船橋市初の国史跡 取掛西貝塚のご案内

更新日:令和6(2024)年10月23日(水曜日)

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船橋市初の国史跡が誕生!


史跡指定ポスター 令和5年度_取掛西貝塚_講演会_チラシ(裏) 取掛西貝塚 学術講演会 チラシ(表)

令和3年10月11日の文部科学省の官報告示により、船橋市の「取掛西貝塚(とりかけにしかいづか)」が国の史跡に指定されました。

船橋市では、初めての国の史跡となります。
参考リンク:文化審議会の答申(史跡等の指定等)について(文化庁ホームページ)

国史跡指定について

文化財保護法において、国の史跡とは「貝塚、古墳、都城跡、城跡、旧宅、その他の遺跡で、わが国にとって歴史上または学術上価値の高いもののうち重要なもの」とされています。
千葉県内では、国の特別史跡が1件、国の史跡が30件あり、そのうち縄文時代の貝塚は13件あります(令和3年10月11日現在)。

史跡取掛西貝塚保存活用計画

国史跡取掛西貝塚を今後適切に保存・活用していくための考え方と方法を示し、地域住民や市民とともに、史跡を活用しながら確実に後世に継承していくため、「史跡取掛西貝塚保存活用計画」を策定いたしました。
詳しくは、【こちらのページ】をご確認ください。

関連イベント

市民の皆さんに、取掛西貝塚について知っていただくための関連イベントを開催する際には、こちらでお知らせします。開催時はぜひご参加ください。
過去に開催したイベントは下記のとおりです。

【終了したイベント】
・ミニ展示「いよいよ国史跡指定へ 取掛西貝塚」(令和3年6月19日~7月11日、飛ノ台史跡公園博物館)
・講演会「取掛西貝塚を考える~約1万年前の縄文ワールド第4弾~」(令和3年8月14日、船橋市勤労市民センター)
・写真展「いよいよ国史跡へ!写真でみる取掛西貝塚」(令和3年8月24日~8月29日、船橋市市民ギャラリー)
・国史跡指定記念展示(令和3年10月12日~10月21日、西図書館)
・取掛西貝塚パネル展(令和3年12月1日~令和4年1月30日、中央公民館・東部公民館・西部公民館・北部公民館・高根台公民館・新高根公民館・飯山満公民館)
・文化庁主催 全国巡回展「発掘された日本列島2022」展(令和4年 6月11日~ 7月18日:埼玉県立歴史と民俗の博物館、7月30日~9月4日:だて歴史文化ミュージアム、9月17日~10月23日:石巻市博物館、11月 5日~12月11日:宮崎県総合博物館、令和5年 1月 7日~ 2月12日:なら歴史芸術文化村)
・講演会「取掛西貝塚を考える~約1万年前の縄文ワールド第5弾~」(令和5年3月11日・3月18日、船橋市民文化創造館)
・講演会「千葉県文化財保護協会 令和5年度 第2回 文化財講演会」(令和5年10月21日、千葉県立中央博物館)
・企画展「1万年前のタイムカプセル 国史跡取掛西貝塚」(令和5年10月1日~11月30日、船橋市郷土資料館)
・文化講演会「国史跡取掛西貝塚ってどんな遺跡?! ~1万年前の暮らしをのぞいてみよう~」(令和5年11月26日、薬円台公民館)
・講演会「~約1万年前の縄文ワールド第6弾~取掛西貝塚を考える~縄文海進と貝塚の形成~」(令和6年3月9日、船橋市民文化創造館)
・企画展「1万年前のタイムカプセル 国史跡取掛西貝塚」(令和6年3月2日~5月12日、飛ノ台史跡公園博物館)
・講演会「中央大学 学術講演会 ~取掛西貝塚からさぐる縄文の暮らし~」(令和6年9月29日、中央公民館)

取掛西貝塚の概要

取掛西貝塚とは

取掛西貝塚(上空から)取掛西貝塚位置図年表
取掛西貝塚(とりかけにしかいづか)は、船橋市飯山満町1丁目から米ケ崎町にまたがる、標高約25mの台地上に立地する縄文時代の遺跡で、面積は約76,000平方メートル(東京ドーム約1.6個分)あります。発掘調査の結果、約1万年前(縄文時代早期前葉)と約6千年前(縄文時代前期前半)という、2つの時期の貝塚を伴う集落跡が見つかっています。

船橋市を含む東京湾東岸部は、加曾利貝塚(千葉市)や堀之内貝塚(市川市)、山野貝塚(袖ケ浦市)など、縄文時代の貝塚が全国でいちばん密集している地域です。取掛西貝塚は東京湾東岸部で最も古い貝塚を伴う集落跡で、この地域で貝塚が形成されはじめた時期の環境や人々の生活・文化を知ることができる、たいへん重要な遺跡です。

現在、船橋市は、この貴重な遺跡を将来にわたり保存できるよう、調査・研究を継続しながら、遺跡の価値と魅力についての発信を広く図っているところです。

これまでの調査について

取掛西貝塚では、平成11(1999)年から令和2(2020)年まで、8回の発掘調査を実施しました。

・検出した主な遺構

竪穴住居跡(縄文時代早期前葉)…58軒
竪穴住居跡(縄文時代前期前半)…18軒
竪穴住居跡(弥生時代中期後半)… 6軒
遺構内貝層(縄文時代早期前葉)… 6基(竪穴住居跡5軒、土坑1基)
遺構内貝層(縄文時代前期前半)… 7基(竪穴住居跡7軒)

・縄文時代早期集落(居住域)の規模・範囲

東西約320m、南北約100m 

・貝種組成の傾向

縄文時代早期前葉…ヤマトシジミ(汽水産)主体
縄文時代前期前半…ハマグリ、ハイガイ、マガキ(内湾干潟産)主体

 ・出土した主な遺物(縄文時代早期前葉)

縄文土器(井草式、稲荷原式、花輪台式、東山式、平坂式、大浦山式など)
石器(石鏃、礫斧、石皿、スタンプ形石器、磨石など)
骨角歯牙製品(刺突具、骨鏃、針、錐、装身具など)
貝製品(貝刃、装身具など)
動物遺体(鳥獣骨角、貝、魚骨など)
植物遺体(炭化種実、土器圧痕など)

※用語解説:
(1)石鏃(せきぞく):石で作られたやじり
(2)礫斧(れきふ):礫(河原石)の一部を打ち欠いて、先端に刃をつけた石斧。
 部分的に磨いたものもあります。土堀りや木の加工などに使われたと考えられています。
(3)スタンプ形石器(すたんぷがたせっき):石で作られた道具の一種。
 平らな底面を使って植物などをすりつぶした道具と考えられています。
(4)磨石(すりいし):手ごろな石を利用した石器。
 石皿の上で木の実などをすりつぶす道具と考えられています。
(5)貝刃(かいじん):貝殻を打ち欠いて刃をつけた道具。
 魚のうろこ取りに使われたと考えられています。
(6)炭化種実(たんかしゅじつ):焼けて炭になった植物の種や実。
(7)土器圧痕(どきあっこん):土器を作る時に混ざり込んだり、表面についた種や実などのあと

取掛西貝塚の特色

 (1)東京湾東岸部で最古の貝塚を発見!

貝塚の検出状況動物骨集中

取掛西貝塚でみつかった縄文時代早期前葉の竪穴住居跡58軒のうち5軒では、住居内に縄文人が食べた貝の貝殻が捨てられ、最も厚い部分では約70cmの厚さで堆積していました。 

また、堆積した貝殻とともに、縄文人が食べた動物の骨がたくさん見つかりました。
 ・哺乳類(イノシシ、シカ、タヌキ、キツネ、ノウサギ、ムササビなど)
 ・鳥類(キジ類、カモ類、ハクチョウ類、キジバトなど)
 ・魚類(クロダイ属、スズキ、コイ科、フナ、アユなど)

さらに、貝塚の下からは、動物の骨(主にイノシシ・シカの頭骨)が集められた状態で見つかり、その場で火を炊いた痕跡が残っていました。これらの成果は、当時の生活や文化を考えるうえで貴重です。

(2)縄文時代早期前葉の遺跡では、関東最大規模の集落跡!

竪穴住居跡の分布竪穴住居跡

これまでに行った部分的な調査だけでも、縄文時代早期前葉(約1万年前)の竪穴住居跡が58軒見つかっています。また、竪穴住居跡の分布は広い台地のほぼ全体に広がっていたこともわかりました(ただし、すべての竪穴住居跡が同時に建っていたわけではありません)。このように、取掛西貝塚は縄文時代早期前葉の集落跡のなかでは、関東地方で最大規模の集落跡といえます。

(3)貝塚から見つかった、暮らしの様子を物語る道具

骨針骨角製刺突具縄文土器ツノガイ製装飾品

取掛西貝塚では、縄文人が使っていた土器や石器のほか、貝殻を素材として作られた装飾品(ビーズなど)も見つかりました。なかでもツノガイという貝で作られたビーズは2,000点以上あり、縄文時代の他の遺跡と比べても突出した量が見つかっています。このほか、動物の骨などで作られた道具や、当時利用していたとみられる植物の種・実なども多数見つかっています。

市広報番組 ふなばしCITYNEWSで取掛西貝塚が紹介されました

CNサムネイル令和3年9月1日放送
citynewsH30サムネイル平成30年9月30日放送
citynewsH29サムネイル平成29年9月22日放送

※それぞれの画像をクリックすると、YouTubeへ移動します

取掛西貝塚について知るために(1) 

パンフレット表紙児童向けパンフレット表紙

取掛西貝塚について、こちらのパンフレットなどでも詳しく知ることができます。
取掛西貝塚リーフレット(はじめての方向けに、やさしく解説しています)
取掛西貝塚パンフレット(詳しく知りたい方向けに解説しています)
取掛西貝塚パンフレット(児童向けに、やさしく解説しています)

発掘情報ー取掛西貝塚(5)ー

取掛西貝塚(6)遺跡見学会資料(1)
取掛西貝塚(6)遺跡見学会資料(2)
取掛西貝塚(7)遺跡見学会資料

広報ふなばし 令和3年8月1日号
広報ふなばし 平成29年8月1日号
広報ふなばし 平成21年9月1日号

取掛西貝塚について知るために(2)

取掛西貝塚に関する動画を、Youtubeに載せています。ぜひご覧ください。

史跡指定動画サムネイル【ダイジェスト版】船橋市初の国史跡、取掛西貝塚のことが約3分でわかる!(縄文時代)

取掛西貝塚PR動画サムネイル1【PR動画】船橋市初の国史跡誕生!取掛西貝塚(縄文時代)<PV風>

取掛西貝塚PR動画サムネイル2【PR動画】船橋市初の国史跡誕生!取掛西貝塚(縄文時代)<役所手作り風>
【文化庁公式YouTube 発掘された日本列島2022展解説動画】
文化庁公式YouTubeにて公開中の「発掘された日本列島2022」展解説動画の中でも、「史跡取掛西貝塚」が紹介されています!
文化庁文化財調査官による、各遺跡の特徴と展示遺物の見どころがわかりやすくまとまった動画です。「史跡取掛西貝塚」は前編で紹介されています!
※下記リンクより、文化庁公式YouTubeの動画が再生されます。
列島展チラシ(表) 解説!「発掘された日本列島2022」(1)新発見考古速報 <前編>
列島展チラシ(裏)解説!「発掘された日本列島2022」(2)新発見考古速報 <後編>

調査成果の報告書

総括報告書表紙1総括報告書表紙2

取掛西貝塚についての発掘調査報告書については、こちらからご覧いただけます。
取掛西貝塚総括報告書(全国遺跡報告総覧内で公開しています)
取掛西貝塚 第1次~第7次発掘調査概要報告書

取掛西貝塚 総括報告書データ集(ジップ形式 6,459キロバイト)

最新の調査・研究についてはこちらで発信しています 

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教育委員会文化課 文化財保護係

〒273-8501千葉県船橋市湊町2-10-25

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