下水処理場における高度処理について

更新日:令和5(2023)年1月16日(月曜日)

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 標準的な下水処理の方法では、処理水に窒素やりんが残っています。窒素やりんは植物プランクトンなどにとって栄養となるものですが、栄養が多くなりすぎると生態系のバランスがくずれ、赤潮や青潮の発生など生物に悪影響を与えてしまいます。
 水の出入りが少ない東京湾では特に大きな問題となっているため、処理水から窒素やりんも取り除く必要があります。

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 赤潮が発生した東京湾(船橋排水機場)

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 青潮が発生した東京湾(船橋排水機場)

高度処理で自然豊かな東京湾に

 船橋市には西浦と高瀬に二つの下水処理場がありますが、どちらの下水処理場も、処理水から窒素やりんを取り除く下水処理の方法を採用しています。この方法を「高度処理」といいます。

高瀬下水処理場における高度処理

 高瀬下水処理場では、嫌気無酸素好気法(A2O法)という高度処理の方法を採用しています。
A2O
  嫌気無酸素好気法の仕組み
  (クリックで拡大します)
 
 嫌気無酸素好気法は、水処理の反応槽を嫌気槽、無酸素槽、好気槽の順に配置し、好気槽の硝化混合液の一部を無酸素槽へ循環する処理方式です。嫌気槽、無酸素槽では攪拌を行い、好気槽では曝気を行います。

嫌気槽 :槽中に酸素分子も硝酸もない状態
無酸素槽:槽中に酸素分子はないが、硝酸として酸素原子は存在する状態
好気槽 :曝気によって豊富に酸素分子がある状態
 
(1)反応槽での窒素の除去について
 下水中の窒素の殆どはアンモニアの形で存在します。アンモニアは好気槽の硝化細菌により硝酸に変わります。この硝酸が循環水として無酸素槽へ送られます。
 次に硝酸は、無酸素槽の脱窒菌により窒素となり、水中から大気解放されます。
 

(2)反応槽でのりんの除去について
 脱りん菌は、嫌気槽において酸素が少ない状態のとき体内のりんをりん酸として吐出します。その後、好気槽において酸素が豊富にあると活発に活動し、吐出した量以上のりん酸を取込みます。
 体内にりんを蓄えた状態の微生物は、最終沈殿池で余剰汚泥として下水中から処理されます。

西浦下水処理場における高度処理

 西浦下水処理場では、水処理A系列をステップ流入多段式硝化脱窒法、B系1系列を消化脱窒型嫌気無酸素好気活性汚泥法(段階的高度処理)、B系2-3系列を循環式硝化脱窒法(どちらも包括固定化担体併用、かつ凝集剤併用型)という高度処理の方法を採用しています。
 
 

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下水道施設課

〒273-0014千葉県船橋市高瀬町56番地(高瀬下水処理場内)

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