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発議案(議員提出議案)平成14年第3回定例会

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発議案第1号 船橋市住民基本台帳に係る個人情報の保護に関する条例

(提出者)岩井友子
(賛成者)金沢和子、草野高徳、伊藤昭博、高橋忠、津賀幸子、石川敏宏、佐藤重雄、関根和子、木村ゆり子、朝倉幹晴、さとうももよ
(目的)
第1条 この条例は、住民基本台帳法(昭和42年法律第81号。以下「法」という。)に規定する事務を管理し、又は執行するに当たり、住民票に記載されている事項(以下「住民票記載事項」という。)の適正な管理のために市長が講ずべき事項等を定め、これを明らかにすることにより、市民の個人情報の保護を図ることを目的とする。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、法の例による。
(市長の責務)
第3条 市長は、住民基本台帳に関する事務の処理に当たり、市民に関する正確な記録が行われるよう事務処理の適正化を図るとともに、住民票記載事項の漏えい、滅失又はき損の防止その他の安全管理のために常時の監視などの必要かつ適切な措置を講じなければならない。
(電気通信回線による千葉県知事への通知)
第4条 法第30条の5第2項及び住民基本台帳法施行令(昭和42年政令第292号。以下「令」という。)第13条第4項の規定に基づき、電子計算機から電気通信回線を通じて千葉県知事に送信する事項は次のとおりとする。
(1) 氏名
(2) 出生の年月日
(3) 男女の別
(4) 住所
(5) 住民票コード
(6) 法第30条の5第1項に規定する住民票の記載等に関する事項で政令で定めるもの
(7) 令第13条第3項に規定する法第9条第1項の規定による通知を受けた旨
(審議会への報告等)
第5条 市長は、市が管理する電子計算機と市以外のものが管理する電子計算機との間で、電気通信回線を通じて送受信を行った住民票記載事項の処理状況並びに当該処理により発生した苦情(住民票記載事項に係るものに限る。)及びその処理の内容について、毎年1回以上、船橋市個人情報保護条例(平成2年船橋市条例第20号)第25条第1項に規定する船橋市個人情報保護審議会(以下「審議会」という。)に報告しなければならない。
2  前項に規定する処理状況は、次に掲げる事項とする。
(1)  法第9条第1項の規定による他の市町村から市内に住所を変更した者に係る当該他の市町村長への通知
(2)  法第9条第1項の規定による市から他の市町村の区域内に住所を変更した者に係る市長への通知
(3)  法第12条の2第2項の規定による政令で定める事項の住所地市町村長への通知
(4)  法第12条の2第3項の規定による政令で定める事項の交付地市町村長への通知
(5)  法第24条の2第3項の規定による最初の転入届又は最初の世帯員に関する転入届を受けて行う転出地市町村長への通知
(6)  法第24条の2第4項の規定による政令で定める事項の転入地市町村長への通知
(7)  法第30条の5第1項及び令第13条第3項の規定による前条各号に掲げる事項の千葉県知事への通知
3  市長は、第1項に掲げる事項について、審議会に報告後、市民に公表するものとする。
(不適正利用に対する措置)
第6条 市長は、住民票記載事項の漏えい又は不適正な利用により、市民の基本的人権が侵害されるおそれがあると認めるときは、国、他の地方公共団体、指定情報処理機関その他の関係者(以下「国等」という。)に対し報告を求めるとともに、必要な調査を行わなければならない。
2 市長は、前項の規定による国等からの報告又は調査により、市民の基本的人権が侵害されると判断したときは、市民の個人情報の保護に関し、必要な措置を講じなければならない。
3 市長は、前項に規定する措置を講ずるに当たっては、あらかじめ審議会の意見を聴くとともに、広く市民の意見を求めるものとする。
4 市長は、市民の基本的人権が侵害されるおそれについて、明白かつ差し迫った危険があると認めるときは、第1項及び前項の規定にかかわらず、報告の要請又は意見の聴取を行わずに必要な措置を講ずることができる。この場合において、必要な措置を講じた後、その措置の内容について速やかに審議会に報告するものとする。
(住民基本台帳の一部の写しの閲覧等の制限)
第7条 市長は、法第11条第3項又は第12条第5項(法第20条第2項の規定において準用する場合を含む。)の規定に基づき住民基本台帳の一部の写しの閲覧又は住民票の写しの交付等の請求を拒むときは、基本的人権の尊重の観点に立って判断しなければならない。
2 市長は、本人からの申出があり、かつ、当該本人の生命、身体、財産その他の権利利益を著しく害するおそれがあると認めるときは、当該本人に係る住民基本台帳の一部の写しの閲覧又は住民票の写しの交付等について、必要な措置を講ずることができる。
(不当な目的による取得等の禁止)
第8条 何人も、市が保有する住民票記載事項について、不当な目的をもって取得し、又は第三者に譲り渡してはならない。
2 市長は、前項の規定に違反する行為をしたと認める者に対し、当該住民票記載事項の消去、記録された媒体の回収その他必要な措置をとるよう命ずることができる。
(関係人に対する調査等)
第9条 市長は、前条第2項の規定による措置に関し、必要な調査をすることができる。
2 市長は、前項に規定する調査を行うため必要があると認めるときは、その職員に関係人に対し質問をさせ、又は文書その他の物件の提出を求めさせることができる。
3 前項の規定により質問をし、又は文書その他の物件の提出を求める職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、これを提示しなければならない。
(委任)
第10条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
(過料)
第11条 次の各号の一に該当するときは、その違反行為をした者は、5万円以下の過料に処する。
(1)  第8条第2項の規定による命令を受け、当該命令に従わないとき。
(2)  第9条第2項の規定による質問に対し、回答をせず、若しくは虚偽の回答をしたとき、又は文書その他の物件の提出を拒み、妨げ若しくは忌避し、若しくは虚偽の文書を提出したとき。
附則
(施行期日)
1 この条例は、規則で定める日から施行する。
(船橋市手数料条例の一部改正)
2 船橋市手数料条例(昭和36年船橋市条例第11号)の一部を次のように改正する。
第9条第1項中第3号を第4号とし、第2号を第3号とし、第1号の次に次の1号を加える。
(2) 住民基本台帳法(昭和42年法律第81号)に規定する住民基本台帳に記録されている者が、同法第11条第1項の規定に基づき、自己に係る住民基本台帳の一部の写しの閲覧を請求するとき。
理由
住民基本台帳ネットワークシステムの稼動に伴い、住民票記載事項の適正な管理及び市民の個人情報の保護を図るため、新たな条例を制定する必要がある。これが、この条例案を提出する理由である。

発議案第2号 船橋市まちづくり条例

(提出者)金沢和子
(賛成者)草野高徳、伊藤昭博、高橋忠、岩井友子、津賀幸子、石川敏宏、佐藤重雄、関根和子
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、船橋市基本構想及び船橋市都市計画マスタープラン(以下「船橋市基本構想等」という。)に規定された本市のまちづくりの理念を最善の形で実現するために、自然環境、地域環境及び近隣居住環境と建設行為の規制及び誘導並びに都市の整備に関する事業等との調和を図るための基本的事項を定め、もって市民の健康、安全及び福祉の保持とともに災害に強い地域社会の形成に寄与することを目的とする。
(用語の定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1) 建築物 建築基準法(昭和25年法律第201号)第2条第1号に定める建築物をいう。
(2) 建築 建築基準法第2条第13号に定める建築をいう。
(3) 建設行為 建築物その他工作物(以下「建築物等」という。)を建築する行為、土地の区画形質を変更する行為又は現状の土地利用を著しく変更する行為をいう。
(4) 市民 市内に住所を有する者をいう。
(5) 市民等 市民、市内の居住者及び滞在者並びに土地又は建築物等の所有者又は占有者をいう。
(6) 建設行為者 建設行為を行おうとする者をいう。
(7) まちづくり 良好な自然環境、市民が健康で安心かつ快適な生活を営む環境及び歴史的文化的環境を保全し、又は創造することをいう。
(8) 自然環境 生態系を含む自然資源(河川、海、浜、樹林地及び草地をいう。)及びその景観をいう。
(9) 生活環境 市民等の健康、生命及び財産に密接にかかわる日常生活上の状態をいう。
(10) 歴史的文化的環境 史跡、伝承等歴史的発展の上に重要な意義を持ち、又は文化活動の進展に密接なかかわりを持つ地域又は状態をいう。
(11) 建設区域 建設行為を行う土地の区域をいう。
(12) 公共公益施設 公園、緑地、駐車施設、消防施設、道路、上水道施設、排水施設、環境衛生施設、広場、河川、海岸、水路、砂防施設、教育施設、医療施設、交通安全施設、社会福祉施設等の公共公益の用に供する施設(土地を含む。)をいう。
(13) 近隣関係者 建設区域の付近に存する土地又は建築物等の所有者及び占有者で、規則で定める区域内の関係者をいう。
(14) 地区計画等 都市計画法(昭和43年法律第100号)第12条の4第1項に掲げる計画をいう。
(15) 建築協定 建築基準法第69条に規定する建築協定をいう。
(責務)
第3条 市、市民等及び建設行為者は、まちづくりを推進するために、それぞれ次の責務を果たすものとする。
(1) 市の責務
ア この条例の目的を達成するためにまちづくり計画を定め、かつ、これを実施するために必要な措置を講ずること。
イ 建設行為者による建設行為が行われる場合、まちづくりを推進するために適切な指導及び援助を行うこと。
(2) 建設行為者の責務 建設行為を行うに当たって、まちづくりに必要な措置を講ずるとともに、この条例の目的を達成するために市が行う施策に協力すること。
(3) 市民等の責務 まちづくりを行うよう自ら努めるとともに、この条例の目的を達成するために市が行う施策に協力すること。
(適用区域)
第4条 この条例は、市全域について適用するものとする。
(適用対象)
第5条 まちづくり計画、土地利用規制規準等(土地利用規制にかかわる地区区分、土地利用の方針、建ぺい率、容積率、建築物の用途の制限、高さの最高限度、敷地面積の最小限度及び壁面の後退に係る規準をいう。以下同じ。)及び第9条の規定は、すべての建設行為に適用する。
2 第3章及び第4章の規定は、次に掲げる建設行為に適用する。ただし、主として自己の居住の用に供するための住宅の建設行為は、この限りでない。
(1) 土地の区画形質を変更する行為又は現状の土地利用を著しく変更する行為で、その面積が300平方メートル以上のもの
(2) 斜面の直高が10メートル以上の急傾斜地における土地の区画形質を変更する行為又は現状の土地利用を著しく変更する行為
(3) 次のいずれかに該当する建築物等の建築に係る行為
ア 建築物の高さ(建築基準法施行令(昭和25年政令第 338号)第2条第1項第6号に規定する建築物の高さをいう。)が10メートル以上又は3階建以上(地階を含む。)のもの
イ 建築物の延べ面積が 200平方メートル以上のもの
ウ 特殊建築物(建築基準法第2条第2号に規定する特殊建築物をいう。)で2階建以上かつ敷地面積が 300平方メートル以上のもの
エ その他市長がまちづくりを行うに当たって重大な影響があると認める工作物
(4) 同一建設行為者が施工中又は施工後3年以内に建設区域に接続して更に建設行為を行う場合であって、当該建設行為が前各号いずれかに該当するもの
(適用除外)
第6条 国、地方公共団体等が公共目的で行う建設行為については前条の適用から除外し、市長と協議するものとする。
第2章 まちづくり計画
(まちづくり計画)
第7条 市長は、まちづくり計画を定めるものとする。
2 まちづくり計画には、次の事項を定めなければならない。
(1) 都市計画の目標及び方針
(2) 土地利用の方針及び地区別整備方針
(3) 建築物の整備・誘導の方針及び意匠
(4) 住宅建設の誘導及び住環境の整備・誘導の方針
(5) 市街地の開発及び再開発の方針
(6) 道路、下水道その他都市施設の整備方針
(7) 市街地整備の目標年次
(8) 自然環境、緑地の保全及び公共空地等の整備の方針
(9) 公害防止又は環境改善の方針
(10) 都市防災に関する方針
(11) その他市が必要と認める事項
3 まちづくり計画は、概要図及び計画書により表示しなければならない。
4 まちづくり計画は、船橋市基本構想等と調和したものでなければならない。
5 市長は、まちづくり計画の案を作成しようとするときは、公聴会の開催その他市民の意見を反映させるために必要な措置を講じなければならない。
6 市長は、まちづくり計画を決定しようとするときは、その旨を公告し、まちづくり計画の案を当該公告の日から2週間縦覧に供しなければならない。
7 前項の公告があったときは、市民は、同項の縦覧期間満了の日までに、縦覧に供されたまちづくり計画の案について、市長に意見書を提出することができる。
8 市長は、前項の規定により提出された意見書の処理の結果についての報告書を作成し、当該報告書を作成した日から2週間縦覧に供しなければならない。
9 市長は、まちづくり計画を決定するときは、議会の議決を経なければならない。
(土地利用規制規準並びに保全区域及び誘導区域)
第8条 市長は、まちづくりを推進するため、第10条に定める船橋市まちづくり審議会(同条第1項を除き以下「審議会」という。)の議を経て、規則により土地利用規制規準を定めることができる。
2 土地利用規制規準を変更し、又は廃止するときは、審議会の議を経なければならない。
3 市長は、特に必要があると認めるときは、審議会の議を経てまちづくり計画に基づき、建設行為を抑制する区域(以下「保全区域」という。)及び建設行為を誘導する区域(以下「誘導区域」という。)を定めることができる。
4 保全区域は、次の各号のいずれかに該当する区域で、審議会の同意がなければ建設行為を抑制するものとする。ただし、市長が必要があると認めたときは、この限りでない。
(1) 貴重な自然状態を保ち、又は学術上重要な意義を有し、保全することが必要な地区
(2) 埋蔵文化財など歴史的に特色のある地域で、特に保全することが必要と認められる地区
(3) その他市長が景観保全上特に必要と認める地区
5 誘導区域は、市が審議会の同意を得て、建設行為を誘導するものとする。
6 保全区域及び誘導区域は、規則で定める。
(美の原則)
第9条 市長は、まちづくり計画に基づいて、自然環境、生活環境及び歴史的文化的環境を守り、かつ、発展させるために、次に掲げる美の原則に配慮するものとし、その基準については、規則で定める。
(1) 場所 建築は、場所を尊重し、風景を支配しないようにしなければならない。
(2) 格づけ 建築は、私たちの場所の記憶を再現し、私たちのまちを表現するものである。
(3) 尺度 すべての物の基準は、人間である。建築は、まず人間の大きさと調和した比率をもち、次に周囲の建物を尊重しなければならない。
(4) 調和 建築は、まち全体と調和しなければならない。
(5) 芸術 芸術は、人の心を豊かにする。建築は、芸術と一体化しなければならない。
(6) コミュニティ 建築は、人々のコミュニティを守り育てるためにある。人々は、建築に参加するべきであり、コミュニティを守り育てる権利と義務を有する。
(7) 眺め 建築は、人々の眺めの中にあり、美しい眺めを育てるためにあらゆる努力をしなければならない。
(まちづくり審議会)
第10条 市長は、まちづくりに関する重要事項を調査審議させるため、船橋市まちづくり審議会を設置する。
2 審議会は、この条例において審議会の議を経ることとされているもののほか、市長の諮問に応じてまちづくりに必要な事項を調査し、又は審議し、市長に答申するものとする。
3 市民等は、審議会に対し、まちづくりに関する意見を述べ、又は提案をすることができる。
4 審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第3章 建設行為の基準
(公共公益施設の整備、管理及び帰属)
第11条 建設行為者は、第5条第2項に規定する建設行為を行おうとするときは、まちづくり計画を実施するために必要な公共公益施設の整備について、市と協議しなければならない。
2 前項の公共公益施設の整備について、必要となる用地及び費用等の負担並びに基準等については、規則で定める。
3 この条例により建設行為者が設置した公共公益施設の帰属主体、帰属時期、管理主体、管理形態等については、市と建設行為者が協議して決定する。
(文化財の保護)
第12条 建設行為者は、建設区域内に文化財等がある場合、又は文化財等を発見した場合は、教育委員会の指示に従い、文化財保護法(昭和25年法律第214号)の定めるところにより、その保護措置等を行わなければならない。
(日照の確保、電波障害等の除去及び被害の防止)
第13条 建設行為者は、建設行為を行おうとするときは、隣接地等に日照が十分に確保されるよう計画しなければならない。
2 建設行為者は、建設行為によって電波障害等の発生のおそれがあるときは、事前に必要な措置を講ずるとともに将来にわたり解決を図るものとする。
3 建設行為者は、前2項の規定にかかわらず建設行為中に被害が発生し、又は発生するおそれがあると認めた場合には、工事を中止してその原因除去に努めなければならない。
4 建設行為者は、工事が完了した後において被害が発生し、その原因が当該建設行為によるものでないとの証明が不能の場合には、その補償及び改修は、建設行為者自らの責任において負担するものとする。
第4章 建設行為の手続
(建設行為の届出)
第14条 建設行為者は、第5条第2項に規定する建設行為を行おうとするときは、規則で定める建設行為届出書を市長に提出しなければならない。
2 前項の規定は、建設行為者が建設行為を変更しようとするときに準用する。
(事前公開)
第15条 建設行為者は、前条に定める届出の後、当該建設行為について事前に市民等に公開しなければならない。
2 建設行為者は、当該建設行為の公開に当たっては、規則で定める標識を当該建設行為予定地内の見やすい場所に設置しなければならない。
(説明会等の開催)
第16条 建設行為者は、近隣関係者及び当該建設行為により著しい利害を有する者(以下「利害関係者」という。)に対し、計画の内容、工事施工方法等について説明会等を開催し、協議しなければならない。
2 建設行為者は、前項に定める説明会等を行ったときは、その記録を市長に提出しなければならない。
3 建設行為者は、第1項の協議により必要が生じた場合は、近隣関係者及び利害関係者と協定を締結しなければならない。
(事前協議)
第17条 建設行為者は、第14条に定める届出の後、前条の説明会等と並行し、又は説明会等の後に、規則で定める建設行為事前協議申請書を市長に提出し、協議しなければならない。
2 市長は、前項の協議に際し、まちづくり計画及び土地利用規制規準等並びに第3章に定める建設行為の基準に基づき、期限を定めて必要な措置を講ずるよう指導し、又は勧告することができる。
3 市長は、必要があると認めた場合、第1項の協議が調ったものについて速やかに建設行為者と当該建設行為の協定を締結するものとする。
(工事着手及び工事完了の届出)
第18条 建設行為者は、建設行為に着手するときは、規則で定める工事着手届をあらかじめ市長に提出するものとする。
2 建設行為者は、建設行為が完了したときは、規則で定める工事完了届を速やかに市長に提出し、検査を受けるものとする。
(報告及び調査)
第19条 市長は、特に必要があると認めるときは、建設行為者に対し当該建設行為の実施状況その他必要な報告を求め、又は所属職員をして当該建設行為の実施場所に立ち入らせ、調査をさせることができる。
(効力の失効)
第20条 第17条第3項の協定の締結の日から起算して1年以内に建設行為に関する工事が着手されない場合は、当該協定は、その効力を失うものとする。
(公聴会の開催)
第21条 市長は、第14条に定める建設行為の届出を受けた建設行為について、特にまちづくりに重大な影響があると認めるときは、審議会の議を経て船橋市まちづくり公聴会(以下「公聴会」という。)を開催することができる。
2 市民は、市長に対し市民の20歳以上の者の20分の1以上の連署をもって、建設行為者の建設行為について公聴会の開催を請求することができる。
3 建設行為者は、市長に対し、第14条に定める建設行為の届出を行った建設行為について公聴会の開催を請求することができる。
4 市長は、前2項の請求があった場合、公聴会を開催しなければならない。
5 公聴会の運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(報告書の作成及び不服申立て)
第22条 市長は、前条の規定による公聴会を開催したときは、速やかに建設行為の当否について規則で定める報告書を作成し、当該報告書を作成した日から2週間縦覧に供しなければならない。
2 市民及び建設行為者は、前項の報告書の内容に不服がある場合は、議会に対し建設行為の当否について書面による意見を付した上、議会の議決を請求することができる。
3 市長は、前項の建設行為の当否について議会の議決がされた場合、これを尊重しなければならない。
4 市長は、特に必要があると認めるときは、議会に対し第1項の報告書を提出した上、議会の意見を求めることができる。
(公表)
第23条 市長は、建設行為者が次の各号のいずれかに該当したときは、その旨及び当該建設行為者の氏名を公表することができる。
(1) 第8条の規定による保全区域内の建設行為の抑制に応じないとき。
(2) 第14条の規定による届出をしないとき。
(3) 第17条第1項による協議を行わないとき。
(4) 第17条第2項の規定による指導又は勧告を受けた建設行為者で、定められた期限内に必要な措置をとらないとき。
(条例の不履行に対する措置)
第24条 市長は、前条の規定に該当する建設行為者及び第22条に定める議会の議決を尊重しない建設行為者に対し、市の必要な協力を行わないことができる。
第5章 まちづくりの推進
(まちづくり組織への支援等)
第25条 市民等は、地区のまちづくりを推進することを目的として、市民等で構成する組織を設立するための支援を市長に要請することができる。
2 市長は、前項の要請が地区のまちづくりを推進することを目的としたものであると認めた場合、組織を設立するための支援をすることができる。
3 市長は、市民等が第1項の組織を設立し、この組織が当該地区を代表するものであると認められるときは、この組織を地区まちづくり協議会として認定し、技術的支援、資金的支援その他の支援を行うものとする。
4 地区まちづくり協議会は、地区のまちづくりを推進するための地区まちづくり協定を定め、市長に提案することができる。
5 市長は、前項の提案が第7条に定めるまちづくり計画に合致すると認められる場合には、地区まちづくり計画としてこれを定め、地区計画等及び建築協定のほか、地区のまちづくりに関する制度の活用を図るものとする。
6 市長は、前項の地区まちづくり計画を実現するため第3項に定める支援のほか、必要な措置を講ずるものとする。
7 市長は、特に地区のまちづくりを推進する必要があると認める地区について、地区まちづくり協議会の育成に努めるとともに、開発の誘導等必要な措置を講ずるものとする。
第26条 市長は、地区のまちづくりを推進するために、都市計画法第16条第2項に基づく地区計画等に関する条例及び建築基準法第69条に基づく建築協定に関する条例を別に定めるものとする。
(表彰)
第27条 市長は、良好なまちづくりに著しく寄与したと認められる市民等、建設行為者及び団体等に対し、審議会の同意を得て、その功績を表彰することができる。
(助成措置)
第28条 市長は、良好なまちづくりに寄与していると認められる事業、団体等に対し、予算の範囲内において別に定めるところにより、必要な助成を行うことができる。
第6章 雑則
(緑地保全への貢献)
第29条 建設行為者は、失われ行く緑の回復及び保全を目的として、船橋市公園緑地整備基金条例(平成10年船橋市条例第29号)の目的に沿い、規則に定めるところにより市へ協力することができる。
(委任)
第30条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年1月1日から施行する。
(経過措置の委任)
2 この条例の施行に関し必要な経過措置は、規則で定める。
(船橋市環境共生まちづくり条例の廃止)
3 船橋市環境共生まちづくり条例(平成7年船橋市条例第21号)は、廃止する。
理由
船橋市基本構想及び船橋市都市計画マスタープランに規定された本市のまちづくりの理念を最善の形で実現するため、新たな条例を制定する必要がある。これが、この条例案を提出する理由である。

 発議案第3号 船橋市議会議員定数条例

(提出者)早川文雄
(賛成者)高木明、倍田賢司、上林謙二郎、佐藤新三郎、米井昌夫、櫛田信明、斉藤守、中江昌夫、朝倉幹晴、長谷川大
地方自治法(昭和22年法律第67号)第91条第1項の規定により、船橋市議会の議員の定数は、50人とする。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成15年1月1日から施行し、同日以後初めてその期日を告示される一般選挙から適用する。
(船橋市議会の議員の定数を減少する条例の廃止)
2 船橋市議会の議員の定数を減少する条例(昭和61年船橋市条例第26号)は、廃止する。
理由
地方自治法の一部改正に伴い、船橋市議会議員の定数について所要の定めをする必要がある。これが、この条例案を提出する理由である。

発議案第4号 地方税源の充実・確保に関する意見書

(提出者)早川文雄
(賛成者)草野高徳、高木明、倍田賢司、上林謙二郎、高橋忠、津賀幸子、佐藤新三郎、米井昌夫、櫛田信明、斉藤守、中江昌夫、朝倉幹晴、長谷川大
現在、地方公共団体は、積極的に行財政改革に取り組み、効率的な行政体質の構築に努めているが、その財政運営は、長引く景気の低迷による税収減や景気対策に伴う公債費負担の増加などにより、危機的な状況にある。
その一方で、少子・高齢化の進展に伴う地域福祉施策の推進、循環型社会の構築に向けた環境施策の推進、生活関連社会資本の整備、地域産業の振興対策など、地方公共団体は、多様化する住民の行政需要に取り組んでいく必要がある。
このような状況において、真に地方分権に資するものであるという観点から、地方税源の充実・確保を図っていくことが極めて重要である。
よって、国会及び政府においては、平成15年度税制改正に向け、地方分権の一層の推進を図るため、地方税源の充実・確保を図るよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)衆参両院議長、内閣総理大臣、総務大臣、財務大臣、経済産業大臣、文部科学大臣、国土交通大臣

発議案第5号 介護保険制度の改革に関する意見書

(提出者)早川文雄
(賛成者)草野高徳、高木明、倍田賢司、上林謙二郎、高橋忠、津賀幸子、佐藤新三郎、米井昌夫、櫛田信明、斉藤守、中江昌夫、朝倉幹晴、長谷川大
平成12年度からスタートした介護保険制度は、本年で3年目を迎えたが、介護サービス利用者の着実な増加が示すように、制度の着実な普及と発展が見られる反面、当初懸念されたような問題を初め、想定外の諸問題が浮き彫りになりつつある。
最近の介護保険に関する各種調査や、地方自治体及び民間介護保険事業者等の意見や要望等からは、次のような問題が指摘されている。
1.多くの特別養護老人ホーム等の介護保健施設において、入所希望者・入所待機者が激増している。
2.施設利用者の入所長期化が進み、各施設の役割の混在や機能の不明確化が進んでいる。
3.施設志向の激増の理由は、基本的には施設介護と在宅介護間のコストや負担の格差によるものと考えられる。
4.在宅サービスにおいては、ショートステイ不足が目立ち、緊急入所が困難な状況にある。
5.農山村等の過疎地においては、施設や事業者の進出が難しく、「保険あってサービスなし」の地域も多い。
地方自治体においては施設整備や在宅サービスの充実が高齢者の保険料にはね返ることを懸念し、次期介護保険事業計画策定に向けて慎重な検討を重ねている。また、国に対しては、低所得者対策や介護予防事業の強化・充実を望む声が多い。
よって、国会及び政府においては、次期の介護保険制度改革を視野に入れ、次の施策の確立を図るよう、強く要望する。

1.既存施設及び各種新型施設の整備を促進し、そのためのきめ細かな助成を行うこと。
2.在宅介護報酬の改善や過疎地等への特別加算の引き上げ等を図るとともに、ショートステイ及びリハビリ体制の充実と人材養成を強力に進めること。
3.介護予防の充実を図るとともに、一律負担となっている利用料を所得に応じた段階的負担にするなど、低所得者の負担軽減策を講じること。
4.国庫負担分の25%のうち調整費5%を別枠化し、全体として30%に拡大すること。
5.要介護認定の更新期間を6カ月から1年に延期するなど、制度の効率化を推進すること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)衆参両院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第6号 食品の安全性確保等に関する意見書

(提出者)早川文雄
(賛成者)草野高徳、高木明、倍田賢司、上林謙二郎、高橋忠、津賀幸子、佐藤新三郎、米井昌夫、櫛田信明、斉藤守、中江昌夫、朝倉幹晴、長谷川大
雪印食品から日本ハムに至る、我が国有数の食品企業による食品表示偽装事件が連鎖的に発生している。これら事件の続発は、食品表示に対する国民の信頼を大きく失わせるとともに、食品そのものの安全性と品質に対する不信感を増大させている。
一方、中国産の冷凍ホウレンソウから、最高で基準の250倍もの残留農薬が検出されたり、輸入健康食品による死亡事件が起こるなど、食品の健康被害が大きな社会問題になりつつある。
食品の表示と監視は現在、食品衛生法、JAS法、景表法等の複数の法律によってなされているが、そのチェック体制が不十分なため、こうした偽装表示の横行を許してきた。また消費者・事業者双方にとってわかりにくい制度ともなっている。
食品は、国民の生命と健康の維持に不可欠なだけに、その安全性の確保は最優先課題であり、政府は、国民優先・消費者優先の食品安全行政を確立する必要がある。
よって、国会及び政府においては、食品の安全性確保と信頼できる食品表示制度の確立を図るため、次の事項を早期に確立することを、強く要望する。

1.食品の安全性確保に関する包括法として「(仮称)食品安全基本法」を早期に制定すること。
2.内閣府設置予定の「食品安全委員会」には、国民・消費者の代表を参加させるとともに、各省庁の連携と必要な予算の確保を図ること。
3.残留基準が未設定の農薬・食品添加物等について早急に基準値を設定するとともに、消費者を含めた監視体制の強化を図ること。
4.健康被害の原因となる輸入食品や禁止農薬等を使用した輸入食品の水際でのチェック体制を強化するとともに、輸出国に対し是正措置を求めること。
5.原産地表示の徹底やにせ表示に対する罰則の強化を図るとともに、わかりにくい品質保持・賞味期限表示等の是正を行うこと。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)衆参両院議長、内閣総理大臣、厚生労働大臣、農林水産大臣、経済産業大臣、環境大臣

発議案第7号 安全・快適な学校施設改善に関する意見書

(提出者)早川文雄
(賛成者)草野高徳、高木明、倍田賢司、上林謙二郎、高橋忠、津賀幸子、佐藤新三郎、米井昌夫、櫛田信明、斉藤守、中江昌夫、朝倉幹晴、長谷川大
学校施設は児童・生徒の大切な学び舎であるとともに、地震等不測の事態には、住民の避難所等にも指定されているなど、地域の貴重な防災拠点にもなっている。
阪神・淡路大震災においては、建築基準法の耐震基準が強化された1981年(昭和56年)以前に建てられた建築物の被害が目立ち、文部科学省が今年7月末にまとめた公立小中学校施設の耐震改修状況調査結果(約13万3000棟)によると、全体の約66%(約8万8000棟)が1981年以前に建てられ、このうち約70%が耐震診断を行っていなかった。また、耐震診断を実施した30%弱のうち、約1万2000棟に耐震性に問題ありとされた。
文部科学省による公立小中学校施設の推定耐震化率は約60%にすぎず、築20年以上の施設が全体の約65%を占めるなど、老朽化も深刻であり、子供たちの安全や防災拠点としての安全確保を図るために、耐震化のための補強工事等が求められている。
しかし、一方では国や地方公共団体の財政難から公立学校施設整備費の減少傾向が続き、ここ10年間では児童・生徒の減少率を上回る大幅減少(-29.2%)が見られている。
文部科学省が各都道府県教育委員会に公立学校施設の耐震化が進まない理由を聴取した際も、財政上の理由が多くを占めていた。子供たちの安全を図るためにも、学校施設の耐震化は喫緊の課題であり、国としても、そのための立法化を初め、その予算確保を最優先すべきである。
よって、国会及び国においては、耐震化・老朽化対策及び冷暖房施設の整備について必要な対策を講じ、そのための予算を最優先して確保するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)衆参両院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣

発議案第8号 歩きたばこのない町・船橋を目指す決議

(提出者)早川文雄
(賛成者)草野高徳、高木明、倍田賢司、上林謙二郎、高橋忠、津賀幸子、佐藤新三郎、米井昌夫、櫛田信明、斉藤守、中江昌夫、朝倉幹晴、長谷川大
平成6年(1994年)1月9日、JR船橋駅構内で、幼女のまぶたに前を歩いていた男性のたばこの火が当たり、救急車で運ばれるという「船橋駅事件」が起きた。幸いに眼球に異常はなかったものの、火の当たる個所やタイミングによっては失明まで考えられる事件と報じられた。それ以降、船橋駅構内には「危ない 歩きタバコが子どもの目に」の警告横断幕が掲げられている。
また、本市は、ポイ捨て防止条例を制定し、船橋駅北口をポイ捨て防止重点区域に指定、その後市民からの要望に基づいて南口側も指定したが、ポイ捨てされるごみの中には、歩きたばこと思われる吸い殻が多く見られる。
このように、船橋駅構内での警告横断幕やポイ捨て防止条例の啓発にもかかわらず、歩行者で混雑している駅周辺を中心に、いまだに歩きたばこや吸い殻のポイ捨てが後を絶たないのが実態である。
歩きたばこは、前後の通行者、特に目線の低い子供たちにとっては危険であり、煙も迷惑を及ぼすものである。また、灰が衣服を焦がすなどの被害も生まれている。そして、たばこが捨てられれば、町の美観を損ねることになる。
よって、本市議会は、すべての人々に呼びかけ、歩きたばこのない町・船橋の実現を目指すものである。
以上、決議する。
平成14年9月26日
船橋市議会

発議案第9号 教育予算の増額に関する意見書

(提出者)七戸俊治
(賛成者)斉藤守、高木明、斎藤忠、佐藤重雄、滝口宏、田中恒春、斉藤誠、木村ゆり子、早川文雄
教育は、日本の未来を担う子供たちを教え・育てるという重要な使命を負っているが、社会の変化とともに子供たちを取り巻く環境も変化し、教育予算的な諸課題が山積している。
特に、完全学校5日制や国際化・情報化に対応するための社会教育施設や学校施設の整備・充実、総合的な学習の時間の実施や選択履修の拡大に伴う経費等の確保が急務となっている。そして、保護者の教育費負担を軽減するため、義務教育教科書無償制度の堅持や育英奨学事業のさらなる拡充等が重要である。
また、平成13年度から第7次公立義務教育諸学校教職員定数改善計画が施行され、基本教科での少人数授業を実施するための教職員が5年計画で加配されるようになった。しかし、1学級の児童生徒数を40人とし、この基準を下回る場合の教職員の人件費は都道府県が負担するとされたままでは、厳しい財政状況にある地方としては、この基準を下げることは困難と思われる。義務教育諸学校における標準数は法的に明記し、費用も半額国庫負担とされなければ、改善にはつながらない。
よって、政府においては、子供たちによりよい教育を保障し、ゆとりある個性豊かな教育を実現するため、教育予算を増額するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、総務大臣

発議案第10号 義務教育費国庫負担制度の堅持に関する意見書

(提出者)七戸俊治
(賛成者)斉藤守、高木明、斎藤忠、佐藤重雄、滝口宏、田中恒春、斉藤誠、木村ゆり子、早川文雄
義務教育費国庫負担制度は、教育の機会均等とその水準の維持向上を目指し、子供たちの経済的・地理的条件や居住地にかかわらず、基礎教育が受けられる制度として定着しており、諸外国からも高い評価を受けている。
しかし、政府は、昭和60年度以降、行財政改革の一環として本制度の見直しを行い、義務教育諸学校の教材費、教職員旅費等を国庫負担制度から外し、一般財源化を図るなど、地方に大きな負担転嫁を行ってきた。さらに、学校事務職員、学校栄養職員、一般教職員の給与費等も対象から外す検討がされている。
このような見直しは、厳しい地方財政をますます圧迫するだけでなく、義務教育費国庫負担法第1条に明記されている「教育の機会均等とその水準の維持向上」という目的に反し、義務教育の円滑な推進に支障を来すものである。
よって、政府においては、今後、地方への新たな負担転嫁をすることなく、義務教育費国庫負担制度を堅持するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣、総務大臣

発議案第11号 奨学金制度の拡充に関する意見書

(提出者)上林謙二郎
(賛成者)高木明、倍田賢司、佐藤新三郎、米井昌夫、櫛田信明、斉藤守、中江昌夫、朝倉幹晴、長谷川大、早川文雄
長引く不況により、所得の喪失や大幅減少などを強いられている世帯が数多く発生し、高校・大学の中退や大学等への進学の断念を余儀なくされるケースがここ数年、高水準で推移している。
一方、日本育英会を中心とした我が国の公的奨学金制度は年々充実し、平成14年度の貸与人数は、79.7万人まで拡大している。
平成11年にスタートした大学、短大、専門学校等を対象にした新しい有利子奨学金「きぼう21プラン」の貸与人数枠も年々拡大し、また、保護者の家計急変があった場合に貸し付ける「緊急採用奨学金制度」も年間約1万人の利用に備え、随時、申し込みができるようになっている。
政府の特殊法人等整理合理計画(平成13年12月閣議決定)に基づく特殊法人日本育英会の廃止決定により、我が国の公的奨学金制度が廃止されるのではないかとの懸念もあるが、遠山文部科学大臣は、これを明確に否定し、新しい組織の下でさらに本制度を充実させると明言している。
大学生総数の約2倍規模の奨学金提供がある英国や、国と民間が多種多様な奨学金を手厚く提供している米国等に比較して、我が国の奨学金制度は、まだまだおくれている。また、物価高の日本で学ぶ留学生や就学生も急増しており、よき日本の理解者となる彼らに対する公的支援の充実も図る必要がある。
よって、国会及び政府においては、教育充実こそ最も優先すべき未来投資であることを認識し、次の事項の早期実現を図るよう、強く要望する。

1.大学・短大・専門学校生等への奨学金制度(特に無利子)を抜本拡充すること。
2.高校・専門学校・大学等への進学時の入学資金について、これを奨学金の対象とする制度を創設すること。
3.海外留学希望者への奨学金の創設をすること。
4.留学生・就学生の学習奨励費の拡充に努めること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)衆参両院議長、内閣総理大臣、財務大臣、文部科学大臣

発議案第12号 アメリカによるイラク攻撃計画反対に関する意見書

(提出者)高橋忠
(賛成者)高木明、倍田賢司、上林謙二郎、草野高徳、津賀幸子、中江昌夫、朝倉幹晴
アメリカのブッシュ大統領は、「サダム・フセインは脅威だ。イラクの政権交代は世界の利益だ」とし、イラクを「悪の枢軸」と決めつけ、イラクへの戦争計画を進めている。さらに、8月15日にアメリカ議会に提出された国防報告は、先制攻撃の必要性を説き、核兵器の使用も選択肢の1つとして、フセイン政権を倒すためなら核兵器による攻撃も辞さないと宣言している。
アメリカが進めている行動は、武力行使禁止の原則と民族自決権を確立した国際法に違反し、ましてや核兵器の使用は戦争犯罪である。また、先制攻撃は国連憲章でも認められていないものである。
人口500万人のイラクの首都バグダッドが攻撃されたなら、どれだけの人が犠牲になるか想像を絶するものであり、中東全体を巻き込む大戦争にも発展しかねない。今、アメリカの暴走に対し、アジア、アフリカ、中東諸国はもちろん、アメリカの同盟諸国からも非難の声が上がっている。
よって、政府においては、核兵器の使用を含む先制攻撃を、アメリカの選択肢として理解するのではなく、国際世論と日本国憲法の平和原則に従い、アメリカによるイラク攻撃計画に反対するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、外務大臣

発議案第13号 専任の食品衛生監視員増員に関する意見書

(提出者)高橋忠
(賛成者)高木明、倍田賢司、上林謙二郎、草野高徳、津賀幸子、中江昌夫、朝倉幹晴
食品衛生法に基づき、国・都道府県などに置かれている専任の食品衛生監視員は、平成元年(1989年)から平成12年(2000年)までの11年間で、1,984人から1,659人に、約3割の325人が削減されている。このため、政令で定められた食品製造企業などへの立ち入り検査の割合(監視率)が、平成12年は13.6%に低下している。また、食肉の産地偽装表示が大きな社会問題となっている食肉製造業、無認可香料の使用が問題となった添加物製造業、さらには病原性大腸菌O-157が心配される食肉処理業などの監視率も、5割を切る事態となっている。
頻発する食をめぐる事件の背景には、規制緩和政策のもとで、専任監視員が大幅に削減され、その結果としての監視率の低下があることは明白である。
よって、政府においては、食品検査法に定められた必要な検査を実施し、国民に対する食の安全性を確保するため、専任の食品衛生監視員を増員するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第14号 消費税・所得税の増税中止に関する意見書

(提出者)高橋忠
(賛成者)高木明、倍田賢司、上林謙二郎、草野高徳、津賀幸子、中江昌夫、朝倉幹晴
政府税制調査会は、6月に税制改革の基本方針を答申した。この中で、消費税は今後税率を引き上げ、その役割を高めていく必要があるとし、所得税では、課税最低限の引き下げにつながる配偶者特別控除の廃止など、各種控除の簡素化・集約化を求めている。そして法人課税では、外形標準課税制度の早期導入を促している。一方、財界からは法人税の減税要望が出され、来年度法人税減税を先行させる方向が検討されている。
消費税は、所得の低い層ほど負担割合が高くなる逆進性のある税制であり、税率引き上げに対して、国民は強い反対の意思を明らかにしている。また、外形標準課税の導入は、大企業のみが減税になり、ほとんどの中小企業は増税となるものである。
財政のあり方は、このような庶民や中小企業いじめの増税によるのではなく、大規模公共事業などのむだ遣い予算を大幅に減らし、国民生活を支える社会保障に回すこととあわせ、本来のあり方である「総合課税・累進課税・生活費非課税」の原則に立った国民的な論議を経て税制を確立していくべきである。
よって、政府においては、消費税や所得税の増税を中止するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣

発議案第15号 有事法制関連3法案の撤回に関する意見書

(提出者)高橋忠
(賛成者)草野高徳、津賀幸子、中江昌夫、朝倉幹晴
第154通常国会で、「武力攻撃事態法案」「自衛隊法改正案」「安全保障会議設置法改正案」の有事法制関連3法案の成立は阻止された。
これら3法案の最大の目的は、防衛庁長官自身が「日本が武力攻撃される現実的な危険はない」と明確に述べているとおり、日本を外国の武力攻撃から守るための備えにあるのではなく、アメリカの戦争に日本が参戦し、海外での武力行使に初めて踏み切ろうとするところにある。
しかし、政府自身が修正を加えるような欠陥法案であり、さらに戦争に国民を強制的に動員し、自由と人権まで縛ろうとする法案であることが判明している以上、日本国憲法の平和原則に従い、有事法制関連3法案の撤回こそが求められるものである。
よって、政府においては、有事法制関連3法案を撤回するよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、法務大臣、防衛庁長官

発議案第16号 年金給付額引き下げ反対に関する意見書

(提出者)高橋忠
(賛成者)草野高徳、津賀幸子、中江昌夫、朝倉幹晴
小泉内閣は、8月7日の閣議において、来年度予算の概算要求基準として、平成15年度(2003年度)の年金額を物価の下落に合わせて減額することを決定した。
厚生労働省の標準モデルでは、厚生年金の場合、0.6%の引き下げで年間約1万7000円の給付減となるが、財務省は、さらに過去3年間の消費者物価下落分と合わせ、2.3%の引き下げを求めている。
年金の物価スライド制は、もともと年金の実質価値が下がらないように、物価の上昇に応じて年金給付額を上げる制度である。平成12年度(2000年度)から3年間の予算では、物価は下がっているが、老後の生活を確保するため、物価スライド制の趣旨に沿って引き下げを凍結し、年金額を維持してきた。
さきの国会で医療改悪法が成立し、1兆5000億円を超える負担増が国民に押し付けられ、国民が先行き不安に陥っている時期に、さらに追い打ちをかけるような年金給付額の引き下げは許されない。
よって、政府においては、このような年金給付額の引き下げを行わないよう、強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、財務大臣、厚生労働大臣

発議案第17号 介護保険制度の改善に関する意見書

(提出者)高橋忠
(賛成者)草野高徳、津賀幸子、中江昌夫、朝倉幹晴
介護保険が始まって3年目、今年度、自治体は第2期介護保険事業計画策定の事務作業を進めている。現在、介護保険については、保険料や利用料の負担が重い、特別養護老人ホームを初め必要なサービスが整備されておらず、利用したくても利用できない、介護認定では痴呆など介護の重さが正確に反映されない、介護労働者の労働条件が劣悪など、問題が山積しており、制度の見直しに当たってはその改善が不可欠となっている。
しかし、厚生労働省の来年度概算要求では、介護保険の特別対策として行われてきた低所得者の訪問介護利用料を現行の3%から6%に引き上げるなど、高齢者を一層追い詰めるものとなっている。
よって、政府においては、国民の期待にこたえる介護保険制度にするため、次の事項を実施するよう、強く要望する。

1.介護給付費に対する国庫負担率を、現行の25%から50%に増額すること。
2.低所得者の介護保険料や介護保険利用料の減額・免除制度を設けること。
3.特別対策の低所得者訪問介護利用料軽減制度の3%を継続すること。
4.不足する在宅サービス及び施設サービスの基盤整備を拡充すること。
5.介護の必要度が正確に判定される認定基準に改善すること。
6.在宅サービス利用者の限度額を引き上げ、限度額内で十分なサービスが行われるよう保障すること。
7.介護報酬の見直しに当たっては、介護従業者が生活でき、かつ事業者が安定して事業を営める報酬に引き上げること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
平成14年9月26日
船橋市議会
(提出先)内閣総理大臣、厚生労働大臣

発議案第18号 住民基本台帳ネットワークの一時停止に関する決議

(提出者)朝倉幹晴
(賛成者)草野高徳、高橋忠、津賀幸子、中江昌夫
先ごろ行われた住民コード番号票の世帯単位での郵送通知方法によって、「番号が透けて見える」という重大な事実が発覚した。このことは、DV(ドメスチック・バイオレンス)などで困っている妻のコード番号が夫に知られる、集合ポストにおける郵送物の盗難の危険性、本人が気付かない状態でも番号が盗み見られる等の危険性があることを意味する。既に22万世帯あての郵送通知が行われた以上、番号を見られた市民の存在は可能性として否定できない。
このように、住民基本台帳ネットワークは、国における法整備の不備により、「個人情報保護」が最優先されていない現実がある。
よって、本市議会は、「市民の個人情報が不正に引き出され悪用されるおそれ」が発生した以上、市においてネットワークの接続を一時停止した上で、次の手続を講ずることを強く求める

1.接続の是非を市民の間で活発に議論し、市民の意思を尊重すること。
2.個人の選択制とし、接続を希望しない市民の接続は行わないこと。
3.接続を求める市民への住民コード番号票通知は、次の手順をとること。
(1) 本年8月世帯あて郵送通知は漏えいの可能性を含むので、新しい番号にすること。
(2) 番号を知りたい市民にのみ通知することとし、個人あてに配達証明で郵送すること。
以上、決議する。
平成14年9月26日