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発議案(議員提出議案)平成16年第3回定例会

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発議案第1号 地球温暖化防止のための森林吸収源対策推進に関する意見書

(提出者)浅野正明
(賛成者)草野高徳、鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、関根和子、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、池沢敏夫、門田正則、浦田秀夫
我が国の森林は、古来、国民生活と深くかかわってきた。木材の生産はもとより、災害の防止、良質な水の安定的な供給などを通じて、安全で豊かな生活が築かれ、多くの日本人にとっての原風景や信仰の対象となることで精神活動も支えられてきた。
また、私たちが生活していくことのできる環境を守る上で、重要な役割を果たしている。特に、近年、地球的規模で叫ばれている温暖化問題を解決する上で、その主要な原因である二酸化炭素の吸収源としての役割が期待されている。
京都議定書では、我が国の温室効果ガス削減目標6%のうち、3.9%を森林による吸収量で確保することとしていることから、目標の達成には適切な森林整備が不可欠なものとなっている。
しかしながら、我が国の森林整備を担う林業は、国産材需要の減少を要因とする木材価格の低迷等により採算性が大幅に悪化している。この結果、我が国の森林は、間伐などの必要な手入れや伐採跡地での植林が行われず、このままでは吸収量が確保できなくなるばかりか、森林の持つ多面的機能が大幅に減退するおそれがある。このため、森林整備に必要な財源を確保し、あわせて国産材の利用を推進することにより、森林吸収源対策を着実に進めていくことが極めて重要である。また、この対策の推進は、林業の活性化を通じて山村地域の振興につながるものである。
よって、国会及び政府においては、森林の多面的機能を高める諸対策を一層充実させるとともに、温暖化対策税を創設し、森林整備の新たな財源として位置づけ、地球温暖化防止のための森林吸収源対策の推進と山村の活性化を図るよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、農林水産大臣、環境大臣

発議案第2号 消費者保護法制等の整備に関する意見書

(提出者)浅野正明
(賛成者)草野高徳、鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、関根和子、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、池沢敏夫、門田正則、浦田秀夫
先の通常国会(第159回国会)において消費者基本法(改正消費者保護基本法)が成立し、現在、基本計画作成に向けて、国民生活審議会の消費者政策部会に設置された有識者による検討委員会で、年内での報告書取りまとめを目指して議論が進められているところである。
消費者問題が複雑・多様化する中、消費者の権利の確立を柱に、消費者が主役となって適切な意思決定を行える環境整備の推進をうたった消費者基本法の成立・施行は、大きな意義があると言える。しかし、その理念の実現のためには、欠陥商品や悪徳商法等の被害の急増に対し、不特定多数の消費者に代わって一定の消費者団体が損害賠償等を求める消費者団体訴訟制度の導入や、国民生活センター等の機能強化、架空請求などに携帯電話、預金口座などが不正に利用されることを防止する取り組みなど、早期に実施する必要がある。
よって、国会及び政府においては、消費者基本法の精神を踏まえ、消費者の視点に立った消費者保護法制等の整備を速やかに実現するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、経済産業大臣

発議案第3号 教育予算確保に関する意見書

(提出者)野田剛彦
(賛成者)中村実、松嵜裕次、佐藤重雄、大沢久、佐々木克敏、佐藤新三郎、大矢敏子、千葉満、さとうももよ
教育は、日本の未来を担う子供たちを豊かに教え育てる使命を負っている。しかしながら、社会の変化とともに子供たち1人1人を取り巻く環境も変化し、教育諸課題や安全確保等の課題が山積し、教育環境の整備を一層進めることが必要となっている。
しかし、平成16年度の文部科学省所管の一般会計予算は前年度比マイナス4.1%となり、地方交付税交付金も削減されている。財政状況が厳しい中、子供たちによりよい教育を保障するためには、国からの財政支援等の協力が不可欠であり、昨今の教育諸課題は、教育予算を十分に確保することによって解決されるものも多い。
教育は未来への先行投資であり、日本の未来を担う子供たちに十分な教育を保障することは国民共通の使命である。
よって、政府においては、次の事項を中心に、来年度予算を充実するよう、強く要望する。

1.第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画最終年次分を完全実施すること。
2.少人数学級実現のための義務教育諸学校における学級編制基準数を改善すること。
3.義務教育教科書無償制度を堅持し、就学援助・育英奨学事業を拡充すること。
4.総合型地域スポーツクラブの育成等の環境・条件を整備すること。
5.危険校舎、老朽校舎の改築やエアコン・洋式トイレ設置等の公立学校施設整備費を充実すること。
6.基準財政需要額を見直し、地方交付税交付金を増額すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、総務大臣

発議案第4号 義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書

(提出者)野田剛彦
(賛成者)中村実、松嵜裕次、佐藤重雄、大沢久、佐々木克敏、佐藤新三郎、大矢敏子、千葉満、さとうももよ
義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等とその水準の維持向上を目指し、子供たちの経済的・地理的条件や居住地にかかわらず、無償で義務教育を受ける機会を保障し、かつ一定の規模や内容の教育を確保するという国の責務を財政的に担保するものである。
しかし、政府は、財政事情を理由として、教育の質的議論を抜きに国庫負担の対象項目を外して一般財源化を行い、今年度は教職員の給与費だけが対象項目となった。さらに、三位一体改革の議論の中で、平成18年度までに3兆円規模の補助金等の削減を検討し、義務教育費国庫負担制度の見直しが焦点になっている。この制度が廃止され、税源移譲とされた場合、現状の国庫負担金を下回ることは明らかであり、義務教育の水準格差が生まれることは必至である。
地方分権推進の名のもとに、義務教育における国と地方の役割等について十分議論がされないまま、このような見直しが行われると、厳しい地方財政をますます圧迫するばかりでなく、義務教育の円滑な推進に大きな影響を及ぼすことが憂慮される。
よって、政府においては、子供たちの教育に責任を持つとともに、教育水準の維持向上と地方財政の安定化を図るため、義務教育費国庫負担制度を堅持するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、総務大臣

発議案第5号 地方分権推進のための国庫補助負担金改革実現に関する意見書

(提出者)浅野正明
(賛成者)鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、木村哲也、池沢敏夫、門田正則
国の平成16年度予算編成は、「三位一体の改革」の名のもとに国の財政健全化方策に特化され、本来あるべき国・地方を通じた構造改革とは異なるものとなったと受け取らざるを得ず、著しく地方との信頼関係を損ねる結果となった。
こうした中、政府においては、6月4日に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」が閣議決定され、三位一体改革に関連して、地方公共団体に対し、おおむね3兆円規模の税源移譲を前提とし、具体的な国庫補助負担金改革を取りまとめることが要請された。
これに対し、地方6団体は、8月24日、地方分権の理念に基づく行財政改革を進めるため、税源移譲や地方交付税のあり方、国による関与・規制の見直しに関する具体例を含む「国庫補助負担金等に関する改革案」を政府に提出したところである。
よって、国会及び政府においては、地方6団体が取りまとめた今回の改革案と地方公共団体の思いを真摯に受けとめ、三位一体の改革の全体像を明示するとともに、次の前提条件を踏まえた国庫補助負担金改革を早期に実現するよう、強く要望する。

1.地方の意見が確実に反映することを担保するため、国と地方6団体との協議機関を設置すること。
2.今回の国庫補助負担金改革のみを優先させることなく、これに伴う税源移譲、地方交付税措置を一体的、同時に実施すること。
3.国庫補助負担金改革は、確実に税源移譲が担保される改革とすること。
4.国庫補助負担金廃止に伴い、税源移譲額が財源措置すべき額に満たない地方公共団体については、地方交付税により確実な財源措置を行うこと。
 また、地方交付税の財源調整、財源保障の両機能を強化するとともに、地方財政全体及び個々の地方公共団体に係る地方交付税の所要額を必ず確保すること。
5.廃棄物処理施設、社会福祉施設等は、臨時的かつ巨額の財政負担となる事業であるので、地方公共団体の財政規模も考慮し、地方債と地方交付税措置の組み合わせによる万全の財政措置を講じること。
6.税源移譲を伴わない国庫補助負担金の廃止、生活保護費負担金等の補助負担率の切り下げ、単なる地方交付税の削減等、地方への一方的な負担転嫁を行わないこと。
7.国庫補助負担金改革の意義を損ね、類似の目的・内容を有する新たな国庫補助負担金等の創設は行わないこと。
8.地方財政対策、地方財政計画の作成に当たっては、的確かつ迅速に必要な情報提供を行うとともに、地方公共団体の意見を反映させる場を設けること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、内閣官房長官、金融・経済財政政策担当大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、文部科学大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、国土交通大臣、経済財政諮問会議

発議案第6号 米軍ヘリ墜落事故の厳重抗議等に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、草野高徳、斉藤守、野田剛彦、佐藤新三郎、興松勲、池沢敏夫、浦田秀夫
8月13日午後2時15分ごろ、普天間基地に隣接する沖縄国際大学構内に沖縄米軍海兵隊の大型輸送ヘリコプターが墜落・炎上するという極めて重大な事故が発生した。大学構内や付近の住宅密集地には、墜落ヘリコプターのローターや破片が広範囲に飛び散り、民家のドアを貫通したり、オートバイやブロック塀が壊されるなど、大学職員、学生、地域住民を死の恐怖に陥れた。また、事故現場及び周辺を米兵が封鎖し、県警や消防・大学職員を現場に立ち入らせない異常な状況も起きている。
政府と米軍は、事故が起こるたびに、「再発防止」や「安全対策の徹底」を強調してきたが、事故はやむことなく繰り返されている。この事故は米軍基地と米軍機の危険性を改めて浮き彫りにしたものであり、決して看過できるものではない。
よって、政府においては、この重大な事故に対し厳重に抗議するとともに、下記事項を徹底・実現することを、強く要望する。

1.民間地や特に市街地上空での米軍機の飛行及び訓練を即時中止すること。
2.事故再発の危険性の高い普天間基地の飛行場としての運用を、一日も早く使用停止・閉鎖し、即時無条件撤去に向けての日米政府間交渉を行うこと。
3.事故原因の究明は米軍任せにするのでなく、日本が責任をもって行い、その結果を全て公表すること。4.事故による物的・営業的・精神的な被害など、すべての被害者に対する完全補償と、恐怖を強いられた市民・大学関係者に心的ケアを継続して行うこと。
5.米軍に特権・免責を与えている日米地位協定の抜本的改定を早期に図ること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、外務大臣、沖縄開発庁長官、防衛庁長官、防衛施設庁長官

発議案第7号 郵政事業の民営化反対に関する意見書

(提出者)斉藤誠
(賛成者)岩井友子、鈴木和美、滝口宏、田久保好晴、瀬山孝一、和田善行
日本郵政公社は、国営の新たな公社として平成15年4月1日に発足し、郵便、郵便貯金、簡易保険の各業務及び郵便局の施設を活用するその他の業務を総合的かつ効果的に行うことを目的として、以前からの国民生活に必要不可欠な郵政3事業の生活基盤サービスを一体的に提供し、独立採算のもと、効率的な経営とよりよいサービスの提供に努めている。
郵政事業の経営形態については、平成10年6月に施行された中央省庁等の改革基本法によって、国営公社以降の民営化論議はしないということになっていたが、小泉内閣以降、構造改革の名のもとに、郵政事業の経営形態の論議が巻き起こり、本年9月10日に閣議決定された基本方針では、平成19年4月の民営化当初から分社化するとされている。
競争原理に基づいた郵政民営化が行われれば、収益向上・採算性重視のもとに不採算地域の郵便局の廃止や各種料金の値上げが想定され、全国一律にサービスが受けられる郵便局のユニバーサルサービスは継続が困難になるなど、地域住民の生活にも大きく影響することになる。特に高齢者の生活においては、郵便局のない生活は考えられないものとなっており、これから迎える超高齢化社会への影響は計り知れない。
よって、国会及び政府においては、現在の国営の公社形態を維持し、構造改革の名のもとに行われようとしている郵政事業の民営化を行わないよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、郵政民営化担当大臣

発議案第8号 公共工事における建設労働者の適正労働条件確保に関する意見書

(提出者)鈴木郁夫
(賛成者)斉藤誠、村田一郎、岩井友子、鈴木和美、斉藤守
我が国において建設産業は、全就業者数の約1割を占める630万人が従事し、基幹産業として経済発展と雇用確保に大きく貢献してきた。しかし、建設産業における元請と下請という重層的な関係の中で、他の産業では常識とされる明確な賃金体系が現在も確立されず、仕事量の変動が施工単価や労務費に大きく影響して、建設労働者の生活を不安定なものとしている。
諸外国では、公契約における賃金を確保する法律、いわゆる「公契約法」の制定が進んでいるが、我が国でも、平成12年11月に公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律が制定され、その成立において「建設労働者の賃金、労働条件の確保が適切に行われるよう努めること」との附帯決議が衆参両院で付されている。建設業を健全に発展させ、工事における安全や品質の確保とともに、雇用の安定や技能労働者の育成を図るためには、公共工事における新たなルールづくりが必要である。
よって、政府においては、建設労働者の適正な労働条件を確保するため、公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の附帯決議に基づいて実効ある施策を図るとともに、公契約法についても早期に検討、制定するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、国土交通大臣、厚生労働大臣

発議案第9号 生活保護費の国庫負担削減中止に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)鈴木郁夫、角田秀穂、村田一郎、草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
生活保護制度は、日本国憲法に定められた「基本的人権の保障」に基づき、「健康で文化的な最低限度の生活」を、国の責任で保障しようとする制度である。しかし、今、政府が進めようとしている生活保護費の国庫負担削減は、国が本来果たすべき役割の放棄であり、全国の自治体から厳しい批判の声が上がるのも当然である。
政府の削減案は、現行の国庫補助率を4分の3から3分の2へ引き下げるというものであり、削減分は別途税収として地方へ移ると説明しているが、既に今年度予算において削減された補助金3兆9000億円のうち、移譲された税源はわずか4500億円であり、11.5%に過ぎなかった。財源の保障がないまま削減されることになれば、国民の生存権は侵害され、地方自治体の負担がふえるばかりである。
深刻な不況と雇用不安の中で、生活保護の受給世帯は今年3月の時点で97万世帯、受給者は139万人で過去最多に上っており、国民の100人に1人は生活保護受給者となっている。こうした事態を招いたのは、リストラを支援して大量の失業者を生み出し、不安定雇用を増大させ、中小企業や農業をつぶし、社会保障の削減を進めてきた政府の構造改革によるものである。
政府の進める国庫負担の削減は、みずからの財政運営と政策によって引き起こした事態を放棄したまま、国民と地方自治体に負担ばかりを押しつけようとするものであり、許されることではない。
よって、政府においては、生活保護費の国庫負担の削減を中止し、これ以上国民と地方自治体に負担を強いることのないよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第10号 イラクからの自衛隊撤退に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
イラクは、アメリカ軍主導の占領当局から暫定政府に主権が移譲されたが、同国ではいまなお、「実質的な占領状態に変わりはない」「抵抗と混乱は続くだろう」など、当初から国際社会で広く指摘されていたとおりの事態が進んでいる。そして、サマーワの自衛隊基地周辺では、連日のように砲弾が打ち込まれるような事態が生じている。
今年5月、小泉首相は、「武力行使を目的とする多国籍軍に、日本は、自衛隊であれどのような組織であれ、参加することはしない」と国会で答弁した。さらに政府は、「目的・任務に武力行使が伴う多国籍軍への自衛隊参加は憲法上許されない」と、繰り返し見解を表明してきた。しかし、政府は、まず復興支援を名目に自衛隊を派兵し、暫定政府への主権移譲を前にした6月18日、初めて多国籍軍に参加させることを閣議決定した。派兵された自衛隊は、今、多国籍軍の一員として活動している。
政府は、従来の見解を歪曲し、「自衛隊が多国籍軍司令部の指揮下に入るわけではない」と米英両国政府と約束したと強弁し、多国籍軍参加を合理化しているが、憲法違反にかかわる重大問題を、両国の交渉担当者の名前さえ明らかにせず、まして口頭了解だとする口約束は、断じて認めることはできない。
よって、政府においては、憲法違反に当たる自衛隊の多国籍軍参加を撤回し、戦闘地域には自衛隊を出さないとするイラク復興支援特別措置法に基づき、直ちに自衛隊をイラクから撤退させるよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、外務大臣、防衛庁長官

発議案第11号 核兵器廃絶のための緊急行動の支持等に関する決議

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
平成17年(2005年)5月、国連の核不拡散条約(NPT)再検討会議がニューヨークで開催される。イラク戦争が泥沼化し、核兵器使用・核拡散などの懸念が強まる中で、平成12年(2000年)の同会議で核保有国も合意した、核兵器廃絶の「明確な約束」の実行を求める声が世界中で高まっている。
しかし、核保有国の多くはこれにこたえようとせず、世界にはなお約3万発の核兵器が配備・貯蔵され、人類の生存を脅かしている。とりわけアメリカ・ブッシュ政権は、「テロへの対抗」や「大量破壊兵器の拡散の危険」を理由に、アメリカ政権の意思に従わない国に対する核兵器の使用をも選択肢とする先制攻撃戦略を推し進めている。また、強大な核兵器を保持し続けているだけでなく、小型核兵器など、「使える核兵器」の研究・開発、地下核実験の再開の検討など、新たな現実の脅威をつくり出している。
広島・長崎両市長も参加する世界109カ国と611都市からなる平和市長会議は、来年開かれるNPT再検討会議で、平成32年(2020年)を核兵器廃絶の目標年次とする核兵器禁止条約を平成22年(2010年)までに締結するという中間目標を盛り込んだ行動プログラムを採択するよう提案している。そして平和市長会議は、世界の都市・市民・NGOが連携して核兵器廃絶を求める世論を国際的に醸成するための「核兵器廃絶のための緊急行動」に取り組み参加を呼びかけている。今年2月には欧州議会が、6月には全米市長会議総会が緊急行動支持決議を行っている。
昭和20年(1945年)8月、広島と長崎に投下された原爆は、一瞬のうちに町を壊滅し、その年のうちに20数万人の命を奪い、生き残った被爆者は心と体に深い傷を負い、今なお苦しみ続けている。このような惨害を決して繰り返すことがないよう、核兵器の使用を阻止し、速やかな廃絶を実現することは、今日の世界政治における緊急の課題である。
船橋市は「非核3原則を遵守し、平和を脅かす核兵器の廃絶を目指して最大の努力を払うことを決意し」とした平和都市宣言を行っており、「あの悲劇を繰り返してはならない。人類は核兵器と共存できない」という被爆者の叫びにこたえ、核兵器廃絶のための最大の努力を払うべきである。
よって、本市議会は、平和都市宣言を行っている市として、本市が平和市長会議の呼びかける核兵器廃絶のための緊急行動を支持し、参加・協力するよう、強く要望する。
以上、決議する。
平成16年9月29日
船橋市議会

発議案第12号 介護保険制度の充実に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、池沢敏夫、浦田秀夫
来年は、介護保険制度がスタートして5年目に当たり、初めての制度見直しが行われる。4年余を経過した介護保険制度の現状は、全国で332万人が要介護認定を受けながら254万人しか利用していないという現状であり、サービス利用率は支給限度額に対して4割程度の低い水準で、制度開始以来改善されていない。特に低所得者に対する対策が不十分なため、利用料が高くサービスを利用したくてもできないという現状が改善されないままである。
ところが、政府・厚生労働省が現在検討を進めている内容は、国民負担の軽減ではなく、(1)公平を理由にした利用料の引き上げと保険料の徴収年齢の引き下げ、(2)施設利用者に対するホテルコスト(家賃・光熱水費)の導入や食費などの自己負担化、(3)介護予防を名目とした軽度サービスの削減、(4)支援費制度が抱える財政問題解消のため、国民・利用者をないがしろにした介護保険制度と支援費制度の統合など、負担増や福祉サービスの後退である。こうした内容では、負担軽減やサービス充実を求める高齢者・利用者の声にこたえた見直し案にはならない。
よって、政府においては、来年の介護保険制度の見直しに当たって、現在検討している見直し案を次の方向で検討し直すよう、強く要望する。

1.国庫負担を現行の25%から50%に引き上げること。また、当面は、国庫負担25%を確実に配分し、現行の調整交付金(5%)は別枠化して、その財源は国庫負担とすること。
2.低所得者に対する保険料及び利用料の減免を、財源も含めて国の責任で行うこと。当面は、在宅サービスの現行1割負担を3%負担に軽減すること。
3.保険料段階区分を現行原則5段階から、さらにきめ細かい区分にすること。
4.どの地域でも同一のサービスを受けられるよう、国の責任でサービス基盤整備やサービスの充実に努めること。また、介護予防の名目で軽度サービスの削減を行わないこと。
5.ケアマネジャーやホームヘルパーなどの劣悪な労働条件の抜本的な改善を国の責任で行うこと。
6.介護保険制度と支援費制度との統合は行わないこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第13号 重国籍容認の法改正に関する意見書

(提出者)浦田秀夫
(賛成者)草野高徳、関根和子、池沢敏夫
平成9年(1997年)の欧州評議会は、人の国際移動と国際結婚が増大する中で、定住国での権利保障と国際結婚をした家族の生活を配慮して、昭和38年(1963年)の重国籍削減条約を根本的に見直し、国籍規約によって国籍唯一の原則を完全に修正した。
日本は、国籍唯一の原則により、成人の重国籍を原則的に認めず、日本で生活する外国人、海外で生活をする日本人、重国籍を持つ子供たちは、国家間の法的な矛盾、権利の空白など、個人にとって深刻な問題が解決できないため、さまざまな問題に直面しており、社会的な救済という意味合いからも重国籍容認が求められている。
在日外国人にとって、国籍を放棄することは出身国との法的絆を放棄することになり、国に帰る際に不都合を生じる可能性があることから、日本の国籍を取得しない人が多い現状がある。同じことが在外日本人にも当てはまり、日本国籍を維持できるのなら、居住国の国籍を取得したい人が多いはずである。また、二重国籍となっている子供たちに、あたかも父母のどちらかを選ばせるような、どちらかの国の法的絆を放棄させることも妥当ではない。
国際化する社会で、重国籍を容認する国際的な潮流について検討し、日本で生活する者に基本的権利を保障し、さらなる社会の発展を促すためにも、国籍を加算させる形で付与するべきである。そのことは、個人の自己決定権の尊重、少数民族者への権利擁護にもつながることになる。
よって、国会及び政府においては、国際化社会の実態に即し、国際的に活動する人たちが不利益を受けないように重国籍を容認し、国籍法第5条第1項第5号、第11条、第14条、第15条及び第16条を廃止するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、法務大臣、総務大臣

発議案第14号 三位一体改革中止と税源移譲に関する意見書

(提出者)関根和子
(賛成者)草野高徳、浦田秀夫
小泉内閣は、地方分権に関する三位一体の改革を推進するとして、国庫補助負担金及び地方交付税の削減と国税の地方への移譲をセットで進めるとしている。
先日、全国知事会は、国庫補助負担金の削減を推進することを多数で決めたが、国庫補助負担金の大部分は民生費や教育費に係るものであり、この削減は福祉・教育の切り捨てにつながりかねない。また、地方交付税は、財源の均衡化及び行政の計画的な運営を図るものであり、その削減は税収の少ない自治体にとっては死活問題となる。税の移譲についても税源の都市部への偏在が大きく、国庫補助負担金や交付税の削減に見合う税源移譲の保障も定かではない。
今回の三位一体改革のねらいは国の財政赤字の削減にあるが、財政悪化の最大の要因は、むだな大型公共事業と法人税の減税、所得税の累進税率の緩和にある。国庫補助負担金及び地方交付税の削減は、地方財政にそのしわ寄せを押しつけるものであり、とうてい容認できるものではない。
よって、政府においては、現在進めようとしている三位一体改革を中止し、国が責任を持たなければならない民生費、教育費などの国庫補助負担金及び地方交付税の税源保障機能を維持するとともに、税源移譲は担税力に応じた負担の原則である総合・累進課税、生活費非課税の原則に立った税制を確立して進めるよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成16年9月29日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣

発議案第15号 佐原正幸監査委員に対する辞職勧告決議

(提出者)関根和子
(賛成者)金沢和子、伊藤昭博、草野高徳、高橋忠、岩井友子、石川敏宏、佐藤重雄
市の樹木資源化実験事業の請負業者である株式会社ジャンクサービスの役員には、佐原正幸監査委員の親族が登記されているが、7月から9月にかけて開かれた市民環境経済委員会の「樹木資源化実験事業及び業務委託について」の調査では、自己や親族のために利益誘導を行う行為や違法行為が明らかになった。
(1) 豊富町1334番地所在の一般廃棄物処理施設(所有者株式会社ジャンクサービス)の土地は、監査委員の佐原正幸氏が所有し、同社に賃貸している。
(2) 当該施設前面道路(市道7413号線)の拡幅整備工事が6月に発注されたが、市側から、「本年1月下旬に佐原議員の方から舗装の依頼があった」との答弁があった。
(3) 当該土地の樹木の伐採について森林法に違反すること。
このような行為は、常に公正不偏の態度を保持しなければならない監査委員の立場とは相入れないものである。
よって、本市議会は、佐原正幸議員に対し、直ちに監査委員を辞職するよう、勧告する。
以上、決議する。
平成16年9月29日
船橋市議会