吉澤野球博物館資料展示室スポーツ講演会「戦国千葉の高校野球~甲子園を目指して~」参加者からの質問への回答

更新日:令和6(2024)年10月9日(水曜日)

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吉澤野球博物館資料展示室講演会「戦国千葉の高校野球~甲子園を目指して~」

 令和6年9月8日に、企画展「君の推しはどこだ!~戦国千葉の甲子園~」に関連するイベントとして、船橋市立船橋高等学校の野球部 海上雄大監督をお招きし、自身のルーツと、部員数の多いなかでの指導についてなどお話頂きました。
 講演会では、質疑応答の時間を設けました。時間の関係もあり、すべての質問を取り上げられませんでしたが、講演会後日、海上監督に、講演会のなかで取り上げることのできなかった質問に答えて頂きました。
 質問とそれに対する回答を、紹介いたします。
 
※語尾などを読みやすいように統一する、同様の質問はまとめるなど、頂いた質問の内容を一部編集しています。あらかじめご了承ください。

質問:たくさんの生徒がいるとコーチもたくさん必要になると思います。コーチをどの
ようにして集めているのでしょうか。お答えできる範囲で教えてください。

回答:スタッフもチームですので、一番はお互いに信頼関係が築け、同じ方向に向いてくれて、
そして任せられている場所を責任をもって取り組んでくれるコーチを教員や市船OB、
また野球の繋がりでお願いしています。

質問:・夏から秋への新チームの切り替えは準備期間を含め難しいものがあると思いま
すが、どのような対応を意識・実践されていますか?
・部員数が100名を超える大所帯であるが故の選手の練習への取組み、レギュ
ラーの決定などの把握はどのようにされているのですか?

回答:・チームの戦力把握と性格把握に努めています。
・練習も、メンバー選考もコーチ陣の意見をできるだけ吸い上げて決めています。

質問:毎年100名以上の選手との関係を教えてください。

回答:学年が上がるごとに関わり合いが深くなっていくのは確かです。
下級生の時はコーチ陣がそれぞれ学校生活、グラウンドでの取り組み、性格、特徴など把握
してくれているので、その話をベースに、会話をしながら、大会に向けて意思疎通を強化し
ています。

質問:小さい頃の海上監督の映像あっという間で見逃したので見たいです(笑) 
新チーム、監督のもと成長出来ることに感謝します。

回答:ありがとうございます。応援よろしくお願いします。

質問:アプリを作成されたそうですが、アプリの仕様は指導者の方々で作成されたので
しょうか?

回答:船橋高等技術専門学校の先生方と、アプリを作ってくれた生徒の皆さんと一緒に、何度も
やり取りをしながら作成しました。

質問:卒業生の親です。市船の子たちは、一般的に気難しい年代でありながらも先生方
との信頼関係がしっかりできていて、反発するような子がいない印象です。
野球部の子たちも海上先生の言うことなら、間違いない、先生ならこう考えるだ
ろうという以心伝心が確立しているようにお見受けしています。
そのような関係性やチーム、校風はどのように創られて来たのでしょうか。

回答:市船の生徒たちは、明確かつ具体的な目標設定ができている生徒が多いのが強みです。
その中で専門性の高い顧問が、生徒の取り組みについて具体的にサポートをすることに
よって信頼関係が生まれるのだと思います。
また、顧問以外の先生たちも、一生懸命取り組んでいる生徒たちを応援してくれることが
多く、競技に取り組みやすい環境が市船の活躍を支えていると感じます。

質問:試合で流れが悪いとき、流れを変えるために何か対策などはありますか?

回答:状況によりますが、選手たちの表情を敏感に感じて、その時その時で対応を変えています。

質問:もしミスをしてしまった時に、その選手に対してはどのようにして接することを
心がけていますか。

回答:ミスの時期や内容によって異なりますが、ミスは選手が成長するチャンスだと思っていま
す。様々な伝え方で次のチャンスに向けてどう向き合うのかを伝えています。公式戦でも同
じです。

質問:新チームがすでに始動してると思いますが、今年のチームカラーはどういった
カラーになりますか?

回答:まだまだ、発展途上のチームですので心配しかありません。
しっかりと大会を勝ち上がりながら成長していきたいです。

質問:・現在の若者と接する上で一番心掛けていることはどんなことでしょうか?
・野球を通じて子供たちに、これからどのようなことを教えたいと思いますか?

回答:・昔も今も、部員たちは野球がうまくなりたいという部分は変わりません。
ただ指導する際のアプローチ方法は変化したと感じています。
・野球を通じて、これまでも、これからも自己理解と他己理解を深めてもらいたいです。

質問:10年前と今では"生徒の考え方"や世の中の運動部の指導に対する目も変わってき
たと思いますが、最近の生徒に接するうえで気をつけていることはありますか?

回答:言葉だけでなく、視覚的に、数値的になど様々な角度からアプローチをするようにしていま
す。

質問:・1アウト1、2塁でバッター4番。どの様にサインを出しますか? 
・バットが変わって今後の攻撃はどの様に変わりますか? 
・市船はスモールベースボール・力の打線どちらで戦いますか?
・学校のグラウンドは狭いと思いますがどのように使っていますか?

回答:・相手、点差、状況によります。
・1点の重みが変わりました。より大切に点数を取る必要があると感じています。
・その年の選手たちの技術力と性格によります。
・昔からグラウンドは工夫をすることでなんとかやりくりできています。

質問:・夏の大会は負けて終わりなので選手は、不安や緊張をすると思うのですがどう
声かけしていますか?
・監督は選手にどう思われているのがいいと思いますか?

回答:・不安や緊張を取り除くのは、その場面で、立ち戻れることができる練習をやってきた
かどうかだと思っています。よく試合の時はあの時の練習(具体的な)を思い出しな
がら話をすることが多いです。
・選手のモチベーターであり、困ったときの教科書であることが必要だと思っています。

質問:もう高校野球が終わってしまう選手たちへ先生はどのように声をかけ、向き合っ
たのかぜひ教えて頂きたいです。

回答:プレーは1つではなく様々なプレーの集合体が試合ですので、負けた選手たちにはこれまでの
成長の過程と、なぜここまで勝ち上がれるチームになったのか評価しました。

質問:今夏の決勝戦後のチームの雰囲気はいかがでしたか?

回答:負けた理由は、最後のプレーが原因ではなく、延長戦になるまでに自分たちがやるべきこと
ができなかったのが原因であったことを話しました。
3年生には、ここまでチームがまとまったことについて評価をし、下級生には敗戦の分析と評
価、そしてこれからの取り組みについて話しました。

質問:第106回千葉大会、準優勝おめでとう。敗因を教えて下さい。

回答:敗因は9回までに普段の力を発揮させられなかった監督の責任です。

質問:マネージャーは男子もいるのでしょうか

回答:2年前の甲子園大会では入学時からマネージャーを希望する男子生徒がいました。
今でも大学の野球部でマネージャーを続けています。
今年度も途中から選手からマネージャーを希望した部員がいます。

質問:甥っ子(小学六年生)が市船で野球をやりたいと言っています。
市船で活躍するには、中学で硬式野球に進んだ方がいいですか?

回答:硬式野球でも、軟式野球でもどちらでも大丈夫です。
とにかく、毎日少しでも野球に触れることができる環境が大切です

質問:都内の高校で、野球部(甲子園出場1回)に入っている息子(高校1年生)がいま
す。秋の大会でベンチ入りできず、本人もくやしがっていて努力しています。
指導者の立場から、このような状況で親として子供にどう接するべきか?
どうサポートすべきか?アドバイスを頂けると助かります。

回答:悔しいと思いますが、高校野球は大会の数と時期が決まっているので、冷静にチーム内での
立ち位置を分析し、どの大会に向けて体つくりや技術(強み)向上を取り組むのか。
短中期的な具体的目標を立てるのが良いと思います。
特に自宅から通っている選手は保護者の方々の「栄養面」でのサポートが非常に重要になり
ます。

質問:私の息子は中学で軟式野球を初めて高校では野球をやりませんでした。
理由を聞くと、「中学の野球部で怒られすぎた(監督から)」とのことでした。
怒らずに野球の楽しさを教えてほしかったのですが、怒らない指導というのは
難しいものでしょうか?

回答:私は指導するときに「なぜ?」を作らないことを心かけています。
なぜ指導されているのかを本人が理解してくれたら、表情が変わり、行動が変わり取り組み
が変わり、そして技術が付きま す。

質問:甲子園予選はシード校は有利ですか?
それともノーシードの方がむしろやりやすいですか?

回答:当然シード校のほうが戦いやすいです。
球場の割り当て、試合の開始時間など、特にAシードだと計算しやすい部分が多くなりま
す。

質問:現場の実感として、監督の力、選手のとり方、育成の仕方、教育方針など、
どんな点が他の地区と違うのか教えて下さい。

回答:どの地区にも私立強豪チームや一生懸命取り組む県立高校がたくさんあります。
本校も地区の先生方と切磋琢磨しながら強いチームを作っていきたいです。

質問:・平成以降、関東では千葉県のみ優勝から遠ざかっています。
戦国千葉の今後をどう思いますか?
・県内一の部員数でありますが、人数制限を考えてますか?

回答:・50年全国優勝が出ていないことを千葉県の高校野球に携わる指導者全体で考えていくべき
だと思います。
・人数制限は考えていません。
市船に希望して入学、入部をする選手達を大切にしたいです。

質問:市船野球部は甲子園出場を目指していますか?甲子園優勝を目指していますか?

回答:甲子園出場ではなく甲子園に出場して勝つことを目標にしています。

質問:甲子園の初戦の入り方は難かしいのでしょうか?

回答:甲子園大会の入りは非常に難しいです。
このお話だけで講援会の40分お話できるくらいです。

質問: 甲子園に出場するために一番必要だと思われることは何ですか。

回答:甲子園という場所は、一生懸命取り組んできたチームへの最高のご褒美だと選手たちには伝
えています。
そのご褒美を掴むために、野球の練習だけでなく、様々なことを一生懸命、「本気」で取り
組む集団になれるかどうか?が大切なことだと思って伝えています。

質問:・もし千葉大会で優勝していたら甲子園では一勝できたと思いますか?
・県立校が勝ち抜いていくのは難しいのでしょうか?何が必要なのでしょうか?
・指導する上で選手達に気をつけていることがあれば教えて下さい。

回答:・甲子園で勝ち上がることを目標にしていましたので、その準備はしていました。
・本校も私立の強豪校だけでなく、一生懸命指導している県立高校に勝つのは容易ではあり
ません。どこでもチャンスがあるのが野球というスポーツです。
・自己理解と他人を思いやる他己理解ができる人物になってもらえるよういつも話をしてい
ます。

質問:・毎年激戦になる千葉県大会ですが勝ち進むために特にポイントにしていること
はありますか?
・暑さ対策(練習時)はどのようなことを行っていますか?
・森本哲星選手とプロ野球生活などの話はしますか?

回答:・チーム全体で力を発揮するために、野球のプレーは当然ですが、野球以外の部分(学校生
活等)でしっかりと戦いに臨めるよう整えて準備をしています。
・熱さ対策は、栄養、水分補給などのタイミングを理解させること。
また自分の体と向き合って、早めに状況を伝えてもらえるようコミュニケーションをとれ
るようにしています。
・(森本選手からは)何かあれば報告をしてくれています。応援お願いします。

質問:・野球部員たちの進路指導はどのようなことをしていますか?
・ベンチ入りの決め方はどのようにしていますか? 
・2学年上の相馬監督(中央学院)との関係性は?

回答:・進学の場合は、高校での実績や技術力、また大学側が求める選手なのかなどのマッチン
グが大切です。今は地方リーグでも力のある大学は多いので、4年間一生懸命取り組め
る環境が大切だと考え進路指導をしています。
・夏の大会前は選手たちに投票などを実施しています。
最終的に決断するのは監督の仕事です。また、力のある下級生が入部してくることは、
野球部にとってプラスでしかありません。
・相馬監督とは様々な場面でコミュニケーションを取らせてもらっています。

質問:市船にゆかりのある現習志野高校小林先生と現中央学院高等学校相馬先生は
指導者としてはどんなタイプの方でしょうか?

回答:それぞれ素晴らしい野球観と人間力のある方々です。

質問:・私立の強豪校は、いわゆる野球留学で全国から引っぱって来ています。
メンバー20人のうち地元の生徒はいないか少なく、制限が必要と思います
がいかがでしょうか?
・甲子園や県決勝ぐらいはリクエストがあっても良いと思いますが見解をお
聞かせください。
・飛ばないバット対策はどんな事をしていますか?

回答:・野球留学という概念はありません。これだけの少子化の中で、子供たちが自ら選択し、
自分自身が野球を一生懸命取り組める環境に身を置く事が大切であり、それがどの場所
でも私は良いと思っています。それくらい今、野球をやる子供たちが減ってしまってい
る状況があり、地域に魅力ある学校がないのであれば、広い視野で見なければいけない
現実があります。
・リクエストについては全ての都道府県で条件が整うのであれば是非導入してほしいと
思っています。
・道具の変化には時間はかかりますが、指導者も選手も柔軟に対応していくと思います。

質問:・ビデオ判定、7回制と言う話がありますが、どう思いますか。
・毎年甲子園は暑くなるのになぜドームでは試合を考えないのだと思いますか?

回答:・是非現場の意見を取り入れながら議論してもらいたいです。
・高野連の役員や運営の方々は自分のお仕事やチームがある中で、これだけの大きな大会
を安全に運営するためにいつも考えてくれています。時期、開催場所など簡単に変えら
れるものではないので、現場としてはそれに対応する対策を生徒と一緒に準備します。

質問:真夏の大会を継続することの是非をお聞かせください。

回答:選手たちは真夏でも1試合であれば十分対応できる体力を3年間かけて身に着けています。
それよりも観戦に来られている方々や、応援団の方々の体調をいつも心配しています。
応援の際には十分気を付けていただけたらと思います。

質問:・地方大会に行ける連合チームの在り方をどう思われますか?
・全国大会のベンチ入りは負担軽減を考え25人にしてはと思いますがどう考え
られますか?

回答:・連合チームでも、レンタルでも、とにかく一生懸命野球をやっている選手たちに多くの
チャンス、機会を与えることが必要だと思っています。
・甲子園の25人制は賛成です。20人と25人とでは選手起用の考え方が全く変わります。

質問: 少年野球人口減少に歯止めをかける為には何が大切と考えていらっしゃいますか?

回答:野球界が一つになることが重要だと考えています。

⚾講演会へのご参加およびたくさんのご質問をありがとうございました!
これからも、船橋市立船橋高等学校および吉澤野球博物館資料展示室を
よろしくお願いいたします⚾

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