【子ども記者通信】『ふなばしむかしむかし~有明へえむ~』(小室小学校 村田 遥さん)

更新日:令和4(2022)年10月4日(火曜日)

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小室小学校 村田 遥

 皆さんは自分の住んでいる地域の昔話を知っていますか。
 ある日、学校の図書館に行ったときに『ふなばしむかしむかし』という本を見つけました。この本には船橋のおじいちゃん、おばあちゃんの語ってくれたお話が書かれていました。その中から私の住んでいる地域のお話を紹介します。

「有明へえむ」

むかし、小室村にたいそうすもうの好きな、へえむという若ものがいたんだと。
へえむは、うわて投げ、したて投げ、おし出し、つきだし、
いろいろな技を使い、村の男たちを負かした。
「小室にはすもうじょうずで、そのうえ、力のある若ものがいるそうだ」
よく年の八幡さまのまつりのすもうには、近くの村むらから、力じまん、大男、すもうずきが集まってきた。
村中の人たちはごちそう作って、すもう見物にきたんだと。
「へえむを負かすことのできるのはだれだ」
「へえむがどんな技を使うか楽しみだ」
さあ、いよいよすもうがはじまった。
へえむは、はじめの大きな男をかた手でつき飛ばした。
つぎは、相手のマワシをとって持ちあげ、かるがると土俵の外へ運んだ。
村の人たちは大よろこび。
だれひとりへえむを負かすことができない。あたりが暗くなり、かがり火をたいて、
すもうはひとばんじゅうつづいた。とり終えたのは夜明けだった。
空には白い有明(ありあけ)の月があったので、それからは、「有明へえむ」とよばれるようになったんだとさ。

【原文転載:船橋の民話をきく会 『ふなばしむかしむかし』 P39-40(2020年)】

 村の人たちから頼られ、力持ちで相撲好きなへえむのお話は、この他にも「草かりへえむ」「力もちへえむ」などがあります。「へえむばなし」以外にも、船橋で語り継がれたたくさんのお話があるのでこの本を見つけたら是非、読んでみてください。

(令和4年9月28日投稿)

ふなばしむかしむかし(本表紙)
(『ふなばしむかしむかし』の表紙)

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