ノロウイルスによる感染性胃腸炎に注意

更新日:令和5(2023)年5月23日(火曜日)

ページID:P004594

ノロウイルスとは?

 ノロウイルスは酸に強く、胃を通過して小腸で増殖します。10~100個程度の少ないウイルス量でも摂取すると発病する可能性があります。ノロウイルスについてはワクチンがなく、治療は輸液などの対症療法に限られます。また、免疫の持続は短期間であり、ノロウイルスには数十種類の血清型があるといわれていますので、繰り返し感染する可能性があります。

感染経路について

 主な感染様式として、次のことが考えられています。

  • 汚染された二枚貝を、生あるいは十分に加熱しないで食べた場合
  • 患者の糞便や吐物から人の手などを介して二次感染した場合
  • 食品取扱者が感染していて、その人を介して汚染した食品などを摂取した場合
  • ヒト同士の接触する機会の多いところで、ヒトからヒトへ直接感染する場合

 また、空気感染(塵埃感染)と考えられる事例も起きています。特に、患者の糞便や吐物の処理には注意が必要です。

こんなことに気を付けましょう

  • 調理や食事の前、トイレの後などには、よく手を洗いましょう 。
  • 下痢や嘔吐などの症状がある方は、食品を直接取り扱う作業はしないようにしましょう 。
  • 胃腸炎患者に接する方は、患者の糞便や吐物を適切に処理し、感染を広げないようにしましょう 。
  • 加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱して食べましょう(中心温度85℃以上、1分間以上加熱)。

 なお、ノロウイルスは症状がなくなった後も、2~3週間、患者の糞便に排泄されるため、症状がなくなった後も二次感染予防が必要です。症状が収まっても、トイレの後の手洗いをしっかり行う、入浴は最後にするなど注意してください。

吐物等の具体的な処理・消毒のポイント

 患者の糞便や吐物の不適切な処理は感染を広げます。信頼できる消毒剤を使用し、確実な作業を行いましょう。

  • 使い捨てのビニール手袋・マスク・エプロンを着用し、処理が終わったら外して、石けんで手をよく洗いましょう 。
  • ノロウイルスの消毒には、塩素系漂白剤、または熱消毒が有効です。
  • 消毒作業中は換気に注意しましょう 。
  • 塩素系漂白剤は加熱しないでください。また、他の薬品類と混ぜないでください。「使用上の注意」をよく読みましょう 。
  • ペットボトルで塩素系漂白剤希釈液を作った場合(後述「消毒液の作り方」)、原則1週間以内に使い切ることとし、ペットボトルに入れたまま長期間保管しないようにしましょう。また、誤飲・誤用を防止する注意書きと消毒剤の種別、作成日を明記しておきましょう。

学校・病院・社会福祉施設等の関係者の皆様へ

集団発生に注意しましょう

 ノロウイルスによる感染性胃腸炎や食中毒は、一年を通して発生していますが、特に冬季に流行します。学校、病院、社会福祉施設など集団生活が営まれている施設で発生した場合、集団感染になることがあるので、特に注意が必要です。健康な方は軽症で回復しますが、子どもやお年寄りなどでは重症化したり、吐物を誤って気道に詰まらせて死亡したりすることがあります。ノロウイルスに感染すると、1~3日程度の潜伏期間を経て、吐気や嘔吐、腹痛、下痢が1~3日続きます。発熱を伴うこともありますが軽度です。感染しても発症しない場合や軽い風邪のような症状のこともあります。
 船橋市では、船橋市感染性胃腸炎発生時対応マニュアルを作成しております。下記よりダウンロードできますので、参照のうえ迅速かつ確実な感染防止策を実践してください。

 集団感染が発生した場合は、船橋市ホームページ「感染症集団発生時の対応と報告について」を参照し、必要時報告を行ってください。

消毒液の作り方

ア:1000ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液の作り方

  1. 2Lのペットボトルに水を半分入れる。
  2. 塩素系漂白剤(濃度5~6%)を、ペットボトルのキャップ8杯(40ml以上)加え、よくまぜる。
  3. さらに水を入れ2Lにし、よくまぜる。

イ:200ppm次亜塩素酸ナトリウム溶液の作り方

  1. 2Lのペットボトルに水を半分入れる。
  2. 塩素系漂白剤(濃度5~6%)を、ペットボトルのキャップ2杯(10ml以上)加え、よくまぜる。
  3. さらに水を入れ2Lにし、よくまぜる。

嘔吐物で汚れた床の消毒

  1. の消毒液で浸した使い捨て布やペーパーで嘔吐物を覆い、外側から内側へ拭き取り面をたたみながら静かに拭き取る。
  2. 使用した布などは袋に入れ、アの消毒液で浸し、消毒・密閉し破棄する。
  3. 嘔吐物が付着していたフローリング、畳等はアの消毒液で拭く。10分程度したら水拭きする。また塩素系漂白剤の使えない、絨毯・布団等は、スチームアイロンの蒸気を使用し、十分に加熱消毒をする。

トイレ周辺の消毒

 人が手を触れた可能性のあるところ(ドアノブ、蛇口、水洗レバー、便器等)をの消毒液で拭く。10分程度したら水拭きする。

糞便や嘔吐物で汚れた衣服などの消毒

 汚物を取り除き、の消毒液に10分以上浸けこむ。その後他の洗濯物と分けて洗う。ただし、塩素系漂白剤を使用するため、色落ちする恐れがありますのでご注意ください。

嘔吐物処理方法の動画を作成しました

 高齢者施設や保育所などで利用者が突然嘔吐した場合に、施設内に感染を拡大させないよう適切な方法で、迅速に確実に処理を行うことが必要です。そのためには、日頃からの備えが大切です。
 この動画は施設での対応を考える際の参考となるように作成したものです。施設での職員への研修や教育に御活用ください。
youtu.be/d8qV1AVtflc

ファイルダウンロード

関連するその他の記事

このページについてのご意見・お問い合わせ

保健所健康危機対策課 結核感染症係

〒273-8506千葉県船橋市北本町1-16-55

受付時間:午前9時から午後5時まで 休業日:土曜日・日曜日・祝休日・12月29日から1月3日