焼肉店における無煙ロースターの火災に注意!

更新日:平成29(2017)年8月4日(金曜日)

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焼肉店における無煙ロースターの火災を防ごう!!

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市内において平成26年8月と12月に焼肉店で無煙ロースターから出火する類似火災が2件発生しました。
この火災の調査結果から、無煙ロースターの防火ダンパーが作動しなかったことが判明しました。
無煙ロースターが起因する火災は、毎年発生していることから、これらの火災を予防するため、焼肉店の火災発生状況等を掲載します。

1 市内における平成17年~平成26年の焼肉店火災発生状況

市内における平成17年から平成26年までの焼肉店火災を見ますと、10年間で合計13件の火災が発生しており、無煙ロースターの火災が合計で11件と、年に1件の割合で発生している状況です。
また、全ての店舗で排気ダクト等の清掃が定期的に行われていないことが火災の発生や延焼拡大の要因となっており、平成26年には、温度ヒューズの取り付け不適による火災が2件発生しています。
 
平成17年~平成26年の焼肉店における火災発生状況
発生年 焼肉店の火災 無煙ロースターの火災
平成26年 2件 温度ヒューズ取付不適(清掃不良)2件
平成25年 2件 清掃不良 2件
平成24年 1件 清掃不良 1件
平成23年 0件         0件
平成22年 1件 清掃不良 1件
平成21年 2件 清掃不良 2件
平成20年 1件 清掃不良 1件
平成19年 1件 清掃不良 1件
平成18年 3件 清掃不良 1件
平成17年 0件         0件
合計     13件      11件

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2 出火原因

無煙ロースター火災は、排気ダクト等の清掃不良により内部に油塵が堆積し、火のついた肉片等が無煙ロースター内に吸い込まれ、堆積していた油塵に着火する場合が、大半を占めています。
その後、排気ダクト内へ延焼拡大する可能性が高く、その要因として下記のことが考えられます。
 ⑴ 防火ダンパー構成部品の取り付け不適による不作動  
torituke hubi2
(無煙ロースター下部の焼損状況)
   
・無煙ロースターの下部にある排気ダクトが燃えた状況です。
※防火ダンパーが作動しなかったため、排気ダクト内へ延焼拡大します。
※排気ダクト内は、清掃不良のため油塵が堆積しています。
※油塵の堆積等により防火ダンパーが作動しない場合もあります。 
 

 

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(「1」温度ヒューズスプリングの取付不適状況)

 
・左側「1」番は、スプリングの取り付け順序が間違っていたため、防火ダンパーが作動しませんでした。
※温度ヒューズの構成部品の取り付け順序を間違えると、防火ダンパーが正常に作動しません。
 
 

 

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(壁の内側にある排気ダクト等の焼損状況)


 
 
 
 
 

 ※壁(天井、床下)の内側に設置されている排気ダクト及びその周囲の木材等が燃え広がり、店舗が全焼してしまう場合もあります。
 

 

 

 

⑵ 防火ダンパー固定による同ダンパー不作動
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(防火ダンパー正常作動状況)

 

 

・防火ダンパーが正常に作動している状況です。
 

 

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(防火ダンパーのクリップ固定状況)
 
 


・防火ダンパーがクリップで留められている状況です。
・排気ダクトへ延焼して被害が拡大します。
 
※注意1 温度ヒューズ構成部品を取り付ける際は、取り付け順序に十分注意してください。
※注意2 防火ダンパーをクリップ等で固定しないようにしてください。
※注意3 排気ダクト等を定期的に清掃してください。 
 

3 再現実験状況

上記2⑴の火災について、再現実験を実施しました。
⑴ 防火ダンパー作動確認
防火ダンパーの温度ヒューズを正常に取り付け、無煙ロースターと排気ダクト側に強化ガラスを設けて内部の状況を小型カメラで観察するとともに、正面から赤外線カメラで温度変化を観察して、防火ダンパーの作動状況を確認しました。  
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(再現実験設定状況)


 
・無煙ロースター下部に設置したエタノールに着火、燃焼させ、掃除機により排気ダクト側へ吸気し、無煙ロースターの火災を再現しました。 
 


 
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(温度ヒューズ構成部品の正常設定状況)



 
 

・温度ヒューズの構成部品を正常に設置します。
・左側上からキャップ、ヒューズホルダー、右側がスプリング、ピン、温度ヒューズです。
・温度ヒューズの作動温度は132℃です。
 

 

   


 

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(温度ヒューズの設定状況)
 


・温度ヒューズのピンがキャップから上部へ突き出ており、防火ダンパーのレバーハンドルが固定されています。
 
  
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(小型カメラ、赤外線カメラ等撮影状況)


 

・左上が排気ダクト側小型カメラ、右上が無煙ロースター側小型カメラ、左下が赤外線カメラ、右下が正面のビデオカメラ画像を表示しています。 


 

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(防火ダンパー作動状況)

 

 ・実験開始から25秒後に排気ダクト内の温度が275℃に上昇して防火ダンパーが作動しました。
・温度上昇によって温度ヒューズが溶けてピンが下がり、防火ダンパーのレバーハンドルが解除されて防火ダンパーが作動した状況です。

 
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(温度ヒューズ:中央焼損品、右未使用品)


・左側の作動した温度ヒューズを右側の正常品と比較すると、焼損品は留め金が上にあります。
・スプリングの張力によって温度ヒューズ本体とピンが下がり防火ダンパーが作動します。
 

 



⑵防火ダンパーの取り付け不適による同ダンパーの不作動状況
温度ヒューズのスプリングとピンの位置を換えて実験し、防火ダンパーの作動状況を確認しました。 
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(温度ヒューズスプリングの取付不適の状況)








・温度ヒューズのスプリング位置を中央にし、火災現場で見られた設置状況を再現しました。
  
 

 
jikkenn husadou2
(赤外線カメラ等による不作動状況画像)




・実験開始から25秒後に排気ダクト内の温度が336℃に上昇しましたが、防火ダンパーは作動しません。
・実験開始から30秒後に排気ダクト内の温度が449℃に上昇し、防火ダンパーが作動しない状況が確認されたため実験を終了しました。
   
jikkenn husadou3
(防火ダンパー不作動状況)




・温度上昇によって温度ヒューズが溶けて温度ヒューズ本体が下に移動しますが、ホルダー側(下)と、ピン側(上)の両方向に対してスプリングの張力が変わらないためピンが下がらず、防火ダンパーのレバーハンドルが固定されたまま防火ダンパーが作動しない状態が確認されました。  

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(温度ヒューズピンの状況:設定不適)
 
 


・温度ヒューズが溶けて温度ヒューズ本体が下がりますが、スプリングがヒューズホルダー下部の金具で固定され、ピンが下がらない状態になります。




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(温度ヒューズピン作動状況:設置正常)



 ・温度ヒューズが正常に作動している状況です。
 ※ヒューズホルダー内にスプリングがないため、温度ヒューズが正常に作動してピンが下がります。





4 火災予防対策 
⑴無煙ロースターは、日常的に清掃を実施し、定期的に専門業者等に洗浄をお願いするなど、油脂類の付着や堆積を防ぎましょう。
⑵木材等の可燃物と接する排気ダクトは、不燃材料(厚さ5cm以上の金属以外の不燃材料)で被覆するか、ダクトと可燃性の部分との間隔を船橋市火災予防条例に定める距離(10cm)以上に保ってください。 

※無煙ロースターを設置する場合は、事前に消防局予防課へご相談ください。
※印刷される方は、下記PDFをご活用ください。

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消防局予防課

〒273-0011千葉県船橋市湊町2-6-10

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