉協議会、町会自治会、市民等、事業者、各種団体との連絡調整及び支援を行わなければならない。
2 地区コミュニティー長は、前項の連絡調整及び支援のために、市長が有する責務及び権限の範囲内において市長の職務代理者となることができる。
(危機管理ボランティアの育成)
第10条 市長は、市民等、学識経験者及び関連公的機関と協力して、危機管理ボランティアの育成に努めるとともに、市民等が行うその育成活動に対して、最新の知識及び技術を提供する等の協力をするものとする。
2 市長は、職員が前項の危機管理ボランティアの育成活動への参加を希望する場合又は危機管理のためのボランティア活動を行おうとする場合に、特別休暇を活用できるよう努めるものとする。
3 市長は、要介助者が第1項の危機管理ボランティアの育成活動への参加を希望する場合又は危機管理のためのボランティア活動を行おうとする場合に、要介助者が活動しやすいように配慮するものとする。
(要介助者に対する施策)
第11条 市長は、市民等、学識経験者及び関連公的機関と協働して、要介助者に対する施策の促進に必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
(計画の公表)
第12条 市長は、危機管理計画を定め、又は変更したときは、速やかにこれを公表するものとする。
(委任)
第13条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、平成17年4月1日から施行する。
理由
全国的に自然災害が連続的に発生し、犯罪被害も多発しているが、本市も決してその例外にあるわけではない。さらに、市民に迫っている危機は、自然災害や犯罪だけではなく、感染・汚染災害、交通災害、偶発的な事故など多岐にわたっていることは、今さら指摘するまでもない。
こうした市民の危機に対して、市長部局及び教育委員会は、熱心な対応に努めてきたことは評価できる。しかし、これらの危機管理について各所管課が対応するのを原則としてきたため、本市としての危機管理の基本方針を定めた条例は存在しなかった。
そのため、市長による一元的な危機管理という公助、地区コミュニティーよる危機管理という共助、そして、要介助も含めた市民自らが、危機管理ボランティアとなる自助を3本の柱とする、本市の危機管理の基本方針を明確にする必要がある。これが、この条例案を提出する理由である。

発議案第1号 イラクからの自衛隊撤退に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)金沢和子、伊藤昭博、草野高徳、高橋忠、岩井友子、石川敏宏、佐藤重雄
イラクへの自衛隊派兵期限が12月14日に迫っているが、小泉内閣は、派兵期限まで「状況をよく見る」と言い続け、国会での議論さえ行おうとせず、勝手に派兵延長を決めようとしている。
マスコミの世論調査では、継続派兵反対が過半数を超えており、国民の多数は自衛隊の撤退を望んでいる。また、次の理由により、小泉内閣が自衛隊の派兵を続ける大義はすでに喪失している。
第1に、「大量破壊兵器は存在せず、これからも見つからない」と、戦争をしかけた当事者であるアメリカ政府が認め、イラク戦争の大義が大もとから崩れている。
第2に、自衛隊の宿営地にも砲弾が打ち込まれるなど、非戦闘地域どころか逆に戦闘地域と言える状況にあり、憲法やイラク特措法に照らしても派兵の条件は崩れている。
第3に、ファルージャでの国際人道法違反の虐殺行為に見られるように、米軍を支援する形で派兵を続ければ、虐殺や戦争犯罪の手助けのために居座りを続けることになり、イラクの復興に逆行するものとなる。このまま米軍を支持し、自衛隊を駐留させることは、日本を永遠にイラク人の敵と記憶させることになる。
よって、政府においては、国民世論の多数の声に従い、直ちに自衛隊をイラクから撤退させるよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月1日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、外務大臣、防衛庁長官

発議案第2号 イラクからの自衛隊撤退に関する意見書

(提出者)浦田秀夫
(賛成者)槇啓已子、さとうももよ
政府は、強行採決によって成立させたイラク特措法を根拠に、初めて武装した自衛隊をイラクに派兵した。今年6月に派兵の延長を決めたが、その延長期限は12月14日で切れることになっている。
この間、イラクでは、一般市民を中心に10万人を超える人たちが犠牲になり、またイラクに駐留する米英軍等にも多数の犠牲者が出ている。自衛隊が派兵されたサマワは戦闘地域か非戦闘地域かという論争が繰り返される中で、日本人の犠牲者も5人を数えるに至っている。今、イラク在留米軍は、イラク軍と合わせて2万人の大部隊でファルージャヘの大規模攻撃を行っており、民間人を含めて双方に多くの死傷者を出している。しかし、このような大量殺りくによってイラクに平和がもたらされるわけではない。
イラク戦争が開始された後、アメリカの呼びかけでイラクに軍隊を送った国は、多いときで36カ国を数えた。しかし、今は26カ国になっている。サミット参加国では、米英の他にはイタリアと日本が派兵しているだけである。来年3月には、サマワに駐留し自衛隊を護衛しているオランダ軍も撤兵する予定である。アジアでは、日本の他には韓国とモンゴルだけで、既にタイ、フィリピン、シンガポールは撤退している。
イラク攻撃の最大の理由とされた大量破壊兵器は存在せず、いまや全く大義を失ったイラク戦争に、これ以上加担し続けるべきではない。もうこれ以上、罪のない人たちの命が失われるのは耐えられない。イラクに一日も早く平和を回復させるために、今こそ国連を中心にすべての国が結束して国際的な人道支援の強化に取り組むべきである。
よって、国会及び政府においては、自衛隊を派兵期限内にイラクから撤兵させるよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月1日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、防衛庁長官

発議案第5号 大規模災害の対策と早期復旧に関する意見書

(提出者)浅野正明
(賛成者)草野高徳、鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、関根和子、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、池沢敏夫、門田正則、浦田秀夫
本年は、新潟中越地震の発生や観測史上最多を数える台風が上陸するなど、日本列島は近年まれにみる大規模な災害に見舞われたところである。
この一連の災害によって全国各地に死者・行方不明者の発生や、住宅損壊・浸水、農林水産業用施設や農作物、港湾施設等の公共施設等への被害など甚大な人的・物的被害がもたらされ、住民生活と地域経済に大きな影響を及ぼしている。
この深刻な事態に対し、政府として速やかな応急処置と復旧対策を講ずるとともに、これまでのすべての大規模災害についての対策を総点検し、災害発生の原因や治水計画、防災・地震対策の検証を進め、抜本的対策を早急に講ずることが必要である。
よって、国会及び政府においては、被災者のライフラインの復旧並びに被災者への支援に一層力を注ぐとともに、国民を災害から守るため、将来予測される震災等の自然災害についても万全の対策を講ずるよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、経済財政政策担当大臣

発議案第6号 地震等の自然災害被災者への個人補償拡充等に関する意見書

(提出者)浅野正明
(賛成者)草野高徳、鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、関根和子、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、池沢敏夫、門田正則、浦田秀夫
新潟中越大震災は、死者40人を初め重軽傷者2,859人、住宅への被害も5万戸を超える甚大な被害をもたらし、被害金額は3兆円にも上るとされている。被災地の復興支援が緊急の課題となっている。
阪神・淡路大震災の被災を受けて、政府は、被災者に対し被災住宅の取り壊し費用等への支援として300万円を支給するように改善したが、住宅再建への支援はいまだに実現されていない。引き続き従前の地域に住み続けることができる住宅再建への支援や、地域産業を継続するための無担保無利子の緊急融資制度などが求められている。
中でも、被災地復興のかぎは住宅の再建となっているが、既に鳥取県では、鳥取西部地震に際し、住宅建設への補助制度を創設して、復興の大きな支えとなった。
よって、政府においては、次の事項を改善するよう、強く要望する。

1.被災者生活再建支援法において、住宅再建への支援と支援金額の大幅な引き上げを行うこと。
2.被災者生活再建支援法において、一部損壊も支援の対象とし、所得制限を基本的になくすこと。
3.地元経済を支える産業復興のため、無担保無利子の緊急融資を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、経済財政政策担当大臣

発議案第7号 住民基本台帳の閲覧に関する意見書

(提出者)浅野正明
(賛成者)草野高徳、鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、関根和子、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、池沢敏夫、門田正則、浦田秀夫
地方自治体が管理する住民基本台帳は、住民の居住関係を公証するとともに、選挙人名簿の登録など、住民に関するあらゆる事務の基礎的な役割を果たしている。
現在、住民基本台帳に記載されている住所、氏名、生年月日、性別の4情報は「何人も閲覧を請求することができる」(住民基本台帳第11条)となっており、一定の手続をすれば、だれでも閲覧することが可能な状態になっている。
しかし、昨年5月に成立した個人情報の保護に関する法律や行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律など、個人情報の保護を目的とした法律が整備され、住民の意識も高まる中で、本人の同意を得ないで第三者に情報を提供する住民基本台帳の閲覧に対しては批判の声が高まっている。
これまで、戸籍事務担当の各都道府県協議会の多くが「公的機関が職務上必要とした場合を除いて、閲覧は禁止すべきである」との要望書を政府に出しているが、全国の自治体の戸籍事務担当者の組織である全国連合戸籍事務協議会も、10月21日の総会で、住民基本台帳第11条を改正し、個人情報の保護に関する法律の趣旨に沿ったものに改めるよう決議している。
よって、国会及び政府においては、住民基本台帳の閲覧を法律で制限するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣

発議案第8号 高齢者虐待防止法の制定に関する意見書

(提出者)浅野正明
(賛成者)草野高徳、鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、関根和子、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、池沢敏夫、門田正則、浦田秀夫
高齢化が世界有数のスピードで進む我が国では、最近、介護が必要な高齢者を放置したり、家庭や施設内で高齢者に暴力を振るったりするなど、虐待が深刻化している。しかしながら、高齢者への虐待は表面化しづらく、これまで家庭や施設内の問題として見過ごされてきており、児童虐待に比べ法整備などの対策も遅れているのが現状である。
虐待の背景には、限界を超える介護へのストレスや複雑な家庭内の人間関係なども含まれており、虐待を自覚していない家庭も多く、介護家族を含めた精神的なケアが不可欠であるとの指摘もある。
昨年、厚生労働大臣は、家庭内での高齢者への虐待について初の全国調査を行い、本年4月に調査結果が発表された。それによれば、生命にかかわる危険な状態に至る事例が1割という深刻な実態が浮き彫りになる一方、虐待に気がついた在宅介護支援の専門職の9割が、対応は困難と感じていることも明らかになった。この結果からも、高齢者虐待の定義を明確にすることを初め、虐待防止と早期保護への具体的な仕組みづくりが急務であることが確認されたところである。
よって、国会及び政府においては、地域社会全体として高齢者の人権を守る体制を充実させ、虐待防止のための具体的な対策を早急に実現するため、高齢者虐待防止法を制定するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、厚生労働大臣

発議案第9号 東京湾アクアライン通行料金引き下げの社会実験実施に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫
(賛成者)斉藤誠、村田一郎、岩井友子、鈴木和美、斉藤守、滝口宏、田久保好晴、瀬山孝一、和田善行
東京湾アクアラインは、昭和41年建設省により調査が開始され、建設費用1兆4,500億円に及んで、平成9年12月に開通したプロジェクトである。この道路の開通により、東京都・神奈川県と半島性の強かった千葉県との地域交流が活発になり、地域経済が補完し合いながら発展するものと大いに期待されていた。しかし、通行料金が高額なこともあり、通行車両は当初予測の3分の1ほどしかなく、また、期待されていた首都高速湾岸線、京葉道路、国道14号線、国道16号線等の渋滞緩和のためのバイパス線としての役割も果たしていない。
このような状況に対して、民間の協議団体が国土交通大臣に通行料金引き下げ(普通車800円)の要望書を提出し、現在、千葉県と協議団体との間で、国土交通省の施策としての社会的実験を行うべく、実施した場合の効果等について調査を行っている。これによれば、800円に引き下げた場合、東京湾を取り巻く道路全体の渋滞緩和、通行時間の節約等により年間365億円以上もの経済効果が生まれるとされている。
この社会実験によって、東京湾の環状道路が生かされ、周辺地域の経済効果や利便性が高まり、環境阻害物質の削減にもつながるということが証明されれば、必然的に恒久的な引き下げに結びつき、本道路の機能が最大限に発揮されることになる。
よって、東京湾アクアライン利用促進社会実験実行委員会及び日本道路公団において、東京湾アクアラインの通行料金を普通車800円とする実験を早期に実施するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)東京都知事・神奈川県知事・埼玉県知事・千葉県知事・茨城県知事・横浜市長・川崎市長・千葉市長(東京湾アクアライン利用促進社会実験実行委員会委員)、日本道路公団総裁

発議案第10号 混合診療導入反対等に関する意見書

(提出者)木村哲也
(賛成者)金沢和子、石崎幸雄、倍田賢司、草野高徳、谷口昭夫、藤尾真子、小森雅子、門田正則、槇啓已子国民がいつでも、どこでも、だれでも安心して平等に医療を受けることができる国民皆保険制度は、日本が世界に誇れる医療制度であり、日本の健康寿命が世界一となっていることは、この医療制度によって達成されているといっても過言ではない。
しかるに、国の規制改革・民間開放推進会議では、混合診療の解禁を強く打ち出したが、政府は、混合診療について「原則解禁」はせず、未承認の抗がん剤を使えるようにするなど、例外的に併用を認めている特定療養費制度の拡充で対応することを決めた。
仮に、混合診療が解禁されれば、本来健康保険に導入すべき医学・医療の進歩による新技術が自費扱いにされ、自費医療費の増大を招き、一部の国民しか恩恵を享受できず、国民医療の不平等を引き起こすことになる。また、自費医療費の増大は、利潤追求を目的とした私的医療保険の参入を許し、公的医療保険が減少・形骸化される。現在の国民皆保険制度が崩壊し、米国のような私的医療保険会社による医療支配を招くことになり、国民に安心で質の高い医療を平等に提供することができなくなる。
人の生命と個人の尊厳を守るべき医療の世界に、弱肉強食のような経済的市場原理を導入することは極めて危険である。
よって、政府においては、国民がいつでも、どこでも、だれでも安心して平等に医療を受けることができるようにするため、下記事項を実施するよう、強く要望する。

1.混合診療の導入を見合わせること。
2.株式会社の医業経営参入を見合わせること。
3.国民皆保険制度を堅持すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第11号 介護予防策へのマッサージ師参画等に関する意見書

(提出者)木村哲也
(賛成者)金沢和子、石崎幸雄、倍田賢司、草野高徳、谷口昭夫、藤尾真子、小森雅子、門田正則、槇啓已子介護保険制度は、平成12年(2000年)4月に施行以来、4年半を迎え、現在、厚生労働省社会保険審議会介護保険部会において、来年度の介護保険制度の見直しに向けて、審議が重ねられている。
その中で、今後、高齢化が急速に進展し、高齢者をめぐる状況も大きく変化することが予測されることから、特に介護予防の推進が重要な課題の1つとなっており、要介護状態になる前の段階から、統一的で効果的な介護予防サービスを提供するものとしている。
これまで、国家資格を有するマッサージ師は、介護保険制度においては機能訓練指導員として、また老人保健法においては機能回復指導員として入所者の機能訓練に従事するほか、医療保険においては維持期リハビリを担う等、介護・医療の立場から自立を支援してきたところであり、今後においても、介護予防プランに東洋医学の「末病を治す」考え方を取り入れ、真に介護予防・リハビリテーションに効果のあるプログラムの提供が可能である。
ところが、来年度の介護保険制度見直しにおいて介護予防の推進が課題であるにもかかわらず、そのための計画策定に鍼灸師は認められているものの、マッサージ師の果たす役割が何ら考慮されていないのが現状である。
また、高齢者の中には、運動すると疼痛が出現したり、集団に適応できないケース等、個別ニーズへの対応を余儀なくされるケースが多々ある。これらのケースに集団で対応すると拒否を起こすケースが多く、かえって閉じこもりを助長してしまうおそれがある。
よって、政府においては、来年度の介護保険制度の見直しに当たり、より効果的な介護予防策として下記の事項を実施するよう、強く要望する。

1.国家資格を有するマッサージ師が、介護予防の担い手として参画できるようにすること。
2.高齢者の個別ニーズに柔軟に対応し、集団以外でも個別に疼痛管理等ができるようにすること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第12号 WTO・FTA交渉に関する意見書

(提出者)浦田秀夫
(賛成者)角田秀穂、斎藤忠、高橋忠、石川敏宏、石渡憲治、神田廣栄、川井洋基、七戸俊治、浅野正明
WTO(世界貿易機関)交渉は、8月1日に、今後の交渉の前提となる大枠合意がされた。
農業分野の市場アクセス、国内支持、輸出競争について、具体的な数値などは今後の交渉にゆだねられたが、アメリカや農産物輸出国からは、依然として上限関税の設定や高関税品目の大幅引き下げ、関税割当数量の大幅拡大などが要求されている。これは、農産物輸出国がますます輸出を拡大しやすくするためのものであり、日本農業への打撃はもとより、食料の安全・安定、環境などにも大きな影響を与えるものである。
また、アメリカなどが行っている国内農家への手厚い補助や輸出補助政策について、大枠合意では実質的削減に結びつかないものとなっており、途上国などから反発が高まっている。このような公平さを欠いた交渉を是正し、地球規模での食料・環境問題を解決するため、各国が自国の生産資源を最大限活用し、共生・共存できる新たな農産物貿易ルールの確立が求められている。
また、FTA(二国間自由貿易協定)については、現在、韓国、マレーシア、フィリピン、タイとの交渉が行われているが、特に東南アジア各国からは農産物の貿易自由化が求められている。先のメキシコとのFTA交渉でも見られたように、工業製品の輸出自由化のために、農業分野が大幅な譲歩を強いられ、食料や農業は大きな影響を受けることになることは必至である。
WTO及びFTAにおける農業分野の交渉に当たっては、農業の多面的機能の発揮と食料の安全保障、各国の農業の共存と食料自給向上が可能な貿易ルールの実現が強く求められている。
よって、政府においては、人類の生存に不可欠な食料の安定供給を確保し、さまざまな国や地域で多様な農業が共存できるよう、下記事項を重点課題として交渉に臨むことを、強く要望する。

1.WTO農業交渉では、世界的な飢餓の拡大や地球規模での環境悪化につながることのないよう、農林水産業の多面的機能の発揮や食料自給の向上、各国の多様な農林水産業が共生・共存できる貿易ルールに改めるよう、確固たる姿勢で臨むこと。
2.上限関税の設定や関税割当数量の一律的・義務的拡大には、断固反対すること。
3.国内農林水産業の維持を可能とする関税率水準や国家貿易体制、特別セーフガード維持などの国境措置を確保し、急速な市場開放には絶対に応じないこと。
4.行き過ぎたAMS(助成合計量)削減の是正と「緑の政策」の要件緩和など、国内支持政策に関する適切な規律を確保すること。
5.東アジア諸国とのFTA交渉では、農林水産物の関税撤廃・削減は、絶対に行わないこと。
6.WTO・FTA交渉についての情報公開を徹底し、各国の農業者や消費者・市民の声を反映すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する.
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、外務大臣、農林水産大臣、経済産業大臣

発議案第13号 食料・農業・農村基本計画見直しに関する意見書

(提出者)浦田秀夫
(賛成者)角田秀穂、斎藤忠、高橋忠、石川敏宏、石渡憲治、神田廣栄、川井洋基、七戸俊治、浅野正明
現在、政府は、平成12年(2000年)に定めた食料・農業・農村基本計画の見直しを検討している。来年の3月に策定される新たな基本計画は、今後の日本の食料・農業政策を大きく左右するものである。
さきに出された「中間論点整理」(中間まとめ)では、(1)担い手政策のあり方、(2)品目横断的政策等の経営安定対策の確立、(3)農地制度のあり方、(4)農業資源・環境保全対策の確立が出されたが、最大の課題である食料自給率の向上に向けての施策については先送りされた。また、出されている課題が食料自給率の向上にどのように結びつくのかも明確に示されていない。
基本計画の見直しに当たっては、食料・農業・農村基本法に基づき、食料自給率の引き上げ、食の安全・安定に結びつく施策を展開することが、日本農業の再生・発展につながるものである。
よって、政府においては、食料・農業・農村基本計画見直しに当たり、下記事項を重点課題として検討するよう、強く要望する。

1.生産者と消費者の理解と協力のもと、自給率引き上げ政策を推進すること。
2.政策対象者たる担い手は、「プロ農家」に限定せず、意欲を持つ農業者及び地域で「育成すべき担い手」として推薦される者等を対象とすること。また、集落営農は、地域の条件に見合った多様な農業の展開を可能とするものとして位置付けること。
3.新たな経営安定対策は、農産物価格の構造的な低落をカバーし、耕作意欲を持てるよう、本格的な所得補てん策とすること。
4.土地・農地等土地利用規制の体系を整備し、農地を農地として利活用できる法・制度を早急に確立すること。また、構造改革特区でのリース方式による株式会社の農地取得・農業参入について、拙速な全国展開を行わないこと。
5.農業環境・資源保全政策を確立するため、(1)担い手以外の農家、非農家、地域住民などを含めた農業資源保全の「共同」の取り組みに対する支援策を、経営所得安定対策とセットで導入すること。(2)有機農業など、環境保全型農業の推進を支援する政策を講ずること。(3)現行の中山間地直接支払制度は、拡大・充実して継続実施すること.
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、農林水産大臣

発議案第14号 緊急地域雇用創出特別交付金制度の継続に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、浅野正明、池沢敏夫、門田正則、浦田秀夫
我が国の雇用情勢を見ると、完全失業者が300万人を超え、そのうち3分の1が1年以上の長期失業である。失業者の生活実態は厳しく、完全失業者のうち失業給付の受給者は28%にとどまっている。多数の失業者は、貯蓄取り崩し等で生活をしのいでいるという実態にあり、短期のつなぎ就労であっても、それを希求している。
こうした中、2001年(平成13年)から実施されてきた緊急地域雇用創出特別交付金事業は、これまでに全国83万人、千葉県約2万人の新たな雇用を創出するなど、不況下において地域の雇用を支える重要な役割を果たしてきた。
この事業は今年度限りで終了する予定とされているが、雇用情勢は依然として厳しく、就労機会の公的確保はますますその重要性を増している。本事業は打ち切りどころか、継続し、拡充することが求められている。
よって、政府においては、緊急地域雇用創出特別交付金事業を来年度以降も継続するとともに、一層充実させるよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第15号 北朝鮮に対する経済制裁発動等に関する意見書

(提出者)斉藤守
(賛成者)鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、浅野正明、門田正則第3回日朝実務者協議で北朝鮮側から提供された横田めぐみさん・松木薫さんの遺骨とされたものは、DNA鑑定の結果、我が国政府は全く別人のものであることを確認した。また、1986年(昭和61年)7月に「死亡した」とされている田口八重子さんについても、それ以降の目撃情報がある。
このような北朝鮮の行為は、日朝平壌宣言に反するのみならず、人倫にもとる極めて卑劣な蛮行であり、我が国及び日本国民を愚弄するもので、日本国民として断じて許すことはできない。
よって、国会及び政府においては、次の事項を実施するよう、強く要望する。

1.北朝鮮の態度を厳しく糾弾し、謝罪を求めること。
2.北朝鮮に対する食糧支援を中止するとともに、経済制裁を発動すること。
3.拉致事件の真相を究明し、拉致された日本国民を一刻も早く救出すること。
以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、国家公安委員長、警察庁長官

発議案第16号 国民健康保険への国庫負担堅持に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
政府・与党が合意した三位一体の改革の全体像では、国民健康保険へ都道府県の負担を導入し、国庫負担を7000億円程度削減することが決定されたが、都道府県の負担は明確にされず、財源移譲額も削減金額に見合ったものとはなっていない。今回の全体像は、国の責任を後退させ、地方自治体が本来果たすべき住民福祉の増進の仕事を困難にするものである。
国民健康保険制度は、国民皆保険の基幹的な制度として発足し、この間、リストラ、失業、企業倒産、高齢化の進行により加入世帯がふえ、その役割はますます重要となっている。しかし、国民健康保険の保険料は、他の保険に比べて負担が重く、保険料を払いたくても払えない状況である。
この保険料負担が重いのは、国が負担率を引き下げ、地方財政と加入者に負担を求めてきたことに要因がある。総医療費の45%が国庫負担であったものが、1984年(昭和59年)以降、給付費の50%に変更されたため、現在は総医療費の38.5%にまで国庫負担が削減されている。地方六団体も、国民健康保険については「2分の1国庫負担という制度の根幹を変えないこと」との意見表明を行っており、国民皆保険という国の基幹的な制度において、これ以上国の責任が後退することを危惧する声が上がっている。
よって、政府においては、国庫負担を堅持するとともに、保険料値下げのための財政措置をとるなど、加入者が安心して医療を受けられるよう、国民の健康に対する国の責務を果たすよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、総務大臣、厚生労働大臣

発議案第17号 定率減税廃止反対に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
政府税制調査会は、11月25日、来年度の税制改正の答申をまとめ、小泉首相に提出した。答申には、定率減税を2006年(平成18年)までに廃止することと、2005年(平成17年)度にも縮減することが盛り込まれた。
今、定率減税が廃止されれば、年間約3.3兆円もの負担増が国民に押しつけられることになる。そもそも、定率減税は恒久減税として位置付けられ、導入された制度であり、廃止することは許されない。
特に、今回の所得税・住民税の定率減税廃止は、働き盛りの中堅層以下に重い負担となる。財政危機の打開を庶民大増税で対応しようとすれば、さらに景気を悪化させ、財政危機を一層深刻にする。
公共事業、軍事費などの浪費を見直し、大企業や高額所得者への行き過ぎた減税にこそメスを入れるべきである。
よって、政府においては、所得税・住民税の定率減税を廃止しないよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済財政政策担当大臣

発議案第18号 イラク・ファルージャにおける無差別攻撃への抗議に関する決議

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
イラク駐留アメリカ軍が11月8日から開始したファルージャ総攻撃によって、多数の一般市民に死傷者を出した。アメリカ軍は、国連のアナン事務総長の攻撃回避を求める書簡をも無視して、沖縄から派遣された海兵隊を主力に約1万人、イラク治安部隊約3,000人を総攻撃に投入し、武装ヘリなどの最新兵器を使って猛爆を加え、制圧地域ではすべてのモスク(イスラム教礼拝所)を破壊し、無差別の家宅捜索や掃討作戦を実施した。
アメリカ軍は、攻撃開始に当たりファルージャの西端にある総合病院を占拠して情報統制に当たっているため、正確な死傷者数は外部に伝わっていない。しかし、イラク暫定政府の高官は16日、1,600人を殺害し、1,000人を拘束したと述べているし、「民間人の死者は少なくとも2,000人に達した」との情報もある。さらには、負傷した無抵抗のイラク人をアメリカ海兵隊員が射殺するという事件も発覚している。
「テロリスト一掃」の口実のもとに、アメリカ軍がファルージャに対して行った総攻撃で、子供や女性を含む一般の人が虐殺され犠牲となっていることは、断じて許すことはできない。
よって、本市議会は、アメリカ軍の国際人道法に違反する残虐な無差別攻撃に対し、抗議する。
以上、決議する。
平成16年12月22日
船橋市議会

発議案第19号 介護保険制度の充実に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
介護保険制度は来年(2005年)に、5年目の見直し時期を迎える。これまでの介護保険の運営からわかることは、施設不足、介護報酬の低さから来るヘルパーなどの労働環境の劣悪さや、介護認定を受けているものの利用料負担の重さから利用できない高齢者の存在などである。
よって、政府においては、このような問題を改善するためにも、来年の見直しに当たっては、次の事項について充実するよう、強く要望する。

1.要支援や介護度1の要介護者に対する介護サービスを従来どおり継続すること。
2.施設入所者のホテルコストを徴収すれば利用者負担が大幅に増加し、低所得者が入所できなくなるおそれがあるので、ホテルコストは徴収しないこと。
3.介護保険への国庫負担を30%に引き上げ、保険料・利用料の負担軽減を図ること。
4.特別養護老人ホーム等の入所施設不足を抜本的に改善するため、政府の支援策を強化すること。
5.介護報酬を引き上げ、介護従事者の労働条件を改善すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第20号 教育基本法改悪反対に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
現在、文部科学省は、教育基本法改正の法案を来年の通常国会へ提出することを目指し、準備を進めている。法案づくりは、与党・教育基本法改正に関する協議会の中間報告を土台としている。その内容は、教育基本法の基調である「憲法の理想は教育の力で実現する」という精神を全面的に否定するものであり、憲法改悪による「戦争を行う国づくり」と一体となった、「戦争を行う国を支える人づくり」のための教育基本法の改悪がねらいである。
また、新たに「愛国心」を教育の目標に加えているが、法の規定で特定の内容を押しつけることは、内心の自由を侵害するものである。最近の入学式・卒業式での日の丸・君が代の強制に見られるような強制の教育を意図したものであり、人格の完成を目標とし、平和的な国家及び社会の形成者の育成を目指す教育基本法の理念を根本から覆すものである。
さらに、現行法第10条の「教育は不当な支配に服することなく」を「教育行政は不当な支配に服することなく」などと書き換えることは、教育への国家による介入排除をうたった本来の意味を逆転させ、国家の意図に沿う教育行政を推し進めようとする危険なものである。
今、教育の現場に生起しているさまざまな困難は、現行の教育基本法に原因があるのではなく、逆に歴代政府が基本法の理念に背いて、世界に例のない競争と管理の教育を進めてきた結果である。みずからの責任を隠蔽したまま、基本法に攻撃の矛先を集中することは許されない。
よって、政府においては、教育基本法の改悪をやめ、現行法を遵守するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、法務大臣、文部科学大臣

発議案第21号 教育基本法改正反対に関する意見書

(提出者)浦田秀夫
(賛成者)草野高徳、関根和子、池沢敏夫
教育の憲法と言われる教育基本法を改正しようとする動きが強まっている。
与党教育基本法改正に関する協議会が6月16日に示した中間報告では、前文の「憲法の精神に則り」が検討事項とされ、第1条(教育の目的)において「個人の尊厳」と「平和的な国家及び社会の形成者」という部分が削除され、個人主義と平和主義という教育基本法の根本理念が否定されている。
また、第10条(教育行政)は、「教育は、不当な支配に服することなく」から「教育行政は、不当な支配に服することなく」へと書き換えられている。これによって教育現場は、教育行政によって全面的に支配されることになる。
既に、教育現場の状況は極めて悪化している。その象徴とも言える日の丸・君が代の強制は、法律制定時の「強制するものではない」という政府答弁にもかかわらず、全国各地の教育現場で強権的に実施され、多数の教職員が処分されている。
教育基本法は、これまで政府や教育行政によって十分に尊重されてきたとは言えない。しかも、それを無視しようとする傾向は、近年一層強まりつつある。
教育基本法が改正され、「国を愛する心」(愛国心)が盛り込まれることにでもなれば、国家に従順な心や内面を持つことがあらゆる教育の場で強制されることになる。学校現場ばかりでなく、家庭や地域を含めた社会全体で、国家・政府に従うこと、最終的には命をも投げ出すことが善だという規範が押しつけられることになる。それは、国家の交戦権を否定し、人々が国家のために犠牲になることを否定した憲法9条の改正にも直結する。
このように、教育基本法の改正は、この社会の原則そのものを「平等と平和」から「差別と戦争」へと大きく転換させる意図があると考える。
教育基本法が、その意義を失っているかというと全くそうではない。個人の尊重と平和主義を唱え、国家権力に規制をかける性格を持つ教育基本法は、国家主義と軍事大国化へ進む力が増大しつつある現在、ますますその輝きを増していると言える。
よって、国会及び政府においては、教育基本法を改正しないよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、文部科学大臣

発議案第22号 北朝鮮に対する毅然とした交渉を求める意見書

(提出者)池沢敏夫
(賛成者)小森雅子、斉藤誠、安藤信宏、千葉満
第3回日朝実務者協議で、横田めぐみさんのものとされた遺骨が、DNA鑑定の結果別人と判明した。予想できたとはいえ、極めて憂慮すべき北朝鮮の対応である。これによって、先月の日朝実務者協議で北朝鮮が提示したいわゆる証拠が、甚だ疑わしいものとなった。
このような信義にもとる不誠実な北朝鮮の対応に対し、本年5月、小泉総理は、みずから北朝鮮を「電撃訪問」し、人道支援の再開を約束してきた。しかし、その後、拉致事件及び核問題に何ら実質的な進展はない。
よって、国会及び政府においては、次の事項を実施するよう強く要望する。

1.政府は、まだ実施されていない12.5万トンの食料及び300万ドル相当の医薬品について、「凍結」の措置をとること。
2.政府は、行方不明者及び特定失踪者の真相究明のため、経済制裁の発動を視野に入れて、毅然と交渉すること。
3.国会は、拉致被害者の救済のため、「北朝鮮人権侵害救済法案(仮称)」の成立を急ぐこと。
以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。
平成16年12月22日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、外務大臣、財務大臣、経済産業大臣、国土交通大臣、国家公安委員長、警察庁長官