住民監査請求監査 監査結果本文(平成21年12月7日)

更新日:平成25(2013)年3月15日(金曜日)

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監査結果本文

船橋市監査委員告示第17号
地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第242条第1項に基づく、船橋市職員措置請求について監査を実施したので、同条第4項の規定により、その結果に関する通知を公表する。
平成21年12月7日
船橋市監査委員 髙地章記
船橋市監査委員 増田尚功
船橋市監査委員 上林謙二郎
船橋市監査委員 小石洋

第1 請求人

住所・氏名 省略

第2 請求の受理

平成21年10月7日付けで提出のあった本件措置請求については、法第242条の要件を具備しているものと認め、平成21年10月7日に受理した。

第3 監査の実施

1 請求の要旨(措置請求書の原文のとおり)

  1. 船橋市長は船橋市本町4-32-13にある在日本大韓民国民団千葉県船橋支部(以下「民団船橋支部」という。)の一部が地方税法第367条及び船橋市市税条例(以下「市税条例」という。)第71条第1項第4号に該当するものとして、固定資産税を一部減免した。(証1)
  2. 平成21年10月1日にA会A氏が「平成21年度の在日本大韓民国民団千葉県船橋支部の固定資産税・都市計画税の減免申請書、減免決定通知書、及び決裁文書」の公文書開示請求書を提出した。(証2)
  3. 平成21年10月2日にA会A氏に船橋市税務部固定資産税課より電話で、「平成12年度から民団船橋支部に減免しており、平成13年度以降は継続的に減免を行なっているので請求された公文書(平成21年度の在日本大韓民国民団千葉県船橋支部の固定資産税・都市計画税の減免申請書、減免決定通知書、及び決裁文書)は存在しない。」と伝える。
  4. 船橋市よりA会A氏に送付された「船橋市市税条例抜粋」の(固定資産税の減免)は第71条第1項第4号までしか抜粋しておらず、第71条第2項及び第3項は削除されていた。これらの行為は隠蔽工作であり、極めて悪質である。(証3)
  5. 「市税条例」第71条第2項には、納期限前7日までに減免申請書を提出しなければならないと明記してある(証4)
    「市税条例」に定めてあるにも係わらず、「民団船橋支部」の減免申請等の手続きを平成13年度以降から継続的に特別免除したのは条例違反である。
    これらの行為は最終権限者である船橋市長、租税に責務のある税務部長ほか担当職員がその責務を怠ったと言うほかなく、その結果船橋市に損害をもたらした。
    よって監査委員は、船橋市長に対し、次のとおり勧告することを求める。
    「船橋市長は平成13年度から平成18年度までの民団船橋支部に一部減免した固定資産税・都市計画税を船橋市に返還すること。」
    (平成21年11月13日に行った請求人の陳述において、請求人から、平成18年5月に「固定資産税・都市計画税減免事務取扱要領」が規定されたことに伴い、平成13年度から平成21年度とした監査請求期間を、平成13年度から平成18年度に訂正したい旨の申し出があり、先に提出された措置請求書の訂正を行った。)

2 監査の対象事項

請求書に記載されている事項及び事実を証する書面並びに請求人の陳述内容から、監査の対象事項は「船橋市が、在日本大韓民国民団千葉県船橋支部(以下「民団船橋支部」という。)に対し行った、平成13年度から平成18年度の固定資産税・都市計画税の一部減免措置が、違法又は不当な措置であるか否か。」とした。

3 監査の方法

監査は、次のとおり実施した。

1 請求人の証拠の提出及び陳述

平成21年11月13日、請求人に対し、法第242条第6項の規定に基づき、証拠の提出及び陳述の機会を与えた。

2 請求書の訂正

請求人は、陳述時に、請求書の文中結語2行目の「平成21年度」を「平成18年度」に訂正した。

3 関係職員の陳述

平成21年11月13日、税務部長、固定資産税課長、固定資産税課主幹、固定資産税課副主幹から陳述の聴取を行った。

4 関係する職員の事情聴取

本件監査の対象となった書類を調査するとともに、平成21年11月13日に次の職員から事情聴取を行った。
税務部長、固定資産税課長、固定資産税課主幹、固定資産税課副主幹。

第4 監査の結果

1 主文

本請求について、監査委員は、合議により次のとおり決定した。
本件請求については、却下する。
以下、その理由について述べる。

2 理由

税の減免については、法律及び条例の定めるところによって課税権を行使し、一度確定した税債権の全部又は一部を放棄し消滅させるものであるから、「公金の賦課又は徴収を怠るもの」ではなく、「財産の処分」に該当すると考えられる。
法第242条第2項本文は、「当該行為のあった日又は終わった日から1年を経過したときは、これをすることができない。」として、監査請求の期間制限を定め、同項ただし書きは、「正当な理由があるときは、この限りでない。」として、期間制限の例外を定めている。
この「正当な理由」については、財務会計上の行為が秘密裡にされた場合に限らず、特段の事情がない限り、住民が相当の注意力をもって調査すれば、客観的にみて監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解される時から相当な期間内に監査請求をしたかどうかによって判断すべきものであるとされている。(最高裁平成14年9月12日判決)
請求人は、「船橋市長は平成13年度から平成18年度までの民団船橋支部に一部減免した固定資産税・都市計画税を船橋市に返還すること。」を求めているが、期間経過の正当な理由について、何ら記載されていない。
民団船橋支部の減免状況は、平成18年8月29日の新聞(朝日、読売、毎日、産経、東京、千葉日報)に掲載されており、この時点で請求人は監査請求をするに足りる程度に当該行為の存在及び内容を知ることができたと解されることから、本件請求は、相当な期間内に監査請求がなされたとはいえず、当該行為があった日から1年を経過していることについての「正当な理由」は認められない。
よって、本件請求は法第242条の要件を欠くものである。

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