ストップ!薬物乱用 ~お悩みの方はご相談ください~

更新日:令和6(2024)年4月10日(水曜日)

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目次

 1. 薬物乱用とは

 2. 違法薬物(大麻、覚醒剤および危険ドラッグ)について

 3. 市販薬のオーバードーズ(過量摂取)について

 4. 薬物乱用につながる危険因子

 5. 薬物の使用を誘われたら

 6. 薬物依存からの回復

 7. 薬物に関する相談機関

薬物乱用とは

 薬物を社会的規範から逸脱した目的や方法で使うことを薬物乱用といいます。

 大麻覚醒剤危険ドラッグなどの違法薬物は1度使っただけでも乱用です。

 また、睡眠薬、鎮痛剤などの医薬品を服用する場合に、1回に飲む量が指示されているにもかかわらず多量に服用する(オーバードーズ)など自己判断で飲むことや、医薬品を「遊び」目的で使うことなども、目的や方法の逸脱であり、これらも薬物乱用となります。

違法薬物について

 違法薬物には粉末や液状、錠剤などがあり、形状も様々です。呼び方や種類もたくさんあります。身体、精神に与える影響や、中毒の症状もそれぞれ違います。ここでは、以下の3種類の違法薬物について述べます。
 
 1. 大麻
 2. 覚醒剤
 
 出典:違法薬物の種類と呼び名(警察庁 違法薬物について)

大麻について

taima 
 出典:大麻乱用防止広報啓発用ポスター(警察庁 薬物銃器対策)

 大麻の乱用による影響

 大麻の花や葉には「THC(テトラヒドロカンナビロール)」という脳に作用する成分が含まれており、大麻を乱用すると様々な影響があります。

 1. 知覚の変化 時間や空間の感覚がゆがむ
 2. 学習能力の低下 短期記憶が妨げられる
 3. 運動失調 瞬時の反応が遅れる
 4. 精神障害 統合失調症やうつ病を発症しやすくなる
 5. IQ(知能指数)の低下 短期・長期記憶や情報処理速度が下がる
 6. 薬物依存 大麻への欲求が抑えられなくなる
 
 インターネット等では「大麻は身体への悪影響がない」「依存性がない」などの誤った情報が氾濫していますが、大麻の有害性は特に成長期にある若者の脳に対して影響が大きいことも判明しています。

 間違った情報に流されず、正しい知識で判断しましょう。

 出典:薬物乱用防止読本 健康に生きようパート37(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

 大麻の形状

大麻草大麻草
乾燥大麻乾燥大麻
リキッド液体大麻(カートリッジ入り)
大麻クッキー大麻クッキー
大麻キャンディ大麻キャンディ

 出典:様々な形状の大麻 (警察庁 大麻対策のためのポータルサイト)

 大麻をはじめて使用したきっかけ

 1. 誘われて 69.6% 2. 自分から求めて 20.6%

 出典:令和4年における組織犯罪の情勢(警察庁 組織犯罪対策に関する統計)

 誘いの言葉にだまされない

 「1回だけなら大丈夫」「やせられるよ」「みんなやってるよ」などの甘い誘いは、全部ウソです。

 問題がある薬物を勧めてくること自体に違和感を持ち、危険を察知する判断力を身につけることが大切です。

 大麻をはじめて使用した動機

 1. 好奇心・興味本位 59.6% 2. その場の雰囲気 18.4%

 出典:令和4年における組織犯罪の情勢(警察庁 組織犯罪対策に関する統計)

 「はっきり、きっぱり」断る

 薬物乱用者の多くは、ほんのちょっとした好奇心から安易に使い始め、抜け出せなくなります。

 薬物乱用の危険性は身近にあります。

 誘われたとき、少しでも迷っている様子を見せてしまうと、また誘われてしまいます。

 誘われたときは、「きっぱり」断ることが大切です。

 断りにくいときは、その場から逃げましょう。逃げることも勇気です。

 出典:麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動パンフレット(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

覚醒剤について

 千葉県警
 出典:薬物乱用防止啓発用ポスター(千葉県・千葉県警察)

 覚醒剤の乱用による影響

 覚醒剤は中枢神経を興奮させる作用があります。

 覚醒剤を乱用すると、眠気や疲労感がなくなり、頭が冴えたような状態になりますが、それは一時的なものであり、効果が切れると激しい脱力感や倦怠感に襲われます。

 また、幻覚や妄想が現れて中毒性精神病になりやすく、大量に摂取すると死に至ることがあります。

 さらに、乱用をやめてもフラッシュバック(再燃)と呼ばれる、乱用時に体験した幻覚や妄想の出現に悩まされることもあります。

 出典:薬物乱用防止読本 健康に生きようパート37(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

 覚醒剤の形状

 覚醒剤事犯の特徴

 覚醒剤は日本で最も多く乱用されている薬物です。

 再犯者の比率が高いことが覚醒剤事犯の特徴であり、2022年では全体の67%以上を占める高水準となりました。

 依存性の高い覚醒剤は「最初の1回を使わない」ことが何より大切です。

 出典:薬物乱用防止読本 健康に生きようパート37(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

危険ドラッグについて

 危険ドラッグ
 出典:「それ、危険ドラッグかもよ。」危険ドラッグ注意喚起ポスター(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

 危険ドラッグとは

 危険ドラッグとは、大麻や覚醒剤などに似た化学構造を持つ有害で危険な物質などが添加されたものです。

 最近では、カートリッジ入りの「リキッド」や「グミ」、「クッキー」などのお菓子の形態で、「合法」とうたって販売されています。

 危険ドラッグは、身体にどんな影響を及ぼすのかわからない危険なものがほとんどで、呼吸困難や異常行動を起こしたり、死にいたることもあります。

 また、乱用による健康被害だけでなく、傷害事件や交通事故等で他人を巻き込む事例が多数報告されています。

 出典:薬物乱用防止読本 健康に生きようパート37(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

 危険ドラッグの形状

 危険ドラッグ
 出典:薬物乱用防止読本 健康に生きようパート37(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

市販薬のオーバードーズ(過量摂取)について

OD

 オーバードーズとは

 薬局やドラッグストアで購入できる風邪薬や咳止めなどを、用法・用量を守らずに大量・頻回に服用することです。

 オーバードーズにより健康被害を引き起こしたり、やめられなくなったりするおそれがあります。

 オーバードーズの実態

 医薬品のオーバードーズが原因と疑われる救急搬送人員は増加傾向にあります。

 年代別では20代が最も多く、10代から20代の若者が年々増加傾向にあります。

 2022年では、全体(10,682人)の半数近く(4,789人)を占めています。

 出典:医薬品の過剰摂取が原因と疑われる救急搬送人員の調査結果(厚生労働省 第11回医薬品の販売制度に関する検討会資料)

 オーバードーズによる健康被害

 市販薬には様々な成分が含まれており、オーバードーズすることでその中のいくつかの成分が致死量を超えてしまうこともあります。
 
 また、様々な成分による複合的な作用により、中毒症状の治療が困難になることもあり、大変危険です。

 救急医療機関に搬送となった急性市販薬中毒患者の健康被害

 1. 消化器症状(嘔気嘔吐や腹痛等) 59.8%
 2. 中枢神経症状(意識障害や不穏興奮、イライラ等) 44.3%
 3. 循環器症状(不整脈等) 44.3%
 4. 神経症状(ふるえや頭痛、耳鳴り等) 31.1%
 
 出典:薬物乱用防止読本 健康に生きようパート37(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

 オーバードーズにつながる原因

 薬物乱用の背景には、社会的孤立、生きづらさがあり、これらを和らげたいという思いから、オーバードーズに頼ってしまうこともあると考えられています。

 厚生労働省における検討会の資料では、市販薬の乱用経験のある高校生の特徴(乱用経験のない高校生との比較)について、次のように記載されています。
 
 1. 男性より女性が多い
 2. 生活習慣での特徴(睡眠時間が短い、朝食を食べない頻度が高い、インターネット使用時間長い)
 3. 学校生活での特徴(学校が楽しくない、親しく遊べる友人や相談ができる友人がいない)
 4. 家庭生活での特徴(親に相談できない、大人不在で過ごす時間が長い、家族との夕食頻度が少ない)
 5. コロナ禍による自粛生活に対するストレスが高い
 
 出典:わが国における市販薬乱用の実態と課題(厚生労働省 第2回医薬品の販売制度に関する検討会資料3)

 一人で悩まず、まず相談を

 オーバードーズがやめられない方、心の悩みを抱えている方などは、一人で抱え込まずに家族やパートナー、友人、専門の相談窓口などにご相談ください。

 また、ご家族の方も悩みを家族の中だけで抱え込まず、相談機関からアドバイスを受けたりすることで、ご本人の回復につながる場合もあります。

薬物乱用につながる危険因子

 薬物については、特に若年層の乱用が問題となっていますが、厚生労働省による報告では、次のようなものが若年層の薬物乱用につながる危険因子とされています。

 仲間・友人

 1. 仲間・友人 薬物乱用をする仲間がいる 
 2. 仲間から誘われた経験がある

 生活習慣

 1. 起床時間の乱れ 
 2. 就寝時間の乱れ 
 3. 朝食の欠食が多い 

 コミュニケーション

 1. 学校生活が楽しくない 
 2. 親しく遊べる友人がいない 
 3. 相談できる友人がいない 
 4. 食生活が乱れている 
 5. 家族と夕食を共にする頻度が低い 
 6. 親との相談頻度が低い 

 飲酒・喫煙

 1. 常習的な喫煙 
 2. 健康教育、対処スキルの獲得 
 3. 家族から喫煙をすすめられた経験 
 4. 問題飲酒(大量・高頻度)をしている
 5. 大人不在下で、仲間だけの飲酒 
 6. イッキ飲み 
 7. ブラックアウト経験 
 8. アルコール・ハラスメントの被害 

 問題行動・危険行動

 1. 無断外泊 
 2. 万引き 
 3. いじめの加害経験 
 4. 身体的暴力の加害経験 
 5. 過食・拒食などの食行動の異常 
 6. 問題行動・危険行動の
 7. 早期発見・早期解決 
 
 出典:平成24年度「若年層向け薬物再乱用防止プログラム等に関する企画分析報告書」(厚生労働省 薬物乱用対策 各種統計・調査)

薬物の使用を誘われたら

 誘いの言葉にだまされない

 「1回だけなら大丈夫」「やせられるよ」「みんなやってるよ」などの甘い誘いは、全部ウソです。

 問題がある薬物を勧めてくること自体に違和感を持ち、危険を察知する判断力を身につけることが大切です。

 「はっきり、きっぱり」断る

 薬物乱用者の多くは、ほんのちょっとした好奇心から安易に使い始め、抜け出せなくなります。

 薬物乱用の危険性は身近にあります。

 誘われたとき、少しでも迷っている様子を見せてしまうと、また誘われてしまいます。

 誘われたときは、「きっぱり」断ることが大切です。

 断りにくいときは、その場から逃げましょう。逃げることも勇気です

 出典:麻薬・覚醒剤・大麻乱用防止運動パンフレット(厚生労働省 薬物乱用防止に関する情報)

薬物依存からの回復

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 出典:ご家族の薬物問題でお困りの方へ(厚生労働省 ご家族の薬物問題でお困りの方へ(家族読本))

 回復とは

 依存症が完全に治ることはないと言われていますが、きちんと治療を受けて薬物を止め続ければ、多くの人は通常の社会生活を営み、薬物依存症によって失ったものを少しづつ取り戻すことができます。
 
 これを回復と言います。
 
 出典:薬物再乱用防止パンフレット「相談してみませんか」(警察庁 薬物銃器対策)

 一人で悩まず、まず相談を

 薬物乱用がやめられない方は、一人で抱え込まずに家族やパートナー、友人、回復を支える機関などにご相談ください。

 また、ご家族の方も悩みを家族の中だけで抱え込まず、相談機関からアドバイスを受けたりすることで、ご本人の薬物依存症からの回復につながる場合もあります。

薬物に関する相談機関

相談
 出典:薬物再乱用防止パンフレット「相談してみませんか」(警察庁 薬物銃器対策)

 依存症についての相談機関

 2. 船橋市保健所(こころの相談) 047-409-2859

 少年に関する様々な悩みごとについての相談機関


 1. 千葉県警察少年センター(ヤング・テレホン) 0120-783-497

 薬に関する相談機関

 1. 独立行政法人医薬品医療機器総合機構(くすり相談窓口) 03-3506-9425

 2. 千葉県健康福祉部薬務課(薬事アドバイザー) 043-223-2622

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