船橋市地域ケア会議
1.地域ケア会議とは?
高齢になっても、できる限り住み慣れた地域で自分らしく安心して暮らし続けられるまちづくり(地域包括ケアシステムの実現)に向けた一つの手法として、高齢者個人に対する支援の充実とそれを支える社会基盤の整備(地域づくり)を同時に図っていくことを目的とした会議です。
本市では、市内24地区コミュニティ全てに地域ケア会議を設置しています。
2.船橋市地域ケア会議の構成
本市の地域ケア会議は、(1)主に地域づくりの推進について検討を行う 「全体会議」、(2)支援が必要な高齢者等の有効な支援策の検討を行う 「個別ケア会議」、(3)個別事例を通じたケアマネジメント支援を行う「自立支援ケアマネジメント検討会議」の3種類の会議から構成されています。
全体会議について
■出席者(どのような人が出席するのか)
次の(1)~(6)の構成員は必ず参画しています。また、「(7)その他必要と認めた者」については、地域の実情を踏まえ、全体会議の中で話し合って決めています。
区分 | 構成員 |
地域関係者 | (1)町会・自治会会員、(2)地区社会福祉協議会会員、(3)民生委員 |
専門職 | (4)医療関係者、(5)地区担当保健師、(6)介護サービス事業関係者 |
その他 | (7)その他必要と認めた者(弁護士、司法書士、商店会会長 など) |
■内容(どのようなことを話し合っているのか)
全体会議では、基本的に「この地区の高齢者の支援体制の充実を図っていくためには、どのような環境を整備していけばよいか?」という視点で話し合いを行っています。
・「個別ケア会議」の開催報告 ・「個別ケア会議」に関する情報交換やアドバイス ・「個別ケア会議」の実績や構成員の活動などから見えてくる地域課題の共有 ・課題を解決するために必要な取り組みの役割分担 ・地域ケア会議として開催する講演会や認知症高齢者徘徊模擬訓練などの話し合い など |
個別ケア会議について
■ 出席者(どのような人が出席するのか)
対象となる高齢者を取り巻く直接の関係者に出席してもらいます。
なお、個別ケア会議には、原則として担当民生委員の方には必ず出席していただいています。民生委員は、その職務として地域の高齢者の生活実態を把握し、支援対象者の情報を含めた地域の情報を多く保有していることや、個別ケア会議後の見守りにも必要不可欠な存在であることなどがその理由です。
また、ケースによっては、本人や家族の出席が困難な場合などもありますので、本人・家族の出席はケースバイケースで判断します。
本人、家族、民生委員、町会長、近隣住民、 担当ケアマネジャー、介護サービス事業関係者、主治医 など |
■ 内容(どのようなことを話し合っているのか)
基本的には、まずは会議出席者それぞれが保有する情報を共有することから始まります。その後それらの情報を整理し、ケースの問題点・課題を抽出します。抽出された問題点等に対する有効な支援策を検討し、最終的には会議出席者それぞれが出来る範囲での役割分担(誰が、いつ、何をするか)を行います。会議開催後は、支援者それぞれが決められた役割を担いながら、事務局に適宜報告し、情報を集約しつつ支援していきます。
■ 視点(どのようなケースを取り扱うのか)
個別ケア会議で取り扱うものには、様々なケースが考えられますが、一つの視点としては、「地域関係者」と「専門職」の“協働”であり、それぞれが一体となって、対象者の有効な支援方法を検討し対応していくということにあります。
例としては次のようなケースが挙げられます。(この4ケースに限るものではありません。)
・ひとり暮らしで認知症が進行し、生活に支障がでている。 ・介護サービスや他者の支援を拒否している。 ・支援がばらばらで情報の共有が不十分である。 ・怒鳴り声が聞こえるなど、虐待につながる可能性がある。 など |
■ 効果(どのような効果があるのか)
ひとりの対象者に対して、「専門職」と「地域関係者」それぞれの視点から情報を共有し整理することによって、今まで知らなかった、気づかなかったことや問題点が明らかになり、ケースの全体像が立体的に浮かび上がってきます。その上で対応策を検討していくことによって、よりケースの実態に即した支援につなげることができます。また、これまで各支援者がばらばらに動いていた状況から、方向性を決め、役割分担をすることによって、効率的な支援につながり、各支援者の負担が軽減されることも期待されます。
自立支援ケアマネジメント検討会議について
■ 出席者(どのような人が出席するのか)
リハビリ職や薬剤師、看護師等の専門職が参加、協働し、ケアマネジャーへの支援を通じて、本人・家族が住み慣れた地域で自立への意識を持ち、自ら望む暮らしをいつまでも続けられるよう、介護予防ケアマネジメントの自立支援強化を図るものです。
担当ケアマネジャー、サービス提供事業者、 理学療法士、作業療法士、薬剤師、看護師、主任介護支援専門員、生活支援コーディネーター、 言語聴覚士、歯科衛生士、管理栄養士 |
■ 内容(どのようなことを話し合っているのか)
地域の多様な専門職等が協働し、ケアマネジャーへの支援を通じて、高齢者が住み慣れた地域で自ら望む暮らしをいつまでも続けられるよう、利用者本人の能力を最大限に引き出し、地域資源を活用しながら自立支援及び生活の質(QOL)の向上につなげることを目的とした会議です。
■ 視点(どのようなケースを取り扱うのか)
地域の多様な専門職等が協働し、ケアマネジャーへの支援を通じて、高齢者が住み慣れた地域で自ら望む暮らしをいつまでも続けられるよう、利用者本人の能力を最大限に引き出し、地域資源を活用しながら自立支援及び生活の質(QOL)の向上につなげることを目的としています。
事例については、ケアマネジャーが作成するケアプランのうち、要支援1・2及び事業対象者の事例を対象とします。
例)(1) 新規ケアプラン(計画作成後でも可)
(2) 更新ケアプラン
(更新時に目標やケアプランの内容に変化がない事例や目標が達成できない事例等)
・疲れやすい、外出していない。 ・何をするにも億劫になってきた。 ・家の中や外で転んだ、転びそうになった。 ・食欲が落ちた、体重が減ってきた。 など |
■ 効果(どのような効果があるのか)
同会議では、以下の効果を期待しています。
(1) ケアプラン対象者の自立支援・QOLの向上
利用者本人の能力を最大限に引き出し、本人の望む自立した生活上の課題に対する解決及びQOLの向上を目指す。利用 者の生活の視点において「生活モデル」に着眼した議論を実施していく。
(2) ケアマネジャーのケアマネジメント力の向上
多職種からの専門的な助言を得ることで、幅広い専門的な視点を持つ能力を向上させることにより、高齢者の自立支援に資するケアマネジメント力を高める。
(3) 地域課題等の把握
個別ケースの検討を積み重ねることにより、地域に必要な社会資源や地域課題を把握する。
3.船橋市地域ケア会議に関するよくある疑問
[疑問1]個人情報は大丈夫?
地域ケア会議の出席者は、介護保険法第115条の48第5項の規定により守秘義務が課せられるため、会議で話し合われたことが外部に漏れることはありません。
[疑問2]個別ケア会議とサービス担当者会議とは何が違うの?
サービス担当者会議は、ケアマネジャーの主催によりケアマネジメントの一環として開催いたします。利用者がそのニーズに応じたサービスを適切に活用できるように、サービス担当者が出席し、具体的サービスの内容の検討及び調整を図るものです。
一方、個別ケア会議は、地域包括支援センター・在宅介護支援センターの主催により包括的支援事業の一環として開催いたします。検討するケースのサービス担当者に限らず、対象者に直接関係のある専門職と地域関係者が出席し、それぞれの視点から対象者の生活課題の解決に向けた検討がなされます。検討されるケースも要支援や要介護高齢者に限定されません。また、本人や家族が参加することもあれば、されない場合もあります。
個別ケア会議 | 項目 | サービス担当者会議 |
地域包括支援センター等 | 開催主体 | ケアマネジャー(契約が前提) |
対象者の実態に即した有効な支援方策 の検討、個別課題の解決 |
目 的 | 利用者の状況等に関する情報共有 サービス内容の検討及び調整など |
支援対象者に直接関係のある者 対象者本人、家族、民生委員、町会長、 近隣住民、担当ケアマネジャー、介護 サービス事業担当者、主治医など |
参加者 | ケアプラン原案に位置づけたサービス の担当者、主治医、インフォーマルサ ービスの提供者、本人・家族など |
・情報の共有、整理 ・問題点の抽出 ・支援方策の検討 ・役割分担 |
内 容 | ・サービス利用者の状況等に関する情 報の担当者との共有 ・当該ケアプラン原案の内容に関する 専門的見地からの意見聴取 |
[疑問3]個別ケア会議と自立支援ケアマネジメント検討会議は何が違うの?
自立支援ケアマネジメント検討会議は、地域の多様な専門職が協働し、ケアマネジャーへの支援を通じて、高齢者が住み慣れた地域で自ら望む暮らしをいつまでも続けられるよう、利用者本人の能力を最大限に引き出し、地域資源を活用しながら自立支援及び生活の質(QOL)の向上につなげることを目的としています。
個別ケア会議 | 項目 | 自立支援ケアマネジメント検討会議 |
必要に応じて随時開催 | 開催頻度 | 月2回(水曜日)の開催 |
対象者の実態に即した有効な支援方策 の検討、個別課題の解決 |
目 的 | ・ケアプラン対象者の 自立支援・生活の質の向上 ・ケアマネジャーの ケアマネジメント力の向上 ・地域課題の把握 |
支援対象者に直接関係のある者 対象者本人、家族、民生委員 町会長、近隣住民 担当ケアマネジャー 介護サービス事業担当者、主治医など |
参加者 | 【事例担当者】 担当ケアマネジャー、サービス提供事業者 【助言者】 理学療法士、作業療法士、薬剤師 看護師、主任介護支援専門員 言語聴覚士、管理栄養士、歯科衛生士 生活支援コーディネーター |
・情報の共有、整理 ・問題点の抽出 ・支援方策の検討 ・役割分担 |
内 容 | 要支援1、2、事業対象者のケアプランについて、利用者本人の能力を最大限に引き出し、地域資源を活用しながら自立支援及び及び生活の質の向上につなげるために、助言者から担当ケアマネジャーに対して、利用者の生活障がいの原因や今後の自立支援に資するポイントを助言する。 |
[疑問4]個別ケア会議ではケアプランのチェックを行うの?
個別ケア会議は、ケアプランの妥当性をチェックすることを目的に開催するものではありません。個別ケア会議は、あくまで対象者への有効な支援につなげることを目的としています。ケアマネジャーがついているケースの場合は、ケアマネジャーが有するネットワークでは補いきれない地域との連携が必要である場合に、ケアマネジメント支援の観点から開催するものです。
[疑問5]個別ケア会議を開催して欲しい場合はどうすればよいの?(どこに相談すればよいの?)
まずは、地域包括支援センター又は在宅介護支援センターにご連絡ください。
ケースの状況に応じて開催の判断をさせていただきます。
4.参考資料
(1)実効ある地域ケア会議とするために【第3版】(平成27年3月)
船橋市が目指す地域ケア会議の位置づけや考え方等をまとめた冊子
(2)船橋市地域ケア会議事例集(平成29年11月)
船橋市地域ケア会議の具体的な取り組みをまとめた事例集
(3)船橋市自立支援型介護予防ケアマネジメント 実施マニュアル【第4版】(令和5年4月)
船橋市自立支援型介護予防ケアマネジメント事業におけるマニュアル
(4)自立支援ケアマネジメント検討会議 ~多職種で共に自立支援を考えてみませんか~
自立支援ケアマネジメント検討会議の概要をまとめたチラシ
(5)リハビリ専門職との同行訪問事業
~身体機能等の協働アセスメントの機会として同行訪問事業を活用してみませんか~
リハビリテーション専門職等による同行訪問事業についての概要をまとめたチラシ
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